※CAUTION! このSSには、多分な「おふざけ・パロディ・ブラックジョーク」が含まれております。 嫌な予感のした人は、速やかに回れ右して撤退してください。 あと、時間軸的な解釈を投げ捨てたパラレルな設定となっております。 登場キャラが全員顔見知りでかつ普通に接していますが、深く気にしない様にしてください。 夏休み特別変「今時、昆虫採集って言うのもどうかと思う」晶「夏休みの宿題やろうぜ! と、おもむろに親友を誘ってみたりなんかしちゃって!!」フラン「なんかしちゃってー!」レミリア「ふっ、光栄に思え」アリス「……貴方達、そろそろそのワンパターンっぷりを何とかしなさいよ。何が起こってるのか数秒で分かったわよ」レミリア「ほほぉ、貴様に我々の深淵な考えが理解出来るとでも?」アリス「少なくともそこの馬鹿は、メディスン誘うついでに私を保護者兼ツッコミ役として確保する事しか考えてないわね」晶「てへぺろ☆」レミリア「貴様の目は節穴か? 貴様が出張らずとも、ここに保護者が居るでは無いか」アリス「……麦わら帽子被って虫カゴのヒモを肩に引っ掛けている、今の貴女のどこらへんが保護者なのよ」晶「レミリアさんは、フランちゃんの宿題に付き合ってくれてるんです。そういう設定なんです」フラン「私がどうしてもってお願いして、お姉さまに来てもらったんだよ。そういう事になってるの」アリス「……そう、良かったわね」メディスン「ねぇねぇ、ところで夏休みの宿題って何?」晶「外の世界の寺子屋での風習です。長期休暇で学んだ事が鈍ってしまわないよう、簡単な課題を生徒達に出しておくのですよ」フラン「夏は特に長いから、いっぱい宿題が出るんだって!」アリス「そもそも、フランやメディスンは寺子屋に通ってる時の方が珍しいのだけど?」晶「細かい事は良いんだよ! 要するに、アレコレ理由をつけて遊ぼうってだけの試みなんですから!!」アリス「ふーん……」レミリア「くく、構わんではないか。こうやって他愛のない遊びに興じるのもまた一興だろう」メディスン「えー? ものすっごい楽しそふごふご」晶「食いねぇ食いねぇ、お土産のサンドイッチ食いねぇ」アリス「……はぁ、色々と納得したわ。そう言う事なら付き合ってあげる」晶「だからアリスって大好き!」メディスン「わーい! フランちゃんと宿題だぁー!! ――で、宿題って何をするの?」レミリア「昆虫採集だそうだ。虫を捕まえる程度の事で何を学ぶのか、理解に苦しむな」アリス「昆虫採集ねぇ……そもそも魔法の森じゃ、ロクな虫が居ないと思うけど」晶「そこは大丈夫。プロに頼んだから」アリス「プロ?」早苗「晶君に誘われまして、私ここに参上! 守矢の風祝早苗です!!」てゐ「かなり嫌だけど、来ないと色々けしかけると言われたので渋々参戦しまーす。てゐちゃんでーす」アリス「……確かにプロね。昆虫採集じゃなくて、人の運勢に関わるプロだけど」晶「運命を操るレミリアさんも居るし、何も起きないって事は無いでしょう。ふっふっふ」てゐ「むしろ、集めすぎて余計な事件が起こる気がするよ。てゐちゃん帰っていい?」晶「フランちゃんメディスーン! てゐが放置されて寂しがってるよー!!」フラン「あ、ゴメンねてゐ! 一緒に遊ぼ!!」メディスン「ほらほら、こっちに来て!」てゐ「わーいありがとちくしょー、後で覚えておけよー」フラン「ほら、お姉様も!」レミリア「ふふん、良かろう。この私が昆虫採集の手本を見せてやろうではないか」晶「いやぁ、実にほのぼのとしてますなー」早苗「そうですねー。ところで晶君」晶「なに?」早苗「私、出来れば昆虫とか触りたくないんですけど。どうしましょうか?」アリス「アンタは何しにここへ来たのよ」早苗「仲間ハズレにして欲しくなかったんですよ……」晶「まぁ、早苗ちゃんはマスコットのつもりで呼び出したので、後ろの方で僕と一緒に大人しくして頂くだけで構いませんよ?」アリス「そっちの馬鹿も、なに平然と不参加を表明してるのよ」晶「だってさ、黒光りするアレっぽい虫が居るかもしれないし……」アリス「それで昆虫採集をやろうと思った、その胆力だけは褒めてあげるわ」晶「ありがとう!!!」早苗「おめでとうございます、晶君!」アリス「……前の一団に混ざった方が、まだ楽な気がしてきたわね」 ~少女達移動中~レミリア「ふふ、目指すは昆虫の王者カブト虫だ! 者共、この私に続け!!」フラン「はーい!」メディスン「わーい!」てゐ「……こんな真昼間にカブト虫って」レミリア「何か言ったか?」てゐ「なんでもありません、わーい」晶「しかし、何でカブトが王様でクワガタがそのライバル的な地位に収まってるんだろう。条件は五分だと思うんだけど……」アリス「どうでも良いわよ」早苗「多分、クワガタの種類が多いからじゃないですかね。色んなのが居るクワガタは団体さんっぽいですけど、カブト虫はほぼ一種類ですから」晶「あー、分かる分かる。キャラとしては同一人物だけど、人気投票とかだと別枠扱いになっちゃって人気が分散。みたいな感じね」アリス「何を言ってるかは分からないけど、確実に違うと思うわよ」レミリア「おいコラ、そこの傍観者共! 呑気にどうでもいい事を語る前に協力しろ!!」早苗「協力はしてますよ! 私、皆さんに奇跡が起こるよう遠くから見守ってるんです!!」レミリア「ふむ……それならまぁ良いか、では他の二人!」晶「僕が本気出すと「眠ってるカブト虫を掘り起こす乱獲ツアー」になるけど、それで良いのなら」レミリア「……そうなのか?」晶「やろうと思えば出来るっぽいよ。ちょっと疲れるけど……カブト虫の特徴を掴んだら、後はうろつくだけで何とかなるだろうし」アリス「最近の貴方、能力が本気でバケモノじみててキモい」晶「ははは、僕もそう思う」レミリア「それはつまらんな。かと言って、手を抜いた状態で手伝われても癪だし……仕方ない、人形遣いだけでも手伝え」晶「それはダメです」早苗「そうです、勘弁してください!」アリス「何でアンタらが止めるのよ」晶「アリスが居なくなったら、僕等のボケを突っ込んでくれる人がいなくなるじゃん!」早苗「そうです! アリスさんは、幻想郷では貴重なまとめ役ポジションなんです!! 絶対に放しませんよ!」アリス「分かった協力するわ、喜んで探そうじゃないのカブト虫」晶「あっれぇー?」早苗「アリスさん酷いです……」アリス「今の流れで自分より私の方が酷いと思えるアンタらと友達やってる自分は、実は凄く良いヤツなんじゃないかと思えてきたわ」てゐ「何を今更」メディスン「アリスはすっごい良い人だよ!!」フラン「アリスさんは、良い人過ぎて色々と損してると思うの」アリス「……おかしいわ。私は冷徹な都会派魔法使いで売ってるはずだったのに」晶「都会派魔法使い(大爆笑)」アリス「ほーら、たかいたかーい」上海「ネックハンギングツリーダヨー」晶「おぐぐぐぐ……」てゐ「はいはい、良いからとっとと虫探しに行きましょうや」メディスン「どうせなら競争しようよ! 一番凄い虫を捕まえてきた人の勝ち!!」レミリア「ふふん、良かろう。このレミリア・スカーレットが虫取りにおいても最も優れていると、ここで証明してやろうでは無いか!」フラン「え? ……ど、どうしようお兄ちゃん」晶「げほげほ……どうと言われても、レミリアさんの運命力に期待します。としか言いようがありませんよ」フラン「だ、大丈夫かな。お姉様、何も獲れなくて拗ねて閉じこもっちゃったりしないかな」晶「(実の妹からもこの扱い。レミリアさんは本当に愛されてるなぁ――と言う事にしておこう)」フラン「ねぇ、お兄ちゃん。お姉様のフォローをお願いしても良いかな」晶「出来る限り頑張ろうと努力できたら良いなぁと思う次第です」フラン「ありがとう、よろしくね!」てゐ「ねぇ通訳、悪魔の妹は晶の玉虫色の解答をどう解釈したの?」アリス「まんまよ。失敗するかもしれないけど、こちらで可能な限り手助けしますって事でしょ」てゐ「いや、まんまって……メディちん理解できた?」メディスン「断言しないのが晶らしいよねー」早苗「そこが晶君の良い所です!」てゐ「うっわ、何このアウェー感。理解力高すぎだろコイツら」レミリア「む? 何を話しているのだお前達は」晶「何でもないっす。ではでは皆さんレッツラゴー!」 ~少女達散開中~レミリア「で、何故貴様は私についてくるのだ」晶「今回の僕は基本的にお荷物なので、邪魔をしても平気そうな人についてきました」レミリア「くくく、なるほどハンデと言うワケか。そう言う事なら存分に邪魔すると良いさ」晶「レミリアさんのそう言う大らかな所には、毎度毎度救われてます」レミリア「ふっ、褒めても何も出ないぞ」晶「(さて、手助けするとは言ったものの、僕も昆虫採集に有利なスキルを持ってるワケじゃ無いんだよねー)」晶「(第三の目で見つけるにしても、それをレミリアさんに上手く伝える方法が無いからなぁ……)」晶「(む、待てよ。今ちらっと閃きのようなモノが)」レミリア「ふむ、早速見つけたようだな」晶「えっ、いきなり?」レミリア「静かにしろ。ほら、あそこに居るヤツだ」リグル「ふんふーん」晶「」レミリア「呑気なヤツめ、これならば一瞬でカタがつきそうだな」晶「待った。お願いだから、色んな意味で自重してくださいレミリアさん」レミリア「なんだ? 虫妖怪はダメと言うルールは無かったはずだが」晶「確かにそういう指定は無かったですけどね。そもそも彼女は、フランちゃんのお友達ですよ?」レミリア「な、なに!?」晶「以前に一緒に屋台で働いてましたやん。と言うか、それからもちょくちょく紅魔館に遊びに来てますよ?」レミリア「うむ――正直楽しそうなフランしか見てなかった」晶「わぁ、自分に正直な人だぁ」レミリア「では仕方ない、他の虫妖怪を探すか」晶「そっちの路線は変えないんですね。……普通のカブト虫の方が、フランちゃん喜ぶと思いますよ?」レミリア「つまり、普通のカブト虫よりも大きい虫妖怪を捕まえればもっと喜ぶと言う事だな!」晶「……これが、大きい事は良い事だって発想する人の思考回路か」レミリア「良し行くぞ! ついてこい!!」晶「はーい。……大丈夫かなぁ」レミリア「ところで晶、何故明後日の方向を見ながら喋っているのだ。こっちを見て話せ」晶「すいません、あの子が見えなくなるまで待ってくれませんか」 ~少女ダメでした~レミリア「ええい、どういう事だ! 虫妖怪どころか妖精一匹いないでは無いか!」晶「あのー、レミリアさん。一つ気付いた事が」レミリア「なんだ!」晶「なんかさっきから妖精も妖怪も、凄い勢いでこっちから逃げてるんですが」レミリア「なっ、どういう事だ!?」晶「んー、一定の距離を保ってる妖精? が居るから、それが全体に僕等の動向を伝えているのかも」レミリア「な、何故だ……」晶「ぶっちゃけ、レミリアさんの知名度のせいだと思います。何しろスカーレットデビルなんて二つ名もあるくらいだし」レミリア「それを言うなら貴様とて、ヒューマンディザスターと言う二つ名を持っているだろうが」晶「……つまり、逃げられる要素は十二分にあるワケですよ」レミリア「うむむむむ、有名過ぎるのも考えものだな。どうしたものか」晶「素直にカブト虫を探すべきだと進言します。変に魔法の森の妖怪達を怯えさすのもアレですし」レミリア「しかし、今から探して間に合うのか?」晶「(それだよなぁ。一応、幾つか当たりは付けておいたけど、レミリアさんのプライドを刺激しない感じに教えるには――そうだ!)」晶「仕方ありませんね。ここは僕が、とっておきの情報を教えて上げましょう」レミリア「……貴様の魔眼で見つけたカブト虫の場所なら聞かんぞ」晶「いえいえ、どちらかというと噂の類なんですけどね。カブト虫の居る樹木の付近には、ちょっと変わった植物が生えているそうなんですよ」レミリア「ある植物だと?」晶「ちょっと待ってくださいね。えーっと……あ、あった! これですよコレコレ」レミリア「ふむ、妙な巻き付き方をした蔓だな。こんな形は初めて見るぞ」晶「これが、カブト虫が近くに居るっていう目印なんです!」レミリア「なんだと!? 本当か!?」晶「論より証拠。とりあえず探してみてくださいよ」レミリア「良いだろう。………………おおっ、本当に居たぞ!!」晶「(そりゃまぁ、カブト虫の居る付近の蔓を僕が能力で弄りましたからね)」レミリア「くっくっく、こんな簡単な目印があるとはな。昆虫採集とは随分と容易いものだ」晶「いやいや、パッと見じゃなかなか分かりませんって。……でもレミリアさん、あんまり言いふらしたりしないでくださいよ?」レミリア「何故だ? フランにも教えてやろうと思ったのだが」晶「そうやって人伝にこの方法が広まり過ぎたら、カブト虫の乱獲が始まっちゃいますからね」レミリア「では、フランだけに……」晶「――お姉ちゃんだけが知ってる秘密のテクニック、って素敵な響きだと思いませんか?」レミリア「…………ひみつのてくにっく」晶「だからレミリアさん、この情報は僕とレミリアさんの」レミリア「――くく、そうだな。この話はフランがもっと成長してから、酒のツマミ代わりにでも語ってやるとするか」晶「フランちゃん、アレで一応五百歳超えてますけどね」晶「(とにかく、これでレミリアさんが恥をかく確率は減ったはずだ。やれやれ……)」晶「レミリアさんと居ると、自分が極悪人になった様な気になりますよ」レミリア「くっくっく、この私のカリスマに影響されているのさ。誇りに思って良いのだぞ?」フラン「わぁ、お姉様凄い! カブト虫がこんなにたくさん!!」レミリア「これでも獲りすぎないよう気をつけたつもりだったのだがな。自らの才能が怖いよ、ふふふ」てゐ「てゐちゃんぶっちゃけスカーレットデビルは、大は小を兼ねるとか言ってリグルあたり捕まえて勝ち誇ると思ってた」晶「あはははは」メディスン「本当に凄いねー、私達は散々だったのに。どうやって見つけたの?」レミリア「くっくっく――秘密のテクニック、と言うヤツさ」てゐ「(あ、コレ絶対に晶の仕込みだ)」メディスン「(あー、晶が何かしたんだー)」アリス「(……なるほど、あのバカの入れ知恵ね)」早苗「(さすが晶君ですね!)」フラン「(何とかしてくれたんだ……ありがとう、お兄ちゃん)」レミリア「何だ貴様ら、その不愉快で生温かい表情は」晶「あはははははは」 とぅーびぃーこんてぃにゅーど