それはね、その砂漠にたった一人だけでも、花を愛してくれる人がいるって知ったとき――
魔法少女の唄
― The Song of Magica ―
鏡の世界に囚われる。
まるで絵本の中のお伽噺。出口のないミラーハウス。
上も下も右も左も、隙間なく鏡に囲まれた部屋。合わせ鏡の世界は無限に続く。
その中を踊る無数の影。精緻な細工の黒い筒に毛先の長い筆、目の細かい櫛に可愛らしい鋏。それらはどれも見慣れた化粧道具だ。ただ違うのは、それらはどれも人間並の大きさがあり、手足と口があることだ。
回る回る廻って歌う。化粧道具の怪物たちは涼子を取り囲み、くすくすと嗤いながら嘲いながら輪を詰める。
――お客様、お客様!
――髪の長さはどれほどに?
――エステのコースはどうします?
――ああ、言わないで言わないで!
――ぜんぶ私たちにお任せを!
楽しげに、愉しげに。自分も自分もと化粧道具たちは現れて、視界を埋め尽くさんほどに踊り狂う。
どこからどこまでが魔女の手下で、どこからどこまでが鏡に映ったただの像なのか。そんなことは考えるだけ無駄だと涼子は痛い程知っている。
序々に迫る輪は化粧具たちの姿を鮮明に見せる。筆は毛先の一本一本が鋭い槍であり、櫛は鈍く光る鋸で、口紅は筒の中で人間の血を絞って固めていた。
彼らに任せたなら、おぞましいばかりの死化粧を施してくれるのだろう。
「ふん、願い下げだね」
その世界は不条理の塊だ。地球上の六十億以上の人間のうち、『常識』という名の甘美な幻想に浸っていられるのは幸せな大多数だ。
夢はいつも優しく、現実はいつも真冬のようだ。そして真実は狂気の毒を孕んでいる。涼子はそんな真実を知ってしまった運のない少数派だったし、この程度の不条理に怯まない程度に場数を踏んでしまっていた。
疲れ切った無表情を自虐的に歪めて、攻撃性と嗜虐性に潤んだ眼差しで睥睨し、涼子は吼える。
「お客様はお帰りだよ! 店主のお見送りはまだかい!?」
その言葉の瞬間、涼子を中心に光が撒き散らされる。
動きやすいジーンズに革のジャンパー。行動性だけを求めた色気の無い服は光に溶け、代わりに現れたのは闇に溶け込むようなライダースーツ。ボディラインを強調するデザインは成熟した女性の色香を撒き散らす。
股下に顕現したのは大型のバイク。公道を走ろうものなら一発で警察のお世話になりそうな巨大さと、荒れ狂う雄牛を想像させるような獰猛さを形にしたような怪物だ。
そして右手に握るのはショットガン。ギリギリまで切り詰められた銃身と銃把は、片手でも取り扱える小回りと、撒き散らされる散弾の脅威を兼ね備えた暴虐の化身であった。
アクセルはフルスロットル。現存するマシンではあり得ぬほどの加速と滑らかさで、涼子の駆る怪物は瞬時に時速200キロを突破する。
一瞬で包囲を突破された化粧道具たちは、もはや客をもてなす態度もかなぐり捨てて、敵意だけを露わに涼子を追う。
「おっそいんだよォ!!」
だが、それはあまりに遅い。二連式のショットガンの一発を前方の鏡へ、一発を後方の化粧道具たちへ涼子は撃つ。
大砲かと見紛う威力で、十二番口径の凶器は狂気の産物を打ち砕く。後方からの断末魔と、前方で割れたガラスの破片をその身に浴びながら、それでも涼子は狂的に嗤っていた。
割れ砕けた鏡の隙間へバイクを突っ込ませれば、その先もまた鏡張りの部屋だ。部屋の隅にしまわれた化粧道具たちが、慌てたように姿を出す。
だが涼子は慌てることも戸惑うことも無かった。昼下がりのコーヒーブレイクのような気楽さでショットガンに弾を込めながら、重心移動でハンドルを切る。既に400キロは超えていよう速度でバイクを駆り、一辺100メートル程の鏡部屋を僅か一秒足らずで走破する。魔女の手下たちは追いすがることも出来ない。魔女は自分の世界を壊されれば怒り狂うのだと、涼子は経験で知っていた。
割った鏡は五十にも届いただろうか。一分にも満たぬ間に破壊の限りを尽くした涼子は、ふと周りの気配が変わったのを感じて速度を緩めた。並のマシンならば車体ごとバラバラに吹き飛びそうな急制動にも、魔力で編まれた鋼の塊は過不足なく応えてくれる。
何が変わった、といえば簡単だ。魔女の手下である化粧道具たちが、怯えるように部屋の隅で縮こまった。
鏡の世界で立ち止り、涼子は感じる。どこからか近づく巨大な不条理の塊を。
「――来い!」
四方八方に貼られた鏡の世界。どこから来ても、その姿を見逃すことはない。
そんな『常識』染みた考えを、涼子は欠片も信用しなかった。注意深く気配を探り、神経を研ぎ澄ませ、だからこそ足元に散らばった鏡の欠片にだけ映った魔女の攻撃を避けることが出来た。
「……ふん」
それは巨大な女の顔だった。ぶ厚く塗りたくられた化粧は元の顔の造形すら判らないほどであり、厚化粧という言葉の範疇すら超えている。
真紅のルージュに彩られた唇はもはや毒々しく、強烈な香水の香りはどこかラフレシアの花を想像させた。
宙に浮かぶ両手には血染めのマニキュア。ありったけの宝石で飾られたそれを、巨大なハンマーのように振りまわす。
「厚化粧がすぎるなババァ! 私が化粧の仕方をレッスンしてやるよッ!!」
『キィィィィイイイイイイイイィイィィイイイイイッッッ!!!』
怒声、だったのだろう。超音波のような奇声を発しながら、魔女は部屋の隅で震える口紅を代わる代わる引っ掴んでは塗りたくり、その度に口紅の残骸を涼子に向かって投げつけた。
一方の涼子も、縦へ横へとバイクを走らせ、攻撃を避けながらショットガンを放つ。しかし暴力を体現した鉛玉は魔女の厚化粧の前に弾かれ、魔女はその部分の化粧を直すように塗りたくる。
それは不毛な千日手。互いの攻撃は決め手とならず、持久力の勝負となるかに思われる。
だが涼子には焦燥も諦観もなかった。この程度で揺れるほど、彼女の地獄は温くない。
涼子たちに弱点があるように、魔女にも弱点がある。涼子たちでいうならば、それはソウルジェム。魂の在処を移された、『魔法少女』の本体。そして魔女でいうならば、その魔女のアイデンティティ――!
魔女の正面に立ち狙いを定め、涼子は引き金を引く。
「化粧ってのは細かな気配りが大事なんだよ」
放たれた弾丸は魔女の二つの鼻の穴の間に、三つ目の穴を穿っていた。
いくら化粧下手であろうとも、鼻先まで塗りたくりはしない。
数瞬の間呆けていた魔女は、鏡に映る自分の姿に絶叫する。三つ目の穴が空いた魔女の鼻はどこまでも滑稽で醜い。
一面に張り巡らされた鏡ゆえに醜くなった己の姿から目をそらすことも出来ず、魔女は断末魔と共に崩れ落ちた。
丹保涼子が夜の学校から柵を飛び越えて戻ってきたのは、丑三つ時も過ぎ、時刻は午前4時近くになろうかという頃だった。
門のすぐそばの路上に駐車させていた軽自動車も、こんな夜遅くでは咎められることも無い。
運転席に座りようやく人心地ついた涼子は、もう冷え切った缶コーヒーを一口飲むと、早速『戦利品』を使った。
それは黒い宝石だった。どこか歪さを感じさせる装飾と、突き刺すような針。何故か卵を連想させるそれは、まさしく卵そのものだ。
グリーフシード、魔女の卵。
放っておけばいずれ孵化し、災厄を振りまく魔女を生むそれは、しかし卵のままならば無害であり、さらには有益でさえあるものだ。
涼子の首元に忍ばされた宝石。清潔さの一方で毒を思わせる緑色をしたソウルジェムをグリーフシードに近づけると、やや暗く濁っていたソウルジェムはその透明な輝きを取り戻した。
今度こそ涼子は安堵のため息をつくと、残りの珈琲を一気に呷った。
「相変わらず派手な闘いをするねー、涼子」
と、そんな涼子に横合いから掛けられた声がある。
乗った時には誰もいなかった助手席。だが今更そんなことに驚く涼子ではない。『彼』が神出鬼没なのはいつものことだ。
『無邪気さ』と標識をつけたくなるほどに可愛らしい、少年の、あるいは少女の声。真っ白な毛並に、犬か狐のようなふさふさの尻尾。大きく尖った耳の根元では、ガラス玉のような紅い瞳がくるりとこちらを見る。
犬とも猫とも言い難い、形容しようのないその生き物。見た目形でいえば、愛らしい小動物と括ることも可能だろう。涼子にはとてもそうは思えないが。
あれほどの怪異と不条理を打ち砕いた後で、喋る獣など何故驚くに足りるだろうか。涼子は空き缶を窓から放り捨てると、ニヤリと口元を歪めて言った。
「派手に暴れるとね、その夜は不思議とよく眠れるんだよ。この世界の裏にいる化け物どもに会っても、私はなんとかなるなんて錯覚を抱ける。まぁ、今から寝ても二、三時間程度だがね」
「そのせいで毎回グリーフシードを使い果たしているのにかい? キミみたいに燃費の悪い魔法少女はあまりいないよ」
「その魔法少女というのをやめろ、きゅうべぇ。私はそんな年ではないだろう」
エンジンをふかしながら、真黒に染まったグリーフシードを獣――きゅうべぇに向けて無造作に投げる。
それを尻尾で器用に受け止めたきゅうべぇは、お尻の後ろにある穴からグリーフシードを取り込むと満足げに息をついた。
「確かにね。普通、魔法少女は思春期の少女がなるものだ。キミみたいに二十の半ばを過ぎて契約するなんて、特例中の特例。そうだな、言うならば魔法熟じ……いたた、痛いよ涼子」
引き千切らんばかりの力で大きな耳を掴み、ぎろりと眼鏡越しに冷たい一瞥を投げかけると、涼子はアクセルを踏み軽自動車を発進させる。
ヘッドライトは夜闇を照らすが、それはこの世界の真実を照らすには心もとなく、先程のバイクに比べるべくもないスピードでは、怪異から逃げ切れるとは思えなかった。
「まぁ魔法少女という呼称が気に入らないなら、自分で自由な呼び名を考えてくれればいいさ。それは僕らの関与するところではないからね」
「それこそ私にとってもどうでもいい話さ。孵化器がきゅうべぇなんて可愛らしい名前を名乗っていようと、どうでもいいようにね」
「涼子――キミ、本当に毒があるね」
拗ねたような口調を作りながらも、涼子には今の皮肉が毛ほどの痛みもきゅうべぇに与えられていないことは判っていた。
きゅうべぇ――本来の呼び名で言うならばインキュベーターと呼ばれる彼は、愛らしい外見とは裏腹に、宇宙の何処かから地球にやってきた高度知的生命体であるという。それも人類を遥かに超えた。
彼らの種は感情というものを持たなかったが、感情をエネルギーに変換する術を発見していた。そのために目をつけられたのが人類であり、魔法少女という仕組みなのだ。
「この名前だってね、ちゃんと効果があるんだよ? だって孵化器なんて名乗ったら、侵略者みたいに聞こえて響きが悪いんだ」
「大して間違っていないだろうに。そもそも隠すつもりがあったのか?」
「そりゃ本来はこんなこと説明しないよ。聞かれない限りね。何故か人類は、特に少女は、自分自身が家畜のように扱われることを好まないみたいなんだ。おかしな話だよね」
「私には最初から説明したのに?」
「涼子は少女じゃないからね。思春期の少女には夢と希望を持たせるほうが効果的なんだけど、大人になると、僕たちも目的を正直に話して、互いの利得を納得してもらう方が信用される場合が多いんだよ。これが人間の面白いところだね――って、いたたたた」
なんとなく面白くなくて、涼子は再びきゅうべぇの耳を抓りあげた。
尤もその説明には納得してしまったが。美味しすぎる話には裏があると学んでいくのが大人になることなのだ。それはつまり、無条件の善意を信じられなくなっていくということだろう。
希望と絶望の相転移。その感情の落差がエネルギーとなる。きゅうべぇの説明は国内有数の大学病院で女医を務める涼子を以てしても原理すらつかめなかったが、そこはそういうものだと割り切った。涼子は希望を抱くには絶望しすぎていた。
「ならば大人相手に契約を持ちかけてもほとんど無駄だろうに」
「そりゃ大人と契約しても効率は悪いんだけどね。僕たちにとっては感情と知性がある生命体ならば、正直相手は誰でもいいんだよ。君たちだって、原子力発電が一番効率がいいからって、風力発電をやめたりはしないだろう?」
ふん、と涼子は鼻で笑うと、軽自動車を急停止させる。反動に負けてきゅうべぇがフロントガラスに頭をぶつけるのをみて、僅かに留飲を下げた。
見るとそこは涼子のクラスマンションの手前だった。降りろ、という無言の意図を受け、きゅうべぇは器用に車を降りる。
「それじゃあ、またね涼子。キミに良い夜が訪れることを祈っているよ」
「心にもないことを……」
そんな涼子の言葉に耳も貸さず、きゅうべぇは小動物そのものの仕草で塀の上を駆け去って行った。
その背中に涼子は何となくショットガンで狙いを定める仕草をし、やめた。
自分の身体がもはや抜けがらであり、首元の小さな宝石にその身を変えられたのだとしても、それは涼子にとって救いとなった。
かつて世界の真実を垣間見て、眠れぬ夜を過ごしていた涼子に、きゅうべぇは枕元に忍ばせた鉈よりも安眠を促す力をくれたのだ。
安い取引だったとは思わないが、悪い買い物だったとも思わない。
人類を家畜扱いするきゅうべぇは気に入らないが、人類の尊厳など涼子が気にかけることではない。
そんなものよりも遥かに安眠を欲するほど、彼女の悪夢はおぞましいものだった。
今から眠れば、病院に行くまで三時間ほど眠れるだろうか。
涼子は凝った肩を揉みほぐしながら、マンションの階段を上がっていった。
冬も近づく十一月。黎明時は近くとも、四時を僅かに過ぎた頃では空はまだまだ暗い。
だが新聞配達など、町は僅かに眠りから起き出す頃、きゅうべぇは閑静な住宅街の屋根の上を音も無く駆けていた。
眠りについた街並みは、死の静寂を思わせる。起きるモノのない夜闇の中で、きゅうべぇの鼻は本当に死臭を発する家を探しだしていた。
荒れ果てた庭は雑草が生い茂り、締め切られた雨戸は陰鬱な空気を放っている。
だがきゅうべぇは臆することも無く、内側から締められた筈の窓を意図も容易く前足で開けると、二階の窓から内へと忍び込んだ。
途端――ムッと立ち込める異臭。
ひとつはペンキの塗りたくられた臭い。どこかシンナーにも似た臭いを発するそれは、まともな人間ならば耐えがたいものだろう。
もうひとつは体臭。若い人間の雄の臭い。汗と性欲の迸りの混じった臭いが僅かに鼻につく。
そして最後は――耐えがたいほどの、異臭。まるで腐った沼のような、汚泥を混ぜて発酵させたような臭い。そしてそれこそが、きゅうべぇの目的の臭いだった。
『沙耶……沙耶……!』
闇に包まれた部屋であろうと、きゅうべぇの眼はそこにある存在を見通していた。
偏執狂といえるほどに、ペンキで塗りたくられた部屋。毒々しい色彩はこの部屋の主の狂気を感じさせる。
ベッドの上すら塗りたくられたその色彩の中、彼らは眠っていた。
一人は、男だ。
特に変わったところのない、平均的な日本人男性の姿。やや整った顔立ちも、特筆するほどのものではない。彼と折り重なる存在に比べれば。
男と寝所を共にし、その腕の中で眠る存在をどう説明するべきか。きゅうべぇとて表現に困った。
だが言葉を選ばずに、ただ適切な感想という点を求めるならば、それはすんなりと出てきた。
――にく、だ。
そう、それは肉だった。
臓物のように赤黒く、毒々しい色。むき出しの肉は溶けだしたかのように蠢き、見方によってはアメーバの一種のようにも捉えられるだろう。
だがその体表を覆う粘液のなんとおぞましいことか。そしてその肉を覆う筋繊維と思しき構造のなんと確かなことか。
これが原生生物の一種であるなどと、人類は誰一人として認めないだろう。
人間と契約をすべく美意識を調整したきゅうべぇにとってすら、その存在は直視に耐えぬ怪物に見える。無論、表情にはそれを欠片ほども出すことはなかったが。
既に何度目かも判らぬ会合。人間の男には聞こえぬ声で、きゅうべぇは呼び掛ける。
『ウ、ウ゛-ン゛……』
やがて、ずるずると引きずるような、グジュグジュとのたうつような音を立てて――寝返り、だろうか? ――そう思しき動作をした『彼女』は、人間の声ではあり得ない、しかし発話に違いないイントネーションで『喋った』。
『ダァレ゛? コン゛ナヨ゛ルニ゛』
「僕だよ。こんばんは、沙耶」
『彼女』は――『沙耶』は、億劫な仕草で『顔』を上げると、きゅうべぇを『見た』。
『ア゛ア゛、マタアナ゛タ? ココハサヤ゛トフミ゛ノリノア゛イ゛ノスヨ゛? ヒジョウ゛シキダワ゛!』
怒りと、きゅうべぇにも判別出来る声と仕草で、『沙耶』はきゅうべぇの非礼を詰る。
そう。彼女には知性と、感情があるのだ。
「そうか、人間はこういう行動はよくないんだっけね。非礼は謝るよ。ただ、沙耶の気持ちは変わったかなって思ってね」
『ナニ゛モカワラ゛ナイワ゛、サヤ゛ハイマノフミ゛ノリトノ゛セイカツガシア゛ワセダモノ。マ゛ホウショウジョナン゛テ、ナラ゛ナクテモイイ゛ワ』
「そう……けど、気が変わったらいつでも教えてね。キミがその気になれば、キミのお父さんを探すことも勿論、彼の異常を治すことも、キミをニンゲンにすることだって――」
『イイ゛カラハヤ゛クカエリ゛ナサイ゛!!』
「……ごめん。また来るよ」
沙耶の怒った声に追い出されるようにして、きゅうべぇは部屋を出た。無論施錠も忘れずに。
あれ以上部屋にいると、食べられてしまいかねない。前に一度そうして失敗しているのだ。
けれど、きゅうべぇは諦めるつもりはなかった。
だって彼女は思春期の少女で、外宇宙の存在だ。そこから得られるエネルギーはどれほどのものだろうか。
なにしろ――
「きっとキミは、いつかボクと契約するよ、沙耶……」
――感情と知性がある生命体ならば、正直相手は誰でもいいんだよ……
『魔女図鑑』
SnowWhite
化粧の魔女。その性質は陶酔。
自らを飾ることがこの魔女の全て。鏡に映るのは自分だけ。その世界には醜いモノを許さない。
骨は白粉に、血は口紅に。踏み入る人間で化粧をする。
けれど美しい自分を誰にも見せられないのが悩み。
鏡よ鏡、一番美しいのはだぁれ?
Vanity
化粧の魔女の手下。その役割は化粧。
化粧道具である彼らは客人を歓迎する。痛んだ肌は張りなおし、伸びた髪は首ごと斬ればきっと美しくなるだろう。
けれどそのたびに魔女に怒られる。
『後書き』
こんにちは。はじめましてまたはお久しぶりです。ELです。
いくつかSS途中のものがあるのに、まどか☆マギカ終わって何か書きたくなって、やってしまった。
まぁ最近まで就活だったりしたんで、リハビリがてらというのもあります。
しかし、まどか☆マギカで何か書こうと考えて最初に思いつくアイデアがこれって、僕もいい感じに脳がやられているかもしれません。沙耶かわいいよ沙耶。
長さ的には中編予定。10話以内では終わらせたいなぁ。
感想くれるとうれしいです。
それでは、またの機会に。