ちわっす。最近妹分の不足がちな五反田 弾です。
今、俺の眼の前では、萌えの塊、布仏 本音ちゃんが、美味しそうに『弾特製ムースパフェ』を頬張っているところです。
しかし謎だ。
食事中の時もだが(献立はチンジャオロース)。
なぜブカブカな裾の上から、あんなに巧みな箸使いと、今なお、裾を汚さずに食べるスプーン技術を扱えるのであろうか?
青い猫型ロボットもびっくりじゃなかろうか?
「うまうま~♪」
むぅ、なんという癒し動物。どことなく母さんを思わせる天然振りだ。ちなみに今は、もう結構遅い時間だ。もう寝る準備をしなくては。
なーんか、ちょっと前ぐらいに廊下が騒がしかったが。多分、一夏が何かやらかしたんだろう。(確信)
『織斑 一夏あるところに女難あり!』
『五反田 弾あるところに騒乱あり!』
中学時代に名を馳せた。俺達のキャッチフレーズは今も健在です。
さーって。寝る支度するかねー。
* * *
それからまた少し時間は過ぎて、ベットの上に寝そべった本音ちゃん。
パソコンを弄って、なにやらお楽しみ中の様です。しかしそのパジャマ姿は狙っているのか?
最高ですね。思わず拝んでしまった。ありがたやありがたや。
「へい。本音ちゃん? もう寝る時間だぜ?」
「ん~、もーちょっとー。」
「明日も学校、寝る子は育つ。もう寝なさい。起きれなくても知りませんよ?(主夫)」
「ん~、あー、この壁紙いいなー。」
「おう? スル―されちゃったよ?」
「ほぞんほぞん~。」
「俺は自分で作った団子の試食して寝るからね~?」
「えー!? ずるいー! だんだんずるいー!?」
「はははは、好きなだけパソコンしてたら良いじゃない?」
「わたしの分は~?」
「無いよ?」
「そんな~! お団子~!」
「パソコン、お団子。二兎追う者は一兎も得ず、どっちがいいかね?」
「うー! あーうう~!?」
「おやすみー」
「寝る~! もう寝るからー! お団子~!?」
「はい口あけて。」
「あ~。」
「ほいさ。(団子投入)」
「む~♪ うまー♪」
しゃかしゃか・・・・(二人して歯磨き)
「はいベットに入って?」
「はーい」
「おやすみ~。(パチンと電気を落す)」
「…。」
「…。」
――― ヴォン。
「…布団かぶっても駄目。」
「…てひひ♪(パチ)」
五反田 弾。IS学園一日目、本日無事に終了です。
ちなみに、夢の中で『初代五反田号』を駆った俺は、途中一夏を轢いてしまったのは余談である。
* * *
「――― へい! 皮むき終了! 何処置きゃいいっすかマダム?」
「ああ、そこに置いといてくれ。いや助かるね~、こんな朝早くから手伝ってくれるとは思わなかったよ。」
「いえいえ、お役に立てたようでなによりです。――――お、そろそろ戻って準備かね?」
「そうかい、ありがとうね坊や。」
「それじゃこれで! また後で朝食をいただきに参りますが! 美味しい朝食楽しみにしてます!」
「はははは、待ってるよ!」
まだ日も上がっていない早朝。
目を覚ました俺は、朝食の仕込みをする食堂のマダム達の元へ赴き、下働きを手伝ってきた所です。
学園中の淑女たちの食事を用意するのだ。そりゃもう大変だったさ。いやー、『五反田食堂』とはまた違った忙しさだ。
でも、俺はあくまでIS学園の生徒。手伝いくらいしか出来ない上、時間制限付き。むむ、もっと技術力と瞬発力を磨かんといかんな。
寮に戻る途中、朝練に精を出す淑女にミネラルウォーターを差し入れ、まだボケーっとした淑女に大声出して挨拶し『びっくりするじゃない!』と、可愛く怒る姿を愛でたりしながら、部屋へと戻る俺。
うむ、今日も良い天気だ。
そんな俺が自分の部屋に戻ってきて、目にしたものはというと――――。
「…すぴ~。」
「おおう。」
「むにゅむにゅ。」
「ふむん? この子はホントにしょうがないね~」
幸せそうに眠る本音ちゃんの姿でした。その可愛らしい様子に少々苦笑しながら、時間を確認。
ふむ、そろそろ起こさなくては朝食の時間がガリガリと削られてれてしまうな?
まったく、手の掛かる子だね?(兄属性発動中)
蘭は逆に手のかからないスーパー優等生だから、こういった子は新鮮だ。
「へい! 朝だぜ本音ちゃん! 起床の時刻だ!」
「ううぅ~。」
モゾモゾ布団にくるまり丸くなる萌え動物が現れた。
どうする?
1、起こす
2、見捨てる
3、引っぺがす
4、添い寝する。
4が凄く魅力的だが、ここは素直に1かね?
「ほれほれ~! 起きれ―? だから早く寝なさいって言ったじゃないの。」
「ううぅぅ~。後五分~。」
「でたよ朝の定番台詞。」
「…ぐぅ。」
「起きろ―? 朝食摂らなきゃきっついぞ―?」
「うううぅぅ~。持ってきてー。」
「さらっとわがまま発言だよ! 俺びっくり。」
「うううぅぅ~。」
「ほらほらほら!! 起きろ起きろー!!」
「…うーるーさーいぃぃ~。」
「おう! 怒られた。 ふむ? そんなに布団から出たくないのかね?」
「…うんー。(モゾモゾ)」
「ふーむ? 仕方ないな。」
―――― 持ってくか。
* * *
所変わって食堂。
ガヤガヤと朝の妖精たちが、おのおの食事をとっております今日この頃。とりあえず、まずは場所の確保だな。
食堂内に足を踏み入れた俺は、周囲を軽く見回しながら歩き出す。
歩くたびに『え? 何?』『ちょっと、アレ何?』『あー、なんだ五反田君か。』『朝からまた飛ばしてるねー。』という声と視線が帰って来るが、ま、気にしない。
「なぁ。」
「…。」
「なぁって、いつまで怒ってんだよ?」
「…怒ってなどいない。」
「顔が不機嫌そうじゃん。」
「生まれつきだ。」
うん? この声は一夏か?
声の聞こえた方向に目を向けると、そこには黒髪ポニーテールの少女と、一緒に並んで食事をとる親友の姿。
お! ラッキー。丁度良く隣空いてんじゃん。というか、さすがは一夏。周囲の視線を独占しまくりだな。
「よう一夏! 隣空いてるか?」
「ん? おお弾か!? 空いてるからすわ――――― はっ!?」
「…? なっ!?」
フレンドリーに話し掛け、一夏がどこか助かったっといわんばかりの笑顔を浮かべ俺に振り向き、驚愕。
となりの黒髪ポニーちゃんも、一夏の声にいぶかしむ様な視線を向け、こちらも同様に振り向いて硬直。
おう? リアクションが一緒とは仲良いなお前ら?
「ん? なんだ?」
「なんだ? じゃない!? お前何してんだよ!?」
「何が?」
「それだよそれ! お前が肩に担いでる布団だよ! 何やってんだ!?」
「おりむ~。たーすーけーてぇぇ~…。」
「この声は、まさかのほほんさん!?」
「のほほん? おお成程。 一夏お前天才だな?」
「なんで布団に包まったのほほんさんを担いでるんだよ!?」
「同じ部屋だからに決まってんだろ。」
「答えになってねぇよ!?」
「いや、布団から出たくないって言うもんだから。布団ごと持ってきた。」
「何でそうなる!?」
「抱っこの方が良かったか?」
「そういうことじゃねぇ!」
「お、落ち着け織斑。とりあえずその子を降ろしてからにしろ。」
「あ、ああそうだな。おい弾、いい加減におろ――――。」
「そぉい!」
「にゃーっ!?」
「「投げたーっ!?」」
空中に放り出される、のほほんちゃん。
―― ババっ! (外れる布団。)
―― シュバッ! (加速する俺。)
『あわ~~~~~っ』 (落ちるのほほんちゃん。)
ボふっ。 (抱きとめる俺。)
「眼覚めた? のほほんちゃん?」
「うーあー、目が回る~。」
「寝過ぎのせいだな。」
「「お前のせいだ!!」」
突っ込みの息ぴったりだなお前ら? 夫婦か?
腕の中ののほほんちゃんをお姫様だっこで席へとエスコート。椅子を引いて座らせる。
うむ流石俺、紳士の鏡。ちなみに布団はきれいに畳んで食堂の隅へ。
「つ、疲れる! 朝からなんでこんな疲れなきゃないけないんだ・・!」
「なんだ一夏? お前も夜更かしか? 早く寝なきゃ疲れなんてとれるはずないだろう?」
「お前のせいだろうが。」
「部屋が別なのに? お前それは理不尽すぎるぞ?」
「今の一連の出来事で疲れたんだよっ!」
「へい、のほほんちゃん? 朝食は何が良い? 取って来るぜ?」
「わーい♪ ありがとーだんだん~。」
「聞けよ!?」
「忙しい。」
「てめっ!」
「な、何なんだこの男は? 一夏の知り合いか?」
「おう、中学から世話をしてやってます。」
「…突っ込まないからな。」
「期待してねぇよ?」
「本当に殴るぞお前?」
「ところでお嬢さん? 貴女のお名前は?」
「…篠ノ之 箒だ。」
「あー、弾に紹介するのは初めてだったよな。前に話したろ? 俺のファースト幼馴染の箒だ。一緒のクラスだぞ?」
「ああ、成程。ところで箒ちゃんて、お前の初恋の相手だったりする?」
「―――――なっなななななあああああぁぁ!?(真っ赤)」
「はぁ? 何馬鹿なこと言ってんだよ? ただの幼馴染だよ。」
「へい箒ちゃん? よく切れるナイフいる? 今ならフォークもセット。」
「頂こう。一夏そこに直れ。」
「ちょっ!? 待て!? 俺何も変なこと言ってないだろう!?」
「「黙れこの鈍感男」」
「なんで二人ともそんなに息ぴったりなんだ!?」
「だんだん~? 朝ごはんは~?」
「おっとぉ? ごめんごめん。 今とってくるぜ! 箒ちゃん後は任せた。」
「うむ。」
「ちょ!? 任せるな! 待て落ち着けーっ!?」
数分後。
のほほんちゃんの朝食と、自分の分を両手に戻って来た俺は、頭から煙出して机に突っ伏す一夏と、不機嫌そうに黙々食事をとる箒ちゃんを目撃することになった。
そして、そんな倒れ伏す一夏をつんつん突く、のほほんちゃんと一緒に朝食を開始する。
しかし本当にこいつは鈍感だね~。
あんまり鈍感が過ぎると、恋する乙女の敵とみなしぶち殺すよ?(本気)
「うぐぐ!? ひ、酷い目に会った。」
「ザマぁっ!」
「弾!? お前なぁっ!?」
「のほほんちゃん? 朝食の量は大丈夫か? もちっと少ない方が良かった?」
「えへへ~、大丈夫。丁度いいよ~♪」
「そりゃなにより。おい一夏? 食事中に煩いぞ?」
「お前な…。」
「ほれほれ飯を食って体力つけろよ? 俺達にゃ一週間後にセシリ―ちゃんとの決闘が待っているんだ。食って勉強。 精進あるのみだぞ?」
「お前って、ホントに我が道を行く奴だな。」
「わっ、だんだんもおりむーも朝から一杯食べるんだー?」
「野郎だからな?」
「弾は知らないけど、俺は夜少なめに取るタイプだから、朝たくさん採らなきゃ色々きついんだよ。」
「千冬さんの真似しただけろう?」
「う、うるせぇな。いいだろう別に!」
「ちなみに、俺は飯作ってくれた人に感謝の意味も込めて朝昼夕とたくさん取るタイプだ。自分の作ったもんを、美味しくたくさん食べてくれる姿ってのは、料理人にとって最高の報酬だからな。」
「だんだんそんなに食べて、その体系なの~?」
「おう、その分体を動かしてるから問題なし! 結構ハードな生活送ってます。」
「自慢する事じゃないだろう? それより女子って朝それだけで足りるのか?」
「デリカシーのない奴は紳士の敵だぜ? 一夏?」
「うお!? 待て待て! 箸を突きたてようとするな!?」
「大丈夫だよ~、お菓子よく食べるし―」
「何? それはいかん。 間食の取り過ぎは体に悪いんだぞ? これからはお菓子は制限するか?」
「ええええぇぇぇ!? やだー! だんだんそれだけは許して~!?」
「まずは新作スウィーツの試食を大幅カットかね?」
「そ、そんなぁぁ~!?」
「…仲良いな二人とも。」
そりゃそうだ。同居人なんだ、仲が良いに越したことは無いだろう。
涙目ののほほんちゃんに萌えつつ、食事をと取る。流石はマダム。メッチャ美味いです!
「…織斑、私は先に行くぞ。」
「ん?ああ、また後でな。」
「ふむ?」
さっさと食事を終えてしまった箒ちゃん。
なんか妙に素っ気ないがどうしたのかね? 一夏昨日なんかやらかした?
「箒ちゃん。なんか妙に不機嫌だな?」
「ん? ああいや、まぁ、ちょっと昨日な」
「なんだやっぱり一夏が原因か。というか箒ちゃんと一緒なのか部屋?」
「ああ、まぁ幼馴染だし。ちょっと助かったな。」
「ほほう。で? どっちが悪いんだ?」
「あ、あれは事故で。」
「野郎ってなんでいつも、自分が悪いのに事故の一言で片付けようとするのかね?」
「ぐ!? …はぁ。まぁ俺が悪いのは本当だしなぁ。」
「反省しな一夏。」
「…おう。」
「ところで話しは変わるが大丈夫だったか?」
「は? 何が?」
「夢の中の話だが、お前を『初代五反田号』で轢いちまったんだが?」
「…おい待て?本当にお前だったのかよ!? おかげで夜中飛び起きたわっ!?」
「すまんすまん。悪か――――ぎゃあああああ!?(ミシミシと音が響く)」
「おわぁ!?いきなりなんだ!?」
「お、おぉぉぉ…!? 『七代目五反田号』がジェラッたようだ…。」
「お、おまえのISって一体?」
「うまうま♪」
その後は、一年の寮長である千冬さんの厳しい声が食堂に響き渡り、みんな慌てて朝食を摂り、教室へと向かった。
ちなみに足の遅いのほほんちゃんを、俺がおんぶして向かったのだが、
ここで痛恨のミス。
のほほんちゃん。パジャマのままでしたっ!
慌ててのほほんちゃんを部屋に送り届けて、着替え終わったのほほんちゃんをまた背負って激走したが。間に合うはずなく大遅刻。
『入学早々遅刻とは言い度胸だな?』(胃薬片手に魔人覚醒)
俺とのほほんちゃんは揃って出席簿アタックを受け。
何故か俺だけ校庭を5週も走らされる羽目になった。
ふー。全く疲れたぜ。
ちなみに校庭の隅に、自転車が置いてあるのを発見。
途中からそれに乗って校庭を走っていたら。千冬さんが飛んできて思いっきり殴られた。
ダメだったのか? 足で走れって言ってなかったしOKかと思ってたんだが? ちなみに自転車は途中で大破し使い物にならなくなった。
ふむ。やはりそん所そこらの自転車は使えん。やはり五反田号でなくてはな。
更に5周追加され、結局走り終わる頃には午前の授業が終了していた。
あれ? 俺って陸上選手志望だっけ?
* * *
疲労困憊で教室に戻ってきた俺。
周囲から『お疲れ―』っと苦笑交じりの女子達から激励をもらう。
おう?サンキュー淑女たち。
『――― 心しましたわ ――― 練機 ―――。』
そこにふと、小さな会話が耳に入り、その方向に視線を向ける。
ん?あそこで話しているのは一夏とセシリーちゃんか?
なんだなんだ?仲良さそうってあー、セシリーちゃんが一夏の机をバンバン叩いてる。仲がいい訳じゃないのか。
「よう? お二人さん?」
「うっ!? あ、あなたは!?」
「どうも五反田 弾です。クラスメイトと聞こえのいい他人です。」
「地味に嫌だなそれ。しかし災難だったな弾?」
「まー、のほほんちゃんが走らずに済んだだけでも幸運だ。」
「えへへ~ありがとー。」
「おう?のほほんちゃん、ただいま。」
「おかえり~」
「な、何なんですの? あの空気? 妙にぽわぽわしてる気が。」
「なんか二人とも随分打ち解けたな? 箒との関係改善の為にも話を聞かせてくれ。」
「餌付けた」
「うん、聞いた俺が馬鹿だった。予想できる答えだった。」
「だんだんのご飯はおいしんだよ~♪」
「まぁ、こいつ料理に関してはエライ真面目だからな。その誠実さを日常にも向けりゃいいのに。」
「何で? 俺真面目じゃん凄く。」
「「「「「「「「え?」」」」」」」」
「…。」
「だんだん~、元気出して~?」
さすがの俺も、淑女たち全員から『何言ってんのこいつ?』みたいな意味を含んだ声は応えた。そんな声揃えなくてもええやんか。
教室の隅で膝を抱え『の』の字を書く。
そんな俺の頭を撫でてくれるのほほんちゃん。君だけだ俺の天使は。(好感度UP)
のほほんちゃんに癒しをもらい、再び一夏達のもとへ。
「そんで? 二人して何の話してたのかね?」
「あー、なんでも俺にもISを用意してくれるらしいぞ?」
「マジで? すげぇな。『専用機』か?」
「は? お前知ってるのか?」
「これでも一応、勉強はしてんだぞ俺?」
「昨日はわたしが教えてあげたんだよ~」
「嘘っ!? マジかよ~俺も誰かに教えて貰いたいな。」
「…そういえばあなた、既に『専用機』を持っていましたわよね?」
「『七代目五反田号』の事か?」
「な、何ですの? その品性の欠片も無いネーミングは?」
「立派な俺の相棒の名だぞ? 一回だけ出前した時は大助かりだったぜ。」
「あ、貴方でしたのね!? 人類の英知の結晶をそんな事に使ったという男は!?」
「なんか変か?」
「まー、普通はそうかもな。でもいいんじゃないか? 使う奴の自由だろ?」
「よくありませんわっ!? いいですか!? ISというのは――――!」
「ところで一夏? 飯食ったか?」
「ん? いやこれからだ。」
「なら丁度いい、一緒に食堂行こうぜ。のほほんちゃんも一緒に来る?」
「行く~♪」
「箒ちゃんも誘えよ。もう怒ってないかもしれんし。」
「そう、だな。うん、そうするか。」
「そうしろ。あ、それとセシリーちゃん? よかったら一緒にって、おおう?」
「あ、ああ、あああ…!」
「「「あ?」」」
「あなた達なんて嫌いですわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」(一夏に散々馬鹿にされた(と思っている)揚句、三人に無視された事が引き金になった。)
そう叫んでセシリ―ちゃんが、怒号の勢いで教室から出て行ってしまった。
「おい一夏? お前セシリ―ちゃんに何かしたのか?」
「い、いやーどうだろうな? 俺の態度に妙に腹立ててたのは確かだけど?」
「ふむ? よく分からんレディだ。」
「お腹すいたんじゃないのかな~?」
「食堂とは反対方向っぽいけど?」
「まぁ、いいか。ほれ。箒ちゃん誘って来い!」
「分かった分かった。おーい、箒ーっ!」
ま、とりあえず。これから四人で昼飯だ。
ちなみに、なぜか過剰反応した箒ちゃんが一夏を投げ飛ばし、俺の方向に飛んできたので、足を用意してやったら、一夏の背中にクリーンヒット。
一夏がしばし、体をえび反りにし悶絶するという一幕があったのはこれまた余談である。
後書き
箒さん登場―――って極端に出番が少ない。次回はもっと出ると思いますのでご勘弁の程を。さて次回、特訓開始です。