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No.27655の一覧
[0] 【習作 IS 転生 チラ裏より】 へいお待ち!五反田食堂です![釜の鍋](2013/03/18 01:45)
[1] プロローグ[釜の鍋](2011/11/27 15:22)
[2] 第一話   妹一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:30)
[3] 第二話   友達二丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:37)
[4] 第三話   天災一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:43)
[5] 第四話   試験日一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:56)
[6] 第五話   入学一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/12/12 12:28)
[7] 第六話   金髪一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 16:30)
[8] 第七話   激突一丁へいお待ち![釜の鍋](2013/03/18 01:39)
[9] 第八話   日常一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:13)
[10] 第九話   友情一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:38)
[11] 第十話   決闘 【前編】 へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:54)
[12] 第十一話  決闘 【後編】 コースは以上へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:49)
[13] 第十二話  帰還一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 18:33)
[14] 第十三話  妹魂一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 19:08)
[15] 第十四話  チャイナ一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:43)
[16] 第十五話  暗雲?一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 19:53)
[17] 第十六話  迷子一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 20:19)
[18] 第十七話  約束一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 20:43)
[19] 第十八話  始動一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 21:13)
[20] 第十九話  光明一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 21:56)
[21] 第二十話  幻影一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/28 01:59)
[22] 第二十一話 協定一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/04/26 12:52)
[23] 第二十二話 氷解一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:51)
[24] 第二十三話 思惑一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/02/06 19:27)
[25] 第二十四話 開戦一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/02/06 18:38)
[26] 第二十五話 乱入一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/12/26 18:09)
[27] 第二十六話 優先一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:46)
[28] 第二十七話 三位一体【前編】 へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:13)
[29] 第二十八話 三位一体【後編】コースは以上へいお待ち! [釜の鍋](2013/03/18 23:04)
[30] クリスマス特別編  クリスマス一丁へいお待ち?[釜の鍋](2011/12/25 22:00)
[31] 短編集一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/04/23 23:29)
[32] 短編集二丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:24)
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[27655] 第二話   友達二丁へいお待ち!
Name: 釜の鍋◆93e1e700 ID:6a99fb4e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/11/27 15:37
あれから月日は流れて早いもので。


ちわっす! 中学生になりました五反田 弾です。

え? 幼稚園とか小学生時代はどこいった? 聞きたいの俺の幼き時代なんて? 別に普通だったよ。

幼稚園では、野郎を束ねる紳士になったり、

インフェ二なんちゃらんが世に出たとかで、騒いでいる世をぼへっと流したり、

小学校の入学式で校長のヅラ疑惑を証明したりとか、

女子達の使い走りに奮闘したとか、

蘭を泣かせた上級生の男子三人をトラウマ植え付ける程殴って泣きじゃくらせたとか、

遠足の日に教室で一人真面目に勉強してたとか、

蘭の蹴りを受けて空を飛んでは同級生達に「ああ、なんだ弾か」って普通に日常として受け取られていたりとか、

なんか超有名人が突然引退して世を騒がせたのを、ラーメン啜りながら聞いたとか、

運動会の日に五反田食堂出張屋台を持ってきて爺ちゃんと一緒に腕を振る舞ったとか、

バレンタインデーで、他の女子を凌ぐチョコを作って、義理チョコすらもらえない野郎共に『哀』を込めて渡したりとか、

卒業式で泣いてない男子達全員に催涙スプレーかけて無理矢理泣かしたりとか、

中学進学と同時に、蘭にフラグ立てやがりましたイケメン少年に決闘挑んで熱い友情を結んだ後、保護者呼ばれて二人して地獄見たりと、まぁ一般的な子供の成長録ですよ。


ダイジェストでお送りしました俺の半生。俺も早いモノで中学生です。


さて、今現在俺は一体なにをしているのかというと―――。



「へいお待ち! 業火野菜炒め一丁! カツ丼一丁! 上がり!!」
「はーい! 今もっていくわー!」
「おい弾!! こっちも上がりだ!! 盛りつけろ!」
「あいよー!!」
「お爺ちゃん! 日替わり五反田定食一つに業火野菜炒め二つお願い!」
「よしきた! 毎度あり―!!」
「蘭!お会計お願いできるかしらー!?」
「はーい!」
「ついでに三番テーブルにこいつも頼むわ蘭!」
「ちょっ! もうお兄! 人使い荒くない!?」
「爺ちゃん! 五反田定食の鯖の味噌煮は俺がやっから、業火野菜炒めに集中してくれー!」
「ああん!? 出来んのか弾!?」
「この前味見してもらって合格もらっただろうが!? 忘れたのかよ爺ちゃん!」
「けっ! 粗末なもんだしやがったらタダじゃおかねぇからな!?」

ただいま夏休みの真っ最中。五反田食堂、昼食時のピークタイムのお時間で絶賛奔走中です。

厨房では爺ちゃんの剛腕が休む暇なく振るわれ、俺も盛りつけに簡単な一品の調理と大忙し。母さんと蘭は二枚看板として接客に行ったり来たり。

ああ、折角のロングサマーバケーションだというのになんでこんなことに、食堂の息子の悲しい運命です。本当なら今頃かわいい彼女と一緒にキャッキャウフフな一日を過ごしている筈なんだけどな。

良い汗ながしてるじゃない俺!見習いは辛いぜ!! でも負けない! 野郎だからさ!!


「俺の夏休み返せ―――!! ってな勢いで揚げ上がった唐揚げができたぜ!! 五反田弾特製唐揚げ! お子様に大人気ですよ奥さんっ!! 今晩の一品にどうですか!?」
「妙なこと叫ぶんじゃないわよ馬鹿兄っ!!」
「うふふ、でも本当に人気なのよね。弾の作った唐揚げって。」
「ふんっ! あんなもんまだまだだ! 調子に乗ってねぇでもっと腕を磨け腕!!」
「あら? でもお父さん、お酒飲む時よく弾に作らせてるじゃない?」
「あ、ありゃツマミには向いてるって意味だ!! 食堂に並べるにゃまだまだで――!」
「って爺ちゃん!? 炒めすぎ! 火! 火!!」
「どわぁぁ!? ええい畜生が!! 弾! なんでもっと早く教えねぇっ!?」
「俺のせいかよっ!?」
「注文入ったよー! カボチャの煮漬け定食一つ!!」
「「毎度あり―――――っ!!」」




今日も五反田食堂は平穏無事に絶賛営業中。一度おいでよ五反田食堂。



*   *   *



さて、昼食時のピークも過ぎ。客足も落ち着いて、店内には数名のお客さんのみとなって一段落ついた五反田食堂。

ぶはーっと、椅子に座って水を飲み干す俺。

やー疲れました。見よ!腕が小気味にプルプル震えてるぜ!! そんな俺を見て、爺ちゃんがフンと鼻を鳴らした。


「ったくだらしねぇ。これくらいで音を上げるとはまだまだヒヨッ子だな。」
「うおーい、爺ちゃん? 俺まだ子供よ? ヒヨッ子に決まってんでしょーに。」
「憎まれ口だきゃあ一人前だな」
「爺ちゃんこそ、何処にいんだよ筋骨隆々の八十才過ぎの爺さんなんて。ギネスもびっくりだぜ。人間?」
「やかましい!」


ビュン!! スカ――ン!!

飛んできたお玉を、中華鍋でガード。これぞ五反田家秘伝!中華鍋バリアー!! 生みの親は我が母です!


「ちっ! いらん技術だけは磨きやがって。」
「磨かせたのは誰のせいだってーの。ってか振動で微妙にダメージが…。」


一見仲が悪そうな俺達だけど、これは俺と爺ちゃんのコミュニケーションの一つなのだ。

お互いに遠慮がないから、気持ちもぶつけ合える。色々考えるより正面からぶつかる方が俺達には効果的なんだよねー。まぁ、お陰で生傷絶えないけど。

そんな俺に近付く影が一つ。

そこにいたのは我が妹であり、五反田家最強の蹴り技を放つ女傑、五反田 蘭の姿が。


ズンっ!!


「俺の足の小指にクリーンヒットーォォォォッ!?」
「今失礼なこと考えたでしょ? お兄?」
「なに女傑って嫌なのか? 最高じゃん女傑。」
「…。」
「ふぬぉぉ!? グリグリはヤバい! 捻じるように痛いっす蘭さ―――ん!?」


うぉぉ…なんて暴力的に育ってしまったんだ。兄は悲しい。

昔はお兄、お兄と、俺の後ろを中華鍋を振りまして涙目になりながら追いかけてくる可愛い子だったのになぁ。

なんでこんな風になっちゃんたんだろうね? 中華鍋どうした。


「なんでだろうな? そこんとこどうよ蘭?」
「いきなり何!? いつもいつも唐突に主語の抜けた質問しないでよっ!!」
「なんで分かんないの!? 以心伝心五反田食堂名物兄妹『弾&蘭』は何処行った!? 再放送も決定したんだぞ! ちょっとマネージャー! どうなってんの!?」
「ああああもうっ! また馬鹿なことを叫ぶな―――っ!!」
「ごふぁっ!?」


蘭の蹴りが俺の腹部に突き刺さる。

ぐふっ…さすがだ蘭、衝撃の全てを内部に留める高等技術を使うとは。惜しい、K-1の世界に赴けば、さぞ有能な選手になっていただろうに。何故諦めたんだ蘭、兄は悲しい。(最初から目指していません)

そんな俺にやれやれといった溜息を吐く爺ちゃんに、いつものように微笑ましく笑う母さんの姿。そして不機嫌そうに俺を見下ろす蘭。ん? 今日はスカイブルーか?

うむ、いつも通りの日常と書いてパンツだね。平穏サイコー。


と思っていたら。ガラッと食堂の入口が開き、男女二人組が入って来た。


「おーい、弾。約束の―――って!? どうしたんだ弾!? 床に這いつくばって!?」
「相変わらず謎の行動とる奴ねーアンタって。」


食堂にやって来たのは、中学校に進学してから知り合った二人の友人の姿。
何でか知らんが妙に馬が合ってよくつるんでいる奴らです。

片方の男は、お前は一体どこのギャルゲーの主人公だと思わんばかりのイケメンで、史上最強のフラグゲッターにして、難攻不落の鉄壁鈍感要塞の異名を持つ男『織斑 一夏』。


もう片方の女は、五反田食堂に突如として現れた最強のライバル中華店の娘にして、ツインテールの映えるチャイナっ娘。微乳の暴走特急、恋に生きる健気な少女『凰鈴音』。愛称は鈴。


「おう!一夏に微乳じゃねーか!」


バキゴシャドゴベキャゴッゴッガツンガツンドゴシャッ!!!(ゲージ3消費)


「あ? 今なんつった? おいコラ。」


血だらけになり倒れ伏す俺の襟を絞めあげて、ハイライトの消えた瞳を向ける鈴。そうでした。禁句だったねすみません。


「弾ーっ!? 待て落ち着け鈴!」
「こんなもんじゃねーぞ! こんなもんじゃねーぞ!! コラ!?」
「落ち着けって!! 口調がヤンキーになってるぞ鈴!?」
「あ、あの! 一夏さん! こんにちはっ!」
「ああ、蘭! こんにちは…って違う! 蘭も鈴を止めるの手伝ってくれ!」
「だ、大丈夫ですよ! お兄は復活は早いし不死身ですからっ!!」
「そうだぞ、心配するな一夏。」
「うおおおっ!? いつの間にか俺の横に移動してるっ!?」
「ふー、死ぬかと思ったぜ。(フキフキ)」
「そして慣れた手つきで、血を手拭いで拭き取ってる!?」
「どうすりゃ殺せんのよアンタはっ!!?」
「美女が全裸で愛の言葉を囁いてくれれば、心置きなく死ねるぞ?」
「「そりゃお前(アンタ)の願望だろ(でしょ)うが!?」」
「うるせーぞガキ共!!」
「爺ちゃんが一番うるせーと思う人ー。はーい。」
「「「喧嘩を普通に売るなっ!!」」」


なんだ騒がしい奴らだな、いかんぞ。ここは食堂。憩いの場。



*   *   *



とりあえず二人を近くのテーブルに案内してやる。蘭も昼飯はまだだからついでに座らせて、俺はメニューを片手に注文をとる。


「へい! 注文は?」
「あんたって本当に自分勝手というか、マイペースというか…!」
「まぁ弾だしなぁ。あ、俺は『弾特製スぺシック炒飯』な。」
「何よそれ? そんなものあったけ?」
「裏メニューです。」
「お兄また妙なもの作って…お爺ちゃんに怒られるよ?」
「安心しろ、親しい奴にしか作らん特別親愛メニューだ。蘭も食うか? 一夏とお揃いだぞ。」
「これが結構いけるんだよなぁ。蘭は食べたことないのか?」
「た、食べてみよっかな!? き、気になるますしっ!」
「あたしも! あたしもそれっ!!」
「それ? …どれ? 何を言ってるのかねこのチャイナっ娘は?」
「分ってて言ってんじゃないわよ! 馬鹿弾っ!!」
「はいよー『弾特製オフラ―ンス牛丼』三人前ね。毎度。」
「「「違うっ!」」」
「ところで馬鹿弾と爆弾て似てるよな?」
「「知らないわよっ!!」」
「…。(確かに)」


五反田食堂、特別親愛メニュー。本日も好評です。



*   *   *



「それで?一体今日は何の用だね?二人そろって、デート?」


『弾特製スぺシック炒飯』を、おいしそうに頬張る三人の幼子達に向かって、俺はカウンターから素朴な疑問を投げかける。たんとお食べ。

デートの単語に、敏感に反応する二人の乙女を無視して(というか普通に気付いてない)一夏が口を開く。

この子はホンマ困った子やねー。


「違うって、この前の約束の続きを話しに来たんだ。忘れたのかよ? 俺と弾と鈴、それから蘭も誘って近くの祭りに行こうって話したじゃねーか。」
「おおう、すっかり覚えてるぜ。」
「面倒臭い答え方するなよ…。」


はぁぁ、と溜息を吐く一夏。隣では何か不機嫌そうな鈴と、ほっとした溜息を吐くマイシスターの姿。

溜息吐きたいのはお前の鈍感さじゃね? と思う俺は正しい筈。

そういや祭りにみんなで行こうぜってな話をしていたな。

もう一人『御手洗 数馬』というジェントルメンも誘う手筈だったんだが、あいにく夏休みの間は親戚の家に行ってしまっているらしく断念。

無論、心優しい俺はしっかりと内容を親切丁寧に電話で伝えてやり


『てめぇ弾この野郎ぉぉぉ!!帰ったら覚えとけ畜生!!うわぁぁぁん!!』


という、心温まる返事を貰った。はっはっは、照れるぜ。


「俺も蘭も準備OK! 浴衣も準備してるぜ!!」
「へー、浴衣か。いいなそれ。蘭も着るのか?」
「は、はい! あの、い、一夏さんは浴衣って好きなんですか?」
「ん? ああ好きだな。日本人に浴衣、祭りといえば浴衣ってもんだしな。」
「そ、そうなんですか。」
「良かったなぁ、蘭。新調したかいがあったな。」
「う、うっさい馬鹿兄!!」
「…ふんっ!!」
「横で不貞腐れているチャイナっ娘にも耳より情報! 実は鈴にも浴衣は用意してある! やったね!! 流石だ俺!」
「はぁぁっ!?」
「実は鈴の親御さんに『祭りで浴衣を着ていない女の子は浮きますぜ』と、お話ししたところ、鈴の為に浴衣を用意する事を承諾してくれたのさ! ちなみに浴衣の寸法は母さんが聞いて、色合いは鈴のお母様に一任。鈴専用浴衣の準備も整ったということさ!!」
「ちょっ! 聞いてないわよ私っ!!?」
「言ってねーもん。驚いたね!!」
「へー、良かったな鈴。」
「ぬぐっ…ううぅ。ま、まぁいいわ。と、とりあえずありがと。」
「着付けは私がするから、お祭りの前に家にいらっしゃいな。ね? 鈴ちゃん。」
「は、はい! ありがとうございます。蓮さん。」
「なら待ち合わせはここでいいんじゃないのか?弾?」
「お前馬鹿じゃない?」
「な!? なんでだよ!?」


分ってない、こいつは本当に分ってない。お兄さんはがっかりだよ!!


「こういう時は、野郎は黙って先に祭りに行って、女の子がやって来るのを待つのがマナーだぞ坊主!! ああ、一体どんな浴衣かなぁと野郎はいつもと違う雰囲気になる女の子の浴衣姿に思いを馳せ! 女の子は野郎が待っている場所に行きつくまでに、似合ってるかな? 変じゃないかな? 喜んでくれるかな? という期待と不安に後押しされながら祭りへ赴く! その上で初めて女の子の浴衣姿を見て最高の褒め言葉を送る。それが日本紳士の務めだ。分ったか坊主!? 時代に乗り遅れるな! 野郎はいつでも紳士を目指せ!! 女性は尊く、そして繊細なんだぞ!! このフラグ野郎!! 刺されちまえっ! バーカ!!」
「長い説明だな!? 結局祭りに行くなら同じじゃねぇかよ!! それと最後は完璧に俺に対する悪口じゃねぇか!?」
「一夏、認めたくないようだけど弾が正しいわ。座りなさい。」
「お兄、たまには良い事言うね。・・・・いつもしっかりしてくれれば私だって…(ぶつぶつ)。」
「うふふ、流石私の息子ね。良い事言うわ。」
「おう、何か知らんが蘭が言うなら蘭が正しい。良く言ったぞ弾。」
「あれ? なにこの疎外感。間違ってるの俺? 俺なのか? 俺に対する暴言へのフォローはなし?」
「存在が間違っていると、近所から声高々に言われている俺よりはマシだ。落ち込むな一夏! 明日があるさ!!」
「弾…苦労してるんだな。」


おおぅ、何故みんなして俺を憐れむような視線で見るんだ? そんなに見るなよ!興奮するぞ?

しかし、一夏の朴念仁ぶりには俺もびっくりだぜ。ワザとやってんのかね?

まぁ、身近に『千冬さん』という超美人な無敵に素敵お姉様がいるとなると、そん所そこらのちょっとかわいい女の子じゃ、一夏は落せんな。少なくとも鈴や蘭くらいのレベルじゃないと厳しいだろう。

一夏のシスコンぶりも大概だが、この弟にしてあの姉ありってな具合で、千冬さんのブラコンぶりもとどまる事天井知らずやし。

しかし、千冬さん最近見ないな? 一夏の話じゃ連絡もあんまりないらしい、たまに一夏に顔を見せに帰って来てはいるようだけど・・・・まぁいいか、家庭の事情だろ。

あーあ、千冬さんも彼氏でもつくりゃ一夏も姉離れ出来るかもしれないのに難儀だ、なんだかんだ言っても、絶対千冬さんの好みのタイプは『一夏みたいな男』だろうね!

…こんな傍迷惑なフラグ乱立野郎二人もいらん、滅びるぞ地球。

はー、一夏の花婿姿を拝めるのはいつになることやら。


「なんだ弾? 人の顔見て溜息吐くなよ。」
「いやぁ、ただお前ってシスコンだなって思っただけだ、気にすんな。」
「おいコラ!? 気にするわ!!」
「気にするって、おいおいダメだぞ一夏? 俺とお前には性別という世間の壁が…。」
「何の話しだよっ!? 気にするの意味が違う!! 誰がシスコンだ誰がっ!?」
「え? 俺だけど? 俺シスコンだよ? 蘭愛してるよ? 結婚してくれ。」
「ぶふぉっ!? いきなり気色悪い事言わないでよ馬鹿兄っ! ひぃぃ! 鳥肌立った!」
「そんなに喜ぶなよ。だが俺達には兄妹という壁がある。悪いがお前の気持ちには答えられない。諦めてくれ蘭。お前にはきっと良い人が現れるさ。」
「なんで私がお兄に告白したような話になってんのよおぉぉぉっ!?」
「というわけで、一夏。蘭を貰ってやってくれ。俺が義兄さんになるってことで我慢してくれないか? お前の俺への想いは嬉しいが、これが一番ベストな未来だ。」
「えええぇぇぇぇっ!? ばばばば馬鹿兄ぃっ!? なななななにゃに言ってんのよー!?」
「だから違うって言ってんだよぉぉぉ!? なんで俺がお前に恋してるような話しになってんだコラァ!? 別に好きじゃねぇよお前なんか!!」
「…ひっで。親友だと…思ってたのに…。」
「…いや待て。マジで傷ついた顔するな。俺も友達だと思ってる。すまん。言い過ぎた謝る。」
「まぁそんなことはどうでもいい。で? 蘭は嫁に貰ってくれんの?」
「…うわ、こいつマジムカつく…!!」
「ちょっと弾! 何自分の妹売り込んでんのよっ!? そんなの認めないわよっ!」
「え!? まさか鈴お前、蘭のことを!? ダメだダメだ! 女同士なんて!! 家の蘭をその道に引きずり込まないでくれ!!」
「ちっがぁぁぁぁぁうっ!」
「喧しいぞガキ共っ! 騒ぐんなら外に出ろっ!!」
「全く、しょうがない奴らだな。三人とも静かにしろ。ここは食堂。憩いの場だぞ?」
「「「お前のせいだ―――――――――――っ!」」」



その後、きれいに一夏と二人揃って爺ちゃんの拳骨をもらった俺達でした。

ちなみに鈴と蘭は対象外。鈴は女の子やから大目に見てもらって、爺ちゃん蘭に甘いからな。損な役回りだぜ野郎ってのはよぅ。

とりあえず、四人で祭りに行くことになったとだけ記しておこう。


五反田食堂、俺達四人集まれば毎日騒ぎが起こります。寄ってみようよ五反田食堂。


しかし、『織斑 一夏』ね。

なんかものすごい面倒に巻き込もうとする要注意人物って感じがするんだが。

まさか俺にまで妙なフラグ立てやがったかこいつ? あらイヤン。

なーんか予感めいたモノを感じる今日この頃です。





後書き

弾の性格がものすごい破天荒になってしまいました。この先どうなるのか自分でも展開が分りません。でも頑張って書きつづけたいと思います。さて、弾は原作知識はあるようですけど、どうやら記憶から引っ張り出すことは出来ないようです。次回、あの天災が来襲です。


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