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No.27655の一覧
[0] 【習作 IS 転生 チラ裏より】 へいお待ち!五反田食堂です![釜の鍋](2013/03/18 01:45)
[1] プロローグ[釜の鍋](2011/11/27 15:22)
[2] 第一話   妹一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:30)
[3] 第二話   友達二丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:37)
[4] 第三話   天災一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:43)
[5] 第四話   試験日一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 15:56)
[6] 第五話   入学一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/12/12 12:28)
[7] 第六話   金髪一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 16:30)
[8] 第七話   激突一丁へいお待ち![釜の鍋](2013/03/18 01:39)
[9] 第八話   日常一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:13)
[10] 第九話   友情一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:38)
[11] 第十話   決闘 【前編】 へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 17:54)
[12] 第十一話  決闘 【後編】 コースは以上へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:49)
[13] 第十二話  帰還一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 18:33)
[14] 第十三話  妹魂一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 19:08)
[15] 第十四話  チャイナ一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:43)
[16] 第十五話  暗雲?一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 19:53)
[17] 第十六話  迷子一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 20:19)
[18] 第十七話  約束一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 20:43)
[19] 第十八話  始動一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 21:13)
[20] 第十九話  光明一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/27 21:56)
[21] 第二十話  幻影一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/11/28 01:59)
[22] 第二十一話 協定一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/04/26 12:52)
[23] 第二十二話 氷解一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:51)
[24] 第二十三話 思惑一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/02/06 19:27)
[25] 第二十四話 開戦一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/02/06 18:38)
[26] 第二十五話 乱入一丁へいお待ち![釜の鍋](2011/12/26 18:09)
[27] 第二十六話 優先一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 16:46)
[28] 第二十七話 三位一体【前編】 へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:13)
[29] 第二十八話 三位一体【後編】コースは以上へいお待ち! [釜の鍋](2013/03/18 23:04)
[30] クリスマス特別編  クリスマス一丁へいお待ち?[釜の鍋](2011/12/25 22:00)
[31] 短編集一丁へいお待ち![釜の鍋](2012/04/23 23:29)
[32] 短編集二丁へいお待ち![釜の鍋](2012/09/17 17:24)
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[27655] 第十五話  暗雲?一丁へいお待ち!
Name: 釜の鍋◆93e1e700 ID:6a99fb4e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/11/27 19:53
ちわっす! いつも心に花束を。五反田弾です!


微乳の暴走特急チャイナっ娘である。鈴との一年ぶりの再会を果たした一夏と俺。

いやー、まさか鈴がIS学園に入学してくるとは思いもしなかったぜ。
これで、数馬や花梨ちゃん達三人娘が揃えば、中学時代の主力メンバー勢ぞろいの夢の共演が再現できたんだが。まぁ、そこまではさすがに無理かね?

あの後、マヤたんに付き添われ戻って来た千冬さん(胃をおさえながら)だが、その機嫌は最悪。
授業中何処か上の空の、箒ちゃんとセシリーちゃんに毎度おなじみ出席簿アタックが振るわれていたが、威力がケタ違いだったしね?

パァン! じゃないよ。
バアァンッ!! だよ? 二人とも大丈夫かね~。

そして、千冬さん暴走のSHRと、緊張感五割増しの授業から時間は過ぎて、現在お昼休みです。

授業が終了し、千冬さんとマヤたんが教室から出て行った瞬間――――。


「――――― 貴様らのせいだああああ!!」
「――――― 貴方達のせいですわああああ!!」
「地球温暖化は俺達だけのせいじゃない。」
「二人が言ってんのはそこじゃねえよっ!?」


開口一番、若干涙目の箒ちゃんとセシリーちゃんが、まだ痛むらしい頭をおさえ一夏と俺を怒鳴りつけてきました。

いやー、そう言われても。千冬さんの授業でボケっとするのが悪いと思うぞ? 大方、鈴という一夏に近しい女の子の出現に色々考えこんじゃったんだろうけどねー。

ちなみに俺は真面目に授業を受け、ノートにしっかりと記入。分らない所はしっかりと手を上げて質問するという優等生ぶりだったがね。(クラス一同ドン引き)

マヤたんには『なんでいつも、そんな風にしていてくれないんですか~~~~!?』って、泣かれ。
千冬さんには『お前何を企んでいる? 今度は何をする気だ吐けぇ!?』と、激昂される隠しイベントも見れたし、中々有意義な授業タイムだったと言えよう。


「納得いかん!! 何故貴様は叩かれなかったのだ!?」
「真面目に授業受けてる生徒を叩く理由なんてなくね?」
「だんだん。まじめにノートとってたもんねー。」
「そこがおかしいんです!! いつもなら意味不明な事おっしゃっているのに、何故今日に限ってあんなに真面目だったんですの!?」
「そんな気分だったからさ!!」
「「~~~~~~~~~っ!?(ビキィ!)」」
「お、落ち着け二人とも、千冬姉もこいつ叩くに叩けなくて舌打ちした所見ただろ?」
「「それもあって、さらに機嫌が悪かったのではないか(ないですか)っ!!?」」
「ひ、否定はしない。」
「まぁまぁ、お二人さん! 積もる話は食堂に行ってからにしようぜ!」
「お? それには賛成だな。とりあえず食堂に行こうぜ。話は食べながらでもいいだろ?」
「…むぅ。」
「し、仕方ありませんわね。」
「のほほんちゃんも来るかね?」
「んー。きょうは用事があるから無理かも~。」
「おう? そりゃ残念だ。なんの用事か知らんが頑張ってな~? 手伝える事なら遠慮なく頼ってくれよ?」
「ほいほ~い、ありがとー♪ じゃあねぇー。」


ぽてぽてと、やたら遅い足取りで教室の扉に向かうのほほんちゃん。
ようやく到達したと思ったら。出て行く前に、もう一度こちらを振り返りヘロヘロ~っと手を振る姿に衝撃が走る!
馬鹿な!? 一体彼女は、どこまで萌えのポイントをおさえているんだ!?

そんな色々駄目っぽい俺の思考はおいといて。ふむ、用事か。もしかしたら生徒会関係の仕事かもしれんな。

頑張れ敏腕生徒会書記のほほんちゃん!


のほほんちゃんを見送り。
俺と一夏、箒ちゃんにセシリーちゃんの四人で食堂へと移動する。
他にも数名俺達の後をぞろぞろとついてくる為、ちょっとした行進になっている。
流石は一夏。望む望まず選ばず、女の子が寄って来るな。

食堂についた俺達は、それぞれ券売機で思い思いの食券を購入する。
ちなみに俺は今日も蕎麦だ。
いや、これが美味いのよ本当。安いし、量もあるし。流石マダム達だね!

一夏はいつものごとく日替わりランチ。
箒ちゃんはキツネうどんで、セシリーちゃんは洋食ランチをそれぞれ購入。

あらま、全員いつも通りですな。
変わり映えのない日常ですね。良い事だ。
四人で食券をマダム達に渡す為に、列に並ぶ。

――― と、その時。


「待ってたわよ一夏! それに弾っ!」


俺達の前に、デデンッ! と色々と小柄な影が立ちふさがった。
両手に持つ盆の上にある、ラーメンが素敵です。
さすがはチャイナっ娘。キャラに合わせた昼食チョイスも素晴らしい。

まぁ、当然。微乳の暴走特急の鈴さんですね。

ほほう。待っていたとな?
あっけにとられる一夏達よりも先に、俺は口を開く。


「サインが欲しいのか? しょうがない奴め。」
「出待ちじゃないわよっ!!」
「色紙がないから、ブロマイドで良いか?」
「何でそんなモン持ち歩いてんだよお前。」
「話聞きなさいよ!? いらないわよそんな物!」
「一夏ブロマイド【うたた寝バージョン】。レア物なのに?」
「そんなの知らないぞ俺は!? いつ撮った!? いつ作った!?」
「『七代目五反田号』が一晩でやってくれた。」
【加工に妥協は無い。】
「何やってんだよ!? このアホ主従コンビ!!?」
「…全くしょうがない奴ね~。(ゴソゴソ)」
「待て! 何事もないように受け取り、懐に収めるな! ず、ずるいぞ!? 交換だ! 交換を要求するぞ!」
「そうですわ! 私まだそれは持ってませんのよ!? お寄こしなさい!」
「はぁ? 早いモン勝ちよ、早いモン勝ち!」
「他にもあるのか!? というか、箒にセシリア! なんで持ってんだよ二人とも!?」
「ところで君達、通行の邪魔だから早く移動しなさい。後ろの淑女達が食拳出せないだろう。全く食堂で騒ぐなんて、慎みを持たなあかんよ。慎みを。」
「「「「事の発端はお前(貴方)(アンタ)だろ(でしょう)があああっ!!!?」」」」


騒がしい友人達に溜息を吐きつつ、俺は食券をマダムに渡し蕎麦が来るのを待つ。
その後に続いて一夏達も食券を渡し、列に並び直す。

ふむ、やはり鈴がいると騒がしくなるな。無論良い意味でだ。
さすがは元気が取り柄の特急娘だ。素晴らしいね。

そのまま、一夏と俺に追従するように鈴も着いてきた。
おいおい。ラーメンがのびるぞ? 先に食ってりゃいいのに。
そんな鈴に、一夏が口を開く。


「のびるぞ。」
「わ、分ってるわよ! だいたいアンタ達待ってたんでしょうが! なんで早く来ないのよ!」
「一夏が途中『やっぱ草だよな、草』とか言って、道草を食い始めてな? 止めるのに時間が掛かった。いい加減にしろよお前。」
「食ってねぇよっ!? 捏造するにも限度があるだろうが!!」
「雑草は以外にイケるのは知ってるが、いくらなんでもお前・・・」
「なんで雑草の味知ってんだよ!? 食ったのか!?」
「はぁ? 馬鹿じゃないお前? 食うわけねぇだろ。常識考えろよなー。」
「俺もうマジギレていいよなっ!!? いいよなぁ!?」
「落ち着きなさいよ一夏。今黙らせるから我慢して。」
「ははははは、ラーメンを持っている状態で何がで【ズッドン!!】足の甲にも急所があるって知ってたか一夏ッ…!?(脂汗かきながら半泣き)」
「お、お前大人しくしてた方が良いぞ。」
「はぁ~。ホンッと変わってないんだから。」
「そう言う鈴こそ、ちょうど一年振りだけど変わりはなさそうだな。元気してたか?」
「…。」
「? 鈴?」
「ふむ? 一夏よ。お前ホント女心に鈍感だよな。少し綺麗になったなとか、ちょと大人っぽくなったなとか、気の利いた言葉くらいないのかお前?」

「「「「「「うんうん。」」」」」」← 食堂の淑女達が頷く

「んな事言われても。鈴は鈴だろ? 変わりがなくて元気なのは良い事じゃねぇかよ。」
「か―――!! 駄目だこりゃ! 鈴もちょっと期待してただろうに残念だったな?」
「は、はぁ!? ば、馬鹿言わないでよ!? そんなのちっとも期待してないわよ!?」
「まぁ、たしかに胸はチッパイのままだし、バストも控えめなままだし、オパーイも成長の兆しが見当たらんし一夏の言葉もあながち間違いではあっつ!? 熱ッ!? ラーメンの汁とばすのは駄目だろう!? スープを無駄にするのは許しませんよ!?」
「アンタ今三回連続で胸のこと言ったわね!? ほんとにぶっ殺されたいのかしらっ!!? これでもちゃんと成長してんのよ!! 馬鹿にすんな!」
「何? もちょっとその辺の話し詳しく。【キリッ】」
【記録準備完了。いつでもどうぞ】
「こっこの助平!? 話す訳ないでしょうがっ!!?」
「「「「「あの、早く進んでほしいんだけど?」」」」」
「わっ悪い! おい二人とも、飯持って早く席にいこうぜ!」
「席はあちらが空いているぞ一夏。」
「早く参りましょう。昼食時間が終わってしまいますわ。」

「おーい、早くこっち来いよ。そこいると邪魔だぞ四人ともー?(既に着席)」

「「「「早ッ!!? お前(貴方)(アンタ)いつのまにそこまで移動したんだ(ですの)(のよ)!?」」」」


蕎麦をGETした俺は、早々に席につき一夏達を待つ。
全く、迅速な行動がとれんと駄目だぞみんな。
一夏達も、それぞれ昼食を受け取り俺がキープしているテーブルへとやって来て席についた。
これでようやく昼食をとることができる。

しかし。蕎麦に、うどんに、ラーメンとは。
天下三麺の計が成った瞬間ですね。ある意味凄いことじゃなかろうか?(意味はなし)

俺が蕎麦を啜り、一夏が味噌汁を啜り、箒ちゃんがうどんを啜り、セシリーちゃんがスープを啜り、鈴がラーメンを啜る。
啜ってばっかじゃねぇかという周囲の心の声が聞こえる。

ズズズズズズズズー。

「「「「「ふぅ」」」」」

五人揃って一息つく。傍から見たらかなり珍妙な光景でしょうね。


「しかし、本当に久しぶりだな鈴。いつ日本に帰って来たんだ? おばさん元気か? いつ代表候補生になったんだ?」
「質問ばっかしないでよ。アンタ達こそ、なにIS使ってるのよ。ニュースで見た時びっくりしたじゃない。」
「この雑誌のスリーサイズは捏造だろ? この妙な決めポーズはなんぞや? 趣味は読書ってこれはネタか? 超うけるねぶわはははははははははははっ(バンバンッ!!)!!?」←テーブル叩いて爆笑
「あ、あんた何であたしの出てる雑誌をもってんのよおおおおおおお!? か、かか返せ! 見てんじゃないわよ!?」
「ほれほれ見てみ一夏。ありえない表情の鈴さんがの【パァン!!】ってべるぐばうっ!!? ビンタはあんまりじゃね!? 精神的にもきついんだぜ!?」
「アンタが悪いんでしょうが!? 返しなさいよ馬鹿弾!!」
「ははは、ほんとに変わらねぇよな。俺達三人のこのやり取りも。」
「んんっ! 一夏。先程の教室の騒動でも聞いのだが。 改めて説明してもらえないだろうか? この凄乃皇とは幼馴染ときいたが、どういう事だ?」
「そうですわ! 一夏さん、まさかこちらの最終兵器と付き合ってらっしゃいますの!?」
「だからアンタ達はあたしを何だと思ってんのよ!?」
「チッパイ。」


ガッ!(弾の口をこじ開ける)

ドバドバ(まだ熱々の蕎麦を喉に流し込む)

バッタンバッタン!!(弾が全身を暴れさせ悶える)

ギュ(鼻を塞ぐ)

ビクンビクンッ(弾が痙攣し動かなくなる)


「―――― で? なんの話だっけ?」
「「「本当に凄すぎるぞ(ますわ)!? 鈴(お前)(貴女)!?」
「ま、まぁ、弾なら。食べ物無駄にすることは信念に反するだろうと思ったけど。まさか一滴残さず飲み干すとは私も思わなかったわよ。こいつ一年前よりパワーアップしてんじゃないの?」
「そこまで計算してるのか。やっぱ鈴は、弾対策に必要不可欠な存在だな!」
「凄いよな。」
「そして相変わらず復活早いなお前は!?」
「三途の川の船の船頭がな? 俺見た瞬間凄いスピードで向こう岸まで船漕いで逃げちまってさ。」
「お前本当に何やったんだよ!?」
「まぁ、いいじゃん。ほれ一夏、レディを待たせるな。説明説明。」
「簡単にすましていい問題じゃない気もするけど、まぁいいか。(諦め交じり)」
「「「あの世って一体?」」」
「えーっと、改めて紹介するな。こいつは鈴。俺と弾が中学の時に一緒に良く遊んでた奴で、俺とは小学五年の時からの幼馴染だ。」
「中学二年の終わりに国に帰っちまってさ。ま、一年振りの感動の再会って訳ですな。」


そう説明する一夏と、補足する俺。
ちらっと鈴の様子を伺えば、「フン。」と、鼻息一つ吐き。箒ちゃんやセシリーちゃんをジロジロ観察している。

ふむ?

そんなに二人をガン見して何をしたいのかね? 喧嘩はあかんよ?


「で、こっちが箒。ほら、前に話したろ? 小学校からの幼馴染で、俺が通ってた剣道道場の娘。」
「…ふぅん。そうなんだ。」


バチィッ!!
 
箒ちゃんと鈴の視線が交差した時、火花が散った!

おおう!? スイカップVSチッパイの頂上決戦開幕か!?
どちらも需要はある上、どちらも捨てがたい!! この勝負、どっちが勝利するのか全く分からんぞ!!?
だが、二人は互いににっこり笑顔(作り)で言葉を交わすだけにとどまった。


「初めまして。これからよろしくね」
「ああ。こちらこそ」
「ドロー!! 初戦は引き分けか。長い戦いになりそうですな解説の一夏さん。」
「何言ってんだお前は。」
「ンンンッ! 私の存在を忘れてもらっては困りますわ。中国代表候補生、凰鈴音さん?」
「――― おおっと!? ここでセシリーちゃんが乱入だ!」
「お前楽しそうだな?」
「…は? 誰?」
「だがどうやらアウトオブ眼中だったようです。これは痛い! まるっきり不審者見る目です!」
「なっ!? わ、私はイギリスの代表候補生。セシリア・オルコットでしてよ! まさかご存じないの!?」
「うん。あたし他の国とか興味ないし。」
「これは手厳しい鈴の一言。どう思います解説の一夏さん?」
「俺に振るな俺に。」
「い、い、言っとおきますけど、私あなたのような方に負けませんわ!」
「「それって負けフラグじゃ…。」」
「~~~~~さっきから何なんですの!? また声まで揃えて!? 少しはフォローしてくださいませんの!?」
「はぁ。全くこいつらときたら。」
「アンタ達って、本当に妙な所で馬が合うわね。ま、でも戦ったらあたしが勝つよ。悪いけど強いもん」
「最近厨二病が流行ってるなぁ。予防接種を学園に申請するべきかね?」
「違うわよ!? 本当に強いのよあたしは!!」
「そうだねー。すごいねー。」
「ぶっ殺すわよアンタ!?」
「ま、まぁまぁ落ち着けよ鈴。」


ズズズズー。

俺と一夏が茶を啜り、箒ちゃんがうどんの汁を啜り、セシリーちゃんが紅茶を啜り、鈴がラーメンの汁を啜る。

「「「「「ふぅ」」」」」

傍から見たら、きっと色々微妙な光景なんだろうなと常々思う。


「そいえば、アンタ達クラス代表になったんだって?」
「それは俺で、弾は副代表だ。」
「『こんな事もあろうかと思って準備しておきました』ってな感じで主人助ける老紳士的なポジションです。」
「あっそ。」
「「軽く流した(ましたわ)!?」」
「そうなんす。」
「「こっちも軽く受け止めた(ましたわ)!?」」
「ふーん…。」


小さく頷くと、鈴は一夏に視線を投げかけた。
その視線はどこか照れが入っている感じがする。

お? 鈴がアタック開始しはじめたな。


「あ、あのさぁ。ISの操縦みてあげてもいいけど?」
「え? 鈴が?」
「おおう、良かったじぇねぇか一夏。」
「なんなら、弾も特別にみてあげるけど?」


そのまま、俺にも視線をよこしそう言ってくれるチャイナッ娘さん。
おおう、何とも嬉しい事を言ってくれるね!

ふむ、やはり一年前の鈴のままだなー。小さな優しさが素敵です。


「「おお! そりゃ助か――――!!」」

ダンッ!!

「呼ぶなら口で呼んでくれ。何か用かね箒ちゃんセシリーちゃん?」
「「違う(いますわ)っ!!」」


そのままキッと鈴を睨みつける二人。
鈴も鈴で、そんな二人をじろりと鬱陶しそうな目で睨む。

…ふむ?


「一夏に教えるのは私の役目だ。頼まれたのは私だ!」
「貴女二組でしょう!? 敵の施しは受けませんわ!」
「…あたしは二人に言ってんの。関係ない人は引っ込んでてよ。」
「か、関係ならあるぞ。私が一夏にどうしてもと頼まれたのだ。」
「あながち間違いじゃないよなぁ。一夏必死だったし。」
「あれはしょうがないだろうが。」
「一組の代表ですから、一組の人間が教えるのは当然ですわ。貴女こそ、後からでてきて何を図々しい事を――――」
「図々しいねぇー? あたしの方が付き合い長いんだけど?」
「そ、それを言うなら私の方が早いぞ! それに一夏は何度も家で食事している間柄だ。付き合いはそれなりに深い。」
「…あっそ。家での食事でならあたしもそうだけど?」


ねぇ、と鈴が俺達二人に視線を投げかける。
『そういやそうだな。』と、答える一夏の言葉を受け流し俺は鈴を見る。
周囲の淑女達がざわついているが、そこも今だけは聞き流す。

…俺は気にしてねぇよ?

そういう思いを込めて鈴を見るが、鈴は俺の視線に気付くと僅かに顔を顰める。

不味いな。どうしたもんかねー?


「いっ一夏! どう言う事だ!? 聞いてないぞ私は!」
「私もですわ! 一夏さん、納得のいく説明を要求します!」
「説明もなにも、幼馴染でよく鈴の実家の中華料理屋に行ってた関係だよ。」
「これが美味くてさー。我が五反田食堂に戦慄が走った瞬間だったぜ!」
「別にばらさなくてもいいのに…馬鹿一夏」
「やーい馬鹿!」
「二人して馬鹿って言うなよ!?」
「な、何? 店なのか?」
「あら、そうでしたの。お店なら別に不自然なことは何一つありませんわね。」
「親父さん、元気にしてるか? まぁあの人こそ病気には無縁だよな」
「まさにそうだな。」
「そこで頷くなよ。それ以上に色々無縁なくせに。」
「俺にだって出会いくらいあるわいっ!! 馬鹿にすんなこのフラグ野郎!! 泣くぞしまいには!?」
「それはどっちの意味だ!? 病気とのか!? 人とのか!?」


そんな風に騒ぐ一夏と俺に反し。
鈴の表情に影が落ちる。


「あ…。うん、元気――――だと思う。」


…ふむ?

鈴の違和感に、俺だけでなく一夏も気付いたようでお互い顔を見合わせた。

そのまま一夏が声を掛けようとするが、それよりも早く鈴がパッと表情を変えて言葉をまくしたてた。


「そっそれよりさ、今日の放課後って時間ある? あるよね。久しぶりだしどこか行こうよ。ほら駅前のファミレスとかさ。」
「あー、あそこは。」
「去年潰れたぞ。俺のせいで」
「「「ちょっと待て(ちなさい)!? どういうこと(ですの)だ!?」」」
「まぁ、あそこは接客も微妙だったし当然と言えば当然かもな。まぁ一番の理由は、そこで飯食ってた弾が女子に対して礼節取らない男店長にブチギレてなんかやったらしい。怖いから聞いてないけど。」
「アンタここ以外でもそんなことやってたの!?」
「ここ以外って、何もしとらんがなIS学園じゃ。」


「「「「「「「「「「嘘吐くな―――――――――――――――――――ッ!!!!!?(教師含み)」」」」」」」」」」


おおう? どうした皆。
此処は食堂。憩いの場だぞ? 静かにしなさい。


「色々聞いてんのよ!? アンタが此処で起こした騒動とかね!」
「お、俺も気になってたんだ。こいつ何したんだよ鈴?」
「まぁ軽い所から言えば…学校中の職員室の時計を一時間戻したとか。」
「「「何やってんだ(ますの)!? お前(貴方)はーっ!?」
「いや、職員室通りかかったら『誰か時間を戻して~』ていう淑女の叫びを聞いてな? 頑張った。」
「「「それは比喩表現だ(です)!!」」」
「おかげで授業に遅れるわ、大事な会議に無断欠席だわ、他国の高官との会合もすっぽかしそうになるわ大変だったそうよ?」

『ううっ!』『どれだけ資料集めに苦労したと!?』『懲戒免職寸前だったんですよ私!?』


「そ、それで軽い方なのか!? もうそれだけで腹一杯なんだが俺!? むしろ聞くのが怖い!?」
「それで、その後のことなんだけど。危うくすっぽかしそうになった高官に、謝罪を込めたもてなしをする事に決まったらしいんだけど。」
「こいつか? またこいつが何かやったのではないか!?」
「高官? お、もしかしてあれことか?」
「心当たりあるのか!? 何したんだよお前!?」
「いや、俺は特に何もしてないんだが実は――――――――――。」


~回想~

『こちらになります。どうぞお入りください。』
『ははは、ありがとう。そんなに気にしなくてもよろしかったのに。IS学園は激務で忙しいことは承知の上です。お構いなく。(ナイスミドル)』
『い、いえ今回の事は…イレギュラーと申しますか。』
『それでは失礼して…おや?』
『? どうかまさいましたか――――って、ひぃ!?』
『ん? 何か用っすか?』←通りかかった弾
『な、何でもありません! ええ何もありませんとも!? ははは早く教室にもどりなさい!!』
『君は…?』
『どうも! 日本を支える日本紳士! 五反田 弾です!』
『紳士?』
『ええっと! こ、この男子生徒は。日本で確認されたISを起動できる男子の一人の―――――っ!』
『その言動…日本…そして紳士。も、もしや貴方は『DANSHAKU』ではありませんか!?』
『―――――― はいッ!?『DANSHAKU』!?』
『ッ!? まさかアンタ【世界紳士連合】の一員か!? しまった!! 迂闊だった!!』
『なんですかそれ!? 何なんですかそれは!?』
『おお! やはり『DANSHAKU』なのですね!? お会いできて光栄です! ずっと貴方を探していたんです!』
『やめてくれ! その名は捨てたんだ!!』
『何なのこの超展開!? あ、あの!? と、とりあえず中へ!?』
『戻ってください『DANSHAKU』! 貴方が抜けて以来我が【世界紳士連合】はっ!?』
『それは出来ない! 分ってくれ!』
『あのちょっと!?』
『紳士の誉れと謳われた貴方が! 何故脱会など!?』
『分かってくれ! 受験だったんだ!!』
『何ですって!?』
『そこ驚く所なんですか!? いやあああ、何これ意味分かんない!?』
『もう話す事はない。アンタみたいな紳士がいるなら連合も大丈夫さ! じゃあな!!』←バッと窓から飛び降りる。
『ま、待ってください『DANSHAKU』!? まだ話がっ!?』
『お、落ち着いてください! と、とりあえず中へ!』
『離せ! 離してくれ! ようやく彼に会えたんだ!! 『DANSHAKU』!!『DANSHAKU』―――――――――――――――――――っ!!』
『もういやああああああああああああああああああああああああああああ!!!』

~回想終了~


「―――ってなことがあってな?」
「「「「「お前(貴方)(アンタ)一体何者なんだよ(ですの)(なのよ)!!?」
「今はただの弾さ…(遠い瞳)」
「いや意味分かんねえ!? 【世界紳士連合】ってなんだよ!? 」
「世界の裏から、淑女達を見守り、時に救いの手を差し伸べる秘密組織だ。入会にはまさに血を吐くような試練が待っている。一夏、今のお前じゃ無理だ。もっと力を付けるんだ。」
「入りたくねぇよ!?」
「ま、まぁそれも気になるけど。本当の騒動はこの後なのよ。」
「「「まだ序章!?」」」
「その後、その高官をはじめとした沢山の電話やメールがIS学園に来たらしいのよね…国籍問わず。」
「「「はぁぁぁ!?」」」
「全員一概に『DANSHAKU』と話をさせてくれとか、彼をIS学園に留まらせておいてくれとか、昼夜をとわず引っ切り無しに連絡が来て。一般人なら軽くあしらえばいいけど。中には耳を疑うような地位の役職の人もいるらしくて…総合事務受付は火の車で、教師陣も対応に奔走したそうなのよ。本当に何やってんのアンタ?」

『嫌ぁ! もう嫌ああああ!』『帰して! アパートに帰してよおお!!』『出たくない! 電話怖いっ!!』『うふふふ…殺せっ! いっそひと思いに殺せっ!』

「ん? 騒がしいな。」
「「「「お前(貴方)(アンタ)のせいでだろうが(しょうが)!? この世界レベルの問題児!?」」」」


騒がしくなった食堂に、内心妙に想いながら茶を啜る。

あー落ち着く。
とりあえず俺の話はおいといて話を戻そうぜみんな。


「そんな訳で、あのファミレスは今はない。というか飯食うなら『五反田食堂』をご利用してくれると俺超嬉しいんだが?」
「話すり替えやがった。ま、そういうことだ鈴」
「そ、そう。でも『五反田食堂』はここからじゃ遠いし…なら学食でいいでしょ? 二人とも積もる話もあるでしょう?」


そんな風に会話を続けはじめたが。
ここで箒ちゃんと、セシリーちゃんが火を噴いた。

おう。やっぱり噛みついてきたね。


「あいにくだが、一夏と私はISの特訓をするのだ。放課後は埋まっている。」
「そうですわ、クラス対抗戦に向けて特訓が必要ですもの。特に私は専用気持ちですから? ええ、一夏さんの訓練には欠かせない存在なんです。」
「…。」


そんな二人の言葉をきいて。



―――― 鈴の二人を見る瞳が、汚物を見るようなそれに変わった。



口をギリリと食いしばり、その瞳は敵を食い殺さん獣の如き鋭さを発し、二人を睨みつける。

そんな鈴の急激な変化に、一夏も驚愕するが―――――――――――。
しょうがないね全く。


「―――― アンタらさっきから聞いてれ「おお、モテモテだな一夏! まぁ、俺はこれからちょっと野暮用でよ。二人のレディにしごかれて来いよ!」――― 弾っ!?」
「は? あ、ああそうだな…?」


アイコンタクトで、一夏に頷くよう指示を送る。
そのまま鈴に向き直り、鈴の瞳を見つめ返す。その瞳は『何でよ!?』と、非難と困惑の色が濃い。

はー、全く手の掛かる友人達だこと。


「そう言う訳だからさ。鈴も一夏の訓練が終わってから尋ねてみろよ。そん時は俺も時間が空くと思うしさ。どうよ?」
「っなんでアンタはいつもそ「頼む。」…!! 分かったわよ!!」


乱暴に席を立ち、テーブルから離れていく鈴。
突然のことに一夏はもちろん。箒ちゃんもセシリーちゃんも困惑している。

そしてもう一度こちらを振り返り、一夏と俺に声を張り上げた。


「特訓終わったら時間空けときなさいよ二人とも! いいわね!?」
「お、おお。分かった。」
「あいよー。また後でなー?」
「…フン!」


そのままヅカヅカと食堂を出ていく鈴。そんな鈴を見送った俺は茶を一口飲みこむ。

隣の一夏は、何が何やらって感じだが…まぁ、こいつだしな。

しかし一夏。おまえはある意味流石だな。
鈴の奴ちっとも変っちゃいないな。うん、そこを見ぬけただけで賞賛ものだ。


鈴は変わっちゃいない。





鈴は、一年前から止まったままのようだ。





「どうすっかねー?」
「だ、弾。あのさ?」
「ん?」
「いや、鈴の奴。何か変じゃないか?」


どうやら一夏も、なんとなくだが鈴の今の状態の【危険性】にきづいたようだ。

おおう。流石親友、それでこそだな。
ま、細かい事はいいから。お前は大事な所さえ見逃さなきゃいいんだよ。

細かい事は俺に任せな。


「ま、今のお前に出来んのは。なるべく鈴を気に掛けといてやる事だな。」
「え? あ、ああ分かった。」
「さてさて? 本当に野暮用が出来ちまったぜ。」


いまだ困惑中の箒ちゃんとセシリーちゃんに、小さな苦笑を返す。
別に悪くないよ二人ともさ?


恋は盲目っていうから、そのまま突っ走る姿は美しいもんですぜ? ちょっと気を配れるようになれば問題はないから大丈夫だって。


さてと、まずは情報がいるな。
やれやれ、手の掛かる友人持つと大変だね~♪


また一口茶を飲み。頭を整理していく


「…どうすっかね~~~~~~?」


俺のそんな気の抜けた呟きが。
わいわいと賑やかな食堂の中に溶けて消えた。





後書き

どうも、久しぶりの休日に今の今まで爆睡して一日無駄にしてしまった私です。・・・気が付いたら外が暗いんです(泣)。あわてて更新しました。さて、今回ちょっとシリアス臭わせる雰囲気ですがどうなるでしょうね? さて次回。弾が色々動きます。自分で書いててなんですが・・・弾よ。お前は何処へ向かっているんだ(汗)。


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