眼が覚めたら赤ん坊になっていました♪
はい、みなさんこんちは初めまして、母親と思しき人の腕の中から失礼いたします。私の名前は五反田 弾というらしいです。
あれ? おかしいな? 俺の記憶の中では確か、自分は今年から大学に通うことになっている十八歳の学生だと記憶しているんだが?
いいぃヤッフー!! 受かった!! 俺受かったよ俺!! 来年から花の大学生だ、バラ色のキャンパスライフが待ってるぜ―! と、知人がドン引きするぐらい狂喜乱舞していた昨日の俺は何処へ?
酒を浴びるようにして飲み(おいコラ未成年)、そのまま倒れるようにマイベット(アニメヒロインの画像付きシーツ装備)の中で熟睡したまでが昨夜の記憶(記憶力良し)。
うん。思い返してみても、今現在の状況に繋がる要素は無いな。むしろ寝相悪くてベットから落っこちて悶絶して朝を迎える事の方がより現実的な筈。
間違っても自分を愛おしそうに覗き込み、優しい頬笑みを向ける母親っぽい人に抱かれるモーニングベイビーな朝を迎える事なんか皆無の筈。しかし美人ですね、最高です。
「ふふふ。だーん♪」
そう言って俺の頬をプニプニ触る美人な母親っぽい女性(面倒だから母親でいいかもう)。
おおう、何をするんですかお母さん。いいぞもっとやれ。
「…だぅー(貴女のお名前は何ですか、マダーム。)」
「あらあら? なーに? 弾?」
「んぶぅー(お美しいですね。結婚してください。)」
「うふふ、そうねー。とってもいい天気ねー。」
「あーうー(貴女の前では太陽の輝きすら霞みますマダーム。)」
「…はぁ、かわいい♪ 私の坊や♪」
むむ、流石は貞淑な若妻、俺の口説き文句を軽く流すとは・・・・出来る女性は違いますね。(通じてないことに気付いていません)
しかし、これはまいった。
こいつはもしかすると憑依転生というものではないか? 今流行りの。いや、死んだ記憶もないし唯の憑依かね?
・・・・いや待て!? まさかアルコール飲み過ぎて、寝てる間に中毒死したのではないか俺って!?
なんてことだ!! ちくしょう・・!! まだまだやりたいことは一杯あったのに! 昨夜缶ビールを三本も(一本250ml)呑むんじゃなかった! 俺の馬鹿! せっかく大学にも受かったのに(近くにある三流大学)、あんなに勉強したのも台無しじゃないか!(一夜漬け)
うううぅ!! ちくしょう!!
「ぶ・・・ぶぅぅええええええええん!(俺の人生バットエ―――ンド!?)」
「あら? どうしたの弾?」
「ふえぇぇぇぇぇぇぇぇん!(花のキャンパスライフ―――――!!)」
「あらら?・・・・うーん、お漏らしじゃないわね?」
「ほぎゃぁぁぁぁ!!(彼女いない歴五年―――――!! あ、中学の時彼女いました。)」
「あ、お腹すいたのね? 弾ったら食いしん坊さんねぇー?」
「ぶええええぇぇぇん!!(とにかく俺の一生返してくれ―!!)」
「はいはい、ちょっと待ってね?…(ポロリ)はいお乳ですよー?」
「あぶ!?(あぶ!?)」
「うふふ、一杯飲んで大きくなってね? 弾♪」
「あむあむ(もちろんですお母様。これから立派な息子として生きていきます【キリッ!】)」
ふ…俺の前世なんざもうどうでもいいやぁ。目の前の母性の塊にくらべりゃ些細な問題さ!(二束三文で他人に譲れる人生です)
これから俺は五反田 弾として生きていきますお母様っ!!
目の前の母親に向かって(母性の塊を惜しげもなく俺に授乳する聖母様)に向かって、俺は決意するのだった。
しかし、はて?
五反田 弾。何処かで聞いたような名前だな?
こうして、俺のインフィニットなもう一つの人生が授乳と共に幕を開けた。
後書き
始まってしまいました。どうか広い心でお付き合いくださいませ。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。