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No.27596の一覧
[0] <一発ネタ>なのはの世界でMACROSSを再現してみる[あおあお](2011/05/07 20:29)
[1] こりもしない二発目[あおあお](2011/07/02 13:26)
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[27596] <一発ネタ>なのはの世界でMACROSSを再現してみる
Name: あおあお◆c94eb749 ID:6e8c7e8d 次を表示する
Date: 2011/05/07 20:29
―――これは

―――もしかしたらあったかもしれない

―――IFの物語







 飛び交う騒音、立ち込める硝煙の臭い。
 辺りに充満するのは濃密を超え呪いにも感じられるほどの死の気配。
 耳を貫くような悲鳴が辺りを覆い尽くし、絶望という悪魔が耳元で怨念を振り撒きつづける。
 そんな世界に異色な存在が一つ。

「AMFを全開にしろ! ホールの守りを固めて交代で防御にまわれ!
 天井を崩しても構わん、バリケードを造り入口から一歩たりとも進めさせるな!!」

 指揮官なのだろう。
 一人だけ色の異なる制服を着た男が叫ぶ。
 その声は騒々しい戦場の中でも隅々までよく届き、同じだけの復唱となって返ってくる。
 彼の名はレジアス・ゲイズ、管理局内で中将という要職でありながらも数少ない武闘派として知られる人である。

「いいか、決して一対一で戦うな。入ってきたところを袋だたきにしろ!
 蛮勇などいらん、生き残ることだけを考えろ!!」

 そう叫ぶように指示を出すやいなや、彼は両肩に怪我人を担ぎあげ奥へと運んでいく。

 レジアスは呟いた。
 我々が何をしたというのだ、と。

 彼を含め、現在この隊舎で戦っているものたちの中に犯罪者はいない。
 少なくともこのようにして攻められるような人はいないはずだった。

 だとしたらどうしてこのようなことになっているのだろうか。



 そこにはどうしようもないほどに深い怨念が眠っていた。
 有り体に言えば"出る杭は打たれる"というやつだ。
 別の言い方では"スケープゴート"とも言う。

 彼は…彼等は身替わりにして贄とされたのだ。


――管理局の正義を示すための


 もともと管理局の上層部はレジアス派閥が気に入らなかった。
 利権よりも救済という誰よりも管理局の理想を体言している彼等が、力を握っていくのがどうしようもなく気に入らず、また同時に恐ろしかったのだ。

 ――彼等は消してしまおうと考えた。

 予(かね)てよりレジアスは半質量兵器の導入を訴えており、陸の一部では独断に近い形で実施もされていた。

 彼等はそこに付け込んだ。


 レジアスたちは知らぬ間に見事な悪に仕立てあげられ、彼等は悪を倒す正義の味方というシチュエーションだ。

 宣戦布告も無しに開かれた争いの火蓋は今だに閉じることを知らず、俄然浸食するかの如く激しさを増していく。

「怪我人は最優先で避難させろ、一人たりとも見捨ててはならん」

 現在の戦況は膠着状態といったところだ。

 ……とは言ったものの、睨み合いが続いているわけではない。
 互いにこの短時間で大勢の負傷者を出す泥沼の争いだ。



 どうすればいい、どうすれば……
 祈るように瞳を閉じる。

 これ以上の血は無意味だ。
 いや、そもそもこの戦いにおいて流れた血こそが無意味だ。
 ゼストよ、私はどうすればいいのだ。
 お前ならどうする、答えては…くれぬか……。




 設置型AMFと魔導兵器でなんとか持ちこたえてはいるが、所詮多勢に無勢。
 一般の事務局員の加勢もあってようやく守りを通せてるという危険な状態だ。
 それもいつ崩れるかわからない抜かるんだ地盤の上に建つ家の如し。
 第一に数が違う。
 このままではじり貧だ。


 こんな争いがいつまで続くというのだろうか。
 誰もこんなことは望んでいないというのに、ひたすら無益に命を消費するというのか。

 これが、私の贖罪だとでもいうのか……。


 頭を抱えたくなる思いを打ち払い、自分に出来ることをしようと指揮の合間にレジアスは怪我人や物資の搬送を行う。
 本来ならば指揮官が動き回るのは好ましくないのだろう。
 しかし誰もそれを咎めるものはいない。
 その心遣いに感謝しつつも、絶望的状況に心が押し潰されそうになる。



 だが不可解なことが起きたのはそのときだ。

「敵が退いてゆく……?」

 何故だ、安堵感よりも困惑が先に出る。
 若い局員などは歓喜の悲鳴をあげているが、戦闘経験を持つものは一様に眉をひそめ嫌な顔をしている。
 背筋をちりちりと焦がされるような嫌な予感とでもいうのだろうか、長年世界の裏を見てきたからこそ絶対の自信を以て信頼できる"勘"というヤツが、煩いほどに警鐘を鳴らしている。
 外れてほしいが、外れないからこその"勘"だ。

 そしてさらなる絶望が襲ってきた。

 モニターを睨むオペレーターが悲鳴をあげるように報告をする。
 彼も警戒を怠らずに計器を睨み続けていたのだ、レジアスは彼に感謝した。

「撤退する魔導師と入れ代わるように接近する反応あり。これは…戦闘機人です!」

「機人だと、馬鹿な!
 あれは開発が中止されたはずだ!!
 ――して、数はどれ程だ」

 問うと彼は震える手でモニターをこちらへ向けてきた。
 絶望に染まっていた顔がもはや青を通り越し白くなっている。
 そしてそれを聞いた人間を絶望へと押し込む報告をした。

「数は――数は1000以上です」

 その言葉に世界すべての時と空間が止まったかと思われた。
 しかしそんなことは所詮錯覚でしかなく、絶望の輪は着々と私たちの首を真綿で締め付けるように迫りくる。

 『諦めろ』悪魔はそう言う。いや、天使がそう言い、悪魔は『進め』と言っているのかもしれない。
 どちらだろうと関係ない。
 もはや助かる見込は潰(つい)えたと言っても過言ではない、むしろ足りないほどだ。
 戦闘機人が相手ではAMFによるアドバンテージは消え去る。

 そもそもが地力で劣っているのだ、どうして耐えることが出来ようか。


 膝から崩れる。
 慌ててオペレーターが肩を支えるがレジアスの視線は宙をさ迷うばかりだ。

 窓の外からは戦闘機人が列を成して進みゆく光景が垣間見える。

 死を呼ぶ行進。
 彼女達がここにたどり着いた時、その時虐殺が、殺戮が始まるのだろう。


 戦闘機人はすべて女性が素体だと聞いたことがある。
 何故か、と聞かれれば生物学的な要素が絡んで来るのだろうが、そんなことはどうでもよい。

 化粧など知らないのだろう。
 美しく整った顔は、逃げ遅れ地に倒れ伏す管理局員の脚を、手を、身体を踏み潰し目標の姿を突き刺すように見つめつづける。
 彼等のうめき声も聴こえていないのか、その脚は留まることを知らない。

 彼女達は試験管で生まれ、戦場で育ち、そして棄てられる。

 着飾って街を歩いたこともない。
 青春を謳歌するべき年頃の娘を使う、そのことに言いようのない怒りが体を駆け巡る。

 なんら感情を感じさせない瞳は黄金色に輝き、一歩一歩大地を踏み締めながら進む様はさながら天使のようだ。



 戦意は既に失われている。
 当然だ、勝てるはずがない。
 戦力比は1:500を示している、歯向かう気が失せるなどというレベルの話ではないのだ。

 しかし彼女達の目的は戦いに勝つことではない、殲滅だ。

 白旗を振ろうが止まるはずもない。



 そんな空気の中、オペレーターの声は不思議と響いた。

「これは…隊舎上空に超高エネルギー反応!」

「なんだと!?」

「質量反応なし、エネルギーのみです!!
 そんな…これほどのエネルギーが一点に集中すれば次元の壁が崩壊します。エネルギー尚も上昇中!」


 ナニが起こっているというのだろうか。
 敵の策略……ではないようだ。
 その証拠に戦闘機人達も脚を止めている。


「反応が反転、エネルギーが質量に変わっていきます。こんなもの、既存の技術のどれとも一致しません。
 上空にナニカが転送されてきます。質量、形状ともに不明です!」


 この場にいるすべての者が上空に現れるナニカに注目していた。


 上空に現れた黒い影、ソレは徐々に形を現していった。

 鋭く尖った先端部が明らかになる。
 ソレは先端から徐々に流線型を描き、炎の如く朱に塗られた本体を顕(あらわ)にする。

「戦闘機……だと?」

 誰の呟きだったのだろうか、飛び出してきたのは一機の戦闘機だった。
 質量兵器の中でも強力な部類に入るその形状は、管理局員ならば誰でも知っているものだ。


 真っ赤な本体色をしたその飛行物体はヘリコプターのように空中で停止した。
 宙空に留まる謎の戦闘機。
 その存在が皮肉にも戦場を停止させ、レジアス達の命を延ばしていた。


 すると驚くべきことが起こった。
 戦闘機が中頃から真っ二つに折れると、全身が様々な稼動を始めた。

 変形だった。

 あれよあれよという間に腕が現れ脚が出来、戦闘機はヒトの姿をとっていた。

 最後に顔が現れる
 戦闘機が完全なヒトガタに変形したのだ。

 手には銃なのだろうか、筒状の物を持っている。
 ロボット――その言葉が1番説明しやすいだろう。
 誰もが言葉を失っていた。



 誰も言葉を発せない沈黙の時間が続く中、最初に動いたのは原因となっているロボットだった。
 その炎のように赤い体躯が、関節が、指が動きはじめ、銃口が地上に向いた。
 機械とは思えぬほどにスムーズな動きで右腕は稼動し、その人差し指が引き金にかかるところをレジアスは目撃した。

 盛大なマズルフラッシュ

 誰もが直感的にマズイと感じたが、派手な音を発て発射された銃弾は全て地上に突き刺さった。
 意図してだろうか、機人と隊舎の丁度中間にである。



 全員が疑問に思った。

 しかしそれは始まりに過ぎなかった。


『てめぇら聴こえてるか!!』

 声がした。
 若い男の声だ。
 音の出所、つまり音源は先程銃弾らしきものが撃ち込まれた場所だ。

 あれに人が乗っているのだろうか、そしてその彼がこの声を出しているのだろうか。




『ここが何処で何がどうしてどっちが悪くてお前らが誰なのかは知らねぇ――けどな』





 声の主はそこで言葉を切る。
 レジアスは思う。
 そんなことを奴らに言っても無駄だと。
 争いを止めろというのは奴らに指示を出す側にしなければ彼女達が止まることはない。


(誰かは知らない…だがやめろ)


 彼が狙われることになる。
 命令一つあれば彼女達は空へと舞い上がりあの赤い機体をスクラップへと変えてしまうだろう。


 しかしレジアスの懸念は杞憂でしかなかったのだ。




『争いなんてくだらねぇぜ!
 そんなもんはさっさとやめて…てめぇら全員、オレの歌を聴けぇぇぇ!!』





 確かに男の一言めはレジアスの予想したものに相違なかった。

 しかし二言目は予想外だった。

 いや、誰が想像出来るだろうか。

 争いを止めるために歌い出すなど……。



 ギター特有の弦を引っ掻く音が戦場に響き渡る。

 さっきとは異なる意味で誰もが言葉を発することができない。


 掻きならされるギターとともに響き渡る力強い歌声
 負の感情が流されてゆく

 歌で潰れかけていた心に火を燈す


 馬鹿だ――そう口にしようと思った……しかし言葉にできない。
 馬鹿馬鹿しいのは私たちのほうではないか。

 



 そんなときだ、一人の戦闘機人が空へと昇っていくのが見えた。
 いや、一人ではない。
 一人が飛び立つと後を追うように続々と空へと舞い上がる戦闘機人たち。


「いかん、撃ち落とされるぞ」


 あの機体が敵か味方かは関係ない。
 戦闘機人たちはアレを撃としにかかるだろう。

 ここからでは遠く援護も不可能だ。
 最悪の事態を胸に描いた、しかし……


「あああああぁぁぁぁあぁああああ!!!」


 彼女達は雄叫びを挙げながらそれぞれ砲撃を放つ。
 しかし彼女達が放つ砲撃は色とりどりの軌跡を空に描き一発たりとも当たることはない。


 最初に飛び上がった一人が一際強く接近し叫んだ。


「貴様、名は」


 歌が一時途切れる。


『熱気バサラ』

"おぉぉぁぁぁぁぁぁあああああ!!"

 彼が名乗る、戦闘機人たちが雄叫びを挙げる。
 彼女達は思い思いの魔法で空を彩る、それはまるで

「コンサートの追っかけみたいですね」

 空に赤青黄色の軌跡を残し縦横無尽に駆け回る。
 彼女達は気づいていないのだろう、自分達が笑っているということに。


 赤い戦乙女と無数の天使達は戦場の空を踊りつづける。

 その幻想的な光景を、敵も味方も関係なく惚けるように見続けていたのだった。





 この戦いが後に管理局、引いては次元世界の理を塗り替えるほどの大事件の始まりだとも知らずに……





=====================================

一時期なろうの方にあげてた事がある奴です

元ネタは最強女の艦隊です

正直まだ至らない点ばかりですので寛大な目で見ていただけるとありがたいです



そんなわけで次回予告(嘘)です

其の壱

スバル「訓練校のランチニ回、奢ったよ!!」

ティアナ「私は十三回奢らされたぁっ!!!」

スバル「しっかり数えてるんじゃ…ない!!」

ティアナ「学園祭の時あたしのケーキ食べたのもアンタでしょ!!」

――――――なんてのを書いてみたい。


其の弐

「今日の模擬戦相手は"あの"機動六課だ、手抜くんじゃぁねぇぞ」

「ハハハ…女ばかりなんでしょ? そりゃぁい……うわぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」


「柿崎ぃぃぃぃぃぃっ!!!」



其の参

「ほな一発でかいのいくで」

――闇に染まれ――

――デアボリック・エミッション!!――

空を覆い尽くす黒い球体

「柿崎、遅れるな、柿崎」

「駄目です隊長!間に合いません!!うわああああ!」


「柿崎ぃぃぃぃぃぃっ!!!」


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