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No.27133の一覧
[0] (新話追加)僕の恋人はお兄ちゃん?(インフィニット・ストラトス オリキャラ転生系 R15)[ゼミル](2012/02/22 21:06)
[1] プロローグ(上):彼女が彼と出会うまで[ゼミル](2011/06/11 09:53)
[2] プロローグ(下):彼がISを使える事に気づくまで[ゼミル](2011/06/11 09:57)
[3] 1-1:バカップルの来日と再会[ゼミル](2011/06/11 10:00)
[4] 1-2:決闘の経緯/刺激的過ぎる再会[ゼミル](2011/06/11 10:04)
[5] 1-3:決闘対策期間[ゼミル](2011/06/11 10:10)
[6] 1-4:サムライハート[ゼミル](2011/06/11 10:13)
[7] 1-5:伝染?[ゼミル](2011/06/11 10:18)
[8] 1-6:School days(一部改定)[ゼミル](2011/06/11 10:23)
[9] 1-7:再会TAKE2[ゼミル](2011/05/06 23:51)
[10] 1-8:Fire in the hole!/友情[ゼミル](2011/05/11 10:14)
[11] 1-9:約束の行方/恋は戦争?[ゼミル](2011/05/22 15:49)
[12] 1-10:決闘者×乱入者×突入者[ゼミル](2011/05/22 15:49)
[13] 1-11:決着/少女達の答え[ゼミル](2011/05/22 23:32)
[14] 2-1:ボーイズトーク/銀の嵐・序章[ゼミル](2011/05/25 11:54)
[15] 2-2:結構気にしてるんです/ランチタイム[ゼミル](2011/05/28 11:12)
[16] 2-3:銃声の記憶[ゼミル](2011/06/03 00:46)
[17] 2-4:ガールズトーク[ゼミル](2011/06/06 00:20)
[18] 2-5:Black vs White:1st Round[ゼミル](2011/06/11 00:06)
[19] 2-6:家庭の事情/タッグマッチに向けての一幕[ゼミル](2011/06/14 11:47)
[20] 2-7:八者四様[ゼミル](2011/06/19 11:57)
[21] 2-8:Black vs White:Bullet & Blade[ゼミル](2011/06/24 00:03)
[22] 2-9:Black vs White:Fake & Real/掌[ゼミル](2011/06/27 00:24)
[23] 3-1:とある朝の風景/一夏にまつわるエトセトラ[ゼミル](2011/08/09 00:38)
[24] 3-2:イントゥ・ザ・ブルー[ゼミル](2011/08/13 18:44)
[25] 3-3:疑わしきは/イントゥ・ザ・スカイ[ゼミル](2011/08/27 10:42)
[26] 3-4:許されざる者/理由[ゼミル](2011/09/01 23:59)
[27] 3-5:バースデイ[ゼミル](2011/09/10 00:25)
[28] 3-6:アナタノオト/覚悟完了[ゼミル](2011/09/18 18:36)
[31] 原作3巻終了時までの設定[ゼミル](2011/12/13 10:26)
[32] 4-1:Summer Time・序[ゼミル](2011/12/25 17:22)
[33] 4-2:Summer Time・ある夫婦+αの場合[ゼミル](2011/09/26 17:44)
[34] 4-3:Summer Time・トライアングラー+αの場合(???追加)[ゼミル](2011/12/25 17:24)
[35] 4-4:Summer Time・そして仲間達の場合[ゼミル](2011/12/25 17:25)
[36] 5-1:Friends[ゼミル](2011/10/23 23:28)
[37] 5-2:影の軍隊/青猫と白猫[ゼミル](2011/10/28 19:04)
[38] 5-3:代表候補生と男性IS操縦者に関する部活動についての一幕[ゼミル](2011/11/01 10:57)
[39] 5-4:リアルバウトハイスクール[ゼミル](2011/11/07 00:31)
[40] 5-5:アフタースクール/ブレイクスルー[ゼミル](2011/11/13 23:49)
[41] 5-6:ロングキス・グッドナイト[ゼミル](2011/11/19 00:31)
[42] 5-7:千客万来(上)[ゼミル](2011/11/26 11:26)
[43] 5-8:千客万来(下)[ゼミル](2011/12/04 11:39)
[44] 5-9:ダブルチーム(上)[ゼミル](2011/12/11 12:18)
[45] 5-10:ダブルチーム(中)[ゼミル](2011/12/17 00:01)
[46] 5-11:ダブルチーム(下)/ネバー・セイ・ダイ[ゼミル](2011/12/24 15:42)
[47] 6-1:水面下の憂鬱[ゼミル](2012/02/22 21:05)
[48] 6-2:Holiday -School side-[ゼミル](2012/04/27 10:25)
[49] 6-3:Holiday -Public side-[ゼミル](2012/04/30 13:17)
[50] 6-4:ACE COMBAT(1)[ゼミル](2012/05/05 10:18)
[51] 6-5:ACE COMBAT(2)[ゼミル](2012/05/08 10:25)
[52] 番外編:Year’s End[ゼミル](2011/12/31 18:38)
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[27133] 3-2:イントゥ・ザ・ブルー
Name: ゼミル◆d3473b94 ID:caf7395d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/08/13 18:44

―――――トンネルを抜けるとそこは海でした。




「どっかで似た様なフレーズを聞いた覚えがあるんだけど、なんだったっけな?」

「海か・・・・・・軍の上陸訓練以来だな」


臨海学校初日である。宿泊する旅館に到着して女将さんの挨拶と千冬先生からの注意と訓示が終わるやいなや、少女達は一目散に荷物を置きに行ってしまった。

初日は自由時間。なので皆してさっさと着替えて海に出たいに違いない。気持ちは取り残された一夏とミシェルにもよく分かる。


「分かってるとは思うが、男子はお前達2人だけだが他の生徒達と同じ間取りの部屋を使ってもらう。2人では広いからといって騒ぐんじゃないぞ・・・・・・それから女を連れ込むのも無しだからな」


釘をしっかり刺されつつ2人も宛がわれた部屋に荷物を置いて更衣室へ。その途中で箒に出くわしたのはまあいいとして。

問題は、だ。

何故か道端に『耳』が生えていた。ナマモノではなく仮装などでよくあるバニーガールのアレ、白のウサミミである。しかも『引っ張ってください』の張り紙付き。

それを発見するなり箒の機嫌が大恐慌の株価並みに急降下を辿っている。やがて彼女はミシェルと顔を見合わせて「どうすりゃいいかなこれ?」「どうしたものやら・・・」と悩んでいた一夏と腕を強引に組むと、


「行くぞ、さっさと着替えて海に行くぞ一夏」

「えっ、でもアレほっといていいのか?多分アレ――――」

「い・い・の・だ!!」


強制連行されて当座勝っていく一夏の声。1人残されたミシェルもしばらくウサミミを見つめて迷ってはいたものの。


「・・・・・・よからぬ気配がするな」


何というか、このウサミミからは悪質なブービートラップにも似た気配を敏感に感じ取れてくる。

触らぬ神に祟りなし。自分の勘と、早く水着姿の嫁と一緒に海を楽しみたいという願望から見なかった事にした。足早にその場から立ち去る。

・・・・・・しかし5秒後、ミシェルはUターンしてきた。右見て、左見て、ついでに上も見てから周囲を確認すると、ウサミミが下手に動かないように丁寧に張り紙を引っぺがしてから足元の土をウサミミにかぶせて土で覆い隠す。


「他の人間が触りでもしたら危ないからな・・・・・・」


そうして謎のウサミミは誰の目にも触れる事無く地中に放置されるのであった。









そこはまさに男の楽園であった。

各国から集められた美少女達が海で戯れているのである。弾や御手洗といった一夏の男友達ならば、この場にカメラ持参で居合わせなかった事を心底後悔するだろう。でもってただ2人だけその場に居た男の片割れである一夏が責められるのだ。


「でもミシェル、その足で海とか大丈夫なのか?」

「大丈夫だ、問題無い・・・・・・素材もISの装甲と同じだから熱くもならないし錆びる事も殆ど無い。精々泳ぐ時に少し重たい程度だ」


元が宇宙活動用のパワードスーツなだけあって装甲もかなり特殊な素材なのだ。装着者の無事はともかく、装甲自体は理論上はバリアー無しでも大気圏突入を凌げる強度と耐熱性を併せ持っている。その分費用もかなりの額になるが。

とはいってもサイズもたかが知れているので、1機数百億円もする最新鋭の戦闘機と比べればISにかかるコストはまだマシだ。その辺りはISコアの数が限定されている=余分な機体を作る必要が無い(作れない)事も関わっているが、その辺りの話は今は置いておこう。

さて、一方の女子達であるが一夏の姿を捉えるや一斉に駆け寄ろうとしたものの、その隣のミシェルの存在に急遽断念せざるを得なかった。年頃の少女達にはミシェルの顔は未だに迫力過剰なのである。むしろ話しかけるどころか真正面から近づけれる者さえ未だに少ないという有り様だったリ。

しかし話しかけられなくとも遠くから一夏の姿を眺めるだけでもそれなりに満足ではあった。日々鍛えられて豹の様に引き絞られた一夏の肉体を見て、キュンと女の本能を刺激されている者多数である。

中にはミシェルの一夏と比べ一層厚い筋肉に覆われた、男臭さ一杯のミシェルの逞しい身体に目を惹かれている女子も少数だが存在している。他に男が居ないせいで2人の存在がより目立っていた。ただし首から上に視線をあげようとしないのはご愛嬌。

ちなみに2人の水着は買い物に出向いた時に共に買い込んだ黒のトランクスである。

そこへ躊躇い無く2人の元へ飛びこむ影が1つ。


「い~~~ち~~~~か~~~~っ!」

「ん?――ってのわっ!?危ないな、昔から変わらないなその癖」


鈴であった。そのままひょいひょいと一夏の身体をよじ登って肩車の体勢に。

下の一夏の事などお構いなしに普通より高い視点からの眺めを楽しむ中国の代表候補生。一夏も一夏で仕方ないと言わんばかりに、むしろ鈴がバランスを崩さない様にしっかりと頭を挟み込む彼女の太腿に手を当てさえした。

そして何だか難しい顔をしてこっちを見てくるミシェルに気付く。子供が見たら泣き出しそうな位凄まじい形相になっていた事は触れないで置いてやる。


「どーかしたか?」

「・・・・・・いや。恋人同士とはいえ、中々大胆だなと思ってな」

「「へっ?」」


ミシェルに指摘されて間抜けな声を漏らす一夏と鈴。一夏は見上げ、鈴は見下ろし、しばし見つめ合ってからようやくミシェルの言葉の意味を悟る。

一夏の両手は鈴を支えるべく、細くはあるが健康的な肉付きの鈴の太腿にしっかり添えられ、鈴の方はと言うとこちらもしっかりと一夏の身体に自分を固定させようと両足を一夏の肩周りに絡ませつつ下腹部を一夏の後頭部に押しつけるようにすらしていた。

つまり一夏は不可抗力とはいえ時と場合とポジションによってはセクハラ間違い無しの場所を無造作に触り、鈴に至っては男の頭を自分から股間に埋めさせている訳で―――――


「にゃ、にゃにゃにゃにゃわにゃー!!?」

「ちょ、うぉ、待て待て鈴人の上で暴れんな髪引っ張るな痛いから!」


大混乱である。人に指摘されてようやく自分のしている事の大胆さに気付いた鈴であった、

鈴に引っ張られバランスを崩した一夏はそのまま波打ち際へと突っ込み、波に足を取られ鈴諸共海へドボン。

のっそりと起き上がり、全身から海水を滴らせながら一夏と鈴はどんよりとした視線をミシェルへ向けた。


「「み~しぇ~る~・・・・・・」:

「・・・・・・すまなかった」


そうこうしている内に残りのメンバーも海岸へとやってきた。白色人種と黄色人種の差はあれど、眩い日差しに照らされしっとりと汗が滲んだ少女達の肌はそれだけで中々の色気を放っている

特に金髪のセシリアとシャルロット、銀髪のラウラに至っては日光を浴びて透けた髪が芸術品の様な美しさを感じさせた。

そんな中で、何より一夏の視線を捉えて離さなかったのは、


「ど、どうだ、一夏?自分でも少し、大胆だとは思うが・・・・・・」

「ほ、箒」


箒の水着は白のビキニ。布地の面積は少々少なめ、といった程度だが箒の胸周りの肉付きが良過ぎるせいで乳房のそれなりの部分もまた衆目に晒されてしまっている辺りが、一夏にとっては目の毒だった。

一緒に買い物をしたとはいえ水着に関しては当日のお楽しみ、という事でその時はお披露目されなかったのだがいやはや、中々の破壊力であった。

おまけに箒が恥ずかしげに身をくねらせるせいでそんな2つの肉メロンが右に左に微妙に揺れる。それに釣られて一夏の両目も追いかける。

もちろん、そんな恋人の真正面からの注目っぷりに箒が気付かぬ筈もなく、


「ど、どこを見ているのだ一夏!」

「ご、ゴメン。つい、箒が可愛くて」

「か、かわっ!?――――ふ、ふふん、そ、そりぇくらいでは騙されんからな!・・・・・・だ、だがありがとう」


熟したリンゴ並みに真っ赤な顔を一夏から背けつつ、この水着にして良かったと箒の内心は狂喜乱舞。

だがその喜びのつかの間。箒の背後から伸ばされた手が、彼女の双丘を思い切り鷲掴みにするまでの事であった。箒は驚かされた猫の如くその場で飛び上がる。


「な、ぬぁにをするか鈴!!」

「う~、ホント何を食べたらこんな胸になれるのよ。少しで良いからアンタ分けなさい!」

「無茶を言うんじゃない、それに私も好きでこんな胸になった訳じゃ―――――」


箒の反論は不幸な事に、鈴にとって核地雷クラスの爆弾発言であった。一気に眦(まなじり)がつり上がる。


「そんなの最初からそんだけの物を持ってるから言えるのよー!男ってのはね、まず胸なのよ!単に顔が良いだけじゃダメなのよ!分かる?ナンパとかされた時胸の方見られたと思ったら次の瞬間溜息つかれた時の気持ちが!」


鈴の絶叫は子を理不尽にも奪われた母親もかくやな痛切さに満ち溢れていた。周囲で騒ぎを見守っていた女子達の中には重々しくうんうんと頷いている者も居る。その全員が局地的に平坦であるという共通点を持っていた。

うがーっと吠えながら更に荒々しく揉みしだく鈴によって半ば腰砕けになってきた箒の様子を見かねて、ようやくこちらも水着姿(当たり前だが)のシャルロットが止めに入る。


「落ち着いて鈴、皆が見てるから、ね?」


暴走モードな鈴の得物を前にした野生の肉食獣宜しくギラつく眼光がシャルロットを捉える。その視線はゆっくりと下へ移り、一点で止まる。

・・・・・・箒以上の質量と体積を誇る膨らみ。戦力レベルは最低でも山田先生クラス。今現在も成長段階・・・・・・だと!?


「アンタも敵よー!」

「えー!?何で僕までー!?」


逃げる巨乳シャルロット襲いかかる貧乳鈴。砂浜を舞台に開始されるある意味命がけの追いかけっこ。


「・・・・・・で。結局一夏はどちらのサイズが好みなんだ?」

「聞かないでくれ、どっちを答えてもヤバそうだから・・・・・・」


セシリアとラウラ?豹変した友人達の姿を呆然と眺めて忘れられていましたが何か。













最終的にミシェルの『貧乳はステータスであり希少価値である』という説得により鈴の暴走は終わりを迎えた。

そのせいで疲労困憊になったシャルロットと執拗な胸への刺激に腰が抜けたままの箒は自由時間終了間際まで動けなくなったりしていたが、代わりにずっとそれぞれの伴侶に膝枕をしてもらったり頭を撫でてもらったりした分、殆ど泳げなかった元は取れたと言っていい。自分達の相手をずっとしてもらったせいで一夏とミシェルも殆ど泳げずじまいになってしまったのは心苦しかったが。

旅館に戻って夕食の時間。海の幸と山の幸がバランスよく纏まった献立に少女達は舌鼓を打つ。


「――――美味い」

「おっ、やっぱミシェルも分かるかこの味。いやーカワハギの肝の刺身って最高だよな。わさびも本わさの高級品だし、こんなに美味い刺身って初めてだよ俺」

「土地にもよるが、フランスでも魚を生で食べるのは日常的だからな・・・・・・流石にワサビ醤油で食べれる機会は中々ないが、フランスのも中々だぞ」

「カルパッチョとかそういうのだろ?いっぺん自分でも作ってみようかな・・・・・・」


ミシェルは一口サイズに丁寧に切られたカワハギの肝の端をほんの少しだけワサビ醤油に浸してから口に運び、そのまろやかで濃厚かつ繊細な味を丁寧に味わった。料理を噛み締める度、その口元が僅かに緩む。

―――それにしても浴衣がよく似合うなぁと左隣の一夏はミシェルを見て思った。サイズが合っていないせいで袖が微妙に合っていない気がするが、顔の彫りの深さといいその老け顔っぷりといい大昔の任侠映画に出てくる大親分みたいだ。誰かドスとサラシ持ってこい。

箸の使い方も堂に入ってるし正座も平気そうだし着物は似合うし、今時の若い子よりも日本人っぽい。あ、俺も今時の日本人だっけ。




とその時、不意に鞭のようにしなったミシェルの右手に握られた箸が一夏とは反対側、彼の右隣に座るシャルロットの箸とぶつかった。

明らかなマナー違反以前の好意ではあったが、ミシェルの箸に抑え込まれたシャルロットの箸が摘まんでいる物体に気付いてしまえばしょうがないとしか言い様がない。

何故ならば、


「・・・・・・シャルロット。ワサビは、そのまま食べる物じゃないからな?」

「え、そうなの?」


それはもう罰ゲームのレベルである。


「・・・・・・足は大丈夫か?無理をしなくても、辛ければすぐに言っていいんだぞ?」

「そっちは大丈夫。まだそこまで辛いって感じじゃないから」

「こっちはかなり追いつめられてるっぽいけどな」


一夏のもう片方の隣に陣取っているセシリアは何かもうイッパイイッパイな顔色だった。足の痺れに耐え忍んではいるがもはや箸が殆ど進んでいない。明らかに限界ギリギリである。


「だ、大丈夫ですわ・・・・・・」

「いや全然大丈夫に見えないからな。そこまで無理しないでも向こうのテーブルで食べれば――――」

「だい・じ・じょ・お・ぶで・すぴぎぃ!?」


英国淑女にあるまじき悲鳴を上げて遂に崩れ落ちるセシリア。無理に叫んで身動ぎした瞬間、御膳に足がぶつかっだのが止めとなったのである。

慌てて一夏はセシリアの身体を支えようとしたがそれは他でもないセシリア自身に止められてしまった。他人に触られただけでも大ダメージが全身に伝わるんだそうな。

結局痺れが抜けるまで料理はお預けになってしまったセシリア。まるっきり食べれていないのを見かねた一夏はこんな提案をしようとする。


「どうせなら俺が食べさせてやろ――――」

「いや待て・・・・・・その役は俺が引き受けよう」

「え?いいっていいって、俺もう大体食べ終わってるし」

「そういう問題じゃない・・・・・・そんな事をしたら一夏の身が危険そうだからな」


クイクイとミシェルが親指で示した先。

――――般若が2人、冷たくも熱いおどろおどろしい視線をこちらめがけ照射してきていた。


「・・・・・・一夏もいい加減女心をコントロールする術を身に付けた方が良いぞ」

「き、肝に銘じとくよ・・・・・・」


セシリアは非常に残念そうだったが、それでもしっかりミシェルには礼を告げる辺りが淑女たる所以である。

ちなみにシャルロットはというと、こちらもちょっぴり嫉妬はしていたものの事情は理解しているので箒と鈴のような過剰反応まではする事無く、自分もセシリア同様ミシェルに食べさせてもらうという条件を出す程度に収めるのだった。

それをミシェルが嬉々として実行したのは、言うまでもない。










夕食後、何故か箒と鈴とシャルロットだけが千冬先生に部屋まで呼び出さされた。


「お前達、自分の男とは最近どんな感じなんだ?」

「いきなり呼び出した理由がそれですか千冬さん!?」

「織斑先生と呼べ。遠慮無く話していいぞ、山田先生には仕事を押し付けてしばらく戻ってこない様にしてあるからな」


哀れ、山田先生。


「で、どうなんだ?一緒に買い物に行った事は知っているが他に甘い青春の1ページみたいなのはないのか?ん?」

「先生、酔ってません?」

「たかが缶ビール1本空ける前から酔う筈なかろう。とりあえず誰からでも良いからさっさと話せ。こちとら姉としても弟の男女関係が気になって仕方ないのだからな」

「は、はぁ。ですがさっき千冬さんがおっしゃった通り先日一緒に買い物に行った事ぐらいは特に何も変わった出来事などはありませんでしたが」

「変わった出来事など無い、ねェ」


煽った缶ビール越しに人の悪い笑みを浮かべた千冬は箒の方をじろりと睨むと、


「なら早朝の鍛錬が終わる度に一夏と『一緒に』シャワーを浴びる事は何時もの事なのか?」


箒は千冬から渡されたジュースの中身を噴いた。顔が一気に瞬間湯沸かしモードへと変貌を遂げている。

彼女だけでなく鈴まで一緒に顔を赤くしているのは何故だろう。それに気付いた千冬の顔にはまさに得物を前にした狼の笑みが浮かぶ。


「しかも直接鍛練には参加せず見学しているだけの凰も加わっているのはどういう事なのだろうな」

「に゛や゛ーっ!!?にゃにゃにゃにゃにゃんで千冬さんがその事をー!?」

「この前飲みに行った時榊原先生が楽しそうに教えてくれたぞ。しかし我が弟ながら殆ど毎日の癖して中々精力的ではあるな。年頃の思春期ならこんなものか?」


色々と知られちゃいけなさそうな存在筆頭の千冬にアレやコレやを知られていた事に顔が蒼褪める少女2人。榊原先生の裏切り者ー!


「デュノア妻のの方はどうなんだ。倦怠期にはまだまだ早い気もするが」

「えーっと、僕の方も特に変わった事は無いですよ。ちょっと夢見が悪かった時にミシェルに慰めてもらった事はありますけど」

「そうか、それは結構だが避妊だけはきっちりしておけよ。幾ら籍は入れていてもIS学園の在校生が妊娠など前代未聞だからな、少なくとも卒業までは我慢してもらえればありがたい」

「大丈夫ですよ。ちゃんとピルは欠かさず飲んでいますから」


まるで現役の教師と生徒の会話とは思えない内容の会話である。下腹部を愛おしげにさすりながらえへへーと笑うシャルロットもシャルロットだが酒片手になら良いがと納得してしまう千冬も千冬だった。

そこまで話してから、2人は気付く。




・・・・・・固まったままの箒と鈴ではあるが、交互に赤くなったり青くなったりしている顔の色合いが更に濃くなっている事に。




「・・・・・・まさか、貴様らその辺りの事を全く考えずにヤッていたんじゃあるまいな?」


――――――沈黙は肯定。












数秒後。生徒達には最早聞きなれた強烈な打撃音が2回、旅館中に響き渡った。











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中国に行く前にもう1回更新しようと必死だったのでかなりやっつけ気味。手抜きっぽくてサーセン。
一応学校の解剖実習でホテル泊まりなんで食べもんはまだいいんですが、屋台ではなるべく食うなとはとは先生から注意されてますwww
そんな訳で、次回の更新はまた遅れます。ご了承ください。


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