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No.25786の一覧
[0] 普通の先生が頑張ります (更新再開…かな?[ソーイ](2011/06/08 19:02)
[1] 普通の先生が頑張ります 0話[ソーイ](2011/04/10 19:06)
[2] 普通の先生が頑張ります 1話[ソーイ](2011/04/10 16:49)
[3] 普通の先生が頑張ります 2話[ソーイ](2011/04/08 22:17)
[4] 普通の先生が頑張ります 3話[ソーイ](2011/04/08 22:52)
[5] 普通の先生が頑張ります 4話[ソーイ](2011/04/08 23:22)
[6] 普通の先生が頑張ります 5話[ソーイ](2011/04/08 23:43)
[7] 普通の先生が頑張ります 6話[ソーイ](2011/04/09 10:03)
[8] 普通の先生が頑張ります 7話[ソーイ](2011/04/09 10:16)
[9] 普通の先生が頑張ります 8話[ソーイ](2011/04/09 10:36)
[10] 普通の先生が頑張ります 9話[ソーイ](2011/04/09 13:58)
[11] 普通の先生が頑張ります 10話[ソーイ](2011/04/09 14:38)
[12] 普通の先生が頑張ります 11話[ソーイ](2011/04/09 15:24)
[13] 普通の先生が頑張ります 12話[ソーイ](2011/04/09 18:20)
[14] 普通の先生が頑張ります 13話[ソーイ](2011/04/09 22:23)
[15] 普通の先生が頑張ります 14話[ソーイ](2011/04/09 23:12)
[16] 普通の先生が頑張ります 15話[ソーイ](2011/04/09 23:47)
[17] 普通の先生が頑張ります 16話[ソーイ](2011/04/10 16:45)
[18] 普通の先生が頑張ります 17話[ソーイ](2011/04/10 19:05)
[19] 普通の先生が頑張ります 18話[ソーイ](2011/04/11 21:15)
[20] 普通の先生が頑張ります 19話[ソーイ](2011/04/11 21:53)
[21] 普通の先生が頑張ります 20話[ソーイ](2011/02/27 23:23)
[22] 普通の先生が頑張ります 21話[ソーイ](2011/02/27 23:21)
[23] 普通の先生が頑張ります 22話[ソーイ](2011/02/27 23:19)
[24] 普通の先生が頑張ります 23話[ソーイ](2011/02/27 23:18)
[25] 普通の先生が頑張ります 24話[ソーイ](2011/02/26 22:34)
[26] 普通の先生が頑張ります 25話[ソーイ](2011/02/27 23:14)
[27] 普通の先生が頑張ります 26話[ソーイ](2011/02/28 23:34)
[28] 普通の先生が頑張ります 27話[ソーイ](2011/03/01 23:20)
[29] 普通の先生が頑張ります 28話[ソーイ](2011/03/02 22:39)
[30] 普通の先生が頑張ります 29話[ソーイ](2011/03/04 22:42)
[31] 普通の先生が頑張ります 30話[ソーイ](2011/03/08 00:19)
[32] 普通の先生が頑張ります 31話[ソーイ](2011/03/07 23:33)
[33] 普通の先生が頑張ります 32話[ソーイ](2011/03/10 00:37)
[34] 普通の先生が頑張ります 33話[ソーイ](2011/03/09 23:47)
[35] 普通の先生が頑張ります 34話[ソーイ](2011/03/10 23:15)
[36] 普通の先生が頑張ります 35話[ソーイ](2011/03/13 23:11)
[37] 普通の先生が頑張ります 36話[ソーイ](2011/03/14 22:47)
[38] 普通の先生が頑張ります 37話[ソーイ](2011/03/15 23:56)
[39] 普通の先生が頑張ります 38話[ソーイ](2011/03/16 23:15)
[40] 普通の先生が頑張ります 39話[ソーイ](2011/03/17 23:03)
[41] 普通の先生が頑張ります 40話[ソーイ](2011/03/18 22:46)
[42] 普通の先生が頑張ります 41話[ソーイ](2011/03/19 23:49)
[43] 普通の先生が頑張ります 42話[ソーイ](2011/03/20 23:12)
[44] 普通の先生が頑張ります 43話[ソーイ](2011/03/21 22:44)
[45] 普通の先生が頑張ります 間幕[ソーイ](2011/03/23 07:49)
[46] 普通の先生が頑張ります 44話[ソーイ](2011/03/23 23:24)
[47] 普通の先生が頑張ります 45話[ソーイ](2011/03/25 23:20)
[48] 普通の先生が頑張ります 46話[ソーイ](2011/03/26 23:23)
[49] 普通の先生が頑張ります 47話[ソーイ](2011/03/28 00:29)
[50] 普通の先生が頑張ります 48話[ソーイ](2011/03/28 23:24)
[51] 普通の先生が頑張ります 49話[ソーイ](2011/03/30 00:25)
[52] 普通の先生が頑張ります 50話[ソーイ](2011/03/31 00:03)
[53] 普通の先生が頑張ります 閑話[ソーイ](2011/04/01 00:36)
[54] 普通の先生が頑張ります 51話[ソーイ](2011/04/01 23:50)
[55] 普通の先生が頑張ります 52話[ソーイ](2011/04/03 00:22)
[56] 普通の先生が頑張ります 53話[ソーイ](2011/04/04 23:45)
[57] 普通の先生が頑張ります 54話[ソーイ](2011/04/05 23:24)
[58] 普通の先生が頑張ります 55話[ソーイ](2011/04/06 22:31)
[59] 普通の先生が頑張ります 56話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:46)
[60] 普通の先生が頑張ります 57話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[61] 普通の先生が頑張ります 58話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[62] 普通の先生が頑張ります 59話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[63] 普通の先生が頑張ります 60話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[64] 普通の先生が頑張ります 61話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[65] 普通の先生が頑張ります 62話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[70] 普通の先生が頑張ります 56話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:46)
[71] 普通の先生が頑張ります 57話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:27)
[72] 普通の先生が頑張ります 58話(修正版[ソーイ](2011/04/30 22:52)
[73] 普通の先生が頑張ります 59話(修正版[ソーイ](2011/05/18 23:24)
[74] 普通の先生が頑張ります 短編 【茶々丸】 [ソーイ](2011/05/23 23:47)
[75] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 [ソーイ](2011/05/23 23:42)
[76] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 2[ソーイ](2011/05/25 23:21)
[77] 普通の先生が頑張ります 短編 【月詠】 [ソーイ](2011/06/08 23:06)
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[25786] 普通の先生が頑張ります 7話
Name: ソーイ◆9368f55d ID:052e1609 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/04/09 10:16

「それでは、先生。これがネギ先生の課題――だそうです」

「はぁ。それでは、責任もってネギ先生に渡しておきますね」

「はい。よろしくお願いします」

 失礼します、と一礼して去っていく葛葉先生の背を目で追いながら……渡された手紙を電灯にかざす。
 ふむ……。
 まぁ、3学期ももう終りだし……何か課題は来る、とは思ってたけど。
 これが実質の、ネギ先生の卒業試験か。

「大丈夫かな」

 本心である。
 神楽坂とは、最近はそれなりに仲良くしてるようだし、クラスにも溶け込んでる。
 ……溶け込み過ぎ、とも思わなくはないが、あの歳で嘗められるな、と言う方が難しいだろう。
 放課後、明日の準備の途中だが――さて。

「大丈夫ですか、先生?」

「え、ええ――まぁ、どうでしょうね……」

 はは、と自分でもその声が引き攣っているのが分かる。
 きっと、今の俺より新田先生の方が絶対元気だろうな……。
 しかし、赴任してきて約一月。ネギ先生に出来る事は――そう多くないだろうけど。
 それでも、あの子が教職を目指してこの学園に来たのなら、これはどうしようもない問題でもある。
 内容が内容なら、手伝いもできないのかもしれない。
 はぁ……最近、頭痛を抑えるために目頭を手で押さえるのが癖になりつつあるな。
 その事に内心苦笑しながら、目頭を手で押さえる。

「どうです、先生。この後久しぶりに飲みに行きませんか?」

「あ、あー……」

 どうしようか。
 きっと、今の俺の顔は教師らしくない顔をしているんだろう。自分でも何となく判る。
 この前はまた黒百合の生徒と揉めたらしいし、女子寮の管理人からも苦情が来たし。
 しかも、黒百合の方は高畑先生から報告受けた……勘弁してくれ。
 まさか担任から外れられた後に迷惑を掛けてしまうとは。
 女子寮の方は……まぁ、苦情と言うよりも注意に近いのだが。
 どうにも、ネギ先生が入寮してから寮が騒がしいらしい。就寝も遅いし。
 一応注意はしたが――こればかりは、ネギ先生にどうにかしてもらうしかない問題だ。
 遊んでいる、というより遊ばれているんだろうけど。

「少しくらい息抜きしないと、パンクしてしまいますよ?」

「そ、それじゃ、少しだけ」

 あまり羽目を外し過ぎないようにしないとな。明日も仕事だし。
 自分で思っていた以上に疲れていたのか、そうと決まると気分も軽くなる。
 我ながら現金なもんだ。

「急いで準備終わらせてしまいますから」

「いいですよ。こっちもあと何人か声掛けてきますから」

「そ、そうですか? すいません」

 でも、あまり待たせるのも失礼だよな。

「考え込んだ時は、酒も良いもんですよ」

「は、はは」

 バレバレですか。
 恥ずかしいなぁ……。

「それでは、失礼。源せんせー」

 はぁ……顔に出るようじゃ教師失格だなぁ。
 もう少ししっかりしないと、担任なんて任せてもらえないんだろうな。







「そんなペースで大丈夫なんですか、瀬流彦先生?」

「大丈夫大丈夫、僕肝臓強いから」

 いやまぁ、大丈夫ならいいんですけど。
 明日二日酔いにならないで下さいよ?
 俺も注文したビールで喉を潤しながら、焼き鳥を食べる。
 どうして屋台の焼き鳥とかって、他のより美味しく感じるんだろう? 出来立てだからだろうか?

「飲んでますか、先生?」

「はい。あ、どうぞ源先生」

 ちょうど、コップのビールが少し減っていたので注ぐのも忘れない。
 しかし源先生、目の毒だ。うん。

「しっかし、大変だねぇ、先生も」

「そんな事は無いです――よ? はい」

「その間が非常に気になるけど、そういう事にしておくよ」

 ちなみに、一緒に飲んでいるのは新田先生、源先生、瀬流彦先生と俺の4人である。
 最初は弐集院先生も来る予定だったが、奥さんから電話があって来れなくなってしまっていた。
 しょうがないよな、家庭持ちだし。
 瀬流彦先生にもそれとなく聞いておいたが、先生は大丈夫らしい。

「それで、最近はどうなんだい? ……まぁ、噂は聞いてるが」

「ぅ……やっぱり噂してますか」

「女子寮に新任の先生が、と言うだけでも話題になりますからね」

 ちなみに、その話題をネタにしたのは我がクラスの朝倉である。
 ……保護者側から苦情が来ないのが唯一の救いか。
 まぁ、まだ知られてないだけかもしれないが。
 はぁ。胃が痛くなる毎日だ……。

「私の部屋に招待出来れば良いんですけど」

「いや、それも問題でしょう」

 男性職員と女性職員が同室とか……結婚やら婚約やらしてるなら、話は違ってくるんだろうけど。

「だねぇ。僕の家も家族が居るからね」

 その気持ちだけで十分です、と残っていたビールを一気に煽る。
 うー。

「お、いけるねぇ。どうぞ」

「……すいません」

 おー、喉が熱い。
 あんまり酒に強くないので、すでに出来上がりかけてます。
 新田先生に酌をしてもらいながら、焼き鳥を口に含む。

「大丈夫かい?」

「まだ、大丈夫です」

 もう少しは、多分。
 俺だって、こうやってても毎日色々と疲れてるのだ。
 これくらい飲んだって、別に罰は当たらないだろう。うん。
 うぅ……。

「あんまり無理しないで下さいね?」

「二日酔いにならないくらいには、止めておきますよ」

「なら良いですけど……先生、あんまりお酒強くないんですね」

「ええ。寝付けに一杯飲むだけで、毎日ぐっすりです」

 っと。
 どうぞ、と新田先生に酌をし、自分のコップを空にする。

「ちょっとストップで」

「おや、もう限界かい?」

「はは、ちょっと休憩です」

 もともと、そんなに量飲めないですし、食べれないんですよ。
 飲みながら食べるのが、苦手なんだよな。
 それに、これ以上は流石に明日に残りそうだ。

「どうです、先生。学校の方は?」

「楽しくやってますよ? 皆良い子ですし。新田先生の方こそ大変でしょう?」

 生徒指導員は、生徒から煙たがれるでしょう? と。

「はは……でもその内、先生に任せる事になるかもしれませんねぇ」

「勘弁して下さいよ――自分なんかじゃ、クラス一つでも手に余ってるんですから」

 そうみたいですね、と源先生に小さく笑われた。
 そうなんですよ、と笑って答え、屋台の店主に焼き鳥を追加で注文する。
 塩焼きでお願いしますー。
 とりあえず、もう晩飯食べないで良いようにもう少し腹に入れておこう。

「真面目だねぇ、先生は」

「うぉぅ」

 後ろからいきなり叩かないで下さいよ、瀬流彦先生。
 酔ってるなぁ。

「どうぞどうぞ、もう一杯」

「お、すまないねー」

 それに悪乗りして、酔い潰そうとする俺も俺か。
 久しぶりに量飲んで、酔ってるなぁ。

「二日酔いにならないように、気を付けて下さいね?」

「大丈夫、僕肝臓強いから」

 ……さっきも聞いたような気がする。
 顔は何時ものままだけど、もう止めないといけないようだ。
 ふむ。

「もうそろそろ時間ですね」

「お、もうか……」

 久しぶりに飲んだら、結構盛り上がってしまった。
 はー……良い気分だ。
 きっとまた明日から頑張れるな。

「瀬流彦先生、大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だよぉ」

 一応、呂律が回らないほど、じゃないのか。
 本当に強いなぁ、俺の倍くらい飲んでると思うんだけど……。
 羨ましいもんだ。

「どうします? 家の方に連絡入れましょうか?」

「はい、先生。お水を飲ませてあげて下さい」

 ああ、すいません。

「水飲めますかー?」

「う、ん。大丈夫」

 っと、勘定もしないとな。

「新田先生、ちょっと、勘定お願いしていいですか?」

 重い、瀬流彦先生重い――体重かけないで下さいよっ。
 新田先生に財布を渡し屋台の椅子から立ち上がって、夜風に当たれるように移動する。
 おー、涼しー。

「涼しーねー」

「ですねー」

 ふぅ。

「大丈夫ですか?」

「……源先生は、お酒強いんですね」

 俺とあんまり変わらないくらい飲んでたと思ったんだけど、顔が火照ってるくらいで、全然大丈夫そうだ。
 明日は大丈夫そうですね、と言うと笑われてしまった。

「先生は真っ赤ですけど、大丈夫なんですか?」

「あー、多分……大丈夫かと」

 そんなに顔赤いんだろうか?
 夜風がこんなに気持ち良いんだから、そうとう赤いのかもしれない。

「瀬流彦先生も大丈夫ですか?」

「うん……だいぶ良くなってきたよー」

 意識ははっきりしてるし、大丈夫そうだ。
 多分、今日のメンバーの中じゃ俺が一番酒弱いんだろうなぁ。
 別に意味も無いんだけど、ちょっとショックだ。

「瀬流彦先生も大丈夫そうだし、お開きにするか」

「あ、新田先生」

 その声に振りかえり、渡された財布をちゃんとしまう。
 酔って失くしたりしたら、目も当てられないしな。

「っと。瀬流彦先生と源先生は送っていくから、先生はまっすぐ帰って寝なさい」

「え? いや、瀬流彦先生は自分が送っていきますよ」

「そんな顔じゃ、瀬流彦先生が心配になってしまいますからね」

 ぅ。
 ペタペタと顔を触ると、やっぱり熱い。
 顔に出やすいんだな、俺。
 さっきも源先生に言われたけど、きっと真っ赤なんだろうなぁ。

「それじゃ、また明日な」

「気を付けて帰って下さい」

「じゃ、またねー」

 うぅ。

「スイマセン、よろしくお願いします」

 ……気を、使ってもらったんだろうな。
 酒の所為か、妙に感傷的な気分で帰路につく。
 明日また、お礼を言おう――まだまだ俺も新米の一人なんだなぁ。

「はぁ――さむ」

 まだまだ夜は冷えるなぁ。
 明日も頑張ろ。
 ちなみに、財布の中身は一円も減っていなかった……
 ありがとうございます、新田先生、源先生、瀬流彦先生。







「あ、ネギ先生」

「え? あ、おはようございます、先生」

 ちょうど職員室に入ろうとしていたネギ先生の小さな背を見つけ、声を掛ける。
 おはようございます、と返し昨日葛葉先生に渡されて便箋を取り出す。

「ネギ先生の課題だそうです。昨日の夜渡されました」

「え!?」

 内容、何なんだろう?

「何て書いてありました?」

「あ、ちょ、ちょっと待って下さい」

 流石に自分から見るのもアレなので、ちゃんと見えない位置に移動して、待つ。
 おー、やっぱり少し緊張してるなぁ。

「………………」

「………………」

 あれ?

「な、なーんだ。簡単そうじゃないですかー」

 びっくりしたー、と笑いながら、その中身をこちらへ向けてくる。
 ふむ。
 中には達筆な字で2-Aの最下位脱出が条件と、書かれていた……。

「なるほど」

「ど、どうしたんですか?」

 確かに、教育実習のシメには良い……のかな?
 普通、論文やら報告書やら書くと思うんだが――それはまた別なんだろう。

「いえ――頑張りましょう、ネギ先生」

「はいっ」

 しかし、これなら俺も少しは役に立てそうだ。
 ――と言っても、実際頑張るのはネギ先生でも俺でもなく、生徒達なのだが。
 だが……と、思ってしまう。
 不謹慎なんだろうけど……それでも、この2-Aが試されるのである。
 今までずっと最下位だったが、今回は、違う。
 あいつらはちゃんと勉強し、ちゃんと成績を上げてきているのだ。
 今の調子なら――きっと、大丈夫。

「それじゃ、教室に行きましょうか」

「そ、そうですね」

 クラス名簿を片手に、職員室を後にする。

「その」

「はい?」

 生徒の居ない廊下を歩いていたら、話しかけられた。

「どうしました?」

「いえ――やっぱり、2-Aの皆さんは、成績が悪かったんですね」

「……ああ」

 まぁ、そうですね。
 そうなんですけど、

「ネギ先生」

「はい?」

「あまり、生徒の前で成績が悪いとか、そういうのは言わないで下さいね?」

 前、神楽坂に言ったらしいですね、と。

「す、すいませんっ。あの時は、初めてだったんで……」

「じゃあ、もう駄目ですからね?」

「……はい、気をつけます」

 そう言って頭を下げる姿を見ると、礼儀正しいし好感が持てるんですが。
 どうにも押しに弱くて、生徒に巻き込まれるんだよなぁ、この先生。

「まぁ、そうですね。2年の時は、少し……ですね」

 でも、下から2位との差もそれほどある訳じゃない。
 平均点計算なので、問題さえ解決すれば一気に盛り返せる差だ。

「順位の計算は平均点の上位からですから、どうすれば点数が上がるか判りますか?」

「え? それなら、点数が……低い人に頑張ってもらえば」

「そうです」

 ウチのクラスには雪広、那波と言った成績上位者もいる。
 なのに毎回最下位なのは――まぁ、言わずもがなである。
 でも、神楽坂達も、今の所は小テストを見る限り成績を上げてきている。
 ――問題は無いと思うんだが、油断はできないよな。

「それじゃ、今日の僕の授業の時に勉強会をっ」

 この前の放課後した居残り勉強会で、味でも占めたんだろうか?
 でも、

「……授業自体が、クラスでの勉強会みたいなものだと思いますけどね」

「ぅ」

 まぁ、もう期末まであと一週間である。
 何か対策をたてるなら今日からが良いだろう。
 さって。

「どうしますか、ネギ先生?」

「え?」

「……だって、この問題はネギ先生の課題でしょう?」

 はいはい、そんな顔で見上げてこないで下さい。
 俺だって悪いと思ってるんですから。
 俺だって副担任なんです――やるだけの事は、やりますよ?
 でも、

「どうやって最下位脱出するか、ネギ先生が考えないと」

「あ、そ、そうですね……」

「何か手伝える事があったら言って下さい、手伝いますから」

「はい、ありがとうございますっ」

 この1年一緒に居たんですから……ちゃんと、その結果を残したいですし。
 2-Aのドアの前で、一度立ち止まり深呼吸を一回。

「それじゃ、今日も頑張りましょう」

 はい、どうぞ、とクラス名簿をネギ先生に渡す。

「はいっ」

 さて、今日も一日頑張りますか。







「それじゃ、この問題を――長谷川と桜咲、解いてくれ」

「ぅ」

「……はい」

「前教えた奴だからな。教科書見直していいから、自力で解いてみろ」

 他の皆も、ちゃんと解いてみろ、と言っておく。
 まぁ、試験範囲は終わらせてしまっているので、今日から数学は復習の時間になるんだが。
 若い頃は記憶力が良い、と聞いた事があるが……覚えてるかな?
 数学は、問題に公式を当て嵌める問題だ。
 逆に言えば、公式が分からなければどうしようもない。
 それを思い出してもらいたい訳だが――さて、どうしたものか。
 2学期の時は、範囲を終わらせるだけで精一杯だったから、今学期はこの為に少し駆け足で進んだんだが。

「出来ました」

「それじゃ長谷川、黒板に答えを書いてくれ」

「はい」

 うん、出来たみたいだな……桜咲は、もう少しか。
 
「ちゃんと思い出したか?」

 教室の前に来た長谷川に、そう声を掛ける。

「えっと、教科書見たんですけど……」

「見て良いって言ったからな。間違って思い出すより良い」

 本当なら、こう言うのは生徒のテスト前の復習勉強を信じたいのだが……。
 生徒と言うのは、勉強嫌いである。
 全員が全員そうだとは限らないんだろうが――きっと勉強好きな生徒はそういないだろう。
 だから、授業時間に勉強をさせる。
 今日から一週間。毎日約一時間の数学の勉強という訳だ。

「そうか――じゃ、解いてみてくれ」

「はい」

 ――うん、正解だ。

「その通りだ。良くやったな、長谷川。戻って良いぞ」

 一度思い出せば、テストの時まで記憶に残ってくれてるかもしれないが……どうだろうか。

「桜咲?」

「あ、はい。出来ました」

「おう。それじゃ前に出て解いてくれ」

 次は、神楽坂と……誰に当てるかなぁ。







「どうですか、ネギ先生。調子の方は?」

「は、はは……本気でマズイです」

 授業から戻ってきたら、小さな頭が机に突っ伏していた。
 まー、現実はそうだよなぁ。

「こ、こうなったら、やっぱりあの方法しか……」

 あの方法?

「何かあるんですか?」

「実は、3日間だけ頭が良くなる魔法が――」

「へぇ」

 どう言うおまじないだろうか?
 隣の自分の席に座り、先ほど行った小テストの採点を始める準備をする。
 うーん……ぱっと見た限りじゃ、間違いは少ないのは流石F組だなぁ。
 毎回学年トップは伊達じゃない、と。

「どんなおまじないなんですか?」

「その代り、一月ほどパーになってしまうんです」

「止めて下さい」

 なんて怖い事を試そうとするんですか。まったく。

「テストなんて普段の積み重ねですよ? そういう怖い事に頼らなくても大丈夫ですって」

「で、でも……授業中にじゃんけんして遊ぶんですよ!?」

「……………それは、帰りのHRで自分の方から言っておきます」

 何をやってるんだ、あいつらは。
 やっぱり、この歳じゃ嘗められるよなぁ……いくら頭良くても、まだ10歳だし。
 どうしたもんかなぁ。
 こればっかりは、どうしようもない気がするな。ネギ先生に頑張ってもらわないと。
 はぁ。

「授業の方は、期末までの範囲は終わってるんですか?」

「そ、それが……」

「……もう一週間前ですよ?」

 まだ終わってなかったのか。
 まぁ、さっきの話を聞く限り、授業中にも遊んでるんだろう。
 少し、厳しく言った方が良いのかもしれないな。

「期末までに範囲までいけそうなんですか?」

「それは、はい」

「……それじゃ、テスト問題の方は考えてます?」

「あ、問題も……」

 はいはい、落ち込まないで下さい。
 まぁ気持ちは判りますが。

「テスト問題の方は、土日で片付けるとして、問題は授業ですね」

「は、はい」

 じゃんけんかぁ……どう怒ってやろうか、まったく。
 それよりも、

「やっぱり、僕が子供だから……」

「…………」

 上手い言葉が、浮かばない。
 実際その通りと言えば、それまでなんだけど……どうしたもんか。
 うーん。

「そればっかりは、どうしようもないですからね」

「あう……」

 実際、見た目と言うのは大事なんだよなぁ。
 新田先生が、まぁ例に出すのは失礼だが……見た目で仕事をしていると言える。
 鬼の新田――この年代の子らには、怒った年配の方は鬼に見えるらしい。
 ……本当は、生徒思いで怒ってもそう怖くないんだけど。
 逆にネギ先生は、怒ってもそう怖くないから、遊び感覚で授業を受ける。
 可哀想な言い方かもしれないけど、教師として見られていないのだろう……最初から、心配していたが。

「どうしたら良いんでしょうか?」

「……そうですねぇ」

 そんな顔で見ないで下さいよ。
 あんまりこういうのは他人から言うもんじゃないと思うんだが……もう時間も無いしな。
 でも、俺の方に正しい回答がある訳でもない。

「新田先生が、何で生徒達から怖がられてるか知ってますか?」

「え? 生徒指導の厳しい先生だから、ですか?」

「そうですね」

 でも、少し違う。

「それは、間違った事をちゃんと怒るからなんです」

「怒る、ですか?」

「ネギ先生の事ですから、アイツらが遊んでいても、止めて下さい、って注意するだけじゃないですか?」

「ぅ……そうかも、しれません」

 まぁ、でも。
 この歳の子に、あの子達を怒れと言うのも酷かもなぁ。

「そういう事です」

「でも、怒って嫌われたら……」

「教師なんて嫌われる仕事ですよ」

 全部の生徒から好かれてる教師なんていません、と。
 あの高畑先生だって、そうなのだ。

「今度遊んだら、机でも思いっきり叩いてみたらどうです? 大声で止めるように言って」

「そ、それはちょっと……」

 まぁ、そこまではまだネギ先生には難しいかもしれませんね、と小さく笑う。

「でも、怒る時は怒らないと駄目ですよ? 手は上げたらだめですけど」

「う――次は頑張ってみます」

「期末まで時間が無いですから、頑張って下さい」

 ただでさえ、課題が課題なんですから。
 後で新田先生達にもお願いしておこう。ネギ先生の課題の件。

「期末の結果は、先生に掛ってるんですから」

「プ、プレッシャーかけないで下さいよっ」

 ははは、良いじゃないですか。

「大丈夫――上手く行きますって」

「そうでしょうか……」

「そうですよ」

 そう不安そうな顔をするもんじゃないですよ、と。

「ネギ先生」

「はい?」

「先生なんですから、生徒を信じて下さいよ」

 もう一度、大丈夫ですよ、と言い、俺は小テストの採点に戻る。
 ……もう少し上手い事を言えたら良いんですけど、すいませんネギ先生。






――――――エヴァンジェリン

「図書館島?」

「うむ」

 学園長室に呼ばれたから何かと思えば……。
 頭が良くなる魔法の本だと?

「2-Aの成績は、言うたら悪いがよろしくない――食いつくとは思わんか?」

「思わんな。いくらガキでも、そこまで馬鹿じゃないだろ」

 ……胡散臭すぎるだろ、それは。

「そんな噂を流してどうする? あの子供先生に取りに行かせるのか?」

「うむ」

「もしじじいの思惑通りに動いたら、教師失格だな」

「ほほ、手厳しいの」

 ふん――くだらん。
 そんな都合のいいもの、何処に存在するものか。
 無条件で頭が良くなるなど、誰が信じるものか。
 ……ウチのクラスの連中は、信じるかもな、と一瞬思ったが、大丈夫だろ。うん。

「そんなのに頼るようじゃ、教師としては最低以下だ」

「しょうがないじゃろ。ネギくんに実戦を知ってもらう為に麻帆良に呼んだのに、ここんとこ、とんと襲撃者もこん」

「――そう言う狙いか」

 確かに、図書館島の地下なら、確かに魔法を使っても問題は無いだろうが……。

「あのガキ、日常でもそれなりに魔法を使っているぞ?」

「……なんじゃと?」

「なかなかの魔力量じゃないか、オコジョになるのも時間の問題だと思うぞ?」

「―――マジで?」

「ああ。神楽坂明日菜には初日から気付かれているぞ?」

 あと、宮崎のどかも怪しんでいるな、と伝えておく。
 はは、頭を抱えるなよ学園長。
 あんな魔力バカを呼んだのはお前じゃないか。

「ま、面白そうだ。噂は流してやるさ――どうなるかは知らんがな」

「う、うむ。よろしく頼む」

 さて、どう揉み消す気なのか……それとも、このまま神楽坂明日菜を巻き込むのか。

「話がそれだけなら、帰るぞ?」

「……すまなかったな。話はこれだけじゃ」

 どうする気なのかは知らんが、巻き込むなよ、と釘を刺して退室する。

「お疲れ様でした、マスター」

「ふん……無駄な時間だったな」

 外に控えていた茶々丸を連れ、校舎の外に出ると――そこは黄昏色だった。
 普通の吸血鬼なら、この時間帯から起きて活動するんだがなぁ。
 どうにも、最近は調子が出ない。はぁ。

「溜息なんてついてどうした、マクダウェル?」

「……また先生か」

 もう一度、溜息。

「それは流石に酷くないか?」

「気にするな。そういう気分なんだよ」

「機嫌悪いな、何かあったのか?」

 ええい、鬱陶しい。

「何でも無い――それより、今日は早く帰るんだな」

「ん? そりゃ、仕事が終われば、俺だって早く帰るよ」

 ったく。能天気な顔を……。

「マクダウェル達も、今から帰りか?」

「ああ」

「んじゃ、途中までどうだ?」

「断る」

「おー。それじゃ、また明日なー」

 ……なんだ。自分から誘っておいて、あっさり引くじゃないか。
 まぁ、どうせ私が断るのが判ってたんだろうが――断らない方が面白い顔を見れたかもしれんな。

「なぁ、先生?」

 私達を置いて歩き出した背に、声を掛ける。
 ふと、面白い事を思いついたのだ。

「んー?」

「もし、もしもだ」

「ああ、どうした?」

「頭が良くなる魔法の本があったら、生徒に使うか?」

 答えは判って入るが、聞いてみた――この先生とあの子供が、どれだけ違うのか、興味が湧いたのだ。
 その問いに、最初はよく判らない、と言った風に首を傾げ……笑う。

「いきなりだな……まぁ、使わないけど」

「……だろうな」

 ま、判り切った答えだな。

「どうしてだ? 次の期末、2年最後のテストで学年トップになれるかもしれないぞ?」

「でもそれじゃ、マクダウェルや神楽坂達の努力が無駄になるだろ?」

「……私は別に努力してないがな」

 そこはしてくれよ、という呟きは無視。

「折角小テストとかで良い点とってるのに、本一冊でそれがチャラじゃ、誰も努力なんかしなくなる」

「ま、正論だな」

「マクダウェルはその本があったら使うのか?」

 まさか、と首を振る。
 そんな怪しいもの誰が使うものか。

「こっちから願い下げだ」

「……その本で、何かあったのか?」

「別に」

 妙な所は鋭いな、まったく。

「そういう噂があるだけだ」

「魔法の本?」

「そう」

 へー、と少し――本当に少しの驚いた声。

「ま、先生には必要ないものだろ」

「そんな本を探すなら、その時間をテスト問題考える時間に使うよ」

「嫌に現実的だな……」

「先生だからなぁ」

 そういう問題か?
 まぁ、もう期末の時期だしな――憂鬱だよ、まったく。

「簡単な問題にしてくれよ?」

「復習をちゃんとしてれば、点数取れるさ……多分」

 だと良いが。

「じゃあな、先生」

「おー、また明日な」

 ふむ――やはり、あの先生は飛び付かないか。
 ま、信じてなかったというのもあるんだろうが……な。

「帰るぞ、茶々丸」

「はい」

 さて、どうなることやら……。

「魔法の本の件、お前はどうなると思う?」

「……判りません」

「ふん」

 まぁ、まだ“考える”機能が不完全だからな。
 葉加瀬の話ならソレは成長するらしいが……何処までの物か。

「ですが、手に入らなければ良い、と思います」

「そうか」

 ……そうだな。
 ま、じじいの思惑通りに事が運ぶのも、癪だしな。


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