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No.25786の一覧
[0] 普通の先生が頑張ります (更新再開…かな?[ソーイ](2011/06/08 19:02)
[1] 普通の先生が頑張ります 0話[ソーイ](2011/04/10 19:06)
[2] 普通の先生が頑張ります 1話[ソーイ](2011/04/10 16:49)
[3] 普通の先生が頑張ります 2話[ソーイ](2011/04/08 22:17)
[4] 普通の先生が頑張ります 3話[ソーイ](2011/04/08 22:52)
[5] 普通の先生が頑張ります 4話[ソーイ](2011/04/08 23:22)
[6] 普通の先生が頑張ります 5話[ソーイ](2011/04/08 23:43)
[7] 普通の先生が頑張ります 6話[ソーイ](2011/04/09 10:03)
[8] 普通の先生が頑張ります 7話[ソーイ](2011/04/09 10:16)
[9] 普通の先生が頑張ります 8話[ソーイ](2011/04/09 10:36)
[10] 普通の先生が頑張ります 9話[ソーイ](2011/04/09 13:58)
[11] 普通の先生が頑張ります 10話[ソーイ](2011/04/09 14:38)
[12] 普通の先生が頑張ります 11話[ソーイ](2011/04/09 15:24)
[13] 普通の先生が頑張ります 12話[ソーイ](2011/04/09 18:20)
[14] 普通の先生が頑張ります 13話[ソーイ](2011/04/09 22:23)
[15] 普通の先生が頑張ります 14話[ソーイ](2011/04/09 23:12)
[16] 普通の先生が頑張ります 15話[ソーイ](2011/04/09 23:47)
[17] 普通の先生が頑張ります 16話[ソーイ](2011/04/10 16:45)
[18] 普通の先生が頑張ります 17話[ソーイ](2011/04/10 19:05)
[19] 普通の先生が頑張ります 18話[ソーイ](2011/04/11 21:15)
[20] 普通の先生が頑張ります 19話[ソーイ](2011/04/11 21:53)
[21] 普通の先生が頑張ります 20話[ソーイ](2011/02/27 23:23)
[22] 普通の先生が頑張ります 21話[ソーイ](2011/02/27 23:21)
[23] 普通の先生が頑張ります 22話[ソーイ](2011/02/27 23:19)
[24] 普通の先生が頑張ります 23話[ソーイ](2011/02/27 23:18)
[25] 普通の先生が頑張ります 24話[ソーイ](2011/02/26 22:34)
[26] 普通の先生が頑張ります 25話[ソーイ](2011/02/27 23:14)
[27] 普通の先生が頑張ります 26話[ソーイ](2011/02/28 23:34)
[28] 普通の先生が頑張ります 27話[ソーイ](2011/03/01 23:20)
[29] 普通の先生が頑張ります 28話[ソーイ](2011/03/02 22:39)
[30] 普通の先生が頑張ります 29話[ソーイ](2011/03/04 22:42)
[31] 普通の先生が頑張ります 30話[ソーイ](2011/03/08 00:19)
[32] 普通の先生が頑張ります 31話[ソーイ](2011/03/07 23:33)
[33] 普通の先生が頑張ります 32話[ソーイ](2011/03/10 00:37)
[34] 普通の先生が頑張ります 33話[ソーイ](2011/03/09 23:47)
[35] 普通の先生が頑張ります 34話[ソーイ](2011/03/10 23:15)
[36] 普通の先生が頑張ります 35話[ソーイ](2011/03/13 23:11)
[37] 普通の先生が頑張ります 36話[ソーイ](2011/03/14 22:47)
[38] 普通の先生が頑張ります 37話[ソーイ](2011/03/15 23:56)
[39] 普通の先生が頑張ります 38話[ソーイ](2011/03/16 23:15)
[40] 普通の先生が頑張ります 39話[ソーイ](2011/03/17 23:03)
[41] 普通の先生が頑張ります 40話[ソーイ](2011/03/18 22:46)
[42] 普通の先生が頑張ります 41話[ソーイ](2011/03/19 23:49)
[43] 普通の先生が頑張ります 42話[ソーイ](2011/03/20 23:12)
[44] 普通の先生が頑張ります 43話[ソーイ](2011/03/21 22:44)
[45] 普通の先生が頑張ります 間幕[ソーイ](2011/03/23 07:49)
[46] 普通の先生が頑張ります 44話[ソーイ](2011/03/23 23:24)
[47] 普通の先生が頑張ります 45話[ソーイ](2011/03/25 23:20)
[48] 普通の先生が頑張ります 46話[ソーイ](2011/03/26 23:23)
[49] 普通の先生が頑張ります 47話[ソーイ](2011/03/28 00:29)
[50] 普通の先生が頑張ります 48話[ソーイ](2011/03/28 23:24)
[51] 普通の先生が頑張ります 49話[ソーイ](2011/03/30 00:25)
[52] 普通の先生が頑張ります 50話[ソーイ](2011/03/31 00:03)
[53] 普通の先生が頑張ります 閑話[ソーイ](2011/04/01 00:36)
[54] 普通の先生が頑張ります 51話[ソーイ](2011/04/01 23:50)
[55] 普通の先生が頑張ります 52話[ソーイ](2011/04/03 00:22)
[56] 普通の先生が頑張ります 53話[ソーイ](2011/04/04 23:45)
[57] 普通の先生が頑張ります 54話[ソーイ](2011/04/05 23:24)
[58] 普通の先生が頑張ります 55話[ソーイ](2011/04/06 22:31)
[59] 普通の先生が頑張ります 56話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:46)
[60] 普通の先生が頑張ります 57話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[61] 普通の先生が頑張ります 58話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[62] 普通の先生が頑張ります 59話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[63] 普通の先生が頑張ります 60話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[64] 普通の先生が頑張ります 61話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[65] 普通の先生が頑張ります 62話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[70] 普通の先生が頑張ります 56話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:46)
[71] 普通の先生が頑張ります 57話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:27)
[72] 普通の先生が頑張ります 58話(修正版[ソーイ](2011/04/30 22:52)
[73] 普通の先生が頑張ります 59話(修正版[ソーイ](2011/05/18 23:24)
[74] 普通の先生が頑張ります 短編 【茶々丸】 [ソーイ](2011/05/23 23:47)
[75] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 [ソーイ](2011/05/23 23:42)
[76] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 2[ソーイ](2011/05/25 23:21)
[77] 普通の先生が頑張ります 短編 【月詠】 [ソーイ](2011/06/08 23:06)
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[25786] 普通の先生が頑張ります 61話(修正前
Name: ソーイ◆9368f55d ID:052e1609 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/04/27 22:48
「大丈夫か、月詠?」

「はい~」

 そうは言うが、月詠は相変わらず、何か光の檻? に捕まったままだった。
 超が言うには人体には無害らしいし、月詠も特に何も感じていないらしい。
 ……力尽くで出るには、機械にあまり強くないので危ないから嫌らしい。
 まぁ、そうだよな。
 無理矢理出ようとして、壊したりして爆発でもしたら怖いしな。
 それに、特に何かをされる訳でもないみたいだし。
 月詠と二人、何も無い広い部屋に置いていかれたけど……一人じゃ、戻れないよなぁ。
 下水道の、来た道も覚えてないし。
 それにしても、もう結構な時間が立ったような気がする。

「ごめんなさい~」

「ん?」

「捕まってしまいました~」

 いや、こっちこそ危ない目に付き合わせてしまってごめん、と。
 そう言うと、笑われてしまった。

「いやですわ~。こういうのは慣れっこですから、お気になさらず~」

「そういう訳にもいかないだろ」

 俺が超に会いたいって、無理言ったんだし。
 きっと、こうならないように月詠が居たのに、俺の都合で危ない目に合わせてしまった。
 ……はぁ。
 鉄造りの床に腰を下ろし、溜息を一つ。
 どうしたものか。
 超は、どっか行ってしまったし。
 晩飯は期待していて、と言っていたから、どうも帰す気は無いらしい。
 本格的に困ったなぁ。

「携帯電話は通じますか~?」

「あ、そうだった」

 そう言えば、そういう便利なものが……って。

「圏外だ」

「あら~」

 まぁ、下水道に造ってある所だからなぁ。
 電波は届かないか。
 時計を見ると、もう夜に差し掛かる時間だ。
 はぁ……心配されてないと良いけど。
 無理だよなぁ。
 ……あ。

「しまった」

「? どうしました~?」

「ん? ああ、いや……なんでもないよ」

 しまったなぁ。
 絡繰との約束があったんだった。
 ……怒ってるかな? 怒ってるだろうなぁ。
 折角誘ってくれたのに。
 ……はぁ、まぁ、過ぎてしまった事は、どうしようもないか。
 今度会ったら、謝ろう。
 許してもらえなかったら……その時は、その時だ。
 今はまず、これからどうするか考えないと。

「それよりお兄さん? お1人で帰れそうですか~?」

「いや、どうだろう?」

 この部屋から出るだけなら問題無い。
 ドアには鍵も掛って無かったし、少し見て回ったけど超以外に誰か居るような感じもなかった。
 出る事は出来るが……だからといって、迷わずに戻れるか、と聞かれたら首を傾げるしかない。
 帰り道が判らないし。
 それに、月詠を置いていくというのも、どうかと思うし。

「そうですか~」

「まぁ、少しの間は、じっとしとくか」

「ええんですか~?」

「ん?」

「危ないですよ~」

 ……そう、かもしれないな。
 こうやって、いきなり月詠を拘束? したんだし。
 でも。

「俺一人じゃ、超に見つかったら逃げきれないしな」

 それに、本当に危害を加える気があるなら、こうやって放っておかないだろう。
 俺は拘束もなにもされてない。
 それは、俺が魔法使いではない――戦う力が無いからだろう。
 超は言っていた。
 イレギュラーには退場してもらうと。
 さっき話していた事を思い出す。
 超が語る未来の中に、俺と月詠は居なかった。
 そして、俺の事を“特異”だと。
 ……それは、俺が超の知っている未来にとって、何か意味があるという事だろう。
 そう言えば、俺のやり方では間に合わない、とも言っていた。

「なぁ、月詠?」

「なんですか~?」

「さっき超が言っていた、俺のやり方じゃ間に合わない、って……どういう意味か判るか?」

 どういう意味だろうか?
 俺のやり方……って言われても、そう何かした覚えは無い。
 こんな時に言われるんだから魔法関係の事だろうけど。
 ……俺は、魔法使いではないのだ。
 何が出来る、と言われても困るわけだ。

「そうですねぇ……」

 月詠は、そう言って光の中に捕まっているのに、器用に首を傾げて悩みだす。
 こんな所は、マイペースと言うか。
 ……慣れてる、というのはあまり考えたくは無いけど。

「多分、お姉さんなら面白い答えを言ってくれるかと~」

「お姉さん? ……ああ、マクダウェルか」

 そういえば、そう呼んでたな。
 でも、マクダウェルが?
 どうしてそこでその名前が、と思ってしまう。
 そう言えば、吸血鬼を、とも言っていたなぁ。
 誑かしたとか。
 それは流石に、あまり聞きたくない単語ではあったけど……マクダウェルに、何かしたかなぁ。
 した事と言えば、やはり思い浮かぶのは――二年の最後に、迎えに行った事。
 それくらいだろう。
 それが、超が言うほど特別な事だろうか?

「マクダウェルかぁ」

 まぁ、今度会った時に聞いてみるか。
 ……あまり、聞きやすい質問じゃないけど。
 というか、どう聞けばいいんだろうか?
 誑かしたとか言われたけど、マクダウェルに何かしたか? とか?
 …………無理だな。
 流石に、それを聞いたら殺すと言われるだけじゃなく、実力行使に出られる。

「どないかしましたか~?」

「い、いや……」

 ま、まぁ、それはまたその時考えるか。
 流石にこれは、無理だな。
 うん。

「だとすると、俺が何かしたかっていうのは……今は難しいなぁ」

「ですね~。うちじゃ、まだ良い答えが出せませんので~」

「そうかぁ」

 そうなると、だ。
 さっき話した内容を思い出す。
 魔法使いの事。
 超の目的。
 そして、超の事情。
 魔法を世界に知らせる。
 それは、別に反対ではないのだ。
 ただ――その方法が、と。
 どうして超は、一人でソレを成そうとしているんだろう?
 葉加瀬という協力者は居るんだろうけど、でも、超は“私は”うまくやると言った。
 ……どうして、と。
 学園長……いや、マクダウェルでもネギ先生でも良い。
 どうして他の魔法使いに相談しないのだろう?
 世界を変える。
 それは、一人で出来る領分を越えてしまっている。
 きっと何処かで破綻する。
 人か、魔法使いか、それとも両方か。
 そのどこかで。

「お兄さんは、超さんをどうしたいんですか~?」

「ん?」

 そんな事を考えてたら、月詠からそう聞かれた。
 どうしたい、か。
 ……難しいな。
 俺は、超のこの問題をどうしたいんだろう?

「どうしたい、って訳じゃないんだ」

「はい?」

「ただ、どうして一人でこんな事をするんだろうな、って」

 そう。
 どうして、と。
 超が今回の事の準備に使ったのは、二年くらいだろう。
 その二年で、協力者は葉加瀬だけ。
 ……どうしてその二年で、学園長に相談するなりしなかったのだろう?
 一人で抱え込んで。
 はぁ、と。

「お兄さんの考えは、甘いと思うんですよ~」

「ん?」

 甘い?
 そう言われ、光の檻に囚われた月詠を見る。

「多分、超さんはウチの考えに近いと思いますわ~」

「月詠の?」

「はい~」

 どういう事だろう?
 でも、そうなると。

「生きてきた環境の違いはどうであれ――きっと、超さんは誰も信用できないんでしょうね~」

「信用できない?」

 それは――今回のような事を相談する事の出来るような人が居ない、という事か?
 そう聞くと、頷かれる。

「人が人を信頼するのは、難しい事ですえ」

「そうだな」

 口で言うのは簡単だ。
 信用している、と。
 でも、それを信じてもらうのも、信じ続けるのも――本当に、難しい。
 それは、身をもってい知っている。
 俺だって、誰彼から信用してほしいとは思うけど、信じる事だって難しいのだ。
 今回みたいに超の事を、って思っていても……どこかで、不安になっている。
 超の事を疑ってる。
 何も出来る事は無いのだから、と思ってる。
 でも、それを出さずに、こうやってバカみたいに考えてる。
 どうにかしたい、と思う事すら――間違っているかもしれない、と思ってる。
 信じてもらう。
 信じ続ける。
 それはきっと、とてもとても難しい事だ。

「月詠は、そうなんだな……」

「はい~」

 そうか、と。
 こんな状況だけど、月詠の心境を聞けた事に、少しだけ胸を下ろす。
 そうか……月詠は、そうなのか。

「人の心は難しいものですえ」

「だなぁ」

 まるで他人事のように、二人でそういう。
 難しい、本当に。
 少しだけ、気を落ち着けるように、深呼吸を一回。
 でも。

「でも――人は一人じゃ生きていけないよ」

「そうですね~」

 一人で出来る事なんて、本当に少しだ。
 俺だって、俺一人で出来る事なんて殆ど無い。
 毎日を生きていく事だって難しい。
 月詠が居て、小太郎が居て、同僚の皆が居て、クラスの連中が居て。
 俺は皆が居るから、こうやって毎日を生きていける。
 形だけの信頼かもしれない。
 でも、その皆を疑って生きるのは……きっと、続かない。
 なら、超が成そうとしている事は?
 魔法使いの事を、世界に知らせる。
 それは、人が魔法の事を知るという事。
 そこに信頼はあるのだろうか?
 それに、魔法使いはその事をどう思うだろうか?
 一方的に自分達の存在を知らされる事を。
 ……答えは決まっている。
 反発するだろう。
 超が言うには、魔法使いは“国”を持っているらしい。
 なら、そこに皆帰るのか――それとも、国同士で……。

「人間と魔法使いも、信頼が無いと……長続きしないと思うんだ」

「ですね~」

 うん。
 その信頼をどうやって成すかはまだ分からないけど、それはきっと俺一人じゃ判らない事だろう。
 そして、超一人にも。
 判ったとしても、きっと何処かに穴がある。
 でも、俺たちは一人じゃないのだ。
 学園長が居て、マクダウェルが居て、ネギ先生や高畑先生、他の魔法使いの人達も居る。
 皆で考える事って出来ないのかな?
 マクダウェルが神楽坂や龍宮と仲良くなったみたいに、って思うのは甘いのか?
 甘いんだろう。
 世界はそんなに、甘くはないんだと――世の中の政治やらを少しでも知ってるなら、そう判っている。
 でも、表面だけでも、形だけでも、その信頼が必要なんだと思う。

「なぁ、月詠?」

「なんですか~?」

「……いや、どうにかしてここから戻らないとな」

「そうですね~」

 俺は、甘いと思う。
 こうやって、超を信用して、月詠を危険な目に遭わせてしまった。
 そして、こんな目に遭っても、まだ超をどうにかしないとって思ってる。
 間違っているんだろうか?
 でも、生徒を信じたいと思う。
 ……生徒を危険な目に合わせても、生徒を信じるのは、間違っているんだろうか?
 はぁ。

「せんせー」

「ん?」

「せんせーは、せんせーのままでええと思いますよ~」

「……そうか?」

 俺のまま、ってどんなのだろう?
 今までの俺って、どうやってたかな?
 ……もしかして、超の言っていた“俺のやり方”っていうのは、こういう事なのかな?
 そんな事を考えながら、もう一度溜息。
 動かないから、何も出来ないから、何か思考が嵌ってるような気がする。

「少し離れてて下さい~」

「ん?」

 どう言う事だ?
 そうは思うが、言われた通りに月詠から離れた位置に移動する。
 こういう所は、月詠の言う通りにした方が良いだろう。

「この機械を壊します~」

「…………は?」

 いや、ちょっと待った。
 爆発とかしたらどうするんだ?
 そう思う間にも――月詠はその手に持った刀を抜いて、足元に何度も突き立てる。
 そうしていると、次の瞬間には月詠を捕えていた光は消えてしまった。

「爆発しなくて良かったですわ~」

「……いや、危ないから今後は止めような?」

「覚えておきますわ~」

 その言い方だと、止めるとは言ってないよな?
 ……はぁ。

「怪我とかしたらどうするんだ?」

「しょうがありません、それがウチの仕事ですから~」

「あのなぁ」

 あんまりそう言うのは――と。
 そう言おうとしたら、こっちの眼を覗き込むように月詠が、その顔を近付けてくる。
 ……?

「それがウチの仕事です」

 だから、せんせーに色々言われるのは心外です、と。
 そう、ハッキリと言われてしまう。
 そして、その目の力の強さに押されて――首は縦に振らなかったが、

「あ、ああ……」

 そう、同意してしまった。
 そして。

「せんせーはいつもみたいにしてればええんですよ」

「……いつもみたいに?」

 って?

「はぁ……お姉さんがウチをせんせーに付けた意味が良く判りますわ」

 呆れたように、でもどこか楽しそうに、溜息を吐かれた。
 ……何で?

「どうしてせんせーは、超さんに関わるんですか?」

 それは……。

「関わってもええ事ありませんやろ? 魔法使いの皆さんからも睨まれますし、見返りもありません」

 ……………………。

「死ぬかもしれませんよ?」

 それは、今日、月詠から言われた事だった。
 関わってどうする?
 何も無い。
 むしろマイナスかもしれない。
 でも、と。
 月詠から覗きこまれるように見られているせいか――まるで心中を見透かされているよう。

「しょうがない、先生だからなぁ」

 あの子は俺の生徒だ。
 なら、どうにかして力になってやりたい。
 過去を変えて、未来を救う?
 だったら、何の役にも立たないだろうけど一緒に考えよう。
 俺一人じゃない。
 話をすれば、キチンと知らせれば、マクダウェルだってそう悪い顔はしないはずだ。
 学園長も、高畑先生も、他の魔法使いの人達だって。
 世界を一人で背負うなんて、無理だけど。
 皆で考えれば、一人で全部考えるよりきっと良い考えが浮かぶ。
 なにせ――魔法使いなんだから。
 ……他力本願だと笑われるだろうか?

「はぁ……呆れますね~」

 う。

「お兄さんは、甘いと思うんですよ~」

「そ、そうか……」

 甘いか……。
 でも、それ以外に考えが無いからしょうがない。
 一人で考えたって、そんな甘い考えしか浮かばないもんだよ。うん。
 だから、まず戻ったら……マクダウェルに頭を下げる事になるのか、それとも学園長か。
 はたまた絡繰に謝るのか。
 ……頭下げてばっかりだな、俺。
 はぁ。
 でも、誰かに助けを求めよう。
 もっと良い方法を、超を納得させれるような方法を探せるように。

「しょうがありませんね~」

「スマン」

 そう頭を下げると、小さく溜息を吐かれる。
 だがなぁ、と。
 そう言い訳をしようとしたら、ついで笑い声。
 それは今まで聞いた事の無い、明るい声ではなく、何と言えば良いのか。
 上手い言葉が浮かばない、そんな、笑い声。
 初めて聞いた、月詠の笑い声。

「しょうがないなぁ」

 また、そう言い……背を向けて歩き出す。
 向かうのは出口。

「そう言う約束で、ここに居ますからねぇ」

「なにが?」

 その背を追い、並んで歩く。
 その両手に持った刀を収め、竹刀袋から出したまま、胸に抱えるように歩く月詠の横顔を見る。

「お兄さんを――ま~、守るために麻帆良に置いてもらってますから~」

 …………そういえば、そういう話だった……ような気がする。
 すっかり忘れてた。
 何も無い部屋から出ると、無人の廊下が伸びている。
 さて、出口はどっちだろうか?

「でも、今までだってそうだっただろ?」

 休みの日とか、来客の時とか。
 何で今、そういう事を言うんだろう?
 別に、俺はそんなつもりで一緒に暮らしている訳でもないのに。
 少し悩んで、月詠が進みだしたので、そっちについていく事にする。

「せんせーは、せんせ―の好きなようにすればええんです」

「ん?」

「しょうがないんでしょう?」

 ……ぅ。
 もしかして、呆れてる?
 そう言いながら、どこか楽しそうに笑う月詠から小さく視線を逸らす。
 うーむ。
 もう少し考えて動いた方が良いのかなぁ。
 ……いや、考えて動かないと駄目か。
 はぁ。

「ええんですよ?」

「いや、そういう訳にもなぁ……」

 やっぱり、今回のは駄目だろ。
 月詠を危険に晒してしまった。
 それに、俺一人だったら、どうにもできない状況だったし。

「お姉さんが肩入れする理由が、何となく判りますわ~」

「マクダウェル?」

「はい~」

 ……うーむ。
 あまり思い出したくないが、誑かしたって……俺何したのかな?
 聞きたくないが、判らないので聞かないといけないというか。

「お兄さんは面白いですね~」

「……褒められてる気がしない」

 本当に。
 それに、一回り以上も歳の離れた子に、遊ばれてるような気がする。
 なんだかなぁ。

「褒めてませんから~」

「……はぁ」

 だろうなぁ。
 そう溜息を吐いた時、月詠の足が止まる。

「…………なに?」

 四本足の、蜘蛛のような――機械?
 なんだアレ?
 ソレが、曲がり角の向こうから、現れた。

「これはまた――斬り甲斐のありそうな~」

 えーっと……。
 もしかして……。

「それじゃお兄さん、どっかに隠れといて下さい~」

「……月詠?」

「大丈夫ですえ~」

 いやいやいや、全然大丈夫に思えないんだが!?
 なんだアレ!?
 映画の中でしか見ないような機械なんだが!?

「今この時は、ウチが護りますから~」






――――――エヴァンジェリン

 はぁ、と。
 今日何度目かの溜息を吐き、もう日の落ちかけた空を見上げる。
 祭りの明かりが強いせいか、星は良く見えない。
 だが曇りというわけではない。
 空気の匂いが、夜空の天気を教えてくれる。

「どこに居るんだ?」

 茶々丸との約束をすっぽかした。
 私の囲碁大会の会場にも現れなかった。
 そして……携帯も通じなかった。
 つまりは、だ。
 あの人はまた、厄介事に首を突っ込んだのだ。
 ……まったく。
 内心の焦りを隠すように、心中でそう呟く。
 真名や、他の魔法先生達も探しているが、見つからない。
 恐らく……超の所に居るんだろうが。
 明日菜は木乃香とチャチャゼロ達に送らせたから、多分大丈夫だろう。
 アイツも、アレだけ強くいっていれば……まぁ、大丈夫だと思いたい。
 しかし、

「なにをやってるんだか」

 そう、溜息を吐く。
 本当に――何をやってるんだか。
 相手は魔法使いの存在を知らせようとしているんだぞ?
 昨日の説教じゃ足らなかったか。
 だから月詠に一緒に居るように言ったんだが……はぁ。
 今晩は、もっと言ってやらないといけないようだな。
 ……あの人のお節介にも、困ったものだ。
 誰彼構わず手を差し伸べて――こっちの身にもなってみろというんだ。
 と。

「クーフェイか?」

「ム。エヴァンジェリンか……どうかしたアルか?」

 丁度視界の先、人通りの無い所に、その姿はあった。
 一人で肉まんなんか食べて、どうしたんだろうか?
 いつもは誰かと一緒に居るように覚えているんだが。

「元気が無いな?」

「エヴァンジェリンほどじゃないネ」

 そうか?
 ……そんなに落ち込んでなんか無いからな?
 少し探索に行き詰って、疲れただけだ。

「そうだ。クーフェイ、超鈴音を見かけなかったか?」

「超アルか?」

「ああ」

 魔法使いが探しても見つからないなら、それ以外の前には姿を現しているかもしれない。
 そう思って、駄目元で言ってみたのだが。

「……エヴァンジェリンは、超の事を知ってたアルか?」

「超の事?」

 それは、魔法の事を言ってるんだろうか?
 ――こいつ、馬鹿だが変な所は鋭いからな。
 そんな事を考えていたら、一枚の封筒が差し出される。

「……なに?」

 クーフェイから差し出された封筒には、

「退学届?」

「さっき渡されたアル」

 どう言う事だ?
 ……何故、学園を辞める……まぁ、ここまでしてしまったら、居られないか。
 いや、それよりも。

「何処で会った!?」

「? 向こうの、パレードやってる所アルよ」

 ちっ。
 人混みに紛れたのか……?
 急い駆けだす。
 これだけの人数だ、人混みに紛れられたら……。

「クーフェイ、退学の理由は聞いたか!?」

 慌てて足を止めて、そう声を上げて聞く。
 あー、まったく。
 元気しか取り柄の無いお前が、そんなに落ち込んでどうするんだ、と。
 こんな時でも、それを気にしてしまう自分の性格が恨めしくもある。

「……聞いてないアル」

「だったら、今度会った時に無理やりにでも聞けっ。お前はそっちが落ち込むより得意だろうがっ」

 まったく。
 らしくない。
 元気しか取り柄が無いくせに、落ち込んで肉まんなんか食べてるなんて。
 本当に、お前らしくないだろうが、バカイエロー。
 退学?
 理由は何であれ、そう簡単に逃がすものか。
 今回の騒動の理由も、何も聞いていないのだ。
 そんなので逃げられて、納得が出来るか。
 走りながら携帯を取り出し、真名の番号を呼び出す。
 一回の呼び出しで、すぐに繋がった。

『どうした?』

「パレードの周りだっ。人混みに紛れてるかもしれないっ」

『了解。こっちからも見て探すよ』

 恐らく、どこか高い位置からライフルスコープを使って探しているのだろう。
 こういう時は、魔法使いよりも真名の方が心強い。
 なにせ、アイツの“眼”は特別だからな。
 そんな事を考えながらも、視線は周囲を探す。
 超鈴音――あの人は、私達は、お前を逃がさないぞ。




――――――チャチャゼロさんとオコジョ――――――

「先生にも困ったもんねー」

 そう思うでしょ、チャチャゼロさん、と。
 ……姉御。
 もー少し、心配と化した方が良いんじゃねーの?
 だってその先生って、普通の人間なんだろ?

「ダナァ。ウチノ御主人モ大概ダケドナー」

 いや、チャチャゼロさんも……。
 なに? その人何か特別な武術とかやってんの?
 木乃香の嬢ちゃんの方に乗りながら、そう一人ごちる。
 ちなみに、木乃香の嬢ちゃんはどうにも、その先生さんを探しに行きたいらしいが、

「うー……ウチも何か役に立つかもしれへんのにぃ」

「危ないから駄目って、エヴァに言われたでしょ?」

「……はぁ」

 というわけだ。
 姐さんも、結構か保護だよなぁ。
 まぁ、木乃香の嬢ちゃんは戦えないから心配だけどよ。
 でも一緒に居たら、刹那の嬢ちゃんも動き難いだろうしな。

「嬢チャンガ役ニ立ツ時ハ、先生ガ手遅レナ時ダロウケドナ」

「チャチャゼロさんっ」

「スマンスマン」

 いや、全然悪びれてないでしょ?

「さよちゃんも、幽霊になって探してくれてるんだから、大丈夫だって」

「うー……」

 大丈夫かな、その先生さんとやらは。


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