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No.25786の一覧
[0] 普通の先生が頑張ります (更新再開…かな?[ソーイ](2011/06/08 19:02)
[1] 普通の先生が頑張ります 0話[ソーイ](2011/04/10 19:06)
[2] 普通の先生が頑張ります 1話[ソーイ](2011/04/10 16:49)
[3] 普通の先生が頑張ります 2話[ソーイ](2011/04/08 22:17)
[4] 普通の先生が頑張ります 3話[ソーイ](2011/04/08 22:52)
[5] 普通の先生が頑張ります 4話[ソーイ](2011/04/08 23:22)
[6] 普通の先生が頑張ります 5話[ソーイ](2011/04/08 23:43)
[7] 普通の先生が頑張ります 6話[ソーイ](2011/04/09 10:03)
[8] 普通の先生が頑張ります 7話[ソーイ](2011/04/09 10:16)
[9] 普通の先生が頑張ります 8話[ソーイ](2011/04/09 10:36)
[10] 普通の先生が頑張ります 9話[ソーイ](2011/04/09 13:58)
[11] 普通の先生が頑張ります 10話[ソーイ](2011/04/09 14:38)
[12] 普通の先生が頑張ります 11話[ソーイ](2011/04/09 15:24)
[13] 普通の先生が頑張ります 12話[ソーイ](2011/04/09 18:20)
[14] 普通の先生が頑張ります 13話[ソーイ](2011/04/09 22:23)
[15] 普通の先生が頑張ります 14話[ソーイ](2011/04/09 23:12)
[16] 普通の先生が頑張ります 15話[ソーイ](2011/04/09 23:47)
[17] 普通の先生が頑張ります 16話[ソーイ](2011/04/10 16:45)
[18] 普通の先生が頑張ります 17話[ソーイ](2011/04/10 19:05)
[19] 普通の先生が頑張ります 18話[ソーイ](2011/04/11 21:15)
[20] 普通の先生が頑張ります 19話[ソーイ](2011/04/11 21:53)
[21] 普通の先生が頑張ります 20話[ソーイ](2011/02/27 23:23)
[22] 普通の先生が頑張ります 21話[ソーイ](2011/02/27 23:21)
[23] 普通の先生が頑張ります 22話[ソーイ](2011/02/27 23:19)
[24] 普通の先生が頑張ります 23話[ソーイ](2011/02/27 23:18)
[25] 普通の先生が頑張ります 24話[ソーイ](2011/02/26 22:34)
[26] 普通の先生が頑張ります 25話[ソーイ](2011/02/27 23:14)
[27] 普通の先生が頑張ります 26話[ソーイ](2011/02/28 23:34)
[28] 普通の先生が頑張ります 27話[ソーイ](2011/03/01 23:20)
[29] 普通の先生が頑張ります 28話[ソーイ](2011/03/02 22:39)
[30] 普通の先生が頑張ります 29話[ソーイ](2011/03/04 22:42)
[31] 普通の先生が頑張ります 30話[ソーイ](2011/03/08 00:19)
[32] 普通の先生が頑張ります 31話[ソーイ](2011/03/07 23:33)
[33] 普通の先生が頑張ります 32話[ソーイ](2011/03/10 00:37)
[34] 普通の先生が頑張ります 33話[ソーイ](2011/03/09 23:47)
[35] 普通の先生が頑張ります 34話[ソーイ](2011/03/10 23:15)
[36] 普通の先生が頑張ります 35話[ソーイ](2011/03/13 23:11)
[37] 普通の先生が頑張ります 36話[ソーイ](2011/03/14 22:47)
[38] 普通の先生が頑張ります 37話[ソーイ](2011/03/15 23:56)
[39] 普通の先生が頑張ります 38話[ソーイ](2011/03/16 23:15)
[40] 普通の先生が頑張ります 39話[ソーイ](2011/03/17 23:03)
[41] 普通の先生が頑張ります 40話[ソーイ](2011/03/18 22:46)
[42] 普通の先生が頑張ります 41話[ソーイ](2011/03/19 23:49)
[43] 普通の先生が頑張ります 42話[ソーイ](2011/03/20 23:12)
[44] 普通の先生が頑張ります 43話[ソーイ](2011/03/21 22:44)
[45] 普通の先生が頑張ります 間幕[ソーイ](2011/03/23 07:49)
[46] 普通の先生が頑張ります 44話[ソーイ](2011/03/23 23:24)
[47] 普通の先生が頑張ります 45話[ソーイ](2011/03/25 23:20)
[48] 普通の先生が頑張ります 46話[ソーイ](2011/03/26 23:23)
[49] 普通の先生が頑張ります 47話[ソーイ](2011/03/28 00:29)
[50] 普通の先生が頑張ります 48話[ソーイ](2011/03/28 23:24)
[51] 普通の先生が頑張ります 49話[ソーイ](2011/03/30 00:25)
[52] 普通の先生が頑張ります 50話[ソーイ](2011/03/31 00:03)
[53] 普通の先生が頑張ります 閑話[ソーイ](2011/04/01 00:36)
[54] 普通の先生が頑張ります 51話[ソーイ](2011/04/01 23:50)
[55] 普通の先生が頑張ります 52話[ソーイ](2011/04/03 00:22)
[56] 普通の先生が頑張ります 53話[ソーイ](2011/04/04 23:45)
[57] 普通の先生が頑張ります 54話[ソーイ](2011/04/05 23:24)
[58] 普通の先生が頑張ります 55話[ソーイ](2011/04/06 22:31)
[59] 普通の先生が頑張ります 56話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:46)
[60] 普通の先生が頑張ります 57話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[61] 普通の先生が頑張ります 58話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[62] 普通の先生が頑張ります 59話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[63] 普通の先生が頑張ります 60話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[64] 普通の先生が頑張ります 61話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[65] 普通の先生が頑張ります 62話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[70] 普通の先生が頑張ります 56話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:46)
[71] 普通の先生が頑張ります 57話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:27)
[72] 普通の先生が頑張ります 58話(修正版[ソーイ](2011/04/30 22:52)
[73] 普通の先生が頑張ります 59話(修正版[ソーイ](2011/05/18 23:24)
[74] 普通の先生が頑張ります 短編 【茶々丸】 [ソーイ](2011/05/23 23:47)
[75] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 [ソーイ](2011/05/23 23:42)
[76] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 2[ソーイ](2011/05/25 23:21)
[77] 普通の先生が頑張ります 短編 【月詠】 [ソーイ](2011/06/08 23:06)
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[25786] 普通の先生が頑張ります 52話
Name: ソーイ◆10de5e54 ID:052e1609 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/04/03 00:22
 何処か遠くで、花火が上がる音がする。

「僕、こんなに大きなお祭りだとは思ってませんでした」

「はは、確かに。麻帆良の全学園共通のイベントとはいえ、学生達主体のイベントの規模じゃないですからね」

「はいっ。それに――」

 その視線はあっちへ行ったり、こっちへ向いたり。
 落ち着きなく動く視線の席は、何かしらのイベントが行われている。
 ヒーローショーに何処かの遊園地のような着ぐるみのパレード等々。
 中には、自作飛行機の飛行ショーから、大学航空部の飛行演習まで。
 本当に何でもアリ、と言えるほどのイベントである。
 これが三日間続くのだ。

「凄いですねっ」

「ですねぇ」

 こっちも教師生活4年目。
 それ以前もここに住んでいたので、もう何度目になるか判らないが――いまだにこの祭りにはワクワクする。
 毎年出し物は違うし、それに皆が楽しそうだし。
 こう言うイベントは、本当に好きだ。
 歩いてるだけでも嬉しい気分になれる。
 そんな人混みの中を、ネギ先生と歩きながらのんびりと出店を冷やかしたりしてる。

「これ、夜も続きますからねぇ。イルミネーションも凄いですよ?」

「ほ、本当ですかっ!?」

「ええ。三日三晩、昼夜を問わずに、って言うのがピッタリなくらい騒ぎますからね」

「お、おぉ……」

 そんな、目を輝かせて驚いてもらえると、教えるこっちも楽しくなってくる。

「ネギ先生、今日の予定はありますか?」

「予定ですか?」

「ええ。きっと、回りたい所を全部回れないでしょうから、考えて行動した方が良いですよ?」

「え?」

 そして、驚いた顔。

「イベント、出し物の数が凄いですからね。半分回れれば良い方だと思います」

「そんなにですか!?」

「はい。ちなみに、自分も去年は半分くらいしか回れませんでした」

「……は、はは」

「人混みもありますしね。怪我をしないように気を付けて下さい」

 ただでさえ、学園祭の初日は皆テンションが高いのだ。
 そう言う時は、誰も周りには注意が向かないものだし。

「そうですね」

「見回りの仕事の合間にでも、息抜きに見て回って下さい」

 そう言って、麻帆良祭のガイドマップを差し出す。

「これは?」

「ガイドマップです。これがあれば、少しは動きやすいと思いますから」

「あ、ありがとうございます」

 そう言い、ポケットにガイドマップを仕舞い、代わりに一つの懐中時計を取り出すネギ先生。
 へぇ。

「なんか、凄い時計ですね」

 何と言うか、年代物と言うか、どう言えば良いか。
 懐中時計は使った事は無いけど、こう言うのって格好良いよなぁ。

「あ、これ……昨日超さんから貰ったんです」

「超?」

 ――って、超だよな。
 一瞬思い浮かんだのは、昨日の事。
 ガンドルフィーニ先生とグッドマンに追われていた彼女。

「そんな高価そうなのをですか?」

「は、はい。断ったんですけど……」

「……今度、返した方が良いんじゃないですか?」

「やっぱりそう思いますか?」

「それ、絶対高いですって」

「ですよね……」

 しかし、それをタダでやるだなんて……。
 ……まぁ、考え過ぎか。
 ガンドルフィーニ先生の話を聞いた後だからか、少し悪いように考えてしまうのは、駄目だなぁ。
 そう言った所で、見知った三人組がこちらに歩いてくるのが見えた
 黒いローブ姿の三人――宮崎、綾瀬、早乙女である。
 どうやら、宮崎の顔を見る限り……お目当ては決まっているようだ。
 ま、お祭りだしなぁ。
 そう思い、内心で苦笑して低い位置にあるその顔に視線を向ける。

「どうかしましたか?」

「いえ。宮崎達がこっちに来てますよ?」

「のどかさんですか?」

 そう言えば、宮崎とはどうなったんだろう?
 まぁ、

「ね、ネギ先生……おはようございます」

 2人に背を押されながら、頬を染めて挨拶をする姿を見れば、何となく判るけど。
 どうやら、俺には挨拶は無いらしい。

「おはよう、三人とも」

 そう苦笑しながらこっちから挨拶をする。

「へ!? あ、あ……おはようございます、先生」

「おー。おはよう、宮崎」

 そう挨拶をする俺の内心を知ってか、他の2人は人の悪いような笑顔で、挨拶をしてくる。
 まったく。
 友達だろうに……ま、友達だから、宮崎の反応が面白いんだろう。

「おはようございます、先生」

「おっはよー、先生」

「おはようございます、のどかさん、夕映さん、ハルナさん」

 そして、そんな俺たちに気付かず元気よく挨拶をするネギ先生。

「お、おはようございます、ネギ先生」

 また挨拶してるし。
 微笑ましいと言うか、何と言うか。

「気合入ってるなぁ」

 それに気付かないように、気になっていた事を口にする。

「何かの仮装か?」

「はい、最近の人気の漫画らしいです」

「どう先生? 可愛い?」

 どうやら、綾瀬はその漫画の事は知らないらしい。
 代わりに早乙女がまるで私を見ろ、とばかりに胸を逸らす。

「おー。でも、折角ネギ先生を誘うならもっと明るい服の方が……」

「え、ええ!?」

 微笑ましいなぁ。

「やはりそう思うですか?」

「ちっちっ、判ってないなぁ2人とも」

 そんな話に盛り上がるふりをして、宮崎とネギ先生から離れる。

「あんまり羽目は外すなよ?」

「判ってるって」

 そう言って親指を立てる早乙女。
 うん。
 全然信用ならないからな?

「頼んだぞ、綾瀬?」

「任せて下さいです」

「酷いっ!?」

 だってなぁ。
 お前悪乗りすると、止まらないじゃないか。
 特に、友人間では。

「まぁいいや」

 いいんだ。

「それで? 先生は今日はどうする予定?」

「俺?」

「だって、最近先生の周りって賑やかでしょ?」

 そうかな?
 まぁ、そう言われると確かにそうかも、とも思う。
 ふむ。

「いや、一応出店系を回りながら見回りの予定だが?」

「うわ、つまんない」

 バッサリ言うなぁ。
 そう苦笑するが、こればっかりはどうしようもない。
 ああ。

「昼からは喫茶店の方に顔出すからな?」

「うげ、私のシフトじゃん」

「女の子がそう言う声を出さない」

「はーい」

 そうか、昼からは早乙女が喫茶店には居るのか……。
 そう言えば、結局シフト関係は教えてもらえなかったなぁ。
 俺とネギ先生には内緒だとか。
 まぁ、それはそれで行く楽しみがあるから良いんだけど。

「これからどうするんだ?」

「それはのどか次第です」

 それもそうか。
 視線を件の2人に向けると、宮崎は頬を染め、ネギ先生は楽しそうに話している。
 うーむ……。

「ねぇ、先生?」

「ん?」

 どうするかなぁ、と内心で唸っていると、早乙女からの声。

「ネギ先生借りて良い?」

「そうだなぁ……」

 一応、教師と生徒、と言うのもあるんだがなぁ。
 どうしたものか、と。

「お願いっ」

「お願いします」

「……問題を起こさないなら、と言う条件がつくぞ?」

「おっけー」

「わかりました」

 おお、即答か。
 2人とも、宮崎が本当に好きなんだなぁ。

「それと、ネギ先生の用事があったらそっち優先な?」

「はい。そこはのどかにも言っておきますです」

「ん」

 ま、今日くらいは大目に見るか。
 何せ、祭りの日なのだから。
 楽しい思い出を作ってあげたい、そう思うくらいは教師でも良いだろう。

「ネギ先生」

 そうと決め、宮崎と話していたネギ先生に声を掛ける。

「あ、すいません。のどかさん、それじゃまた」

「は、はい……」

 うわぁ、落ち込むなぁ。

「あ、ネギ先生。すいませんけど、宮崎達と少し回ってもらって良いですか?」

「へ? 良いんですか?」

「すいません。これから人と会う用事がありまして」

「そうなんですか?」

「はい。それで、宮崎達なら麻帆良祭に慣れてますしけど、女の子ばかりですから……」

「あ、はいっ。判りましたっ」

 少し、騙してるみたいで心苦しいなぁ。
 そう苦笑し、もう一度軽く頭を下げる。

「それじゃネギ先生、三人をよろしくお願いします」

「はいっ、任せて下さいっ」

「すいません。それじゃ三人とも、ネギ先生の言う事を良く聞くんだぞ?」

「はーい」

「わかってるです」

「は、はいっ」

 はぁ。
 俺も甘いなぁ。
 そんな4人と別れて、どこを回るかなぁ、と悩んだ時だった。

「あ」

「ん?」

 おー。

「おはよう、マクダウェル」

「お、おはよう、先生」

 声を掛けてきたのは、マクダウェルだった。
 そのマクダウェルと丁度向き合う形で、挨拶を交わす。
 しかし、

「マクダウェルも仮装か?」

「ん?」

「いや、さっき早乙女達とも会ったんだが」

「……ふん」

 あれ?
 何かご機嫌斜め?

「どうかしたか?」

「別に」

 変なヤツだなぁ。
 昨日は結構麻帆良祭を楽しみにしてたみたいだったんだが……。
 人混みが苦手なんだろうか?
 何かそんな感じではあるなぁ。

「ヨー。オハヨウ、センセイ」

「……………………」

「何カ言エヨ」

「おはようございます、先生」

「…………あ、ああ。おはよう……相坂、と……チャチャゼロ?」

「ケケ。良イ反応ジャネーカ」

 ……喋ってるよ。
 いや、相坂が喋ってる時点で……まぁ、アレだけどさ。
 やっぱり、人形が喋るっていうのは――何と言うか、凄いと言うか、うん。
 しかも歩いてるし。
 マクダウェルの腰より少し低い位置に、二体の人形。
 黒と白。
 チャチャゼロと相坂。
 ……うーむ。

「本当に喋るんだな」

「驚イタカ?」

「あ、ああ。……凄く」

「ソリャ良カッタゼ」

 そう言って、表情は変わらないが楽しそうに笑うチャチャゼロ。
 ……うん、何かマクダウェルに似てるな。
 ふとそう思った。口には出さないけど。

「先生は、これからどこか回るんですか?」

「俺?」

 その相坂の声に、少しだけ救われる。
 いや、なに話して良いか判らないし。
 絡繰とか相坂が居るんだから、そう驚くのも失礼なんだろうけどさ。
 やっぱり、こう初対面だと……しかも、マクダウェルの家族だろ?
 緊張すると言うか、何と言うか。
 ちょっと違うけどさ。

「いや、これからどうするか悩んでた」

「そうなんですかー」

「相坂は、これからどうするんだ?」

「私は、エヴァンジェリンさんと一緒にお祭りを見て回りますー」

 お昼からは、メイドもしますー、と。
 早速祭りを楽しんでるなぁ。

「相坂は昼からなのか。なら、見に行かないとな」

「待ってますー」

 嬉しそうで良い事だ。うん。
 と言うか、本当に相坂用のメイド服作ったのか……。
 服作りがどう言う物かは良く判らないが、こんな短期間でよく作れたな。

「そう言えば、絡繰は?」

「茶々丸か? 茶々丸なら、今はクラスの喫茶店の方に行ってるぞ」

 あ、そうなのか。
 てっきり、マクダウェルと一緒のシフトだと思ってた。

「ソウイヤ、センセイ。最近妹トドウヨ?」

「妹?」

 だれ? マクダウェルの事か?
 そうマクダウェルに視線を向けると、若干不機嫌そうに首を横に振る。

「私じゃなくて茶々丸だ」

「あー……」

「先生? 今どう思った?」

「絡繰とは、まぁ、仲良くさせてもらってるよ」

「……フン」

 これは、少し後が怖いかもしれん。
 内心で肩を落としながら、マクダウェルにでは無くチャチャゼロに答える。
 だって……なぁ?
 どうやらマクダウェルはチャチャゼロの妹じゃないみたいだし。
 ……と言うか、良く考えたら当たり前か。

「ソウカイ。ドウシタ御主人?」

「ふん」

「アリャリャ、ヘソ曲ゲチマッタカ」

「誰がだっ」

 あーあー、折角のお祭りだって言うのに。
 肩を怒らせながら、一人先に行ってしまう。

「待って下さいー」

 そして、その後を追いかける相坂。
 どうやら、仲良くやってるみたいだなぁ。
 そう苦笑はするが、どうしたらいいか少し迷ってしまう。
 流石に、食べ物で釣ったら余計に怒られそうだ。

「オイ、センセイ」

「ん?」

 そう悩んでいたら、下から声。
 歩きだしたマクダウェルについて行く相坂ではなく、俺と一緒に居たチャチャゼロだ。

「チョット抱キ上ゲテクレ」

「あ、ああ」

 そう言われるまま、抱き上げると――その口が、耳元に寄せられる。

「服ヲ褒メテヤッテクレヨ」

「服?」

「オウ。ソレト、俺ガ言ッタッテノハ内緒ナ?」

 服、ねぇ。
 そう言うのは苦手なんだがなぁ。
 チャチャゼロを抱え直し、空いた左手で頬を掻く。

「世話ノ焼ケル御主人デスマネーナ」

「それがマクダウェルの良い所だと思うけど?」

「ケケ、良ク判ッテルミテーダナァ」

 そうか。
 そうして、2人して小さく笑ってしまう。
 きっとこの中の誰よりも長生きなのに、誰よりも目の離せない吸血鬼に。

「何を笑ってるっ」

「オイオイ、ソウ怒ルナヨ」

「ふん……折角の祭りの日だと言うのに、気分が台無しだっ」

 う、そりゃ悪かった。
 しかし、何でそんなに機嫌が悪いんだ?
 そう内心で首を傾げてしまう。
 ……でも、先に歩いてたのにこっちを待ってるんだな。
 そう言う所は、本当にマクダウェルらしいと言うか……。

「なぁ、マクダウェル?」

「なんだ?」

「チャチャゼロの服って、マクダウェルが作ったのか?」

 さて、それでは、一勝負。
 慣れない事だから、上手くいかなくても怒らないでくれると嬉しいな。

「ん? ああ。さよのも……家に在る人形のは、殆ど私が作ったな」

「……殆ど?」

「ああ。暇な時にな」

 そりゃ凄いな。
 思い出すのは、マクダウェル宅にある人形群。
 あの殆どか……本当、プロ並みだな。

「凄いな」

「ふん」

 さて、と。

「マクダウェルのその服も? なんか、相坂のに似てるけど」

「さよのが、私の服に似てるんだ。……まぁ、似せて作ったんだがな」

 やっぱりか。
 ……器用だなぁ。
 俺には無理だな。不器用だし。

「よく似合ってるな。うん」

「……ふん」

「人形みたいに可愛いぞ」

 そう言い、低い位置にあるその頭を、手を乗せるようにポン、と軽く撫でる。
 うん。ごめん。
 似合わないって思ってる。
 もういっそ笑ってくれ……。

「ケケケ」

 いや、笑われるのも辛いな。
 耳元からのチャチャゼロの笑い声が、まるで心をえぐる様だ。
 穴があったら入りたいとは、こう言う事か……。
 しかも無言だし。
 せめて駄目出しでもしてくれたら、会話が続くと言うのに。
 そうして、どうしたものかと視線を彷徨わせてると。

「あれ?」

 少し離れた位置に、さっき別れたはずのネギ先生が居た。
 あれ? さっき別れたから……ん?

「桜咲、ネギ先生」

「あ、先生……と、エヴァンジェリンさん」

「こんばんは、先生」

 しかも、一緒に居るのは宮崎達ではなく桜咲。
 もう宮崎達とは別れたんだろうか?
 あの調子だったから、半日は一緒に居ると思ったんだが……。
 しかも、クルクル回ってて、やけに嬉しそうだし。
 何があったんだろう?

「こんばんは?」

「あ、あああ、いえ。おはようございますっ」

「いや、さっき挨拶しましたけど……」

 なに慌ててるんですか?
 マクダウェルから手を退け、ネギ先生に歩み寄る。


「どうしたんですか?」

「え?」

「いや、さっき……宮崎達は?」

「あ、ああ」

 ?
 さっきから、やけに慌ててるなぁ。

「何をクルクルはしゃいでるんだ、ぼーや?」

「ひぃ!?」

 いや、その驚き方はあんまりでしょう……。
 ただでさえ、今機嫌悪いのに。

「あ、エヴァンジェリンさんも仮装ですか?」

「ん?」

「お人形見たいでカワイイですねー」

 ……うん。
 きっと羞恥で死にたい時って、こんな気分なんだろうな。

「ケケケ、イヤ、楽シイネ、ウン」

「勘弁してくれ」

 左手で顔を覆い、視線をどこか違う方に向ける。
 ネギ先生、それじゃ駄目ですよ?
 俺と同じ事ですから……同じ事言ってますから。

「ふん。ガキの世辞などいらん」

 しかし、思っていたよりマクダウェルの機嫌は直っていた。
 あれ?
 もう少しドライな反応だと思ったんだが。
 思っていた以上に柔らかな返事だった。
 まぁそれでも、いつもみたいに呆れ交じりの声だけど。

「それよりぼーや? 面白そうなモノを持っているな」

「えっ!? いえ、これは、そのっ」

 でも、ネギ先生は苛めるのな……。

「ほら、ネギ先生にそう絡まない」

「う……」

 マクダウェルの調子が戻ったからか、
 ポン、と。
 いつもの調子で、その頭に手を乗せる。

「それに、ネギ先生、だろ?」

「……ちっ」

 その隙に、走って逃げだすネギ先生と桜咲。
 ?

「どうしたんだろう?」

「さぁな」

 んー……。
 ま、今度会ったらそれとなく聞いてみるか。

「それより、さっさと手を退けろ」

「ん? あ、すまん」

 さて、と。
 それじゃ見回りに戻るかね。

「マクダウェル」

 抱えていたチャチャゼロを差し出す。

「ケケケ、良カッタジャネーカ、御主人」

「……ふん。どうせお前の差し金だろうが」

 いや、そこでこっちを見られても。
 ……何かしたか?
 さっきの服褒めた事か?
 ――駄目出しが欲しい。
 そう内心で悩んでいると、相坂から救いの声が出た。

「エヴァンジェリンさん、早く出し物を見に行きましょうっ」

「ああ、そうだな」

 俺の手からチャチャゼロを受け取り、相坂の手を引くマクダウェル。
 ……しかし、人形が歩いていても、誰も気にしないんだな。
 この人混みだからか?
 それもと、コレも先日マクダウェルが言っていた認識阻害とか言う結界の力なのか。

「それじゃ、俺は見回り続けるから」

「ああ」

 昼前には、瀬流彦先生と合流する予定になってるし。

「オイ、センセイ」

「ん?」

 そう思い足を出した時、後ろから声。

「女ノ前デ、他ノ女ノ服装ノ話ナンテ、マイナスダゼ?」

「こ、のっ、バカ人形っ」

 なるほど。

「今度からは気を付けるよ」

「そんな事気にしなくて良いっ」

 確かに、いつもと違う服装だし、そう言った事は気にするのかもな。
 難しいもんだ。

「それじゃ、マクダウェル、相坂、チャチャゼロ。羽目を外し過ぎるなよー」

「……ふん」

「はーい」

「センセイコソナー」

 それじゃ、どこ行くかなー。





――――――エヴァンジェリン

 まったく。

「いらん気を回すな……」

「イイジャネーカ、減ルモンジャナシ」

「――ふん」

 まだ、少し心臓が熱い。
 ……まったく。
 ぼーやとまったく同じ事を言うなんて……いや、ぼーやが同じ事を言ったのか。
 まぁ、そんな少し外れた事を考えて、思考を冷ます。

「言い慣れて無い世辞なんぞ、別にどうとでもない」

「ソウカイソウカイ」

 ちっ。
 ……相変わらず、癪に障る笑い声だ。
 そう作ったのは私なんだが……はぁ。
 チャチャゼロを抱き直し、さよと別れないようにその手を掴む。

「言い慣れてないから良いんじゃないでしょうか?」

「さよ、お前もかっ」

「へへへ」

 はぁ……まったく、何なんだ?
 折角の祭りだって言うのに、幸先が……良いのか、悪いのか。
 むぅ。

「イヤハヤ、良イ男ジャネーカ」

「……そうか?」

 どこにでも居るような、普通の男だぞ、と。

「ダカラ良イ男ナンジャネーカ」

「……ふん」

 ま、そうだな。
 なんの力も無いのに、私に以前と変わらず話しかけてくれる。
 そう言う人は、貴重だ。
 ――そう言う事に、しておく。うん。
 それ以上だと、ちょっと……まぁ、うん。
 祭りの雰囲気だろう。
 この高揚した気分は。

「シカシ、午後カラガ楽シミダネェ」

「……何かあったか?」

 特に、大きなイベントは無かったはずだが……。
 チャチャゼロが喜びそうな武闘大会は明日だし。

「ダッテ、御主人ハ喫茶店ハ午後ノシフトナンダロ?」

「ん? ああ」

 それがどうした? と。
 確かに少し恥ずかしくはあるが……まぁ、クラスの連中にそう迷惑もかけられんしな。
 それが楽しみなんだろうか?
 まぁ、普段の私らしくないとは思うが……。

「ダッテ、先生ハ御主人ノ居ル時間帯ニ来ルゼ?」

 ……………………は?

「いや、どうしてだ?」

「ダッテ、サヨヲ見ニ行クッテ言ッテタジャネーカ」

 …………あ。

「イヤー、楽シミダゼ」

「……ふん。私が相手をするなんて限らんだろ」

「ケケケ」

 ――気に障る笑い方だ、まったく。
 ふん。大丈夫、同じシフトに明日菜も居るしな。
 いざとなったら丸投げするさ。
 うん、問題無いな。

「楽しみですねー」

「……私は憂鬱だがな」

 しかし……あの、魔法使い達に恐れられた“闇の福音”がメイドか……。
 世の中、どうなるか判るもんじゃないなぁ。




――――――今日のオコジョ――――――

「忙しいアルねー」

「そうでござるな」

「そう言いながら、何で2人とも息切らしてないんだよ……」

「まったくアル」

「長谷川さんも超さんも働いて下さい……」

「判ってるって、四葉」

「大丈夫ヨ、さつき」

 …………早く姉御達こないかなぁ。
 しかし、なんだってあの変な喋りの嬢ちゃんを見てないといけないんだろう?
 暇だなぁ……。
 このケージの中って、狭いんだよなぁ




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