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No.25786の一覧
[0] 普通の先生が頑張ります (更新再開…かな?[ソーイ](2011/06/08 19:02)
[1] 普通の先生が頑張ります 0話[ソーイ](2011/04/10 19:06)
[2] 普通の先生が頑張ります 1話[ソーイ](2011/04/10 16:49)
[3] 普通の先生が頑張ります 2話[ソーイ](2011/04/08 22:17)
[4] 普通の先生が頑張ります 3話[ソーイ](2011/04/08 22:52)
[5] 普通の先生が頑張ります 4話[ソーイ](2011/04/08 23:22)
[6] 普通の先生が頑張ります 5話[ソーイ](2011/04/08 23:43)
[7] 普通の先生が頑張ります 6話[ソーイ](2011/04/09 10:03)
[8] 普通の先生が頑張ります 7話[ソーイ](2011/04/09 10:16)
[9] 普通の先生が頑張ります 8話[ソーイ](2011/04/09 10:36)
[10] 普通の先生が頑張ります 9話[ソーイ](2011/04/09 13:58)
[11] 普通の先生が頑張ります 10話[ソーイ](2011/04/09 14:38)
[12] 普通の先生が頑張ります 11話[ソーイ](2011/04/09 15:24)
[13] 普通の先生が頑張ります 12話[ソーイ](2011/04/09 18:20)
[14] 普通の先生が頑張ります 13話[ソーイ](2011/04/09 22:23)
[15] 普通の先生が頑張ります 14話[ソーイ](2011/04/09 23:12)
[16] 普通の先生が頑張ります 15話[ソーイ](2011/04/09 23:47)
[17] 普通の先生が頑張ります 16話[ソーイ](2011/04/10 16:45)
[18] 普通の先生が頑張ります 17話[ソーイ](2011/04/10 19:05)
[19] 普通の先生が頑張ります 18話[ソーイ](2011/04/11 21:15)
[20] 普通の先生が頑張ります 19話[ソーイ](2011/04/11 21:53)
[21] 普通の先生が頑張ります 20話[ソーイ](2011/02/27 23:23)
[22] 普通の先生が頑張ります 21話[ソーイ](2011/02/27 23:21)
[23] 普通の先生が頑張ります 22話[ソーイ](2011/02/27 23:19)
[24] 普通の先生が頑張ります 23話[ソーイ](2011/02/27 23:18)
[25] 普通の先生が頑張ります 24話[ソーイ](2011/02/26 22:34)
[26] 普通の先生が頑張ります 25話[ソーイ](2011/02/27 23:14)
[27] 普通の先生が頑張ります 26話[ソーイ](2011/02/28 23:34)
[28] 普通の先生が頑張ります 27話[ソーイ](2011/03/01 23:20)
[29] 普通の先生が頑張ります 28話[ソーイ](2011/03/02 22:39)
[30] 普通の先生が頑張ります 29話[ソーイ](2011/03/04 22:42)
[31] 普通の先生が頑張ります 30話[ソーイ](2011/03/08 00:19)
[32] 普通の先生が頑張ります 31話[ソーイ](2011/03/07 23:33)
[33] 普通の先生が頑張ります 32話[ソーイ](2011/03/10 00:37)
[34] 普通の先生が頑張ります 33話[ソーイ](2011/03/09 23:47)
[35] 普通の先生が頑張ります 34話[ソーイ](2011/03/10 23:15)
[36] 普通の先生が頑張ります 35話[ソーイ](2011/03/13 23:11)
[37] 普通の先生が頑張ります 36話[ソーイ](2011/03/14 22:47)
[38] 普通の先生が頑張ります 37話[ソーイ](2011/03/15 23:56)
[39] 普通の先生が頑張ります 38話[ソーイ](2011/03/16 23:15)
[40] 普通の先生が頑張ります 39話[ソーイ](2011/03/17 23:03)
[41] 普通の先生が頑張ります 40話[ソーイ](2011/03/18 22:46)
[42] 普通の先生が頑張ります 41話[ソーイ](2011/03/19 23:49)
[43] 普通の先生が頑張ります 42話[ソーイ](2011/03/20 23:12)
[44] 普通の先生が頑張ります 43話[ソーイ](2011/03/21 22:44)
[45] 普通の先生が頑張ります 間幕[ソーイ](2011/03/23 07:49)
[46] 普通の先生が頑張ります 44話[ソーイ](2011/03/23 23:24)
[47] 普通の先生が頑張ります 45話[ソーイ](2011/03/25 23:20)
[48] 普通の先生が頑張ります 46話[ソーイ](2011/03/26 23:23)
[49] 普通の先生が頑張ります 47話[ソーイ](2011/03/28 00:29)
[50] 普通の先生が頑張ります 48話[ソーイ](2011/03/28 23:24)
[51] 普通の先生が頑張ります 49話[ソーイ](2011/03/30 00:25)
[52] 普通の先生が頑張ります 50話[ソーイ](2011/03/31 00:03)
[53] 普通の先生が頑張ります 閑話[ソーイ](2011/04/01 00:36)
[54] 普通の先生が頑張ります 51話[ソーイ](2011/04/01 23:50)
[55] 普通の先生が頑張ります 52話[ソーイ](2011/04/03 00:22)
[56] 普通の先生が頑張ります 53話[ソーイ](2011/04/04 23:45)
[57] 普通の先生が頑張ります 54話[ソーイ](2011/04/05 23:24)
[58] 普通の先生が頑張ります 55話[ソーイ](2011/04/06 22:31)
[59] 普通の先生が頑張ります 56話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:46)
[60] 普通の先生が頑張ります 57話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[61] 普通の先生が頑張ります 58話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[62] 普通の先生が頑張ります 59話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[63] 普通の先生が頑張ります 60話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[64] 普通の先生が頑張ります 61話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[65] 普通の先生が頑張ります 62話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[70] 普通の先生が頑張ります 56話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:46)
[71] 普通の先生が頑張ります 57話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:27)
[72] 普通の先生が頑張ります 58話(修正版[ソーイ](2011/04/30 22:52)
[73] 普通の先生が頑張ります 59話(修正版[ソーイ](2011/05/18 23:24)
[74] 普通の先生が頑張ります 短編 【茶々丸】 [ソーイ](2011/05/23 23:47)
[75] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 [ソーイ](2011/05/23 23:42)
[76] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 2[ソーイ](2011/05/25 23:21)
[77] 普通の先生が頑張ります 短編 【月詠】 [ソーイ](2011/06/08 23:06)
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[25786] 普通の先生が頑張ります 47話
Name: ソーイ◆10de5e54 ID:052e1609 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/03/28 00:29

 昨日少し強く言ったからか、今日は絡繰も近衛も朝は来なかった。
 せっかく来てもらったのに、と罪悪感はあったけど、やっぱりあー言うのは良くない。
 生徒と教師、という枠を出てしまってると思うのだ。 
 うん。
 という訳で、今日は俺一人で弁当を用意して、朝食も済ませてしまったと言う訳だ。
 ……小太郎からは非難の嵐だったが。
 どうやら、早速餌付けされかけてるらしい。
 そう言われてもなぁ、と苦笑するしかない。
 今日の登校時は、小太郎のご機嫌取りで忙しかった。

「あのなぁ、小太郎? あんまり近衛達に迷惑掛ける訳にはいかないだろ?」

「そやけどなぁ……美味い飯は惜しいもんなんや」

 自分に正直だなぁ、と。
 こっちは苦笑するばかりである。
 でも、小太郎の言う通り、絡繰と近衛が居た昨日一昨日と比べると、やっぱり今朝は少し味気なかった。
 それは人数的にも、である。
 やっぱり、ご飯は大人数で、喋りながら食べるのが美味い。
 礼儀作法、というのも考えた方が良いんだろうけど、そう言うのはまだ早いだろうし。この年頃には。
 あの大きな部屋に3人だけの朝食というのは、少し寂しかった。
 それが当たり前で、当然の事だったとしても。
 それでも……絡繰とマクダウェル。近衛と桜咲。
 この4人が居た朝食を覚えてしまった。
 最大7人の朝食。
 ……小太郎ではないが、結構楽しかったと俺も思ってる。
 でもまぁ、それをそう簡単に――とはいかないのだ。俺は先生だから。
 苦笑し、俺の隣でブツブツ言っている小太郎の頭に手を乗せる。

「今晩は小太郎の好きなの作るから、機嫌を直してくれよ?」

「マジか!?」

「おー、今晩何食う?」

 ……これだけで機嫌が直るんだ。
 自分で言っておいてなんだが、お前単純だなぁ。

「さすが犬……」

 そうボソッと言うなよ。折角機嫌直ったんだから。
 月詠の、その言葉にも苦笑するしかない。
 小太郎には厳しいよなぁ。
 どうしてだろう? まぁ、お姉さん然としている、とも言えるのだが。
 そう思うと、本当にこの2人が姉弟のように思えてくる。
 それに、何だかんだ言って、小太郎も月詠から言われた事はちゃんと聞いてるみたいだし。
 本当、どういう関係なんだろう?

「お犬ばっかり、ズルイですわ~」

「ん?」

 そんな事を考えていたら、小太郎とは反対側から声。
 月詠もまた、さっきとは違い、少し拗ねていた。

「ウチも美味しいゴハンを食べたいですえ~」

「……うーん」

「食べたいですえ~」

 返答に困っていたら、2回言われた。
 大事な事らしい。

「ははは、残念やな。今日はワイの番やっ」

「なら明日は、ウチがお願いしますわ~」

「あのなぁ……」

 まったく。
 元気というか、明るいと言うか。
 子供特有の天真爛漫さ、とでも言えば良いのか?
 どうにも、この2人がマクダウェル達が言うような特別とは思えない。
 それは、小太郎と月詠があまりに年相応に見えるからだろう。
 とても強くて凄い、とはどうしてもなぁ、と。
 そう言うのが判らない俺は、苦笑するしかない。

「好き嫌いだけはするなよ?」

「大丈夫や、兄ちゃん」

「ウチ、嫌いなのあんまりありませんから~」

 本当か? と。

「小太郎、お前、あんまり野菜食わないじゃないか」

「う……ま、まぁ、苦手なだけや」

「大きくならないぞ、それだと」

「今成長期やから大丈夫や……多分」

 自分で多分とか言うなよ、まったく。
 こういう所は、本当に子供だなぁ。

「月詠は、食べれないのとかは?」

「うーん、今までは特に無かったですね~」

「そうか?」

 それは凄いな。

「まぁ、あんまし身体に悪いのがいっぱい入ってるのは勘弁ですわ~」

「身体に悪いの?」

 というと……なんだろう?
 化学薬品とかかな? その辺りは良く判らないけど。

「調味料? とかですかね~」

「ん、わかった」

 やっぱり、そう言うのか。
 ……そうなると、どう言うのが良いんだろう?
 今度、源先生とかに聞いてみようかな?
 自分で弁当作って来られてるし。
 でも、化学薬品無しって……どうなるんだろう?
 自分で最初からってなるのかな……。
 この初心者に、なんて難題だ。

「兄ちゃん? 難しい顔して、どないしたんや?」

「いや……それより、夜は何食べる?」

 小太郎とは学校が違うから、ここで聞いとかないとな。
 ……流石に、一人で買い物をさせると色々買ってきそうだし。
 まだそこは……うーむ。
 一回させてみるのも良いか?
 でも、俺が作れないのを買って来られてもな困るしな。

「ハンバーグ?」

「無理」

「即答!?」

 おま、なんて難易度の料理を!?
 そんなのまだ作れないって。

「もう少し簡単なので」

「兄ちゃん、何作れるん?」

「むぅ」

 そう言われると、どうにもなぁ。
 俺が作れるの?

「簡単なヤツ」

「……判り易い答えですな~」

 お前達だってあんまり変わらないだろうが。
 でも、俺が一番年上なんだよなぁ。

「まぁ、頑張ってみるよ」

「へ?」

「ハンバーグ」

 何とかしてみるか……何とかなるか判らないけど。

「先に謝っとく。失敗したらスマン」

「後ろ向き過ぎる!?」

「……はぁ」

 月詠からは、呆れた溜息をいただいた。
 しょうがないだろ、料理なんて今までしてこなかったんだから。
 難しいなぁ、誰かと一緒に暮らすって。

「ま、頑張って下さい~」

「……そこで手伝うと言う選択肢は無しか?」

「え~」

 えー、じゃありません。
 助け合いという精神は無いのか、まったく。
 ……まぁ、それはまだ難しいか。

「ま、何とか頑張ってみるよ」

「はい~、期待してますえ~」

「はぁ」

 帰り、買い出しして帰らないとな。
 そう話していたら、通学路の先に見慣れた姿があった。

「おはようございます、せんせ」

「……おはようございます」

 近衛と桜咲である。

「おはよう、2人とも」

「おはようさん」

「おはようございます、お嬢様、先輩~」

 もしかして、待ってたんだろうか?
 そうは思いながらも、極力気にしないように近衛達と一緒に学園に向かって歩き出す。

「神楽坂は一緒じゃないのか?」

「明日菜なら、エヴァちゃんと一緒にもう行きましたえ」

「そうか」

 通学はいつも一緒だと思ってたから、少し驚いた。

「近衛は一緒に行かなかったのか?」

「へ? あ、ええ……はは」

 なんか、曖昧な顔で返された。
 うーむ……まぁ、なぁ。

「それよりせんせ、今日はちゃんとお弁当は出来ましたか?」

「ん? まぁ、なんとか……」

「えー」

 なんか不満そうな声を上げた小太郎の頭を手で押さえる。
 まったく。
 そう言うなら少しは手伝えと言うに。

「ふぎゃ」

「お犬も少しは手伝いなさい」

「……いやー、最近天気良いし」

「寝坊助め……」

 本当、起きれないよなぁお前。
 まぁ悪くは思わないけど。
 学生なんてそんなもんだ。

「……楽しそーですえ」

「そうか?」

 楽しそう、か?
 まぁ、月詠と小太郎は楽しそうだな。
 やっぱり仲良いよ、この2人。
 言い争う……と言うよりも、言い合う2人を見る。

「まぁ、賑やかではあるなぁ」

 あと、退屈はしないな、と。
 うん――こういうのは、結構悪くない。
 今まで一人暮らしだったからか、こうも賑やかだと、確かに楽しいな。

「小太郎。お前はこっちじゃないだろ?」

「あ、そやった」

 小太郎の学校への分岐道に到着すると、夢中で言い合っていた2人が止まる。

「んじゃ、行ってくるわ」

「ちゃんと勉強してこいよ?」

「……はーい」

 気の抜けた声だなぁ。
 まぁ、学校が楽しいならそれでいいかな、と。
 勉強は二の次……とまではいかないが、やはり楽しんでほしいと思う。
 そう言えば、この2人はいつまで麻帆良に居られるんだろう?
 そこも、今度学園長に聞くべきだろうな。

「判らない所があったらちゃんと教えるから、ちゃんとしてくるように。良いな?」

「はーい」

 まったく。
 苦笑してしまう。
 勉強は苦手なんだろうなぁ、と。
 その背を目で追い、ある程度離れた所で、学園に向かって足を進める。

「せんせ、楽しそうですね」

「ん?」

 そうかな、と。
 心配、とは、ちょっと違う……のかな?
 どうだろう。
 楽しい、か。

「そうかもなぁ」

 この2人と、俺は何時まで居られるんだろうか?
 出来れば、月詠が卒業するまでは……と思ってしまう。
 ……今度、学園長に聞いてみよう。うん。








「おはよー、皆」

「おはようございます、皆さん」

「おはようございます、先生っ」

 うん、相変わらず元気だなぁ。
 俺にも少し分けてほしいもんだ、と。
 毎度の事を思いながら、ネギ先生は教卓へ、俺は教師用の机へ向かう。
 しかし……。

「んー……」

 視線は、何と言うか――絡繰へ。
 マクダウェルが言うには、絡繰は人形らしい。
 ……確かに、良く見ると関節部分が、何と言うか。
 あんなに判り易いのに、なんで今まで気付かなかったんだろう?
 まぁ、だからと言ってそれがどうなんだ、と言われたらどうにも言わないんだが。
 結局の所、今まで通りと変わらないし。
 吸血鬼や狼男や幽霊が居るんだ。
 ……と言う訳にもいかないか。
 やっぱり気になってしまうよなぁ……どうしよう?
 聞いたら、傷付けてしまうだろうか?
 そう言うのって、気にするだろうし。
 でも、凄いなぁ。
 ちゃんと感情もあって、受け答えもするし、自分で考えている。
 子供や動物に好かれる性格だし、教師からの受けも良い。
 人間よりも、何というか人間らしいと言うか……。
 うーむ。

「……先生?」

「……はい?」

「どうしたんですか?」

 うわ、考え事してて気付かなかった。
 いかんいかん。

「すいません」

「いえ、それで、先生からは何かお話はありますか?」

 えっと……。

「自分からは、特には」

「そうですか? では、皆さん。今日も一日頑張りましょうっ」

「はーいっ」

 はぁ、やってしまった。
 少し自己険悪。
 こういう考え事は職員室で、って思ってたんだが……どうにも。
 それに、やっぱりこういうのは絡繰に失礼だろうし。
 内心で絡繰に頭を下げながら、そのまま教室の外へ。
 一時間目は授業は無かったから、そこでゆっくり――ともいかないか。
 まぁ、気にしないように、と。
 絡繰が何者であれ、生徒であることは変わりないんだし。
 なら、俺が出来る事なんてきっと他の先生達と変わらない。
 勉強を教える事。
 俺に出来る事なんて、それくらいだし。
 後はまぁ、偶に相談に乗るくらいで。
 マクダウェルや相坂と同じだ。
 吸血鬼だろうと幽霊だろうと、人形だろうと。
 うん。
 そう言えば、今日は相坂は来てるんだろうか?
 昨日の人形は居なかったけど、もしかしたら幽霊としてきてるかも。
 ……見えないって、不便だなぁ。
 時間があったら、マクダウェルに後で聞いてみるか。

「よし」

 そう一つ気合を入れて、職員室へ向かう。
 やめやめ。
 特別扱いなんて器用な事、俺は多分出来ないし。
 でも、いつか絡繰から話して欲しいなぁ、とは思ってしまう。
 それだと嬉しいし。
 ……マクダウェルが俺に教えたって言ってるだろうけど。

「さて、と」

 職員室に戻り、自分の机に座りながら、次の時間で使う小テストを纏める。
 次に使うのは、これと教科書くらいか。
 やっぱり、部屋に帰って作ってると楽だなぁ……最近のパソコンは便利になったもんだ。
 睡眠時間は結構削られてるけど。
 今度の日曜日は、絶対昼まで寝よう。
 そう内心で決めながら、後は何するかなぁ、と。
 そう言えば、放課後からは麻帆良祭の準備だから、放課後は使えないのか。
 今のうちに、明日の準備を……少し早いかな?

「どうかしたんですか、先生?」

「あ、源先生。源先生も、一時間目は空いてるんですか?」

「ええ。御一緒にお茶でもどうですか?」

「いいんですか?」

「ええ」

 それじゃ、お言葉に甘えて、と。
 やっぱり、お茶に誘われると嬉しいし。
 隣の席に座りながら、両手に持っていたお茶の片方をこちらに差し出される。
 ……どうやら、最初から誘われる事になってたらしい。

「もうすぐ麻帆良祭ですねー」

「そうですね。先生のクラスは、出し物は決まったんですか?」

「はは。昨日やっと……喫茶店です」

「あら、大変そうですね。準備は間に合いそうですか?」

「どうでしょうか? 多分、大丈夫でしょうけど」

 あの子達、こう言った祭事は相当強いですから、と。
 祭事と言うか、楽しい事が、とも思うけど。
 きっと、どんな事も全力で楽しんでるんだろうなぁ。
 羨ましい限りだ。
 俺にもそんな時期があったのかな?

「生徒達が楽しんでますと、羨ましく思えますね」

「そうですね。私達もあれくらい楽しめると良いんですけど」

「ですねぇ」

 何と言うか、なぁ。
 大人と言うのは、不便だ。
 楽しい事ばかりを考える事が出来ない。
 失敗するかもとか、お金の事とか。
 そんな事を頭の何処かで考えてしまう。

「今年は特に忙しくなりそうですし」

「そうなんですか?」

 何かあったかな?
 去年とそう変わらないと思うけど……。
 まぁ、俺は今年は小太郎と月詠――も、きっとクラスの子達が一緒だろうし。
 小太郎はどうかはまだ判らないけど、月詠は何だかんだで馴染んでるし。
 そう言えば、小太郎の麻帆良祭の出し物って何なんだろう?
 今夜聞いてみよう。

「ええ。学園長が頭を悩ませてましたよ」

「学園長が?」

 なんだろう?
 ……まぁ、学園長が絡んでるからって、魔法関係とは限らないんだけど。
 それでも、思い付いてしまうのは――やっぱり、あの、雨の夜。
 少し嫌だなぁ、この感じ。
 俺の魔法の第一印象は、最悪だろうな。
 そう苦笑し、それを気付かれないように茶を啜って誤魔化す。

「それに、この時期は、まぁ……中高生にとっては、ちょっとしたイベントですしね」

「はは、そうですね」

 学園祭。
 それは、まぁ……一つの、いわゆるデートスポットな訳だ。
 遊園地しかり、水族館しかり、動物園しかり。
 そう言うわけだから、まぁ、教員は何時もよりこの時期忙しい。
 新田先生なんて、放課後はずっと見回りしてるし。
 学生達はそこまで、とも思うんだろうが、やはり人様の子供を預かる場所だ。
 何か間違いがあっては、とも思ってしまう訳だ。
 若いと言うのは、色々と不安定だし。

「でも、きっとそれも良い思い出になりますよ」

「あの時先生に追いかけられたとか、捕まったとか、ですね」

「そうそう」

 それも含めて、やっぱり学園祭と言うのは特別なんだと思う。
 月詠と小太郎も、楽しんでくれると良いんだけど。
 そう言えば、相坂も喋れるんだっけ?
 そうなると、マクダウェルが相手をしてあげるのかな?
 ……今年は、きっと去年より楽しくなるだろうなぁ。

「楽しみですか?」

「え?」

「いえ、楽しそうでしたから」

 そうですか? と。
 でも。

「ええ……こういうお祭りは結構好きなんですよね」

「ふふ、私もです」

 楽しくなると良いですねぇ、と。
 2人で小さく笑いながら、ゆっくりと時間は流れていった。







 その日の放課後、作業をするクラスの子達を監督していた。
 手伝おうか、とも思ったが、こう言うのはクラスでやるから意味があるんだと思いなおす。
 俺が手伝っても、あまり意味は無いだろう。
 それに、何だかんだ言って、何でもでそれなりに危うく無く出来てるし。
 雪広と那波は皆の採寸を。
 ……なんか、数人は特別に別の服を用意するらしい。
 なんか凝ってるなぁ。まぁ、間に合えば問題無いんだけどさ。
 桜咲やマクダウェル、神楽坂の班は木材がまだ届いていないので、葉加瀬と一緒に作成する机の設計図を考えている。
 食材は、また後日四葉と一緒に交渉に行くらしいし。
 食器類は長谷川に任せている。
 まぁ、一番不安なのはまだ木材が届いていない事か。
 こればっかりはなぁ。

「先生」

「ん?」

 机に座って、小テストの採点をしながら横目でクラスの中を見ていたら、そう声を掛けられた。
 すぐ傍に立っていたのは、絡繰。
 採点していたテストが見られないように脇に退け、椅子ごと向き直る。

「どうした?」

「いえ……」

 そう言って、また黙ってしまう。
 どうしたんだろう?

「……………」

「……………」

 ど、どうしたんだ?
 そう黙られると、こっちも困るんだが。
 えっと……。
 困ってしまって周囲に視線を向けると、作業が一段落した子達は思い思いに喋っていた。
 自由時間、と言ったところか?
 まぁ、根を詰め過ぎても良い仕事は出来ないだろうしな。
 時間は少ないけど、そこは生徒の自主性に任せると言う事で。

「絡繰?」

「……先生」

 いや、そう言われてもな。
 いつもの無表情――の中に、小さな困惑。
 そう感じられる絡繰の表情に、首を傾げてしまう。

「……どうした?」

 何か言いたいんだろうか?
 ――それとも、何か聞きたいのか。
 絡繰は机作成の班だから、仕事が無いと言えば無いんだが。
 うーむ。

「何かあったか?」

「いえ……昨日」

 昨日?
 ……何かしたっけ?
 そう首を傾げると、

「マスターから、私の事をお聞きになられたと……」

「ん? ああ」

 それは、今朝俺が悩んでいた事だった。
 絡繰の事。
 でも、

「一応、少しな」

 あまり、ここでは話す事じゃないだろう。

「それで……」

「……んー」

 どう、言えば良いかな。
 こう周りに人が居るんだが……絡繰なら、こう言う所で聞くような事じゃないって判ると思うんだがなぁ。

「先生は、どう思われますか?」

「絡繰の事か?」

「……はい」

 絡繰の事、か。
 人形。
 人の形を模したもの。
 動物に好かれやすくて、子供にも好かれてる。
 人間よりも、どこか人間らしい女の子。
 ……吸血鬼やら幽霊やらと会ったのに、人間大の人形を特別視なんて――まぁ、特別って言えば特別なんだろうけどさ。
 今の技術で人間大の喋る人形だなんて、きっと凄いんだろうな。
 その辺りの知識は無いから、それくらいしか言えないけど。
 けど、その辺りを差し引いても、まぁ

「この学園の生徒だよ」

 俺に言えるのは、それくらいだ。
 もっと気の利いた事が言えたら良いんだが――残念ながら、俺はそう言った事は無縁だからなぁ。
 アドリブとか結構苦手だし。
 もっと特別な力とかがあったら、きっと気の利いた言葉の一つも出るんだろうけど。
 魔法も使えないし、特別な力も無い。
 なら――せめて今まで通りに、って思う。
 俺に出来るのは、それくらいしかないし。

「それだけですか?」

「ああ、それだけだよ?」

 苦笑してしまう。
 初めて――絡繰の驚いた顔を見た。

「そんなに驚く事か?」

「……………え?」

 ん?
 なんか変な事言ったかな?

「驚いてますか?」

「そう聞かれてもな」

 苦笑してしまう。
 流石に、絡繰の事を俺が判る筈は無いんだがな。

「だって、驚いた顔をしてるじゃないか」

「え?」

 多分。
 俺から見たら、驚いた顔なんだがな。
 違ったか?

「ですが……私は」

「ん?」

 どうかしたんだろうか?
 別に変な事は……言ってないよな。

「まぁ、何か困った事があったら言ってくれ」

 出来るだけ、力になるぞ、と。
 ……俺に出来る事なんて、殆ど無いだろうけど。
 頼られたら、何とかして応えるさ。

「……どうして、そう言っていただけるのでしょうか?」

「どうしてって……」

 そう言われてもな。

「先生だからなぁ」

 そして、絡繰は生徒だからな、と。

「…………………」

「そう笑うなよ」

 だって、俺は今日までそうやってきたんだ。
 そしてこれからもこうやって生きたいと思う。
 それが……俺が目指す“先生”だから。
 吸血鬼だって、幽霊だって、信じていたいのだ。
 ……先生として、頼られているなら。

「――ああ」

 その細い指が、胸に添えられる。
 どうしたんだろうか?

「どうした?」

「いえ……」

 また、笑う。
 やっぱり凄いなぁ。
 感情豊かな絡繰が、本当の人間のようで。

「どうだった、茶々丸さん?」

「おー、神楽坂。調子はどうだ?」

「えっと……まぁまぁ?」

 何だそれは、と笑ってしまう。
 そして視線を戻すと、

「明日菜さんの考える机は、前衛的過ぎるかと」

「う……」

「どんな机を考えたんだ?」

「あ、あはは……」

 視線を戻すと、そこにはいつもの無表情な絡繰。
 勿体無い。
 笑ってる方が良いのに。
 そうは思うが、言いはしない。
 きっとそれは、教師の領分を越えてると思うから。

「ほら、絡繰も戻って仕事をしてこい」

「……はい」

「な、なんかお邪魔だった?」

「何の話だ?」

 まったく。
 どうしてこの年頃は、こうもまぁ……ま、いいか。




――――――エヴァンジェリン

「……中々難しいな、コレ」

「そうかな?」

 いや、そんな思い付きみたいな感覚で図面を書けるのはお前くらいだよ、葉加瀬。
 どうしてそうスラスラ書けるんだ?
 やはり慣れだろうか?
 むぅ。

「材木が届くのは明後日らしいし、それまでに書き上げれば良いんだろ?」

「そうですね。それまでに書いて、私に見せて下さい」

「はーい」

 真名と葉加瀬の3人で机の図面を書き上げながら、溜息を一つ。
 結構難しいな。

『大丈夫ですか?』

『ああ――ま、なんとかなるだろ』

 多分、と内心で付け加える。
 自信はあまり無い。
 やはり、専門外の事にはどうにもなぁ。
 しかしまぁ、

『さよから話しかけれる日が来るとはぁ』

『そうですねぇ』

 そう言うさよは、いつもの黒いセーラー服姿で空中にふわふわと浮いている。
 後で真名にも教えないとな。
 コイツの眼は特別らしいし、もしかしたら見えるようになるかもしれない。
 そうなったら、きっとさよももう少し楽しくなるだろう。

「あ」

 と、葉加瀬の声。
 その声に頭を上げると、その視線は別の方へ。

「どうした?」

 その視線の方へ向くと……茶々丸が、先生と話していた。
 む……朝から少し機嫌が悪いみたいだったが、大丈夫だろうか?
 ま、まぁ、その理由が理由なだけに、少し罪悪感と言うか、何と言うか。
 まさか、茶々丸の事を先生に話す事を、あんなに気にするとは……。
 悪い事をしたかもなぁ。

「茶々丸が笑ってる」

「…………なに?」

 そんな馬鹿な、と一笑してしまう。
 それに、ここからじゃ茶々丸の顔は陰になって見えない。
 何を勘違いしてるんだか。

「気のせいじゃないか?」

「え? あれ?」

 なんかブツブツ言い始めるし。
 疲れてるんだろうか?

「感情なんて、そう簡単に育つはず無いんだけどなぁ」

「そうか?」

「いくら人工知能だからって、学習スピードは人と同じか、きっとそれ以下のはずですし」

 どうだろうなぁ。
 感情なんて、それこそ人それぞれだろうし。
 特に茶々丸は――環境に恵まれてるしな。

「うーん。これは一度本格的に調べるべきかな……」

「そうだな。そして、データから私を早起きさせると言うのを消してくれ」

「……なんて小さな御主人様だ」

 うるさいぞ、真名。
 私は吸血鬼なんだ。早起きは苦手なんだよ。

「それはどうでも良いですけど」

「あっさり却下されたよ?」

「……うるさい」

 ふん。
 別に、最初から期待してないさ。
 それに、今の生活もそう嫌いじゃないしな…………ふん。
 そんな事を話していたら、茶々丸が明日菜に連れられて戻ってきた。

「茶々丸ー、さっき笑ってなかった?」

「どうでしょうか?」

 まぁ、鏡でもないなら、自分が笑ってたなんて判らないよな。
 首を傾げる茶々丸を見ながら、そう思ってしまう。

『茶々丸さんも女の子ですねー』

『なんだそれは?』

 まったく。
 まぁ、確かに先生に関わってから感情豊かに……とは思うが。
 それが恋か、と言われたら……どうだろうな、と。
 ……愛や恋など、他人に判るような事でもないか。

「うーん。茶々丸、久々に貴女を点検整備したいから、学校が終わったら研究室に来てくれない?」

「は……はい。了解しました」

 ふむ。
 まぁ、結構間が空いてたしな、それに学園祭前だしちょうど良いだろう。

「て、点検整備って……穏やかじゃないわねー」

「そう?」

 しかし、やはり少し浮世離れと言うかなんというか……ズレてるな、葉加瀬。
 お前、そんな事他の生徒に聞かれたらどうするんだ?
 気を配るこっちの身にもなってくれ……まったく。
 何でこんな事に私が魔法を使わなければならないんだ。
 周りに聞こえないようにするのも、面倒なんだぞ? 難しくは無いけど。

「それじゃ、後でねー。あ、ちょっとトイレ行ってくる」

「……マイペースねぇ、相変わらず」

「葉加瀬らしいじゃないか」

 ま、そうだがな。

「……どうした、茶々丸?」

「いえ」

 そう首を振り、近くの席に座る。
 ? 朝より機嫌が良いと言うか、なんか、雰囲気が違うと言うか。
 こう言うのも、成長って言うんだろうか?

「何かあったのか、明日菜?」

「え? あー、うん。どうだろう?」

 何かあったんだな。
 ……隠し事下手だよなぁ、お前。

「さ、ここに座れ」

 隣の空いていた席を叩く。

「何でそんな尋問風!?」

「良いじゃないか、ほら」

「真名まで!?」

 良い暇潰しが出来そうだ。
 どーせ、先生から何か言われたんだろうけど。
 判り易いよな、本当。






――――――チャチャゼロさんとオコジョ――――――

「オーイ、生キテルカー?」

「寒い、寒いよ姐さん……」

「駄目ダ、コリャ」

 何があったかはあえて言うまい。
 けど、一つだけ判った事があるんだ。
 きっと姐さんの中じゃ
 小夜の嬢ちゃん>チャチャゼロさん>越えられない壁>オレっちらしい。
 ……泣けるぜ。
 オレっちと姐さんの絆は、そんなもんだったんスかっ。
 オレっちは――オレっちはっ。

「う、ふぐっ……う、ぇ」

「マジ泣キカヨ」

 だって……。

「次から、オレっちのマスコットな位置に、別のヤツが行くかもしれないってのに――」

「知ラネーヨ」

 冷たいっす、チャチャゼロさん。
 ぐすん。



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