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No.25786の一覧
[0] 普通の先生が頑張ります (更新再開…かな?[ソーイ](2011/06/08 19:02)
[1] 普通の先生が頑張ります 0話[ソーイ](2011/04/10 19:06)
[2] 普通の先生が頑張ります 1話[ソーイ](2011/04/10 16:49)
[3] 普通の先生が頑張ります 2話[ソーイ](2011/04/08 22:17)
[4] 普通の先生が頑張ります 3話[ソーイ](2011/04/08 22:52)
[5] 普通の先生が頑張ります 4話[ソーイ](2011/04/08 23:22)
[6] 普通の先生が頑張ります 5話[ソーイ](2011/04/08 23:43)
[7] 普通の先生が頑張ります 6話[ソーイ](2011/04/09 10:03)
[8] 普通の先生が頑張ります 7話[ソーイ](2011/04/09 10:16)
[9] 普通の先生が頑張ります 8話[ソーイ](2011/04/09 10:36)
[10] 普通の先生が頑張ります 9話[ソーイ](2011/04/09 13:58)
[11] 普通の先生が頑張ります 10話[ソーイ](2011/04/09 14:38)
[12] 普通の先生が頑張ります 11話[ソーイ](2011/04/09 15:24)
[13] 普通の先生が頑張ります 12話[ソーイ](2011/04/09 18:20)
[14] 普通の先生が頑張ります 13話[ソーイ](2011/04/09 22:23)
[15] 普通の先生が頑張ります 14話[ソーイ](2011/04/09 23:12)
[16] 普通の先生が頑張ります 15話[ソーイ](2011/04/09 23:47)
[17] 普通の先生が頑張ります 16話[ソーイ](2011/04/10 16:45)
[18] 普通の先生が頑張ります 17話[ソーイ](2011/04/10 19:05)
[19] 普通の先生が頑張ります 18話[ソーイ](2011/04/11 21:15)
[20] 普通の先生が頑張ります 19話[ソーイ](2011/04/11 21:53)
[21] 普通の先生が頑張ります 20話[ソーイ](2011/02/27 23:23)
[22] 普通の先生が頑張ります 21話[ソーイ](2011/02/27 23:21)
[23] 普通の先生が頑張ります 22話[ソーイ](2011/02/27 23:19)
[24] 普通の先生が頑張ります 23話[ソーイ](2011/02/27 23:18)
[25] 普通の先生が頑張ります 24話[ソーイ](2011/02/26 22:34)
[26] 普通の先生が頑張ります 25話[ソーイ](2011/02/27 23:14)
[27] 普通の先生が頑張ります 26話[ソーイ](2011/02/28 23:34)
[28] 普通の先生が頑張ります 27話[ソーイ](2011/03/01 23:20)
[29] 普通の先生が頑張ります 28話[ソーイ](2011/03/02 22:39)
[30] 普通の先生が頑張ります 29話[ソーイ](2011/03/04 22:42)
[31] 普通の先生が頑張ります 30話[ソーイ](2011/03/08 00:19)
[32] 普通の先生が頑張ります 31話[ソーイ](2011/03/07 23:33)
[33] 普通の先生が頑張ります 32話[ソーイ](2011/03/10 00:37)
[34] 普通の先生が頑張ります 33話[ソーイ](2011/03/09 23:47)
[35] 普通の先生が頑張ります 34話[ソーイ](2011/03/10 23:15)
[36] 普通の先生が頑張ります 35話[ソーイ](2011/03/13 23:11)
[37] 普通の先生が頑張ります 36話[ソーイ](2011/03/14 22:47)
[38] 普通の先生が頑張ります 37話[ソーイ](2011/03/15 23:56)
[39] 普通の先生が頑張ります 38話[ソーイ](2011/03/16 23:15)
[40] 普通の先生が頑張ります 39話[ソーイ](2011/03/17 23:03)
[41] 普通の先生が頑張ります 40話[ソーイ](2011/03/18 22:46)
[42] 普通の先生が頑張ります 41話[ソーイ](2011/03/19 23:49)
[43] 普通の先生が頑張ります 42話[ソーイ](2011/03/20 23:12)
[44] 普通の先生が頑張ります 43話[ソーイ](2011/03/21 22:44)
[45] 普通の先生が頑張ります 間幕[ソーイ](2011/03/23 07:49)
[46] 普通の先生が頑張ります 44話[ソーイ](2011/03/23 23:24)
[47] 普通の先生が頑張ります 45話[ソーイ](2011/03/25 23:20)
[48] 普通の先生が頑張ります 46話[ソーイ](2011/03/26 23:23)
[49] 普通の先生が頑張ります 47話[ソーイ](2011/03/28 00:29)
[50] 普通の先生が頑張ります 48話[ソーイ](2011/03/28 23:24)
[51] 普通の先生が頑張ります 49話[ソーイ](2011/03/30 00:25)
[52] 普通の先生が頑張ります 50話[ソーイ](2011/03/31 00:03)
[53] 普通の先生が頑張ります 閑話[ソーイ](2011/04/01 00:36)
[54] 普通の先生が頑張ります 51話[ソーイ](2011/04/01 23:50)
[55] 普通の先生が頑張ります 52話[ソーイ](2011/04/03 00:22)
[56] 普通の先生が頑張ります 53話[ソーイ](2011/04/04 23:45)
[57] 普通の先生が頑張ります 54話[ソーイ](2011/04/05 23:24)
[58] 普通の先生が頑張ります 55話[ソーイ](2011/04/06 22:31)
[59] 普通の先生が頑張ります 56話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:46)
[60] 普通の先生が頑張ります 57話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[61] 普通の先生が頑張ります 58話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[62] 普通の先生が頑張ります 59話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[63] 普通の先生が頑張ります 60話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:47)
[64] 普通の先生が頑張ります 61話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[65] 普通の先生が頑張ります 62話(修正前[ソーイ](2011/04/27 22:48)
[70] 普通の先生が頑張ります 56話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:46)
[71] 普通の先生が頑張ります 57話(修正版[ソーイ](2011/04/28 23:27)
[72] 普通の先生が頑張ります 58話(修正版[ソーイ](2011/04/30 22:52)
[73] 普通の先生が頑張ります 59話(修正版[ソーイ](2011/05/18 23:24)
[74] 普通の先生が頑張ります 短編 【茶々丸】 [ソーイ](2011/05/23 23:47)
[75] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 [ソーイ](2011/05/23 23:42)
[76] 普通の先生が頑張ります 短編 【エヴァンジェリン】 2[ソーイ](2011/05/25 23:21)
[77] 普通の先生が頑張ります 短編 【月詠】 [ソーイ](2011/06/08 23:06)
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[25786] 普通の先生が頑張ります 12話
Name: ソーイ◆9368f55d ID:052e1609 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/04/09 18:20

――――――エヴァンジェリン

「それでは、何もやっていないんだな?」

「ああ、そう言っているだろうが」

 それは、何度目の問答か。
 だがそれも慣れたもので、半分聞き流しながら用意された紅茶を啜る。
 この場に居るのはじじいにタカミチ、葛葉刀子とガンドルフィーニの4人。
 ――この場に居る理由は……まぁ、昨夜の不手際からだ。

「佐々木まき絵には何もしていない」

「……ふん」

 ―――私は嫌われている―――
 それを今、再確認させられていた。
 はぁ、面倒臭いものだ。

「だが、夜道で気を失った佐々木。さらに、彼女から感知された魔力は君の物だ」

 そして君は、吸血鬼だ、と。
 そう言われるのは慣れているとはいえ、あまり気分が良いものではない。
 ――こっちだって、好きで吸血鬼になった訳ではないのだ。
 やはり、慣れない事をするもんじゃないな、と。
 昨夜佐々木まき絵の打った所を冷やした時の魔力を怪しまれるとは。

「まぁ、夜に姿を見られたのはじじいの依頼のせいなんだがな」

「そうなんじゃよなぁ」

 一応、その原因は明確にしておく。
 ……私が柄にも無く注意しようとしたのも、悪いんだが。
 流石にそれまで言うと、話が余計にややこしくなるので、黙っている。

「お前なら姿を隠しておく事くらいできただろう?」

「なら、ガンドルフィーニ先生は薄着で夜道を歩く女生徒に何の注意もせず、姿を隠すのか?」

 わざと先生の所を強く言ってみる。
 ぐ、と息を呑む声。
 ふん。

「この場は話を聞くだけで、喧嘩する場じゃないはずだけど」

 ぱん、と一つ手を鳴らしそう言ったのはタカミチ。
 それも何度目か。

「それはそこの……まぁ、先生に言ってくれ」

「………………」

 さて。

「帰るぞ」

 質問ではなく、宣言。
 もはや、この場に居るのすら億劫だ。
 それに、さっさと神楽坂明日菜を探し、言っておかないといけない事もある。
 まったく。なにがエヴァちゃんだ。今日こそガツンと言ってやらねば。
 立ち上がり、学園長室を出ようと扉に向かい

「何故、彼女の記憶を消さなかったんだ?」

 はぁ、と――聞こえるように、深い深い、溜息を吐く。

「お前ら立派な魔法使いの悪い癖だな」

「……なに?」

「何でも記憶を消せば解決する――立派な魔法使いらしい、良い考えだ」

 それなら完璧だからな、と。
 どんな失敗も、どんなに自分に不利な事を見られても、相手の記憶を消せばいい。
 なんて単純で、なんて独善的な考えだ。
 吐き気がするほどに。

「なんだと?」

「――ふん」

 “記憶”を何だと考えているのか。
 覚えている事、忘れられない事、それがどれだけ尊いか――全然判っていない。
 そのまま何も言わずに部屋から出る。
 そこには直立不動で控えている、茶々丸。
 茜色に染まりつつある廊下にあって、まるで彫刻か何かのように感じた。
 ……今朝はあんなにも、人形らしくないと感じたというのに。
 まるで今は、本物の人形のようだ。

「お疲れ様でした、マスター」

「ああ」

 そのまま茶々丸を従え、廊下を歩く。
 下らない時間だった。
 じじいも大変だな、私を自分の元で縛られたばかりに、と。
 最近は時々忘れてしまうが、私は“悪”なのだと……思い出した。
 きっと、その過去はずっと消えないのだろう。
 ……憂鬱な事に。

「ネギ先生と、先生です」

 唐突に、茶々丸がそんな事を言う。
 視線の先、廊下の先にその姿は無い。
 そして、茶々丸の方を向き――その視線は、窓の外へ向いている。

「……」

 窓から見れば、確かにあの二人だ。
 はぁ、私がこうも絞られてる間に、あの2人は何をしていたんだか。
 でもまぁ、それはあの2人には関係の無い事か。
 ―――――。

「茶々丸、今何時だ?」

「午後5時12分です」

 こんな時間まで何をやっていたんだか……まぁ、仕事だろうな。
 始業式の日に大変な事だ。

「真面目な事だな」

「それが、先生の良い所だと思います」

 そうだな、と。
 だからこそ、じじいが私達のクラスの副担――ぼーやの補佐に選んだんだろう。
 あの男なら、ぼーやのミスも対応してくれる。間違えても、正してくれる。
 そう考えての事だろう……。

「ふん」

 大変だな、先生。
 心中でそう同情し、歩を進める。

「追いかけますか?」

「いや、いい」

 苦笑する。
 追って、どうするというのか。

「何故そんな選択が出た?」

「マスターが落ち込んでおられるので」

「……そうか」

 どうして私が落ち込んでいたら、先生が選択肢に浮かぶのか。
 まぁ、最近の私を知っているなら、それもあるのかもな、と。
 何だかんだ言っても、それなりにあの先生とは喋ってるしな。
 
「私は落ち込んでいるように見えるか?」

 どうしてそう、茶々丸に聞いたのか――いつもなら聞かないような事を、聞いてしまう。
 それには特に意味は無くて、それこそ気紛れでしかないのだが。

「はい」

 その答えに、そうか、と。
 自分でも驚くほど、小さな返事を返してしまう。
 ……はぁ。
 校舎から出、夕日に目を細める。
 これから吸血鬼の時間だというのに、こんなにも憂鬱だ。

「そう見えるか」

 きっと、正しいのだと思う。
 ガンドルフィーニが言った事が、疑った事が――きっと正しいのだ、と。
 私は世界にたった一人の吸血鬼で、彼は世界に溢れる人間の一人だ。
 あの男が正しく、そして……私が間違っているのだろう。
 正しい吸血鬼なら、血を吸い、記憶を消し、力を蓄え、人に牙を剥く。
 そして、正義の魔法使いに屠られる。
 それがきっと、正しい世界の在り方なのだ。

「そうだな」

 だから、私は落ち込んでいるのだろう。
 今、私の中の吸血鬼像が、違う。
 ずれている、と言った方が良いか。
 どうして昨日、佐々木まき絵に声を掛けたのか。
 どうしてその傷を冷やしたりしたのか。
 どうして私と出会った記憶を消さなかったのか。
 普通は逆だろうに――と、溜息を吐いてしまう。

「いっそ、一思いに暴れてみるか?」

「お勧めできません」

「そうか?」

 そう簡単に負けない自信はあるがな、と。
 そう言うと、首を横に――茶々丸は否定した。

「それに、マスターがちゃんとしているよう、見ているように先生から言われています」

「……なるほど」

 確かに、あの先生に見つかったら厄介そうだ。
 また朝からあのバカ面を見る事になるかと思うと、軽く憂鬱だ。
 苦笑し、

「お前でも冗談を言うんだな」

「冗談?」

「いや、気にするな」

 それとも、本心だったのか。
 今はどっちでも良いか、と。

「マスター、夕食は何に致しましょう?」

「任せる」

「かしこまりました」

 ま、信じてもらえないのは今更だ。どうしようもない。
 今までが今までだったのだ。
 流石に……たった一度の気紛れで、こうまで言われるのは癪だが、仕方が無い。
 なら憂鬱な気分を引き摺るのも愚かな事だろう。
 今までこうだったのだ。
 なら、これからも今まで通りに生きていくさ。
 ――しょうがない。
 私は、悪い魔法使いなのだから。

「暫くは目立たないようにしておくか」

「それをお勧めします」

「……ふん」

 ついこの前まで、本当に“人形”だったと言うのに。
 ほんの少しの周囲の変化で、こうも変わってしまうものなのか。
 ――私はこんなにも、変わってしまう事に悩んでいると言うのに。
 きっとこいつには悩みなんて無いんだろうな……。
 いつか、茶々丸にも“悩み”なんてものが出来るのだろうか?
 ……それはそれで、楽しみなもんだな。
 人形の初めての“悩み”は、どんなものなのやら。

「マスター、楽しそうです」

「楽しくなんかない。可笑しいんだ」

「……それは良かったです」

 そうか、と。
 まぁ確かに――少しは気が晴れているな。
 そんな事を考えながら、夕焼け色の帰路に就いた。







 あのやり取りから数日後。
 特に目立つような行動もせず、普通の学生生活を送りほとぼりを冷ましていた。

「ふぁ……」

 昼は眠い……特に、昼食を食べた後は。
 さらに私は吸血鬼なのだ。
 このまま午後の授業を睡眠に充てようと屋上で考えた時、

「む……」

 何かが、感覚に引っかかった。
 結界を通った?
 私の感覚に引っかかると言う事は、正規の手続きを行っての通過じゃないな――。

「学園都市に入りこんだか……」

 まったく。仕方ない、調べるか。
 感じた限り、そう強い魔力を持っている訳でもなさそうだし。
 ……少しは真面目に仕事をして、あの堅物魔法使いに――は、関係無いか。
 ああいうのは、どうやってもこっちを下に見たがるもんだ。

「茶々丸、仕事だ」

「はい」

 一瞬じじいに連絡を入れるべきか? とも考えたが、二人で当たっても問題無いだろう。
 それに、下手にじじいと連絡をとって、また面倒な顔を見るのも憂鬱だ。
 はぁ……まったく、面倒な場所だな、ここは。

「それで、何処に行くのですか?」

「そうだな――」

 さっきの感覚はから移動するとなると……。

「広場の方か」

「わかりました」

 ……時間が時間なだけに、ただの変質者の類かもな。
 流石にこんな昼間から襲ってくる侵入者もいまい。

「午後からの授業はどうなさいますか?」

「受けれる訳が無いだろう」

「……はい」

 表情に変化は無いが、こう……私が虐めているように見えるのは気の所為か?
 私は仕事をしている訳で、非難される覚えはないんだが。

「さっさと見つける事が出来れば、すぐに戻れる」

「はい」

 ――さて、何が入りこんだのやら。






――――――

「それで、マクダウェルと絡繰は早退、と」

「申し訳ありません」

「……別に、報告なんかしなくても良いだろうに」

「いや、してくれよ、そういうのは」

 まったく。
 でも、学園長の用事ならしょうがないか。

「ま、あんまり学園長を困らせないようにな?」

「ふん――困らされてるのはこっちの方だ」

「そう言ってくれるな。絡繰も、学園長に迷惑をかけないように」

「かしこまりました」

 さて、と。

「新田先生には言っておくから、用事が早く終わりそうなら戻ってきてくれ」

「判っている」

「では、先生」

 まだ何かブツブツ言ってるマクダウェルを押すような形で、絡繰も退室していく。
 あの二人の関係も、最初より随分と変わってきたように見える。
 事務的……とでも言えば良いんだろうか?
 もっと主従と言える関係だったと思うけど、今何と言うか……うーん。
 上手く言えないけど、その関係が、少し柔らかくなったと言うか。
 このままクラスに溶け込んでくれると良いんだが……ま、大丈夫だろう。
 午後の授業を担当してもらう新田先生にその旨を伝え、授業の準備に戻る。
 俺もあとは6時間目だけなので、そう急がなくて良いんだけど、まぁこういうのは早く終わらせておくに限る。
 これが終わったら、昼飯にするか。昼休みももうすぐ終わるし。

「先生、少しお時間よろしいですか?」

「へ……あ、葛葉先生」

 何時の間にか後ろに立っていたのは、葛葉先生だった……まったく気付かなかった。
 何かの剣術かを習ってるって言ってたし、もしかしたら気配とかを消せるのかもしれない。
 まるで忍者か何かだな、と。
 そんな自分の思考に苦笑し、

「どうかしましたか?」

「はい。お時間があるようなら、学園長が少し時間を割いてほしいと」

「……が、学園長?」

「はい」

 俺、何かしたっけ?
 最初に思ったのが自分の不手際なのは――どうにも学園長が苦手だからか。
 というか、話した事がほとんどない目上にいきなり呼ばれたら、怖くないか?
 えっと……何したかな?

「わ、判りました。今からで大丈夫でしょうか?」

「大丈夫かと」

 う、うーん……本当に何したかなぁ。
 でも、こう言って呼ばれる理由て、呼ばれる側から見たら、結構判らないものかもしれない。
 はぁ……自然と、小さく溜息を吐いてしまう。

「ありがとうございます。それじゃ、今から」

 本当に、こういうのは、さっさと済ませてしまうに限る……と思う。
 それに、3-Aの最後の授業は数学だし、準備もある。
 ……精神的にも、そっちが楽だし。

「先生」

「はい?」

 立ち上がろうとし、再度声を掛けられる。
 まだ何か? と言うと。

「エヴァンジェリンとは仲が良いのですか?」

「マクダウェルですか?」

 んー……。

「別に、そう仲良くは無いんじゃないかと」

 ふとした拍子に、物凄い罵声を浴びせてくるし。
 殺すとか、黙れとか。
 ……注意してもアレだけは治らないんだよなぁ。

「どうしてです?」

「いえ、彼女が職員室に来たのを、初めて見たような気がしまして」

「……あー」

 そう言えば、そうかもしれませんね、と。
 良く考えたら、そんな気がする。

「でも、別にマクダウェルはそう悪い生徒じゃありませんよ?」

 素行はアレですけど……とはやっぱり口には出さない。
 うん。

「言う事はちゃんと聞いてくれますし、悪い事は悪いって判ってますし」

「……そうですか?」

「ええ」

 まぁ、今までが今までだったからなぁ。そう思われても仕方が無いのかもしれない。
 でも、これからは少しずつでもこういう風に見られないように頑張っていこう。
 俺に出来る事なんて殆ど無いから、マクダウェルに頑張ってもらわないといけないのが情けない所だが。
 とりあえずは、言葉遣いかなぁ。

「それじゃ、学園長の所に行ってきますので」

 そんな事を心中で考えながら、葛葉先生にそう告げる。
 早く行ってしまおう。
 何で呼ばれたのか本当に判らないので、不安で仕方が無い。

「……はい、頑張って下さい」

「……何か違いません?」

「いいえ」

 いや即答しないで下さいよ。
 そう苦笑し、立ち上がる。
 さて、俺は今から何を言われるんだろうか?
 はぁ。






「学園長、先ほど葛葉先生から呼ばれていると聞いたのですが」

 コンコン、とドアをノックし用件を述べる。
 数瞬の後

「うむ、入ってくれ」

「失礼します」

 さって、俺は何を言われるのか。
 ちょっと胃が痛い。
 ……あれ?

「高畑先生?」

「久しぶりだね、先生」

「は、はい」

 学園長と一緒に居たのは、最近見かけなかった高畑先生だった。
 噂じゃ、色々と出張を繰り返しているらしい……本当に多忙な先生だ。
 それだけ他の学校からも必要とされている――と言えるのだろう。
 後輩として誇らしくあり、でも、俺には無理だよなぁ、と思ってしまう。
 きっと……俺じゃ、一つのクラス、三十余人だけで精一杯だ。
 っと。そうじゃなくて。

「え、っと」

「まぁ、まずは腰を下ろしなさい」

 どうやら、すぐに済む話ではなさそうだ。
 言われるままに、柔らかなソファに腰を下ろし、聞こえないように小さく溜息。

「そう緊張しなくてもよかろうに」

「は、はは……学園長室とか校長室とかが、学生時代から苦手なもので」

「ほほ――確かに、あまり得意な者はおるまい」

 俺は苦笑、学園長は声に出して笑い、暫くの間。

「えっと……どうして自分が呼ばれたんでしょうか?」

「うむ」

 そのまま少し悩むように、豊かな髭を撫で、

「エヴァとネギ君の事だよ」

「……アレ? それワシの台詞」

 答えは高畑先生から出た。
 マクダウェルとネギ先生?
 あと、学園長……台詞取られたくらいで泣かないで下さい。
 これはあの近衛が苦笑する訳だ、と。
 目上の人ではあるが、何となく親しみやすく、苦笑してしまう。
 やっぱり、人の上に立つなら、こういう面も必要なんだろうな。
 しかし、マクダウェルか……やっぱり、始業式の日の事か?
 何かやったんだろうか。
 ネギ先生は、まぁ心配なだけだろうけど。

「マクダウェルが、どうかしたんですか?」

「先生が考えているようなことではないよ」

 そんなに顔に出ていたのだろうか?
 はは、と小さく笑い、内心で溜息。

「最近素行が良くてね、気になっていたんだ」

「あ、ああ……そうですね」

 さすがに、サボらないように迎えに行ってました、と正直に言う訳にもいかない。
 それはきっと、問題になってしまうだろう、から。
 どう答えたものか、と一瞬悩み、

「あの子はワシらの娘のようなものでな、それがあの不良娘から一転じゃ」

「何か知らないかい?」

 なるほど、そう言う事か。
 娘、と言うには年が離れていると思うが――近衛とはまた違った意味で気にしていると言う事だろう。
 そう聞くと、やはり嬉しくなってしまうのは、俺が彼女の副担任だからか。
 やはり、自分のクラスの生徒がそんな風に見られていると嬉しいものだ。

「そうですね」

 そこで一旦、言葉を切る。
 まぁ、答えは判っているのだが。
 それをどう伝えるべきか――どう伝えたら、俺が伝えたい事を、全部伝えれるか考える。
 マクダウェルの事、神楽坂の事、クラスの事。
 その事を、考える。

「ちょうど2年の終わり近くに神楽坂と仲良くなりまして」

「明日菜くんとかい?」

「ええ。それから、でしょうか」

 神楽坂というのがよほど予想外だったのか、高畑先生が驚いた声を上げる。
 あのどんな事があっても平然としていそうな先生がである、珍しい顔を見れたものだ。

「なるほどのぅ」

「彼女は人付き合いは苦手そうですが、人が嫌いという訳ではなさそうですし」

「ほぅほぅ」

 うん。
 最近分かったんだが、やっぱり彼女は人付き合いが悪い訳ではない。
 何だかんだと神楽坂と仲が悪くなる様子は無いし、彼女が間に入ることでクラスにも馴染み始めている。
 苦手、と言った方が良いのだろう。
 人付き合いが苦手で、距離をとっていた。
 まるでそんな感じ。
 その空いた距離に神楽坂が入った事で、クラスに溶け込み始めている。
 雪広もなんだかんだで、そう言った生徒にはお節介を焼くし、なにより、ウチのクラスは賑やかなのだ。

「良くやってくれておるようじゃの」

「いえ、そんな事は……」

 苦笑してしまう。
 だって、結局は彼女を変えたのは神楽坂なのだ。
 俺は彼女を連れてきただけだし。

「頑張っているのは、ネギ先生です」

「ふむ――ネギ君も良くやってくれておるようじゃの」

「はい。2年時の最後は学年最下位を脱してくれましたし」

 それは確か、学園長がネギ先生に課した課題だったはずだ。
 ネギ先生はそれもちゃんとクリアした――あの歳で、だ。

「クラスの子達とはどうだい? ちゃんと、教師らしく出来ているかい?」

「それはまだ、難しいですね。あの年齢ですし……」

「そうか……」

 そればかりはしょうがない事だとは、思う。
 なにせ、まだ10歳なのだ。
 特に彼女達の年頃の子は、外見を基準に見てしまう所がある。
 そう言う意味では、やはりまだネギ先生には……この職業は難しいのでは、と思ってしまう。
 でも、今のままもう10年。
 そうすれば、きっと良い先生になれると思う。

「ま、そこは仕方ない事じゃろ」

 その事は予想の範囲内だったのだろう。
 その後もいくつか二人について質問される。
 授業態度や、仕事内容などを話す。
 ……目上の人二人に囲まれているので、胃が痛くて仕方が無い。
 昼を食べてないので、余計にである。

「ふむ、二人ともそれなりに学園生活を楽しんでいるようだね」

「そうですね……マクダウェルは今年は受験ですし、ネギ先生も3年の担任ですから夏からは忙しくなるでしょうけど」

「ふぉふぉ、なるほどの――」

 また、その豊かな髭を撫でつける老人は……その目を俺に向ける。

「君は二人を良く見ておるのじゃの」

「そんな事は……」

 苦笑し、やんわりと否定する。
 それは当り前のことであって、別段こうやって言ってもらうような事ではない。

「副担任ですから。クラスの子達と担任の教師を見ているだけです」

「そうか?」

「えっと……ええ」

 改めて問われ、どうかな? とも自問するが、答えは出ない。
 何故なら――改めてそう聞かれた事は、初めてだったからだ。
 今まで当たり前にしていた事だから、そう特別には感じられなかった。

「なるほどねぇ」

「……はは」

 高畑先生が学園長の隣で笑っているので、居心地が悪い。
 はぁ。

「二つ、お願いがある」

「え?」

 いきなりの言葉に、一瞬の戸惑い。
 もしかして、本題はコレか?

「一つは、これからもネギ君をよろしく、と言う事じゃ」

「あ、え、ええ。それは、言われなくても」

 むしろ、こっちが副担任なのだから、と。
 その答えに満足したのか、笑顔で頷く学園長。

「もう一つは、エヴァじゃ」

「はい」

 それは、予想できていたので戸惑う事も無く返事が出来た。
 さっきの話振りからするに、学園長は本当にマクダウェルが心配らしい。
 近衛の件もそうだし、身内に甘いなぁ、と。
 非難では無く、苦笑を浮かべてしまいそうな気分で、返事を返す。

「今までが今までじゃったから、あの子は……まぁ、特別じゃった」

「……はぁ」

 特別……と言うのは、妙な言い回しに感じられた。
 家庭の事情の事だろうけど。

「それに、本人がソレを受け入れてしまっておったしの」

「僕から何を言っても、自分の道を行ってたしね」

「ああ、判ります」

 高畑先生の物言いに、不謹慎かもしれないが苦笑してしまう。
 あの外見なのにプライドが高く、それに妙に博識だ。
 よほど頭が良く、育ちも良いのだろう。
 だから周囲に合わない。
 だから解け込めず、学校をサボっていた。

「でも、あの子は悪い事を悪いって言えばちゃんと聞いてくれます」

「そうだね――先生の言う通りだ」

「あの性格なら、登校さえしてくれればすぐにでも友達できると思うんですけど」

 個性的、そう言えるのは3-Aのクラスでは当たり前とも言えるのだから。
 そう安心できる。
 きっと、マクダウェルは、クラスに馴染む事が出来ると。
 他の先生方からも、ちゃんと見てもらえるようになると――信じれる。
 それは俺にとっては当たり前の事で、別段何の不思議も無い事。
 生徒を信じる、と言う事だから。
 なのにどうして、学園長と高畑先生がそんなにも嬉しそうなのかが判らなかった。
 よほど、マクダウェルが学校に来ているのが嬉しいのかな?

「どうしたんですか?」

 でも実際、最近は馴染んできてるし、友達もこれからきっと出来る。
 神楽坂とだって、良い友達になれると見ていれば判る。
 家庭の事情がどういうものか判らないけど、きっともう心配ないと思える。
 だから、

「な、なんか変な事言いました……?」

 そんな当たり前の事を言っただけで、嬉しそうにされる理由が判らなかった。
 困った、とも言える。
 ……そして、恥ずかしい。
 頬を掻き、視線を逸らしたいところだが目上の人なのでそれも出来ない。

「いや、何も変な事は言っとらんの」

「そ、そうですか?」

「ふぉふぉ」

「はは」

「は、はは」

 3人で笑うと言う、奇妙にも思える時間……まぁ、俺の笑顔はきっと引き攣っているけど。
 まぁ、結局は俺は今までどおり……で良いのかな?

「なに、先日あの子が教師と揉めてな」

「は、はい!?」

 ――って、全然良くなかった。
 今日呼ばれたのはその事か!?
 今まで新田先生や葛葉先生などからは注意された事はあったが、ついに学園長からもっ。

「そんなに畏まらなくて良いよ」

「え、で、ですけど……」

「怒ってはおらんよ。それに、悪いのはこっちじゃ」

 ……いや、口調はそうですけど。
 しかし教師と揉めたって……。

「ワシらは、あの子を信じてやれなんだ……」

「は、はぁ……で、誰とでしょうか?」

「ふぉふぉ、気にせんでええ」

「い、いやぁ……」

 何を言ったんだろう、マクダウェルのヤツ。
 口悪いからなぁ……。
 やっぱり、今度一度、話し合った方が良いのかもしれないな。

「それを気にしておったんじゃが、まぁ、のぅ」

「はい?」

 ……ああ。

「でも、授業はちゃんと受けてましたよ?」

「みたいじゃの」

 そうなったら、以前のマクダウェルだったらサボってただろうしなぁ。
 学園長はそれが心配だったのか。

「いや、今日は良い話が聞けたのぅ」

「そ、そうですか?」

 俺は胃が痛いです。
 あと、腹が減りました。

「先生、これからもエヴァをよろしくのぅ」

「は、ぁ」

 まぁ、俺に出来る事は、後は授業をちゃんと受けさせて無事に卒業させてやるくらいなんだけど。
 それ以外はマクダウェルの頑張り次第である。
 そこは神楽坂に頼るしかないし……。

「え、っと……それでは、失礼します」

「うむ――ああ、そうじゃ」

 そろそろ退室しようかと腰を上げかけ、もう一度下す。

「ま、まだ何かしましたか?」

「ふぉふぉ、違う違う。今度はワシの個人的な質問じゃ」

 いやこの時間のほとんど……ともいえず、はぁ、と返事をする。

「春休みの最後、木乃香と会わんかったか?」

「へ? あ、はい」

 近衛?
 確かに会って、

「あ」

「なるほどなるほど。木乃香が言っておったのはやっぱり先生か」

 …………何を言ったんだ、近衛?

「は、はは」

 それはきっと、見合いの話だろう。
 断ったのか、それとももっと酷い事になったのか……嫌な汗が、背中を伝う。

「あんみつ代を払おうか?」

「いえ、結構です」

 何処まで話したんだろうか?
 と言うか、学園長からあんみつ代なんてもらえません。
 あーもう、何で笑ってるんですか、高畑先生。
 助けて下さいよ、と視線を送るが無視された。

「木乃香は器量良しでの、出来ればワシの目の掛った者が傍におると安心だと思ったんじゃが」

「あー……はぁ」

 もう一度、高畑先生へ視線を送る。
 長くなるよ、諦めな。と言った感じの視線が返ってきた。
 どうやら、今日の昼食は抜きらしい。
 授業の準備だけは終わらせておいて良かったなぁ。
 ……はぁ。




――――――エヴァンジェリン

 まったく。
 侵入者だと思って来て見れば。

「くそっ――まさかこのオレっちの動きについてくるなんてっ」

「すばしっこいだけだろうが」

 茶々丸に摘み上げられたソレ……人語を解するソレには、馴染みがあった。
 まさか、私達を巻く為に森の中に逃げ込むとは。
 お陰で捕まえるのに、余計に時間がかかってしまったではないか。

「オコジョ妖精か」

「ちっ、なんだっていきなり魔法使いに見つかってんの、オレっち……」

「知るか。折角の昼寝の時間を無駄にしおって」

「マスター、それは感心できません」

 ……そして、コイツも日に日に要らん知恵を付けてくるな。
 別に、昼寝くらい今までしてただろうが……まったく。
 葉加瀬に言ってみた方が良いだろうか?

「何しに来たんだ? オコジョ妖精がここに来るとは聞いていないんだが?」

「けっ、オレっちは兄貴に会いに来ただけだよ」

「兄貴?」

 また、厄介事か。
 はぁ――ここ数日、厄介事は避けてきたつもりだったんだが。
 まさか仕事の方から来るとはな。

「オコジョさん。兄貴とは誰ですか?」

「お、聞いてくれるかい、メカの嬢ちゃん」

「はい」

 なんか、茶々丸は警戒を解いているが……視線は、その足元に。
 積まれているのは――下着である。
 しかも女性の。
 男のだったら更に問題だが。

「それより、これは何処から盗ってきたんだ?」

「オレっちのコレクションの事かい?」

「…………ああ」

 オコジョがこれだけの枚数の下着の入ったバッグを持ち運ぶのもどうかと思うがな、とは口には出さない。
 面倒だから。
 答えによっては、そのまま茶々丸に首を捻らせるか。
 その考えを顔に出さずに、返事をする。
 正直、もう早く終わらせて寝たい。

「しかし、嬢ちゃんも外道だねぇ。オレっちのコレクションの傍に罠を張るだなんて」

「良いからさっさと答えろ」

 何が外道だ。人聞きの悪い。
 人様の下着を盗むお前に比べたら、よっぽど私が善人だろうよ。
 ……どうせ、その辺りの女子寮から盗ってきたんだろうがな。
 どうやってこれを持ち主に返したものか……流石に放置は嫌だ。同じ女として。

「あっちと……あっちだっけ?」

「高等部と大学部か」

 まぁ、下着ドロなら妥当な所か。
 しかし、良く誰にも見付からなかったものだ。
 一応、どの学年にも数人の魔法生徒、魔法先生が居るんだがな。
 はぁ――よくもまぁ、この体たらくで魔法使いを名乗れるものだな……。
 呆れると言うか、何と言うか。

「茶々丸、そいつの首をへし折れ」

「おいおいおいっ!? いきなりかいっ」

「……マスター、流石に」

 ちっ。

「まぁいい。さっさとじじいに渡して、昼寝するか」

「マスター、下着はどうしましょうか?」

「葛葉刀子辺りでも呼んで、処理させろ」

 原因を話せば、それなりの対処はしてくれるだろう。
 どうやって下着の持ち主を探すかは予想もつかんが。
 はぁ。

「判りました。オコジョさん、少し我慢を」

「って、オレっちがそう簡単に捕まるかぁ!!」

 …………おお。
 何という気持ちの悪い逃げ方だ……。
 滑るかのように茶々丸の拘束から逃れたソレを、目で追う。

「逃げられました」

「何をやってるんだ、ボケロボっ」

 また捕まえなきゃならんじゃないか。
 まったく――――

「助けてくれっ、ネギの兄貴ーーー」

 あー……

「追いますか?」

「いや、居場所は判ったからいいだろ……」

 じじいに報告しに行くか。
 面倒だな。本当に。
 あと疲れた……本当に、馬鹿の相手は疲れるな。

「茶々丸、お前は葛葉刀子を探して来い。私はじじいの所に行く」

 その後は適当に時間を潰して来い、と。
 まぁ最近のこいつの事だ、授業でも真面目に受けるのだろう。
 6時間目は数学だったしな。
 私は――屋上で昼寝でもするか。
 そう考えながら学園長室に向かう。
 しかし、絶好の昼寝日和だ。

「ふぁ」

 そう考えただけで、眠くなってくる。
 そして、

「それでは、失礼しました」

「げ」

 どうして、じじいの所から先生が出てくるんだ?
 ちょうど、学園長室から出てきた先生と、ばったりと出くわしてしまう。

「おー、マクダウェル」

「……どうしたんだ、先生?」

「ん? あー……まぁ、色々と」

 珍しく歯切れが悪いな? 一体何を言われたんだか。

「そうだ、学園長の用事は終わったのか?」

「あー、まぁ……もう少しだ」

「終わったんだな」

 ぐ……。

「報告してくるから、さっさと戻ってろ、先生」

「はいはい」

 ……絶対待ってるだろ、先生、と。

「おー、先生だからなぁ」

 はぁ……貴重な昼寝の時間が。
 あのオコジョ、やはり今度、絞めるか。
 


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