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No.25664の一覧
[0] 紐糸日記 StS[しこたま](2011/08/03 22:37)
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[25664] 29
Name: しこたま◆b2ee5f7a ID:b30c8392 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/03/16 01:44
 訓練スペースをリアルスマブラ会場やリアルマリオブラザーズ会場にする計画を練るのはいいが、自宅と異世界果ては訓練場までの往復が果てしなく面倒なのでもう宿直室に枕等を持ちこむことにした。

「祖先から受け継ぐ『クッション』ッ!!」
「それが流儀ィィィ!!!」

 となると仕事をやっつけたはやてとのエクストリーム・枕投げが始まるのは止むを得ない話であり、

「ま、枕投げ!? はやてちゃん、お仕事の方は……」
「そおい!」
「はやてそっち持って! 巻け! 布団で巻け!」
「きゃっ! ちょっ、ちょっとっ!!」

 休みに来たシャマル先生が布団と枕に埋もれて目を回すことになるのも仕方のない話であり、

「ふーっ!」
「ロッテが怒った! あかん投げるのが早すぎる!」
「ちなみに俺はロッテのトッポよりグリコのポッキー派だ」
「やかましいです! そこになおりなさいっ!」

 様子を見に来たぬこ姉妹を巻き込んでのチーム戦に発展するのも自然な流れであり、

「仕事が終わったなら休みなさい。いいかね」
「はい」
「はぁい……」
「にゃぁ……」
「うにぃ……」

 グレアムじいちゃんに全員並んで正座させられるのは当然の帰結であった。

「なんであたしたちまで……もとはと言えばアンタたちが……!」
「あはは、ごめんなー。ついつい調子にのってしもたん」
「ごめんなロッテ……俺がトッポの模様の秘密に気付いてしまったばっかりに……」
「ふかーっ!!」

 不思議なことに、ぬこ姉妹に向かって俺が謝ると5割くらいの頻度で顔を引っ掻かれる。

「ロッテ、そのくらいにしとき。回天剣舞六連みたいな模様になっとる」
「巨木や本棚ばかり斬っていると評判の技を、人間の身で受けることができるとは思いませんでした」
「お宅はもう本格的に蒼紫さんみたいに黙っとったほーが身のためやな」
「わかった。ゴッド・エネルクラスの顔芸を身につけて来るから待っててくれ」
「何それ。またくだらないコト考えて……」
「下らなくない。たとえばこんな」
「「ブッふおっ!?」」

 神の顔芸はぬこたちのツボに入ったらしく、思いっきり吹きだした。
 しばらく悶えていたが、ぷるぷる震えながらやおら立ち上がると、一人一回ずつ俺の顔を引っ掻いてから宿直室を後にした。六連が八連になった。あいつら一体何しに来たんだ。

「厄日である」
「良かったやん。もう日付変わるで」
「もうそんな時間か……しかし動いたらお腹がすいたので、カップラーメンを作ります」
「あ! それ最後の!」
「まず服を脱ぎます」
「上を脱ぎながらお湯入れんな! あああああ、それ買ーてきたのなのはちゃんやのに……」

 そうだったのか。なら今度面白そうなのを補充してやろう。などと思っている間に、3分経過。
 いいにおいが立ちあがるカップから、とりあえずマグカップに半分うつしてはやてにもおすそ分け。

「ささ、ずずっと」
「ふーとーるー! 近づけんなーあ!」
「わざわざ3分待ってやったのに……こちとら最近2分ジャストがジャスティスなんだぞ。ジャストだけにイヒヒヒ」
「うるさーい! っもぉ……」

 誘惑に勝てなかったようで、なんだかんだではやても口をつける。この人は基本的に朝昼夕とちゃんと食べるが、こういうエキストラも嫌いじゃないようだ。
 ちゃんと食べてんのか。食べとる食べとる。とか言ってる間に、さすがに1カップを2人で分けたのであっという間になくなった。
 ただいい感じにお腹いっぱいで良く眠れそうだ。はやての機嫌もなんだか良さそうで、ちょっと眠たそうにも見える。深夜に食べるカップラーメンは何故美味しいのかは、はやてと長年議論を続けているがまだ決着がついていない。

「げふー。よく食べた」
「そらええけど……原作キャラを肥えさせてスピードダウンを図るオリ主」
「スパイダーマッ!」
「ちゃう! でもスパイの三文字がなんかそれっぽい!」
「※ただし糸は」
「尻から出る」
「んぅっ……!」

 何か変な声がした。
 なんだか尻から糸でも出したかのような声だが、もちろん俺もはやても尻から糸など出していないし出せない。ふたりして顔を見合わせて、きょろきょろとあたりを探す。

「ん……あっ……」

 出所は床だった。……床?
 ふと見てみると、布団に巻かれたシャマル先生が転がっていた。そういや解くの忘れてたわ。

「だ、だめ……です……よぉ……」

 とか思いながら聞いていたが、しかしなんだか色っぽい声だ。
 これはもう録音してシグナムヴィータリイン姉妹ザフィーラその他に聞かせるしかねえ。と思い始めたところで、続きを口にしはじめた。はやてと並んで耳をそばだてる。

「あっ、だめです、はやてちゃんっ……ポテトチップスのりしお味を食べた手で、レイジングハートに触っちゃ……」
「はやて」
「構わん、やれ」

 ふざけた夢を見ているシャマル先生の顔面目がけて、枕を投擲。「ぷむっ!?」とか言って目を開けた。

「あれ……ええと……はやてちゃん……? あれ?」
「おはようございます」
「おはよーな、シャマル」
「あ、はい、おはようございます?」

 おはようございます。



(続く)


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