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No.25664の一覧
[0] 紐糸日記 StS[しこたま](2011/08/03 22:37)
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[25664] 25
Name: しこたま◆b2ee5f7a ID:6f20eee5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/01/28 18:13
「うぅ……」

 機動六課の建物を、入っても良い範囲で案内してもらえることになった。
 案内役はシャマル先生なのだが、傍目から見ても大丈夫かと心配になるほど沈んだ様子である。

「よわっ」

 俺が言うと少しだけびくっと反応して、そのまますぐしゅんと沈んだ顔になった。

「超よわっ」
「に、二回も言った……ううう、どうしてこんなにジャンケン弱いんでしょう……」
「どうしても何も。いっつも最初にグー出すって、少し前にみんなに教えてもらったらしいじゃん」
「覚えてましたよ! だから最初にグーを出さないって決めてたんですよ!? なのに、なのにっ」
「そう思ったからチョキ連打する人が多かったんじゃない。グーが出ないなら絶対負けないじゃん」
「……ああっ! そっ、そんなぁ……」
「気付いてなかったの。まあ俺もそれ知らなくてパー出したクチなんだけどね」

 がっくりとうなだれる。つい先ほど希望者が集まって、ポケモン世界でイーブイをゲットしたときの進化優先順を決めていたのだ。ジャンケンで。
 シャマル先生の結果は言わずもがな。一発で一人負けにはならなかったものの、結局最下位になってしまってこの調子である。ちなみに俺は下から3番目。

「どうせグー偏重なら『最初はROCK...』って言って全員ぶっとばしちゃってもよかったのに」
「どう考えても後からひどいことになるじゃないですか……」
「大丈夫。頑張って魔法少女アルカ☆ナニカさん連れてくるから」
「その人を連れてこれるなら最初から『イーブイ100匹下さい』ってお願いした方が早いと思います」

 それもそうだ。

「そこまで汎用性高いと魔法少女って呼び方も違和感あるな。海鳴のあの人たちを少女って呼ぶときの違和感といい勝負だわ」
「またはやてちゃんたちに失礼な……」
「そのうち心の中で『まほうおんな』って呼ぶようにするわ」
「魔女じゃないんですか……」
「少女が女になるということなんです。……なんか知らないけどちょっとえろいですね! シャマル先生!」
「ええっ?! え、え、えろくなんかありません! ななななにをやぶからぼうにゅ」
「ぼうにゅ」

 たくさん怒られた。顔が耳までまっかっかで赤鬼みてえ、と口に出したらさらに怒られた。ぺこぽこ叩かないで。
 それにしてもはやてたちの件だが、もう年齢的にも20手前。少女と呼ぶには相応しくない。
 とはいっても魔女と呼ぶのも今さらだけどなんかしっくりこない。その名称はねるねるねるねのCMに出てくるああいう感じの人にふさわしいのではなかろうか。

「まあそのまほうおんなさんにジャンケン負けたとあっちゃ……とにかくイーブイは複数匹ゲットできることを祈るしかないね」
「はぁ……もし世界に1匹だけとかだったらどうしましょうか……」
「どうもこうも。どうぐの15番目でセレクトボタンを13回押します」
「世界ごと変えようとしないでください。あっと言う間に牢屋行きですよ」
「第18イ゛まやゾ9Aプこ?管理外とあわざマシン28ネ!世界」
「うわ……い、今の、どう発音したんですか? もう1回聞かせてくれません?」
「まことシネ 世界」
「抽出した……!」

 ジャンケンに負けた気分転換に、そんなおしゃべりをしながら楽しく施設を回る。職員のみなさんともちょっと話をしたが、俺のことは「なんか悪いやつに狙われてるかもしれない人」的な扱いにされているらしかった。グレアムじいちゃんの言った通りだ。
 それでもって歩いていると、あっという間にオフィスの中の案内が終わる。行ってない部屋もあるが、そこはなんか見られちゃいけない部屋とかも含まれているらしい。今回は大人しく引き下がってやろう。そのうち探検したいけど。
 でもって今度は屋外だ。実はここから先はけっこう前からの楽しみだったりする。
 外の施設といったら、訓練スペースが一番の目玉だ。バーチャルシステムだか何だかで、自分好みのステージが作れると言うのだからたまらない。飛行禁止してブロックを配置すればリアルボンバーマンもできるし、アイテムの種類次第ではリアルマリオブラザーズも出来たりするに違いない! 落下を再現できればスマブラとかもできるんじゃあないか!!

「でもボンバーマンの場合どう頑張ってもチン何とか先生が一人勝ちに……そしたら俺は速攻みそボンになって外野から楽しめば……」
「それいつも家でやってるのと同じじゃないですか」
「シャマル先生どうしよう。ドクロアイテムで火力最低になってビームが撃てず涙目のなのはが見たくなってきた」
「そういうゲームじゃありません……あら? 休日なのに、使用中ですねえ」
「休日訓練とはストイックな……あ、スバルだ」
「うひっ!? ……で、出た……!」

 というわけでたどり着くと先客が。
 スバルだった。後ろから声をかけると超驚かれた。なんでか知らんが警戒されてる。

「この人たちは魔法少女と呼んでも差し支えないんだよなあ……ああどうもこんにちは、とるにたらない人間です。……随分ひさしぶりですね!」
「……は、はい……」

 顔がこわばった。やっぱ警戒されてる。

「スバルと面識あったんですか」
「どっかの空港でだいぶ前に。ぱぱっと寿司を食わせてやったんだけど、中毒でもした? ごめん死んで詫びる」
「あっ、ち、ちがいます……その、あのときはどうも……」
「ならいいんだ。当時は手から和菓子を出す魔法使いさんに憧れていたんだ。若気の至りだったんだ」
「ああ……してましたねそんな話……」
「シャマル先生? ……その、お知り合いでしたっけ」
「実を言うとそうなんだ。シャマル先生とは一つのコントローラーでマリオ64を自在に操作できるかもしれない程度の仲です」

 スバルはよく分からなさそうな顔をした。今のたとえで話が通じないとなると、もうこの先どうやって比喩表現を使っていけばいいのか分からない。

「俺の灰色の言語中枢も鈍ったものだぜ……」
「また訳の分からないことを……スバル、もしかして、この中ってティアナが使ってるの? スケジュール確認したのは昨日だったから、今朝のぶんは見てなくて」
「あ、はい。ティアナが、リーゼアリアさんと一緒に」
「それはともかくアリアが単独で歩いてるとカレーのない福神漬のような印象を受けるんだけど。どう思います?」
「わ、分からないです……」

 俺の比喩はやっぱり理解してもらえないようだった。スバル相手だったらどう言えば良かったんだろう。「卵の入ってないカルボナーラのようなもんだ」とでも言えば良かったのだろうか。

「うぅ……前に会った時から、ぜんぜんまったくこれっぽっちも変わってない……」
「ごめんね。趣味なんだ」
「趣味って……」
「とにかく頑張って護衛されるので、改めましてよろしくお願いします。俺何すればいい? 米でも炒めとけばいい? そういやそろそろティアナ来るんだよね?」
「ひ、引っ込めてください。ほら、えっと、それは家で……」
「爆炒!」

 背中からフライパンを取り出す俺と、あわてて止めようとするシャマル先生。そしてそれを大変驚いたような、疲れたような、何とも言えない目でスバルが見つめるのだった。







 あらぶるオリ主のポーズで待っていると、施設の中からティアナとアリアの二人が帰って来た。

「ロッテが居ないアリアなんて、やっぱりおすぎの居ないピーコのようですね!」

 と開口一番言ったら、アリアの方はぷんぷん怒りながらどっか行っちゃった。何でだろう。

「何が悪かったんだと思う?」
「全部だと思います」
「そうか、ピーコじゃなくてクリス松村さんにすれば良かったのか!」
「話を聞いて……」

 シャマル先生は今日も悲しげだ。

「ってわけでこんにちは。これから護衛されますよろしく……シャマル先生褒めて! 俺まだ新人に何一つぶつけてない!」
「当たり前です」

 と思っていたら、打って変わってぴしゃりと言う。
 どうもたまに先生としての風格を見せはじめている気がする。でもそういえば、どうして「先生」ってつけるんだろう?

「そのへんどう思います?」
「えっ? ……さ、さあ……」
「わ、わかりません……けど。……あれ? そういえば……」
「ここだけの話だけど、実はシャマル先生はフォースの使い手という意味の先生なんだ。だから本来マスター・シャマルと呼ぶのが正しい」
「ま、ますたー……」
「ちょ、ちょっ、ななな何吹き込んでるんですか!」
「ダース・シャマルの方が良かったか」
「そういう意味じゃありませんっ! だいたい先生先生って、言い出したのは自分じゃないですかぁ!」
「そうなんですか!?」
「そうだっけ?」
「そうですよっ!?」

 そんな腕を組んで首をかしげる様を、ティアナは戸惑いながら見ていた。
 訓練の合間に、いつだったか、リインフォースがヴィータやシグナムと話していたのを聞いたことがある。それによるとこの人は、あそこまでの力を得た経緯に深くかかわっているのだとか。
 見たところ行動がおかしい他は何の変哲もない一般人だけど、もしかしたら何かとてつもない超能力を秘めていたりするのだろうか?
 
「……なんかティアナから、老界王神さまにエネルギー弾撃とうとするカカロットさん的な気配がする」

 不穏な気配がするのでティアナの方を向くと、なんとも表現しがたい雰囲気が漂っていた。
 訝しげな空気はそう言語化するよりほかになく、当然わかりもしないティアナは首をかしげた。詳細は分からないが「ちなみに俺魔法とか使えませんけど」と言うと驚き戸惑ったような顔をしたから、十中八九当たりだろう。

「ええっ……ほ、本当ですか……?」
「本当本当。ちなみに俺リンカーコアとかもないから。魔導士とかと戦ったら指一本で殺されるから。メルエム様とコムギさんくらいの埋められない差があるから!」
「で、でも、『たまにいろんなアイテムも作ってる』ってなのはさんも……」
「あれはほとんど適当だから。ちゃんとしたプレゼント以外は怪しげな材料をよくわからない鍋にぶち込んで投げやりにものを作ってるに過ぎない」
「はやてちゃんたちにそんな怪しげなものを渡してたんですか……!」
「大丈夫。ちゃんと猫姉妹で実験してから渡してるから」
「えっ」
「えっ」

 食い付かれた。冗談だったのに。

「はぁ……でもそれなら、どうして護衛というか、警護されて……?」
「そのへんは俺もよく分かんない。俺のことを改造したくてしたくてたまらないサイエンティストさんがいるんじゃない? 今流行りのヤンデレですね!」
「や、やん……?」
「しかし残念なことにあの人の場合そこに愛情はきっとない。しかも俺改造してどうすんだろう。メカタオパイパイにすら劣るものしかできない気がするよ。メカは好きですか?」
「……嫌いじゃ、ありませんけど……」
「メカが駄目ならキメラになるよね。キメラは結構興味あるなあ! 身近にはぬこ姉妹とかいるけど、あの人たちはもううちのアトリエの招き猫みたいなもんだし」
「誰が招き猫よ」

 後ろからはたかれた。超いてえ。
 うずくまりながら振り返ると、アリアの代わりにロッテが戻ってきていた。「やっぱりピーコのいないおすぎみたいだ」と言うと、尋常じゃないレベルの痛いデコピンをお見舞いされた。死ぬほどいてえ!

「指先一つでダウンさ!」
「何あることないこと振ってるのよ。ティアナもスバルも困ってるじゃない」
「喋るのが好きなんだ」
「いいからこっち来なさい、案内の時間ももう終わりなんだから。お父様が呼んでるわ」
「えっ……あ、もうこんな時間! ティアナ、スバル、いきなり来ちゃってごめんね?」

 はぁ……と何だか生返事のティアナとスバル。
 後でアリアが戻ってきて訓練手伝ってあげるから。と言い残して、ロッテは動けない俺をずるずる引きずって戻るのだった。

「覚えてろ……いつかヨーダ先生とパルパル先生に弟子入りして、マスター・ダース・オリーシュになってやっつけてやる」
「略すとマダオね」
「それを口にしたら……戦争だろうがっ……!」

 何とも言えない目で見送るティアナは、とりあえずこの人は変な人らしい。と確信を深めた顔をしていた。



(続く)

############

ぱるぱる=ぱるぱてぃーん


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