~まえがき&ご挨拶~
おはようございます、こんにちわ、こんばんわ、初めまして。
てんむすと申します。
この作品は、主役ライダーファイズの相棒バイクに現実世界の人間が乗り移ったら?という考えから書き始めました。
また原作では、ここぞという時に颯爽と現れファイズを助ける一方で、来ればなんとかなった場面で現れないことも多々あったこのメカに、原作知識を持つ一般人が乗り移ることで活躍シーンを増やしたい、というのも理由のひとつです。
なので、原作本編に比べてファイズとオートバジンによるコンビ戦闘が多くなると思われます。
もし、ここまでの文を読んで「本編のカッコいいバジンを汚すな!!」と思われた方がいらしたらプラウザの戻るからの退室をお勧めします。
それでも良し、という方のみ本文にお進みください。
序章。
暗い。
果てし無く暗い、月が出てない夜道よりも暗い。
というかもう黒い、3センチ先も全く見れない。
目が覚めたら、知らない世界に居た…なんていう展開はよくあるけどこれはちょっと酷いんじゃなかろうか。
しかも身体の感覚もないせいで自分が今どうなってるのかも分かないときた。
とりあえず自分が死んだわけではないのは時折聞こえる声のおかげで分かる、
まぁ、聞こえてても誰の声か確かめる術もないけどね、首は動かないしそもそも首の感覚も無い。
もうここに来て一体どんだけ時間がたったんだろ、起きてしばらくパニックになって出ない声で大騒ぎしたけど全く何も起きる様子はないし。
(…………)
とりあえず起きる前の事思い出してみる、たしか寝る前に平成ライダーで一番好きだったファイズ見ていたんだ、ちょうど最終回を。
(でもって、大好きな相棒バイクのオートバジンがオルフェノクの王様にぶっ壊されるシーン見て泣いたんだっけ…やべっ、思い出したら泣けてきた。泣けないけど)
真っ黒な空間の中、流せない涙を流して泣く俺。ちょっとかわいそうかも。
「やめてっ!もうヤダよこんなの!!」
はいっ?
突然、目の前一杯に広がっていた黒い世界にいきなり女の子の悲鳴が響きわたる。
その瞬間、真っ黒だった俺の視界が一気に開けた。
同時に無くなってたはずの身体の感覚も、いきなり腕と足と首を繋げられたみたいに生き返った。
(ちょっ!一体なんだよコレ!!)
突然戻った身体の感覚に驚く暇も無く、俺の視界にとんでもない光景が飛び込んでくる。
「なにっ!?ぐわぁあああ!!」
ギリシャ文字『Φ』を模した黄色い複眼、全身を包む黒スーツと銀色の装甲、そしてその上に張り巡らされた真紅のエネルギーライン。
平成ライダーの4番手。夢の守り手『仮面ライダーファイズ』が……ものっそい不恰好に宙を舞ってました。