<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.25250の一覧
[0] 【習作】世界を越えた宝石の戦士(マグナカルタⅡ→なのは)[大憲章](2011/01/03 21:27)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[25250] 【習作】世界を越えた宝石の戦士(マグナカルタⅡ→なのは)
Name: 大憲章◆6a81e900 ID:1a5b8d70
Date: 2011/01/03 21:27
 作者は文才が有りません。更には、まだ“魔法少女リリカルなのは”見習いです。
 故に、それらを念頭に置いて御覧ください。





















 小さな女の子が居た。

 大怪我をした父に代わって家族を守ろうと、必死になって苛酷な鍛練を繰り返す兄に迷惑を掛けないようにして。
 自分に何か出来るのではないかと、父の看病で疲れている母の手伝いをする姉に迷惑を掛けないようにして。
 大怪我をした父の看病と、開いたばかりの店を切り盛りして家族を守ろうとする母に迷惑を掛けないようにして。

 唯一人、少女は泣く事もせず、誰かに迷惑を掛けないように良い子でいた、いようとしていた。だが、そんな少女に転機が訪れたのである。

 窓から外を覗いていた時、庭先で輝く小さな物を見付け、気になった少女は玄関を飛び出す。その輝く小さな物が有った場所へと辿り着くと、何処だったかを必死に思い出しながら四つん這いになった彼女は、そこで一つの石を見付けた。
 それが何処にでも有るような石ころだったなら、何だ、と言って放り投げていただろう。だけれども、それは違った。ただの石ころなどではなく、様々な色へと変わり、ただ、ただ綺麗に輝いていたのだ。

 それからというもの少女は、その石を肌身離さず持ち歩くようになり、不思議な夢を見るようにもなる。
 大好きな人達を守る為に世界中の人々を敵に回した青年と、大好きな人達と居る為に世界中の人々を敵に回した王女様。その二人だけじゃない、もっと、もっと他にも仲間達は居た。

 少女が見る夢は、その都度に場面が進む。その人達は不可能だと知っても心を折らず、不可能を可能へと変え、こうだと決めた事を最後には成し遂げてしまう。
 そのお話では、最後に青年だけが戦場から帰らなかった。しかし、青年の仲間達は誰一人として泣いていなかったのだ。
 それは誰もが、青年は生きていると、必ず帰って来るのだと信じているからなのだろう。彼等の悲しい戦いを見続けた少女は、そう理解していた。そんな彼等が、ちょっとだけ羨ましかった。

 父は帰って来るのだろうか、ふと、戦場から帰らなかった青年と父が重なってしまって不安になった。だけど少女は、その不安を振り払って石を両手で優しく包み込む。
 諦めてはいけない。諦めなければ、不可能だって可能に出来てしまうのだから。そう思いながら少女は、父が帰って来ると信じて日々を過ごす。


――大丈夫だ


 眠る少女の耳に、優しく届く言葉。

 そうして少女は、少しだけ大人になった。


感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.02513599395752