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No.24869の一覧
[0] 【連載中止のお知らせ】もう一人のSEED【機動戦士ガンダムSEED】 【TS転生オリ主】[menou](2013/01/22 20:02)
[1] PRELUDE PHASE[menou](2013/05/04 00:17)
[2] PHASE 00 「コズミック・イラ」[menou](2013/05/04 00:17)
[4] PHASE 01 「リナの出撃」[menou](2013/05/16 22:57)
[8] PHASE 05 「インターミッション」[menou](2010/12/20 23:20)
[9] PHASE 06 「伝説の遺産」[menou](2010/12/20 23:13)
[10] PHASE 07 「決意の剣」[menou](2010/12/21 23:49)
[11] PHASE 08 「崩壊の大地」[menou](2010/12/23 11:08)
[12] PHASE 09 「ささやかな苦悩」[menou](2010/12/24 23:52)
[13] PHASE 10 「それぞれの戦い」[menou](2010/12/26 23:53)
[14] PHASE 11 「リナの焦り」[menou](2010/12/28 20:33)
[15] PHASE 12 「合わさる力」[menou](2010/12/31 14:26)
[16] PHASE 13 「二つの心」[menou](2011/01/03 23:59)
[17] PHASE 14 「ターニング・ポイント」[menou](2011/01/07 10:01)
[18] PHASE 15 「ユニウスセブン」[menou](2011/01/08 19:11)
[19] PHASE 16 「つがい鷹」[menou](2011/01/11 02:12)
[20] PHASE 17 「疑惑は凱歌と共に」[menou](2011/01/15 02:48)
[21] PHASE 18 「モビル・スーツ」[menou](2011/01/22 01:14)
[22] PHASE 19 「出会い、出遭い」[menou](2011/01/29 01:55)
[23] PHASE 20 「星の中へ消ゆ」[menou](2011/02/07 21:15)
[24] PHASE 21 「少女達」[menou](2011/02/20 13:35)
[25] PHASE 22 「眠れない夜」[menou](2011/03/02 21:29)
[26] PHASE 23 「智将ハルバートン」[menou](2011/04/10 12:16)
[27] PHASE 24 「地球へ」[menou](2011/04/10 10:39)
[28] PHASE 25 「追いかけてきた影」[menou](2011/04/24 19:21)
[29] PHASE 26 「台風一過」[menou](2011/05/08 17:13)
[30] PHASE 27 「少年達の眼差し」[menou](2011/05/22 00:51)
[31] PHASE 28 「戦いの絆」[menou](2011/06/04 01:48)
[32] PHASE 29 「SEED」[menou](2011/06/18 15:13)
[33] PHASE 30 「明けの砂漠」[menou](2011/06/18 14:37)
[34] PHASE 31 「リナの困惑」[menou](2011/06/26 14:34)
[35] PHASE 32 「炎の後で」[menou](2011/07/04 19:45)
[36] PHASE 33 「虎の住処」[menou](2011/07/17 15:56)
[37] PHASE 34 「コーディネイト」[menou](2011/08/02 11:52)
[38] PHASE 35 「戦いへの意志」[menou](2011/08/19 00:55)
[39] PHASE 36 「前門の虎」[menou](2011/10/20 22:13)
[40] PHASE 37 「焦熱回廊」[menou](2011/10/20 22:43)
[41] PHASE 38 「砂塵の果て」[menou](2011/11/07 21:12)
[42] PHASE 39 「砂の墓標を踏み」[menou](2011/12/16 13:33)
[43] PHASE 40 「君達の明日のために」[menou](2012/01/11 14:11)
[44] PHASE 41 「ビクトリアに舞い降りて」[menou](2012/02/17 12:35)
[45] PHASE 42 「リナとライザ」[menou](2012/01/31 18:32)
[46] PHASE 43 「駆け抜ける嵐」[menou](2012/03/05 16:38)
[47] PHASE 44 「キラに向ける銃口」[menou](2012/06/04 17:22)
[48] PHASE 45 「友は誰のために」[menou](2012/07/12 19:51)
[49] PHASE 46 「二人の青春」[menou](2012/08/02 16:07)
[50] PHASE 47 「もう一人のSEED」[menou](2012/09/18 18:21)
[51] PHASE 48 「献身と代償」[menou](2012/10/13 23:17)
[52] PHASE 49 「闇の中のビクトリア」[menou](2012/10/14 02:23)
[55] PHASE 50 「クロス・サイン」[menou](2012/12/26 22:13)
[56] PHASE 51 「ホスティリティ」[menou](2012/12/26 21:54)
[57] 【投稿中止のお知らせ】[menou](2013/01/22 20:02)
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[24869] PHASE 38 「砂塵の果て」
Name: menou◆6932945b ID:bead9296 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/11/07 21:12
砂漠の細かい砂を巻き上げながら砂面を走るレセップス、そしてピートリー。その二艦の姿は巨大だ。
MS搭載可能な大型陸上戦艦、という肩書きは伊達ではない。航空母艦並みの全長をもち、全高もあるので、超高層ビルが横倒しになっているようなものだ。
二隻が岩山の横を滑るように通り過ぎていく。岩山を巧みに盾として利用しながら、アークエンジェルに砲撃を加えていく。
超高層ビル並みの巨体をまるでトラックのように操る巧みな操舵技術は、さすがバルトフェルド隊の精鋭というべきか。

「…………」

その岩山を挟み、二隻とは反対側のふもと。
砂漠迷彩を施した装甲車が、一台、二台、いや複数。ゴーグルで顔を覆い、同色の布を体に巻いた人影が、二隻の機関音を聞いて、じっと待っていた。
全員が武装している。突撃用小銃、手榴弾、対装甲ロケット弾、対物ライフルなど、各々バラバラだ。

もうすぐ二隻の船首が見える。そのタイミングを捉え、先頭の人影が腕を振る。それを合図に、全車輌がエンジンスタートさせ、砂煙を立てながら駆け出す。
レセップスとピートリーは戦艦といえど、陸上を走るのには違いない。まして戦闘中であれば、どうしても速度を落とさなければならない。
そのため、装甲車でも全力で飛ばせば二隻に並走し、近づくことができた。

装甲車の群れが二手に分かれ、それぞれが二隻に並走する。
最接近した装甲車の人影が、ワイヤーガンを構えて発射。続けて、他の人影も次々とワイヤーガンで取り付いていく。
運転手以外が全て取り付くと、静かに装甲車は離れていく。
速度を落としているとはいえ、陸上戦艦の足は速い。取り付いている人影の布が風で乱暴にはためき、体がまるで旗のように揺れる。

「うっ、ひっ、わあぁぁぁ!!」
「タジールー!!」

そのうちの一人がバランスを崩し、ワイヤーガンから手を滑らせて転落。砂煙の中へと消えていく。
近くを登っていた人間が、落下していく男の名を呼んで手を伸ばすが、すぐに無念そうに引っ込める。
……自分は行かねばならない。これ以上、家族や仲間が犠牲にならないためにも。
決意を込めて登り切り、艦上で轟音を立てながら砲撃をしているザウートが、男達の目に入った。

憎き一つ目のマシン。あれが家を焼いた。仲間を、家族を焼いた。

胸のうちに宿る暗い炎を滾らせながら、背にしている携帯用ロケットランチャーを構え、照星を、ジェネレーター近くの装甲の薄い部分にぴたりと合わせた。
あそこにこのロケットランチャーの弾頭を直撃させれば、噴出するメタルジェットが内部構造を徹底的に破壊するだろう。
そうなればMSなど、ただの金属の塊と化す。あとはコクピットハッチを破り、パイロットをなぶり殺しにできる。

「……コハートの仇……くたばれ!!」

歯の間から漏らす怨嗟の声を呟いて、引き金に掛けている指に力を込めた――


- - - - - - - - - -


「艦砲! 地球軍艦に集中砲火を浴びせろ! 休ませるなよ、その場に縫い付けるんだ!
ザウートは隊長に援護射撃だ! 隊長を死なせるな!」
「了解!」

薄暗く、数々のモニターやセンサー類が放つ人工の光で、辛うじて視界があるレセップス艦橋。
バルトフェルドの副官であり、実質隊内ナンバー2であるダコスタは、バルトフェルドに艦の指揮を任されていた。
だがダコスタは慣れた様子で指揮を振るっている。実際、ダコスタが艦の指揮を任されるのは今回に限ったことではない。
ここぞという時にはバルトフェルドは自らパイロットとして戦場に赴き、ダコスタが艦の指揮を執る。これはもうバルトフェルド隊の日常の光景だ。

「ヘンリーカーターより打電! 敵艦に対する強襲に成功! 敵護衛MSは1機のみとのことです!」

その報告に、ダコスタは作戦が順調に推移していることに軽い高揚感を覚えていた。
これまでも地球軍相手に何度となく勝利を収めてきたが、今回は違う。あのクルーゼ隊、E5哨戒中隊が落とせなかった難敵を追い詰めているのだ。
だがここで詰めを誤れば、自らが尊敬するバルトフェルド隊長に合わせる顔がない。
あくまでも冷静であるよう自分を律しつつ、ただ隊長を支援し、あの白い艦を撃破することだけを考えよう。

「……?」

戦術モニターと可視モニターを眺めていたダコスタは、ふと違和感を感じた。
艦からの砲撃に隙が出来たような気がする。ダメージを管理しているCICからは何の報告もない。

「おい、砲撃が緩んでいるぞ。現状を報告しろ」
「ハッ! ……艦に異常なし。各艦上機、シグナルは……。!? ラグ機シグナルロスト!」
「何!? ……!?」

ズズンッ!
ブリッジを振動が襲う。ブリッジのクルーも一瞬顔を伏せ、何が起こったのか状況を確認しようとコンソールに指を走らせる。

「くっ……! 今の爆発は!」
「……! 艦表面装甲に爆発と思わしき熱源!」
「敵の砲撃か!?」

自分で叫びながらも、まさか、と思うダコスタ。すぐにオペレーターは否定した。

「敵艦の砲撃の火線は認められませんでした……だ、第三区画より、侵入者! 重武装の歩兵による攻撃を受けています!」

その悲鳴じみたオペレーターの言葉に、ダコスタは驚きに目を見開く。まさか、この状況で白兵戦を仕掛けられるなど想像もできなかったからだ。
もし白兵戦があるとするならば、浮上できなくなった敵艦に横付けして突入、鹵獲する時だろう。それが砲戦中に発生するとは。

「な、なんだと……!?」
「侵入者の風貌、武装などから、……”明けの砂漠”のメンバーと思われます!」
「ピートリーより打電! 同じく、武装した侵入者による攻撃を受けていると!」
「くっ……! バルトフェルド隊長が優しいと思って、つけあがって……!」

矢継ぎ早にもたらされる卑劣なレジスタンスの攻撃の報告に、ダコスタは怒りに歯軋りする。
隊長は無駄な殺生はしない。確実に必要なだけの戦果を挙げ、少ない犠牲をもって戦争を終わらせる。
ダコスタはその理想を掲げ、実行に移すことができる実力をもった彼に心酔していた。だが、”明けの砂漠”はその理想を理解せず、こうした卑劣な手段に訴えてくる。
もはや、手心をかけてやる理由は無くなった。殲滅してやらねばならない。彼らがそういうつもりならば。

「艦内陸戦要員は、白兵戦用意! 我々バルトフェルド隊の実力を、恩知らずな”明けの砂漠”の連中に思い知らせてやれ!」
「了解!」


- - - - - - - - - -


アークエンジェルに奇襲を成功させたピートリー級陸上戦艦、ヘンリーカーターは、休み無くアークエンジェルに攻撃を仕掛けている。
ヘンリーカーターの艦長は、隊長の念の入れように感心しながらも、敵を哀れに思っていた。

「敵が悲鳴を挙げて火達磨になるのも、時間の問題だな」

これほどの攻撃を浴びれば、たとえ新造艦といえどひとたまりもあるまい。
だが、容赦はしないつもりだ。ヘリオポリスからここまで味方の攻撃を潜り抜けてきた艦だ。最後まで油断はできない。
敵艦の予想航路をトレースするように艦を移動させつつ、砲撃する。敵も撃ってくるであろうが、間違いなくあちらが撃沈するのが早いはずだ。
勝利を確信していると、オペレーターが低い声を挙げた。

「敵MS、地上より接近! 数1!」
「たった一機だと? 機種は!」

そう問い返しながらも、まさか、あの白いG兵器では、と思う。
しかし、あの白いG兵器は隊長が引き受けるというのが今回の作戦のはずだ。

「機種特定。……G兵器の量産モデルと思われます!」

それを聞いて、艦長は浮かせた腰を再び下ろした。あの白いG兵器だとしたら後退も考えねばならなかった。
艦長は帽子の位置を整える仕草でひそかに冷や汗を拭いながら、余裕の笑みを浮かべる。

「ふん。あの白いG兵器ならともかく、その量産機など物の数ではない。
艦上のザウートに任せておけ。本艦は引き続き敵艦を攻撃する。各砲座、砲撃を続けろ!」
「ハッ!」
「そろそろあのただ飯食らいにも働いてもらうとするか……残しているMSを発進させろ!」

格納庫に置いていた、あの埃を被るだけの機体を思い出して、オペレーターに指示する。
オペレーターはその指示に振り向いて、あいつをですか、と指示に疑問を返した。
気持ちはわかる。降りてきて早々、隊長に意見を出したり好き勝手に動かれたりしたのだ。あいつに手柄を渡したくないのだ。

「そうだ。余所者だろうとなんだろうと、この状況で構っていられるものか。いいから出撃命令を出せ!」
「りょ、了解!」


「……?」

ピートリー級――ヘンリーカーターは主砲をこちらに向けたものの、すぐ照準をアークエンジェルに変えて、砲撃を始めた。
こっちに撃ってくれれば――かなり怖いが――アークエンジェルへの攻撃を逸らすことができたのに。もっとひきつけるように動かないとだめだろうか?
対艦攻撃のチャンスだと思うが、まだ艦上のザウートが居る。こちらはピートリー級より射程が短いから、真正面から向かうには御しやすい相手だ。

「ふぅ。もっと近づかないと……」

ヘルメットのバイザーをあげて、冷や汗を拭う。
建前としてはアークエンジェルの砲撃を逸らすために、自分が囮になるべきなんだけど、やはり狙われれば怖い。撃たれなければホッとするのが本当のところだ。
キラがこなした神業的な砲弾の狙撃は、もちろんキラの能力もあるが、あれは長距離砲撃だったがために砲弾の速度が弱まったおかげもある。
こんな至近距離で撃たれれば、砲弾の狙撃はおろか、回避も難しくなってくる。再びこちらに照準が向く前に、決着を着けないといけない!

「今度はこっちの番だ!」

一気にスロットルを開け、操縦桿を軽く前に倒してペダルを踏み込む。
ストライクダガーは大きくジャンプして、バーニアから大きく火を噴く。一気にヘンリーカーターとの相対距離が縮まった。

「跳び上がるとは、莫迦な奴だ! 叩き落してくれる!」

ザウートのパイロットは、迂闊に跳躍したリナを嘲笑い、狙いを定める。
陸戦用MSというのは空中では方向転換が困難で、自由落下中は更にそれが難しくなるものだ。それは先ほどのジン・オーカーが証明している。
リナの照準には、今まさに砲門をこちらに向けているザウートが見えていた。艦上のザウートがビームライフルの射程にまで近づく。

ボウッ、ボウッ! ザウートが砲弾を撃ち上げる! 

来ると思った。リナはぺろりと唇を舐めて、操縦艦を目一杯引き倒し、スラスターのジョイスティックを操作。
ストライクダガーは胸の真ん中に命中するはずだった砲弾を、足に残されていた宇宙用のスラスターを吹かして、のけぞるようにして縦回転!
ヒュゥンッ
コクピットにも伝わるほどの至近を掠めた砲弾。その砲弾は青空に向かって消えていくに終わる。

「なにぃ!?」

必中の念をこめて撃った砲弾を外されて、ザウートのパイロットは驚く。
ストライクダガーが、純粋な陸戦用のMSと勘違いしていたことが、ザウートのパイロットの迂闊だった。
ジン・オーカーと違って、ストライクダガーには宇宙用のスラスターが残されており、空中でも多少の方向転換が可能なのだ。
慌てて両腕の副砲を放つ! だがザウートに装備されている副砲など、精密射撃には向かないもの。一機分ほど左右の脇をすりぬけていく。
リナは避けることもせず、ぐるぐると縦に回るコクピットの中で、ビームライフルのターゲットシーカーを見つめていた。
まず空が見えて、太陽が見え、青と黄色のツートンの地平線が見え、砂面が見える。くるくると回る視界。

一瞬だけ。

ヘンリーカーターが見え、その艦上のザウートが見えた。ターゲットシーカーが重なる。
そのほんの刹那に、引き金を引く!
放たれた一閃のビームは、真っ直ぐザウートのジェネレーターを撃ち抜き、爆散させる!

足の裏のスラスターを吹かして縦回転を制御し、がしゃんっ! ヘンリーカーターの甲板に乱暴に降り立つ。
甲板が1mほどへこみ、艦内の一つや二つの通路が潰れてなくなっただろう。
反対側にいたザウートが、慌てて上半身を回して照準をこちらに向けようとするが、回頭速度が遅い。
素早く振り向き、ビームライフルを胸の真ん中と、コクピットに撃ちこむ。それで、まるで影縫いにかけられたように動かなくなった。

「ヒッ!」

ヘンリーカーターのブリッジで、誰かが悲鳴を挙げた。すぐ目の前に、艦上の護衛兼砲台のMSを全滅させた敵がいる。
艦上に攻撃する術を持たないピートリー級。地球軍のMSが振り向いてメインセンサーを妖しく輝かせる。
ブリッジの何人かが、席を立って逃げ出した。が、もう遅い。ビームサーベルを抜き、

「はあっ!」

ブリッジを、MSの装甲をも融解させる光の刀身で、上半身を捻りながら横一文字に振り抜く!
びぢぢっ、と、融解した金属が泡立つ音を立てながら、ブリッジに居た人間を全員、分子レベルで分解。
ブリッジだった場所は赤く煮えたぎった金属で満たされ、そこはまるで地獄のようだった。

ビームサーベルを振り抜くと、興奮で息が荒くなる。このブリッジに何人人間が居ただろう?
ガラス越しに、逃げ出す者、恐怖に表情を引きつらせる者も見えた。それらを全部、自分がビームで焼き殺した。
死体すら残らない。人としては異様な死に方。生身の人間を、初めて殺した。

「……っ! はぁ、はぁ、はぁ……っ」

興奮で呼吸が荒くなる。冷や汗が出る。人が死ぬ間際は、あんな顔をするのか。
吐き気がする。頭の中が熱くなる。あの顔が網膜に焼き付いて離れない。

「っく、ぅぷ……。……っ?」

あの顔をまた思い出してしまったところに、ロックオン警報。後方から? 爆発とは違う微振動を、ヘンリーカーターが発する。
格納庫のハッチから、バーニアを吹かして飛び出してきたのは……青いシグー!?

「このタイミングで地球軍にMSが出てくるとはな!」
「お前は!」

青いシグーのパイロットが吼える。リナも吐き気を噛み殺し、吼え返す。ビームライフルを向ける。
が、そのビームライフルをシグーに蹴り上げられ、破壊音を立ててビームライフルが半壊。FCSが射撃不能を報告してくる。

「ちょっと早めのお楽しみができたってことでいいか!」
「ぬかせ!」

せせら笑うシグーのパイロットに、リナが歯の間から声を挙げる。頭に血が上り、熱くなる。こいつの声、癇に障る!
シールドに仕込まれたガトリングガンが向けられ、その砲身を拳で殴りつけてどかした。壊すことはできなかったようだ。
今度は重斬刀を抜いた! 真一文字に横に振るってくるそれをシールドで受け止める!表面が重斬刀で削られ、キリキリと金属を力で刻む嫌な音を立てる。

これで二機とも両腕が使えなくなった形だ。まるで二機が取っ組み合いをしているかのように見える。
リナは目の前のシグーを睨みつける。そのシグーのモノアイが輝き、それがまるで笑っているようだった。
その青いシグーのパイロット、マカリは、そのストライクダガーの早い動きに、ぺろりと唇を舐める。

「ちょっとは動きがこなれてきたみたいだが、まだまだ下手くそだな、リナ・シエル!」
「!?」

ボクの名前を呼んだ!? なんで名前を知っているんだ!?
というか、下手くそだと。これでも最初に比べればかなり良くなってるはずなのだけど。
構わずマカリは、押し返すためにペダルを踏み込みながら叫ぶ。

「フィフスから聞いた――というのは、お前がいることだ! そうか……お前、自分の仕事を忘れたみたいだな!」
「仕事!? お前達を倒すことだろ! 忘れるもんか! ていうか、ボクの何を知っていて、下手だのこなれただの言うんだ。きもいな!」

こいつストーカー? MSで迫ってくるとか新しいな! 物騒すぎる!
だいたい仕事ってなんだ。ストーカーっていう割りには、妙な切り口で入ってくる。ここは普通、昔会ったことあるよね的なところじゃないのか?
ぐぐっ! なんとかスロットルを押してランドセルのノズルが炎を吐いても、拮抗することはあっても押し切ることができない。
ばかな。相手は外見はどう見たって、どノーマルのシグーだ。スペック上はストライクダガーの方が上のはず。なのに、なんで拮抗してるんだ!?

リナの内心の焦りを嘲笑うかのように、笑み声で高らかにマカリは叫ぶ。

「そりゃあ知ってる! 誰よりも知ってるさ! なんせお前は、俺の――」
『リナ! 下がっていろ!』

マカリの声を、別の通信が割り込む。この声は、カガリなのか……?
そっちに振り向くと、スカイグラスパーがすごい勢いで飛翔してくるのが見えた。
ただのスカイグラスパーじゃない。ソードストライカーパックを背負ってる。対艦刀”シュベルトゲベール”を下方に向けて、ビーム刃を展開した。

『どけどけー!』
「……横槍が入ったか。リナ、退け!」

マカリはやたら威勢よく突っ込んでくるカガリに舌打ちして、リナに命令口調で怒鳴った。

びくっ、と体が震える。

反射的にマカリの言葉に従ってしまい、ストライクダガーを飛びのかせた。
武器から手を離されたマカリはシグーを後ろに飛びのかせ、カガリのスカイグラスパーが閃かせたシュベルトゲベールをひらりとかわす。
スカイグラスパーはバーニアから盛大に火を吹きながら、最大速度で通り抜けていく。衝撃波で機体がビリビリと振動して、後ろによろめく。
確かに極低高度を飛ぶ場合は最大速度で飛行するのが正解なんだけど、自分への被害を考えて欲しかった気がする。

「あっ……」

って、なんで離してるんだ!? 離したらあのガトリングガンで蜂の巣にされる!
ビームライフルはさっきシグーに蹴られて無くなったから、後ろ腰のラッチに取り付けられたバズーカを手に取る。
近い。これなら目をつぶっても当たる。FCSがロックオンをするのを待たず、見切り射撃。軽い衝撃と共に弾頭が発射される。
それを――青いシグーは、まるで居合いのような姿勢で待ち構え、バズーカ発射と同時に、一閃。

――キンッ!!

「なっ!?」

リナは目をむいた。
一瞬何が起こったかわからなかったが、バズーカの弾頭が曳いた白い煙が、シグーの手前で二つに分かれて、後方で二つの小さな爆発があがった。
まさか、バズーカの弾頭を切り払ったのか。こんな近距離で。いや、遠距離でも切り払うなんて至難の業だ。
驚いている間に、シグーは再び間合いを詰めてくる! ガトリングガンを撃ってくると思ったリナは不意を突かれて、バズーカを切り落とされた!

「うあっ!」

バズーカが輪切りにされ、FCSに赤い表示が点灯する。
慌ててバズーカを捨てて、ビームサーベルを抜こうとしたら、返す刀で手首を切り落とされた!
そのままボディを真っ直ぐ蹴られ、ヘンリーカーターの第二艦橋あたりに倒れこむ!
第二艦橋も潰れ、艦全体に衝撃が走り、リナ自身も衝撃で目の前を火花が散った。

「あぐっ!? げほっ、ごほっ!」

素早いのは素早いけど、巧い! 歯が立たない……!
まだリナの感覚がMSの操縦にアジャストしきれてないのもあるのだろうが、それを差し引いてもエース級といえる。
マカリのシグーは重斬刀の先をリナのコクピットに向けて、カリカリと切っ先で装甲を薄く斬って行く……。

「まだ俺を相手にするには早いみたいだな、リナ。まあ、お前は一番『遅かった』からしょうがないか」
「だから……何を言ってるのか、わから、ない……」

背中を強く打ったせいで、うまく呼吸ができない。掠れた声でうめく。
まだ、このシグーに一矢も報いることができていない。なのに、このまま負ける?
眼前には、シグーの切っ先。これがもし一押しされたら、コクピットごと自分を貫くだろう。
だがシグーはそうはせず、重斬刀を収める。

「……この艦はもうダメだな。リナ、いつまでも寝ていたら置いていかれるんじゃないか? 急いだほうがいいぞ。
俺達はカーペンタリアに戻る。今度会うことがあったら、もっと腕を上げておけ。ではな」
「ま、て……」
『逃がさないぞ!』

旋回してきたカガリがシグーにビームキャノンを乱射するが、少し飛び退いただけで回避される。
その回避したせいで、更にヘンリーカーターに大穴が開き、いよいよ艦から火柱が昇る。
沈む……ということはしないが、艦内に警報が鳴り響き、砲撃が止んで艦としての機能を失う。

そのまま無言で、青いシグーはカガリの攻撃を受け流しながら、バーニアジャンプでレセップスへと消えていってしまう。
蜃気楼で歪むシグーの背中を睨みながら、リナはなんとかストライクダガーを起こした。
じっとしていると、このヘンリーカーターの乗員に攻撃されそうな気がするが、接触回線で傍受する限りでは総員退艦で一致しているようだった。

レーダーを見ると、アークエンジェルがかなり遠いところに居るのがわかった。
今からジャンプを繰り返して、ぎりぎり追いつけるかどうか……というところだ

「っく……カガリ、カガリ! 深追いはやめて、アークエンジェルに合流しよう」
『くそっ!』

カガリも、シグーを追いかけるのが無駄だと分かると、毒づきながらも聞き入れてくれた。
そのまま機首をアークエンジェルに巡らせて、バーニアから噴射炎を曳きながらアークエンジェルへと飛んでいくカガリのスカイグラスパー。
それを見送り、自身もバーニアジャンプをしながら、機体のコンディションチェックをしていく。
ビームライフルとバズーカ、おまけにビームライフルを片っぽ無くして、手首も切り落とされた。
こりゃ、マードック曹長から大目玉だなぁ。帰るの億劫になってきた。

「……キラと、ムウはどうしたんだろ……平気かな」

そういえば、目の前のことに夢中ですっかり忘れてた。
こっちは結果的に攻撃は成功したけれど、キラとムウが無事じゃないなら元も子もない。
アークエンジェルに向かってバーニアジャンプしながら、リナは、まだ爆炎と煙がたちのぼる砂漠の地平を、じっと眺めていた。


- - - - - - - - - -


「くそっ! しつっこいぜ、お前!」

ムウは、止まらない冷や汗を拭う暇もなく、しきりに操縦桿やフットレバーを操作していた。
砂中から飛び出したジン・オーカーと、まるでバーリトゥードの格闘技をやっているような荒々しい近接戦闘を繰り広げている。
ビームサーベルはとことん回避され、重斬刀をすんでのところで回避。あるいはシールドを削ってくる。
ムウの鍛え上げられた肉体でも、さすがに悲鳴を挙げる。集中力も切れ掛かっている。

ストライクダガーとジン・オーカーは、互いに剣を抜いて対峙していた。
ビームライフルでは近すぎるのだ。抜いている間に重斬刀で切り伏せられるだろう。
こんな強敵に出会ったのは、クルーゼ以来だ。これほどの敵が、バルトフェルド隊に居たとは。

「……ふーん……さすがだね、ムウ・ラ・フラガ。君、戦いながら、上手くなって、いってない?」
「何っ!?」

突然の通信。それに小さく驚く。どこからだ!?

「エンデュミオンの鷹って通り名がついてるんだってね? 立派じゃない。ボクも欲しいなあ、そういうの。憧れちゃうよ」
「お前に背負えるほど、軽い名前でもねぇんだよ!」

このNジャマーの海の中、通信を飛ばせるのは……目の前の機体しかない。
しかしこの声は。あのリナ・シエルじゃないのか? 何故ジン・オーカーに――いや、違う。前に報告があった。

「お前、例のシエル大尉もどきだな!」

そうだ。艦に乗り込み、船務科の数名、そしてリナをのして艦から脱出したザフト兵だ。確か、名前はフィフス・ライナーという名前だった。
見た目も声もそっくりだという話だ。かなりできる、と聞いたが、まさか実際に目の前に現れるとは。

「……もどき……?」

呆気にとられたようなリナ――いや、フィフスの声。僅かな沈黙。

「……くふっ」
「?」

何かをこらえるような息遣い。まるで痙攣したような息。なんだ、とムウが言おうとして――

「はははははは!!! あはははは!!! ボクがもどきかい! ふふふふ!
そうだよねぇ、君が最初に会ったのはリナちゃんだもんねぇ! ボクがもどきになるよねぇ!」
「……!? どういうこった、それは!」

狂ったように笑うフィフスに怖気が走り、それを振り払うように叫ぶ。もどき扱いが可笑しいのか?

「どういうことも何も……ふふ」

フィフスが何かを言おうとしたが、突然何かに気付いたようにモノアイをぐり、と左右に動かす。
それはムウには格好の隙だったが、フィフスの返答が気になってしまい、ついその隙を逃してしまう。
ジン・オーカーが、こちらに向いたまま、バーニアを吹かして後ろに向かって跳躍した。

「……ボクはこれで失礼するよ。こっちも色々大変なことが起こってるみたいだし」
「逃がすかよ!」

ムウは叫びながらビームライフルを引き抜き、小さくなっていくジン・オーカーに向けてビームを発射する!
しかし、ジン・オーカーはバーニアを吹かして避ける。まるでビームの風圧に煽られているようだ。

「君がボクの相手をするのは、まだ早いよ。MSの操縦に慣れてないみたいだしね……。
それに勘違いしないで欲しいな。ボクが逃げるんじゃない。見逃してあげるんだよ?」
「ぬかしやがれ!」

ムウはその言葉に熱くなり、更にビームライフルを連射させるが、当たらない。
射撃戦というものは冷静になり、集中力を研ぎ澄ませて引き金を引かなければ、当たらないものだ。
それを忘れたムウが撃つビームが当たる道理は無く、フィフスが乗るジン・オーカーを見送る花火を上げるだけにとどまってしまう。

「またね、エンデュミオンの鷹。……ふふふ」

その微笑が、Nジャマー干渉でノイズに変わる頃には、既にジン・オーカーの姿は蜃気楼の奥に消えていた……。

「くそぉー!!」

バッテリーがあがったビームライフルのトリガーを引いて、ムウは、コンソールに拳をたたきつける。
ムウの怒りの叫びを聞く者はそこには無く、いつしか砂漠は、風の音だけが響いていた。


- - - - - - - - - -


「くそっ! 速い!」

キラはビームライフルを連射しながら、ラゴゥのスピードに毒づいた。
滑るように動くのはバクゥと同じだが、ラゴゥはバクゥに比べて性能が高く、なおかつ乗っているのが熟練のバルトフェルドだ。
ビームライフルで捉えるが、今、というところで岩陰に隠れてしまい、照準を定めることができない。

「甘いなぁ、当たらんよ!」
「くっ!?」

そのくせ、射撃能力が抜群である。こちらが動いている時を狙わず、着地した瞬間などを狙って撃ってくる。
シールドを構えて、そのビームキャノンを受け止める。凄まじい衝撃。だがシールドはまだもつはずだ。

「このっ……」

撃ってきた方向をシールド越しに把握し、抜き撃ちのようにビームライフルを構える。
ビームキャノンを一連射した後なら、相手にも隙ができているはずだ。そう思い、正確に狙いをつけるが、

「甘いと言った!」

まだ撃ってくる!?
ビームキャノンの閃光が雨あられと注ぎ込んできて、咄嗟にスロットルを開けて飛翔。ビームをやり過ごした。
キラに焦りが浮かぶ。機動と射撃が両立した猛攻。相手は一機のはずなのに、何故か二機を相手にしているような気分だ。
だが、キラとて伊達に様々な強敵と戦い抜いてきたわけではない。ラゴゥの斉射をかわしながらも反撃。ラゴゥの右前足を撃ち抜いた。

「やる……だがっ!」

バルトフェルドはそれに怯まず、狙撃のために一瞬動きを止めたストライクにビームキャノンを連射。
ラゴゥの右前足を撃ち抜いたビームライフルをビームが捉え、エネルギーCAPに誘爆。
ストライクの目の前がビームライフルの爆炎で閉ざされる。そこを狙って、ビームサーベルを展開したラゴゥが突撃!

「もらった!」
「うおぉ!!」

それに対し、キラもよく反応した。
ビームサーベルを抜き放ち、ラゴゥとストライク、両方のビームサーベルがぶつかり合い、”鍔迫り合い”が起こる!
ビームサーベル同士の干渉が起こり、破壊的なビーム片を撒き散らしながら対立する二機。
ストライクにもビーム片が降り注ぎ、フェイズシフト装甲で辛うじて弾くものの、ラゴゥはそうはいかない。
元々ラゴゥのビームサーベルはメインセンサーに近いのだ。そのモノアイにビーム片が飛び込んだのか、センサー類に障害が起こり始める。

「ちぃっ……!」
「アンディ、このままではまずいわっ」

バルトフェルドが舌打ちし、アイシャが危機を示唆する。撤退の必要が出てきたか。バルトフェルドは一瞬迷うが、

(部下のためにも、ここは引けんな……!)

守るべき部下達の顔を思い浮かべ、継戦を決意して操縦桿を握り締める。
キラはコクピットに走る閃光に目を細めながら、バルトフェルドの顔を思い出していた。
今までは攻撃してきたから必死に反撃していたけれど、面と向かって話し、互いの意思を知ってしまった今、この人と争いたくない、と思い始めてしまう。
バルトフェルドも同じだろうが、バルトフェルドはその部分を割り切っている。だが、キラは違った。

「もう戦いたくない! バルトフェルドさん、僕達を行かせて下さい!」
「今更だな、少年! 君と僕は敵同士だ。僕が君を見逃す理由など無いよ!」
「”僕”はバルトフェルドさんの敵じゃないですよ!」
「ならば地球軍から抜けたまえ! それが出来ない限りは、何を言っても虚しいぞ!」
「くっ……!」

ストライクの出力を上げて、力で押し切る。ラゴゥの体が震えながら押し戻され、しかしストライク自体も反発力で後ろに押される。
砂煙を上げ、着地する両者。ビームキャノンがこっちを向いている。

((くっ……))

キラとバルトフェルド。どちらも公平に危険な状態に陥り、冷や汗を浮かべる。
キラのストライクはフェイズシフトの長時間使用、そしてビーム兵器の多用により、パワーが底を突きかけている。
バルトフェルドのラゴゥもビームキャノンの多用でパワーが心許ない状態で、且つメインセンサーへのビーム片によるダメージで、センサーが既に半分死んでいる。

「ならば、再び問おう。少年。……どうやったら、この戦争は終わる。どうやったら、僕達は戦わずに済むようになるのかね」
「!?」

バルトフェルドの音声通信に、キラは息を呑む。

「それほど戦いたくないと言うのなら、今度こそ納得のいく答えが欲しいものだな?
ま、答えられたとしても、大人しく見逃すつもりは無いがね。だが是非とも聞きたくなった」
「ぼ、僕は……」

脳裏によみがえる。バルトフェルドとドネル・ケバブを食べた時。一緒にコーヒーを飲んだ時。
そしてあの問いを。
リナは答えた。皆に仕事があればいい。この戦争が別のものになれば、大きな殺し合いは終わると。
でも、それでは本当の意味で戦争は無くならない。

「答えられまい。君の理論は、所詮地球軍の立場に立ったものだ。それでは君と僕は永遠に平行線だよ。
だが、君がその機体を持ってザフトに来るならば、あの艦は見逃してやる。どうだ、それで君の希望はかなえられるぞ」
「……!」

だけど、それは……!
皆を裏切ることになる! トールを、サイを、ミリアリアを、カズィを、艦の皆を……リナを!
その沈黙と葛藤に拒絶の意志を感じたバルトフェルドは、目を細める。
そうだ、君は地球軍の軍人だ。そして、あの艦の一員だ。あの少女達も裏切ることは……優しい君にはできんだろう。
ふとバルトフェルドは、諦観に似た優しい感情を抱いて……操縦桿を握り締める。

「できないなら、戦うしかあるまい! 少年!」
「僕はぁぁ!!」

二人の絶叫。閃く刃。吹き上がるバーニアの炎。
二機が、交差する――


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