??年??月??日 ????「第三尾翼に被弾!」「敵艦隊、後方10000宇宙キロにまで接近!」「応急班からの応答がありません!」「弾火薬庫、火災が止まりません!温度が下がりません!」絶え間なく上がってくる悲惨な情報に、彼女は耳を塞ぎたくなった。報告してくる部下たちも今にも泣きそうな―――いや、血走った目と赤く腫らした頬を見れば、彼らが一度零れた涙を拭いて強がっていることは明白だ。逃げても逃げても執念深くこちらの居場所を探し出して攻撃を仕掛けてくる追手に、辟易を通り越して絶望感が心を蝕んでいるのだ。「どこまでもしつこい……そんなにこんなボロ船が憎いというの……!」窓の外は被弾個所から噴き上がる黒煙で覆い尽くされ、艦を見下ろすことすらかなわない。艦橋構造物に歪みが発生しているのだろう、どこからともなく空気が漏れる音が聞こえてくる。放っておいてもいずれ漂没することは確実な状態であろうことは敵も分かっているだろうに、それでも執拗に濡葉色の砲火を浴びせかけてくる。「司令、すでに乗員の4割が死亡、或いは行方不明になっています。艦もこれ以上はもちません。もはや、本艦に為す術はなく……どうか、貴女だけでもお逃げください。」戦闘艦橋の中央に立つ青年が、淡々と告げる。艦長としての威厳を最後まで保とうとしているのか声はいつもの調子だが、額に深く刻まれた皺が彼の内心を如実に表している。それを理解したうえで、彼女は厳しい言葉を返した。「逃げるってどこへ?救難艇に乗って脱出したところで、敵に拿捕されるか撃沈されるのがオチだわ。貴方は私に、死よりも辛い目に遭ってでも生き延びろというの?」「いえ……ですが、このまま貴女を死なせることだけはできません。」「そう思うのは貴方の勝手。でも、私は貴方達を残してこの船を手放すつもりは無いわ。それとも、私が脱出したらあいつらに降伏でもするつもり?」まさか、と艦長は首を振って否定する。彼には、とても感謝している。行き先も分からない、生きて帰れる保証が全くない、片道切符の旅路に艦長として付き合ってくれるばかりか、こうして名ばかりの司令である私の身を案じてくれる。こんな希望の見えない航海にも乗員たちの反乱が起きなかったのは、若干二十歳ながら指揮官としての才力に長けた彼のお陰と言っても過言ではないのだ。でも、だからこそ、私は彼を見捨てて自分だけ逃げることなどできない。「それに、全く手段がないわけじゃないわ。ひとつだけ、もしかしたらほんの少しの間だけかもしれないけど、確実に追手を撒く方法がある。」若い金髪の青年はすぐにその意味するところに思い至ったらしく、眉間の皺を更に深めて難色を示す。「追手を撒く……まさか、連続無差別ワープですか?これだけ損傷の激しい状態で無理してワープインしても、無事にワープアウトできる保証はありません。最悪、次元の狭間に入ったきり閉じ込められて、永遠に彷徨うことになりかねません。」「ええ、そうね。でも、成功すれば高確率で敵はこちらを見失う。もちろん、私達も本来の目的地とはかけ離れた場所に行ってしまうけど、追手さえ振り切れば改めて目的地へ向かうことはできるはずよ。」「それがどれだけの博打か……聡明であらせられる殿下なら既にご承知のことかと思います。それでも、決断なさるのですか?」「博打と言うなら、この航海自体がそもそも大博打よ?今さらだわ。」失敗すれば次元の狭間で時の迷子、あるいは航行不能で宇宙の迷子。だが行わなければ、このまま宇宙の藻屑となる。進退が既に極まっているならば、死中に活を求めるしかないではないか。その若さに似合わぬ鋭い双眸が、私を値踏みするかのように見つめる。それが数分だったのかそれともほんの数秒だったか、やがて艦長はゆっくりと肩膝を付いて頭を垂れる。気付けば、戦闘艦橋の誰もが手を止めて艦長に倣って臣下の礼を執っていた。「……ならば、もはや何も申しますまい。我ら一蓮托生、どこまでもお供致します。」「艦長、皆……ありがとう。」胸に手をあてて、臣下の気持ちを感謝の言葉とともに受け止める。彼らはこの期においても、こんな私を王女として戴き続けてくれている。ならば私も最後まで、彼らの上に君臨する一族の一人で在り続けよう。私は眦を決して大戦闘艦橋にいる全員を見渡し、音声で下令した。「現状を打破するには危険を承知で、それでも飛び込まなければ約束の地に辿り着くことはできないしか方法がない。我が忠良なる兵どもよ、貴方達の命、私に預けて欲しい。メインエンジン停止!ワープ準備にかかれ!」◇2206年4月1日19時20分 アジア洲日本国 国立宇宙技術研究所無限に広がる大宇宙。果ての見えない宇宙の片隅で、とある戦艦が2度目の沈没を迎えたのが三年前。一人の男が一命を投げ打って救った地球は、久方ぶりの繁栄期を迎えていた。母なる星は15年前の姿を取り戻し、もはや赤褐色の死相はどこにもない。太陽は恵みの光をもたらし、白雲は恵みの雨をもたらす。空と海は青く澄み渡り、陸には緑が生い茂る。動物たちは取り戻した本能のままに駆け回り、飛び回り、泳ぎ回る。人々は放射線に怯えることなく、暴走する太陽や上古以来の水の惑星に恐れを抱くこともなく、異星人の侵略に晒されることもなく、ただその希望の赴くままに生を謳歌した。それは、なにもかもが懐かしい世界。たとえそれが人工的に復元したもので、所詮はかつての地球を懐かしむ人間のノスタルジックな感情が成したものであったとしても、か弱い地球人類にはそれが必要だったのだ。そして、懐古主義は往々にして人の心を目先の繁栄に向けさせ、その繁栄を守らんとする盾の存在を忘れさせてしまう。ガミラス戦役からのガトランティス戦役までの2年間ですらそうなのだから、3年も経った今ならなおのこと。ゆえに、ヤマトの名は人々の記憶から歴史の彼方へと消え去りつつあった。◇地球防衛軍名古屋基地内にある、国立宇宙技術研究所。その地下3階にある資料室で、一人の青年が在りし日の戦艦の雄姿を映像で振り返っていた。彼の視線の先には1台のノートパソコン。そこには、地球存亡の危機を幾度も救った不朽の名艦、宇宙戦艦ヤマトが映し出されている。2201年、白色彗星帝国の機動艦隊に対してヤマトが宇宙空母を率いて空襲を仕掛けた際に、止めの砲雷撃戦に挑んでいる映像だ。映像は、ヤマトの右舷後方に陣取る空母の戦闘艦橋から撮っていたようだ。ディスプレイに映っているヤマトはその背後に2隻の空母を従え、その艦載機とともに敵の艦隊へと砲撃をかけている。ヤマトの前部に搭載された6門の主砲から、まばゆい閃光が放たれる。衝撃波エネルギーが螺旋を描いて絡み合い、光る矢となって護衛する敵高速駆逐艦の艦首下部を直撃。白い爆発光が敵艦を包み込んだ。ヤマトに随伴する宇宙空母も負けてはいない。地球防衛軍の空母は主力戦艦の後部を改装した形をしており、前部には三連装2基の主砲塔が搭載されている。射界は前方に限られているが、砲撃に参加することは可能だ。六条の青い筋が現れては次々と彼我の空母を繋ぎ、敗走する敵空母を撃沈破していく。こちらの空襲を生き延びた敵の直掩機が、せめて一矢報いんとばかりに追撃を振り切って迫ってくる。ヤマトの左舷上空から接近してくる敵戦闘機群。後にイーターⅡと呼称されるようになるその機体は、黄緑と白に塗り分けられている。すかさずヤマトの煙突から矢継ぎ早に3発のミサイルが撃ち出され、ミサイルと正面衝突した機体は爆発四散した。続いて一番副砲がその大きさに似合わぬ速さで旋回して一斉射。衝撃砲が直撃した機体は蒸散し、その左右の2機は至近を青い閃光が走っただけで全身から炎を吐きだしてよろめく。彼は手元に開いた当時の戦闘詳報をめくり、頻繁に映像と誌面を交互に見比べる。今度は右舷正横から3機が決死の突撃を仕掛ける。体当たりして果てる気なのか、フルスピードでまっしぐらに突っ込んでくる。ミサイルは間に合わないと判断したのか、右舷のパルスレーザー砲群が一斉に敵機に振り向き、青い火線で弾幕を張る。片舷55門による光のカーテンに飛び込んだ敵機は、瞬時に機体を穴だらけにされて黒煙を引きながら針路を外れ、ヤマトの艦尾を通り過ぎた所で爆発した。ヤマトの艦載機隊は雷撃隊に同行して逃走する空母を追撃している。画面の中では味方空母の直掩機が頻りに周囲を飛び回っているが、いずれも母艦へ寄りつかないよう追い払うのが精いっぱいで、ヤマトの支援までは手が回っていないようだ。それでも、空母機動部隊を統べる鋼鉄の巨艦は、その城郭のような古風な外観とは裏腹に――それとも、熟練した古参兵ゆえというべきか――矢面に立って攻撃を吸収し、空母を襲う敵機を一蹴していた。「やっぱり……。」青年はぽつりと呟き、今度は資料室に備え付けのパネル画面に視線を移し、リモコンで映像を再生した。冒頭のタイトルは「2201年・第一次第十一番惑星会戦」。白色彗星帝国が第三外周艦隊に空爆を仕掛けた時の映像である。同じ敵からの空襲でありながら、こちらはヤマトがいたにもかかわらず地球防衛軍側に損害が発生している。近代化改装前だったヤマトは旧式のレーダーでは敵を追尾できなかったため対空攻撃を一切できず、後部カタパルトから発進した機もたった2機のデスバテーターに翻弄されていた。先ほどの映像とは異なり、2隻の艦が紅蓮の炎を噴き黒煙を身に纏っている姿が痛々しい。両方の映像をチラチラと見比べ、或いは一時停止をかける。机の上に置いておいた資料を見直し、画像と照らし合わせる。彼は常々疑問に思っていた事に確信を抱き、思考の海に深く沈みこんでいった。だからだろうか。背後の扉が開いたことにも、室内に入ってきた人物が自分の背後に立ったことも彼は気付かなかった。「篠田、もう6時を過ぎているぞ。いつまでここにいるつもりだ。」「うわっ!……はぁ、所長ですか。驚かさないで下さいよ。」呼ばれた男―――篠田恭介が振り返ると、そこには腰に両手を当てて仁王立ちする50過ぎの男性。この研究所の所長、飯沼幸次だった。「ははっ、スマンスマン。さて、もう就業時間はとっくに過ぎてる。ここはもう閉めるから、退出の準備をしろ。」「あぁ、もうそんな時間ですか。明日もここを使いますんで、ここにある資料はここに置いたままでよろしいですか?」「別にかまわんが……資料だけは自分のロッカーに入れて鍵をかけておけ。一応防衛軍資料室からの借り物だからな。」「了解、すぐに出ます。」篠田は周りを手早く片付けると、所長と一緒に研究所を出た。「……?」自動ドアをくぐる際、警備室に詰めている警備員に横目で睨まれる。どうやら、退社時間を守らない迷惑な奴だと思われているらしい。残業を「しない」のではなく「させてくれない」とは、ここも変わったものだ。「どうした篠田、なにかおかしいことでもあったか。」隣を歩く所長が、独特のしゃがれた声で聞いてきた。どうやら、知らないうちに笑みがこぼれていたらしい。「いえ所長、こうして夜が浅いうちに帰れることに、ふと感慨深くなってしまいまして。」何故だ、と所長は問いを重ねる。「ここのところ、数年おきに地球が滅亡の危機に遭っていたじゃないですか。ガミラスに白色彗星帝国に暗黒星団帝国……。」「そして太陽の異常活動とアクエリアス、か。確かにそう考えると、こうしてのんびり家路につけるっていうのは、平穏ってものを実感するな。」二人して、怒涛の数年間を回顧する。所長は短く刈りあげられた、白髪交じりの髪をかきあげる。つられて篠田も額にかかる焦げ茶色の前髪をかきあげると、暮れなずむ空が目に入った。二人が見つめた空は夜の暗さを増し、西の方に僅かにオレンジ色が残るばかりだ。それは、幼少の頃には当たり前の風景で、しかし一度は失われてしまったものだった。穏やかに沈みゆく夕焼けの向こうに平和を再確認した二人は、思わずしんみりしてしまう。「最近は大型船の依頼もありませんし、昔に比べて仕事が大分楽になりましたよ。就業時間が9時―5時なんて、私がここに来た時には到底考えられませんでしたからね。」あの頃は皆、目が血走っていた。17歳で宇宙戦士訓練学校を卒業して研究所所属になってからというもの、前触れも息つく暇もなく訪れる脅威に怯え、しかし自分が設計に携わった船がいつの日か憎きあいつらをやっつけてくれると、その一念だけで毎日徹夜に近い時間まで仕事をしたものだ。勿論、設計したってすぐ形になる訳じゃないなんてことは承知の上。でも、当時はそう思わなければやってられなかったのだ。「最近は設計依頼も輸送船やら工作船やら後方支援用のものばかり、数もピーク時の半分程度。我々設計の領分としては、一区切りついたってところなんだろう。まぁ、何にせよゆっくりできるのは悪いことじゃない。心に余裕が出来ない事には本当にいい仕事はできないからな。」「しかし、そうなったらこの研究所も、お隣さんの南部重工工廠もいずれは規模縮小ですかね?」国立宇宙技術研究所、通称宇宙技研は国、あるいは地球連邦政府の命を受けて、宇宙に関係する装備品について調査研究、考案、設計を行う。一方で、試作したり実験を行うといった作業は民間業者――宇宙技研の場合、多くを南部重工――に委託しているのだ。つまり、宇宙技研が暇になるということは、そのまま南部重工の業績悪化に繋がるというわけだ。「今のところは建艦ラッシュだから大丈夫だろうが、バブルがひと段落すればいずれそうなるだろう。南部さんとこは民間企業相手に軸足を移せばいいんだろうが……俺たちはどうだろうな。宮勤めだし技術職だからすぐに人員削減ってことはないのかもしれんが、肩たたきされる可能性は否定できないな。」所長はさも当然のことのように言う。まるで、自分はそうならないとでも言いたげだ。「そうなったらどうしましょうかね……南部重工にでも天下りしますか。引越ししなくてもいいですし。」「おいおい、俺はまだお前を手放す気は無いぞ。部下どもは皆優秀な人材ばかりだ、まだまだ地球の為に骨を折ってもらうさ。それに今、上と掛け合って大きな仕事を貰えるように交渉しているんだ。あと10年は食いっぱぐれないような、でかい仕事をな。」「そんな目的で宮仕えが上と仕事の交渉をしちゃっていいんですか?」「馬鹿、一応は上からの依頼だよ。話を大きくしたのは俺だけどな。」「どんな仕事かって……聞いちゃまずいですよね。」こちらとしても食いっぱぐれるか否かの話、どのような仕事なのか気にならないといえば嘘だ。とはいえこれでも国家の機密を預かる技術士官の身、Need to Knowの心得くらいはある。「いや、別に構わんぞ。まだ口約束の段階だしな。そうだ、俺はこれからその打ち合わせに先方のお偉いさん方と飲みに行くんだが、篠田も来い。そうすりゃお前も分かる。」「え?でも私みたいな下っ端が同席してもよろしいんですか?」「話が纏まれば研究所総出の大仕事になるんだ、喧伝する必要もないが隠す必要もない。それに、お前の性格からして喜んで参加するんじゃないか?お前が今一人でコソコソやってることとも関係があるんだぞ。」やはり、所長には自分が何をやっていたのかばれていたらしい。所長本人に頼んで資料室から映像資料を借りてきてるんだから、当然か。「はぁ、なんとなくですが話が見えてきました。それじゃあ、先方がよろしければ私もご一緒させていただきます。」所長は応、と楽しそうに答えるとおもむろに携帯電話をかけ、「先方のお偉いさん」とやらに参加人数の追加を連絡した。「ええ、ええ。あ、もう店に入ってるんスか。じゃあ、人数の追加を言っといてもらえますか。うちの部下なんですが。一人ッス。それじゃ、頼んます。」「……なんか、いやな予感がする。」「お偉いさん」にかけるにしては随分な口ぶりに、篠田は行き先に一抹の不安を感じ始めた。「よし、じゃあ行くか。場所はいつもの『リキ屋』だ。もう向こうは到着しているようだから、少し速足で行くぞ。」先方を待たせているのに速足程度でいいのか、と問いかける勇気は篠田にはなかった。◇ 同日20時01分 メトロ・ジャパン名古屋基地駅前商店街宇宙技研御用達の老舗居酒屋『リキ屋』は、基地から15分の名古屋基地駅前にある小さな飲み屋である。他の大都市と違い、ガミラス戦役後の名古屋市の復興に関しては戦役の前に原状回復するというコンセプトで行われたため、店の小ささは昔のままらしい。駅前商店街から一本入った小路の突き当りに赤提灯と暖簾がぶら下がっているさまは、ここだけ5世紀ほどタイムスリップしたのではないかと思わせる。それはまさしく、日本の居酒屋デザインの王道にして完成形であった。ガラガラと引き戸を開ける所長に続いて暖簾をくぐると、中は会社帰りのサラリーマンでごった返していた。常連に基地の職員が多い為、見たことある顔もちらほら見受けられる。二人は顔見知りの大将に挨拶すると、奥の座敷へと進んだ。「おーう、失礼するぜぃ。」所長はまたも軽いノリで、座敷の襖をスパーンと音を立てて開けた。もう、ここまで失礼だともはや何も言えない。口元を引き攣らせる以外に、篠田は反応のしようがなかった。ズカズカと上がり込む所長に続いておそるおそる座敷を覗き込む。そこには、俺より若干年上と思われる、割と細めな体格をした角刈りの男性と、口髭をたくわえた禿頭の老人が差し向かいで酒を酌み交わしていた。その二人が何者か理解した途端、篠田は中腰のまま硬直してしまった。「お久しぶりです、飯沼教官殿。」「ようやく来たか、飯沼君。」「どうもどうも、しばらくぶりです。さっきも電話しましたが、うちの部下を一人連れてきました。おう篠田、挨拶しねぇか。」襖の前で唖然としていると、既に上着を脱いでくつろいでいた所長のダミ声が飛んできた。篠田は慌てて所長の隣に座して、ショックから抜け出せない頭のまま自己紹介した。「あ、はい。国立宇宙技術研究所、宇宙艦艇装備研究部造船課技官の篠田恭介であります。」「前地球防衛軍司令長官、藤堂平九郎だ。もっとも、今は無位無官の単なるオブザーバーだがね。」「地球防衛軍科学局局長、真田志郎だ。同じ技術畑の人間だ、よろしく頼む。」地球防衛軍の元トップと地球を救った英雄の二人が、場末のしがない居酒屋で杯を交わしていたのだった。