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No.24623の一覧
[0] Fate BASTARD night (fatexBASTARD)[無謀](2011/04/05 18:56)
[1] 地獄の門からやってきた。[無謀](2010/12/30 01:39)
[2] 遭遇[無謀](2010/12/30 01:17)
[4] 異世界の魔人[無謀](2010/12/30 00:07)
[5] 復活[無謀](2011/02/16 23:43)
[6] 遭遇!![無謀](2011/01/08 01:24)
[7] 怪物対魔人[無謀](2011/02/16 23:41)
[8] ペガスス[無謀](2011/02/22 18:42)
[9] ヒキガエル[無謀](2011/03/01 15:59)
[10] 受肉??[無謀](2011/03/06 14:35)
[11] 平和な一日[無謀](2011/03/13 16:00)
[12] 夢と故郷 前編[無謀](2011/03/17 23:43)
[13] 夢と故郷 中篇[無謀](2011/03/30 18:50)
[14] 夢と故郷 後編[無謀](2011/04/05 19:03)
[15] 名前[無謀](2011/06/25 13:19)
[16] 戦闘の結果[無謀](2011/06/25 13:21)
[17] バゼット[無謀](2011/09/17 23:09)
[18] 英雄王と覇王[無謀](2011/09/21 23:41)
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[24623] 遭遇
Name: 無謀◆d7bb9f58 ID:f25f26c1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/12/30 01:17
DSは、黄泉の眠りに入るほどの魔力を失いながらも、徐々に魔力を回復させつつあった。
ここ柳洞寺が霊脈に優れた土地であって、DSがその霊脈から、失った魔力や、傷ついた魂を急速に癒していたとしても、未だDSが全快になるには程遠く、体を十分に動かす事も困難であった。

既にDSはキャスターが、人間では無いことにうすうす気づいていたが、それよりもまず、体力の回復や魔力の回復に専念することが、先決であった。
DSの体は、全身にリジェネレーション<再生>の呪文が掛けられており、魔力さえあれば、即座に体を蘇生させる事が出来たが、今のDSの状態はそうではない。
DSを聖杯に置き換えれば、話は分かり易い。DSは呪文や魔術を使うとき、この聖杯の中に入ってる
自身の無尽蔵に近い魔力を変換して、禁呪や魔術を一瞬で使用して呪文を詠唱しているのだ。
だが今は、聖杯というDSの魂の器が砕けているのだから。いくらDSが、魔力を行使しようとしても、できるわけがなかった。
普段なら、真祖や使徒にも匹敵するほどの体の再生能力が、今の状態では蝸牛<カタツムリ>ぐらいしかなく、今は何もできず。介護を受けて、ただ刻が、傷を癒してくれるのを待つのみであった。




DSからしてみれば、誰かの世話になるという事は、恥辱ですらあった。
DS自身、何者にも犯し難い孤高の存在である。他を寄せ付けず、絶対無敵の不死身の魔人として世に君臨してきたのである。
その自分が、寝たきりで介護を受けているのである。
だが、強者が正しいという、DSの概念からすれば今のDSは間違いなく弱者であり、誰かの世話にならなければ、生命の存続も危ういのである。
なので、仕方なくキャスターに体を預けて彼女の世話になっているのである。



またキャスターが、DSから供給されている魔力は、DSという魔力の器から、漏れているのを貰っているだけであり、無限に近い魔力を持っているDSからしてみれば、大海から、コップで水を掬うような行為であった。
いくらDSが、達人、魔人の領域にあったとしても、今は活動時間の殆どを傷を癒すために、半瞑想状態に費やしていた。故に起きている時間は、殆どなかった。



だから



キャスターが、DSと契約したという事については、知る筈がなかった。
キャスターが、魔力を行使すればDSならば、すぐに気づいたが、キャスターもDSの危うい状態に気付いており、魔力は現界するのみに絞っていた。

また、DSが目を開けると其処には、自分を助けたと思われる。彼の愛した女性の香りを漂わせる女が其処にいた。
彼、DSは動けない体でも、彼女だけには気を許していた。
今はもういない、その匂いが鼻孔に入るだけで落ち着くのであった。







キャスターは、かなり疲れ果てていた。
自分が助けた男は、虫の息で、しかも目覚めたと思ったらすぐに倒れる。

(・・・何をやっているのかしら、私は)

キャスターは自分のやっている事が、よく分からなかった。何故、この銀髪の男を助けて介護しているのかと
だが、彼女に残った良心と魔術師の直感が、目の前の存在を見捨てるべきではないと告げていた。
また、DSはキャスター以外の人間が食事を食べさせようとしても、絶対に口にしなかった。
意識は無いのだが、彼女以外の人間に、体を触れられるのを嫌がっているような気がした。
狼王ロボが、恋人であるブランカにしか心を許していない様に見えた。

(だとしたら貴方を瀕死にしたのは誰なのかしら・・・?)

キャスターはDSが、昼夜を問わず、覚醒するために、いつも彼の傍にいなければならなかった。
包帯を替えたり、粥を食べさせたり、何故か色々と世話を焼いていた。
一方、DSもそんな些細な事でも、今は重要だった。
傷を縫い合わせた事で、大気中に漂う病原体が、体内に入り腐敗を促進させるのも防いでいたし。
何より、彼女の献身的な介護が、回復に結びつける要因となっていた。






「貴方の怪我は、一体なんなのかしら、私の魔術でも直せないなんて、狼さん・・・」


スッと
キャスターの柔らかな冷たい絹のような手が、DSの肌に触れた。

その手に反応したかのようにDSが、唐突に目を覚ました。
そしてDSの蒼玉の瞳が、キャスターの蒼の瞳の輝きに見出されたかのように、キャスターを見つめていた。

「もう、起きてるなら、起きてるって、言って欲しいわね」

驚いたキャスターがその台詞を言った後に、彼<DS>が、喋れない事に気付いた。

「そうだったわね、貴方喋れないんだったわね」

そう、DSは肺が損傷している為に喋れないのである。DSが突然起きて、脳が少しパニックを起こし為にでた言葉であった。
だがDSの体は順調に回復し、肺も直り復元した声帯機能は、短時間程度の会話なら可能になっていた。
また、呪文の詠唱も一発、二発程度なら、何とかなっていた。
しかし、殆どの時間を昏睡してすごしていた事と、口を聞く必要もなかった事と、会話に使う体力も惜しいので、だんまりを決め込んでいた為に、話すキッカケが掴めないでいたのである。
また、キャスターと会話するのが何となく躊躇われたこともあって話すことが出来なかったのである。


しかし


「おい」


「!!」


「あら、あなた、ようやく喋れるようになったのね、いつ会話できるようになるのかと
考えて不安になったりしたけど・・・・・・ともかくよかったわ」

「それじゃ、私が世話になってる、寺の皆さんに伝えてくるわね・・・」

キャスターは、踵を返し
パタパタパタと
部屋を出て行こうとした。

「待て!」

急いで、部屋を出て行こうとしたキャスターをDSが鋭い静止で押し止めた。

「何で、俺を助けた・・・」

DSの理由は当然である。DSの知ってる人間は利己的で、猜疑心が強く打算で動き、倒れている人間がいても、無関心を決め込むのを知っていたからである。助けたとしてもそんな人間は稀であるのだ。


(ならば、何故、俺を助けたんだ・・・?今にも、消えそうな魔力量しかない女が俺を・・・)


その問いにキャスターはDSが、パスを繋いでいる事に気付いていないのではないかと考えた。


「貴方が、倒れていたからよ・・・」

「・・・違え、俺の知っている人間は普通そんな事しねえ・・・伊達や酔狂だとしてもそいつは自分に余裕があるやつだけか、権力があるかのどっちかだ、お前は、今すぐにも消えそうな存在の筈だ・・・その自分で精一杯の奴がどうして俺を助けたんだ」

DSは、一瞬だけだが、キャスターを自分の技能の一つでもある魔眼で見た。
それで彼女の生態エナジー<魔力量>が、ごく僅かしかない事に、気づいたのである。
最もその為に、DSはキャスターがサーヴァントだと気づかなかったのであるが・・・
普通、自分が生き残るのが大変な人間は、DSという大きな荷物を背負うとはしない筈である。
故にDSの脳は、キャスターが自分を助けた理由が分からないのだ。

(隠しててもしょうがない・・・か・・・)

キャスターは、DSが気付いていないなら、気付いていないで話さずにしようとした。
今だ、殆ど体を動かせないDSを負担に掛けまいとせず、言わないようにしていたのである。

「!!」

キャスターが、何かの気配を察知したようである。


「その話は後にするわ。私は少し用事があるから出て行くわ」

「待て!」

DSの静止の言葉も聞かず、キャスターは部屋を出て行った。
不意にDSは、異変を察知した。


(なんだ・・・?この寺の周囲の精霊が騒いでやがる)

「何か、やな予感がしやがるな・・・」

「!!」

「誰かが、俺の体から、魔力を消費してやがる」

DSは、ようやく気付いた。自分と契約を行使している存在に、その存在が誰であるかも、すぐに感づいた。彼の直感のような物は、うすうすキャスターと自分との関係に気づいていたが、杞憂だと思っていたのであった。
だが今は、確信に変わった。
DSの直感はキャスターの危険の警報を鳴らしていた。

「俺が行くまで、くたばるんじゃねえぞ」

立つのもやっとの体を起こして、キャスターの元に行こうとしていた。

ズリズリズリと

「この体がぁ・・・少しだけ言う事を聞きやがれ・・・」












「よー、あんたはいかにもキャスターって感じだが」


柳洞寺の階段の下で
全身を蒼で包んだ男が、キャスターに向かって問い詰めた。


「隠しても、無駄ね・・・そういう貴方はランサーかしら?」


柳洞寺の階段の上で、ランサーとマスターの二人を見下ろして、キャスターが立っていた。

「いかにもそうだが」

「構わないよな、バゼット?」

ランサーは、後ろにいるベージュの色をしたショートカットの男装の麗人に尋ねた。

「ええ、敵は、全て排除する方向でお願いします、しかし今回は偵察という事を忘れないで下さい」

「そういう事だ、あんたに恨みは無いが、運が悪かったと思って諦めてくれや」

途端にランサーが、紅い槍を出して、突進してくる、
地面を跳ねたかのような速度で、ランサーが襲い掛かってきた。
カタパルトで射失したかのような勢い、静止の状態から一気に爆発的な速度に達したかのような突進並みの人間では、コレには反応できないであろう。機先を制す初手であった。
だが、キャスターも黙って、やられはしなかった。
マスターから引き出せる、魔力を最大限使い、ランサーに仕掛けた。

「―――――――死になさい、Φλ?γα(火炎)」

たった一言。
それだけで発動する大魔術。
これこそキャスターの保有スキルである、高速神言。
どれほどの魔術であろうとキャスターは、たったの一言で詠唱を完了する。

言葉の意味通り、襲い掛かる業火。
対象を焼き尽くす為に放たれたそれは、唯の人間が受ければ骨しか残らないであろう一撃。
その一撃だけでよかった。
最初の一撃で、全力を放ち機先を制する。
これが、キャスターの考えられる最善の策であった。
最初に有利に戦いを進めておいて、交渉に持ち込むこれは彼女の賭けでもあった。

「あらもう終わりかしら、ランサーも大したことないのね」

「キャスターか・・・楽に終るかと思ったが、中々どうしてやるじゃねえか、楽しくなってきやがったぜ」

「ねえ、ランサーのマスター?」

「何でしょうか?」

「今回は様子見のつもりで、仕掛けたのなら、これでお互い止めとくわけにはいかないかしら・・・?」

「あなたも偵察で、来ただけなんでしょう。サーヴァントは七人まだ揃っていないしここで潰しあうのは愚かな事ではなくて?」

「・・・・・・」

キャスターの提案に戦いが止まり、しばしの沈黙が流れる。
実際キャスターにとっては、さっきの一撃が限界であった。これ以上魔力を放てば、マスターの生死が危うくなるからである。
それに向こうも、サーヴァントが七人揃っていないので無理はしないだろうと、踏んでの駆け引きだった。
もしキャスターが、真っ当なマスターに引き当てられていればこんなギャンブルなどせずに、この柳洞寺に陣を張り火炎や雷撃の魔術を好きなだけ撃てただろう。
だが、無いものねだりをしてもしょうがない


<サーヴァントはマスターを選べない>のである。


どんなクズだろうがゴミだろうが令呪がある限りしたがわなくてはならない、それが聖杯戦争のルールであった。

 <たら> <れば>の話をしても仕方がないのである。

今は、このギャンブルに懸けるしかなかった

負ければ 死

勝てば  生

分かり易いギャンブルではあるが、キャスターは標高数千メートルのつり橋を、渡っているかのような気分だった。
相手のマスターが、考える時間が無限にも感じられるひと時であった。

「拒否します。キャスター貴方をここで殺して、この地を拠点とすれば、我々はこの後、かなり有利になれると思います、ランサー!」

「イエス、マスターってか」

キャスターは自分に迫ってくる、ランサーを走馬灯のように見つめていた。
自分は精一杯やったのだ、そこに悔いはなかった。
現状で、考えられる最善の手はうった。唯・・・賭けに負けた。それだけだった。

(最後に、あの男の顔が・・・思い浮かぶなんて・・・フフ・・・所詮、マスターを一回でも失ったサーヴァントが長生きできるはずは無いものね・・・)

キャスターは、生を諦め、紅い魔槍に貫かれるのを覚悟した。
その瞬間だけ、最速と謳われているランサーの動きが、やけに遅く見えた。


(死ぬ前に、景色がゆっくりになるなんて、なんて残酷なのかしら・・・)


そう、生きる事に苦しんだ彼女にしてみれば、死ぬ前の時間がゆっくりになる事など残酷な事でしかなかった。
その所為か、キャスターは後ろの声に反応できた。

「伏せろ!女!」


自分が助けた、半死半生の男の声が、後ろから突然聞こえたのである。

「漆黒の闇の底に燃える地獄の業火よ
我が剣となりて敵を滅ぼせ 爆霊地獄!(ベノン)」


その言葉と共に、圧倒的な破壊酵素がランサーを襲った。


「!!」

DSが使った呪文は混沌の領域の門(ゲート)を敵の周囲に解放し、その領域から
生物を食らう邪悪な物質を呼び出す魔術であった。
コレを食らった物は、細胞が異様な速度で変質、分解して一瞬で塵に還る程の威力である。
事実ランサーの体は、所々が焼け爛れたような後があった。
だが、ランサーも最速の英霊、ギリギリのところで爆霊地獄<ベノン>を回避していた。


「今の魔術は」


英霊と呼ばれている魔術師のクラスのサーヴァントのキャスターでも見た事がない、魔術であった。コレを実行できそうなのはキャスターは、唯一人、思い当たる節があった。


「ちょっと、貴方、何で出てきたのよ!」


やはり、キャスターが助けたDSだった。
DSが、キャスターを押して後ろに下がらせ、眼前のパゼットとランサーに目をやる。
同様に、パゼットとランサーもDSを見据えた。
そして、DSの使った、魔術は封印指定の執行者でもあるパゼットでも見た事がなかった。
ランサーも同様に、目の前の黒い法衣を羽織った、銀髪の男が只者ではないと察知した。
それが、二人をうかつに近づけさせずに警戒させていた。


キャスターとDS、パゼットとランサーの四人の間に重たい沈黙が漂っていた。


「あんたが、マスターか?俺の対魔力を破るなんて中々だな」


最初に静寂を切ったのは、ランサーであった。


「さてと、どうするよパゼット?見たところ敵のマスターはフラフラのようだが・・・いいのかこのままやっても?」


事実、DSは立っているのもやっとな様子であった。


「少し待ってください、相手のマスターの出方を見ます」


「・・・・・・」


DSの体は、後、一発ぐらいの呪文の耐えれる事はできた。
問題は、その一度の呪文の詠唱であの二人を、消し去る事が出来るかという事であった。
あの二人は、生半可な術では倒せないとDSの、明確な頭脳は即座に判断した。
問題なのは、DSが精神の器に蓄えつつある魔力の回復量と、生命維持の為の消費量とが未だ際どい均衡を保っていることだった。


魔眼を使うことも、危ういこの状態でランサーとパゼットの二人を倒す。
高等な魔術の使用を行使すれば、その天秤は確実に負の側に傾き、一滴一滴を浮かすように僅かに貯めた魔力の蓄えは瞬く間に食いつぶされその傾きは止めようもなく加速度をまして、バランスを失ったDSの命は一気に、消滅への落下放射線を辿る事になりかねないのだ。


それを正確に理解しながらも、目の前のDSを助けたキャスターを見捨てるなど持ってのほかだった。
契約をしていてDSの魔力を吸っていたとしても、DSから見れば、そんな些細な事はどうでもよかった。
DSを助けて、世話を介護をしたという事実は曲げようがないのだ。


誇り高き魔人は即座に覚悟を決める。
パゼットとランサーの二人を殺し、残った魔力の全てを、キャスターに分け与える。
これで、後ろにいる自分を助けたキャスターは何とかなるだろうと考えた。


少なくとも、生死の決定権は自分にあった。
自分を助けた女を助けて死ぬのならば、異世界でのたれ死ぬのも悪くないと考えた。
凄絶な笑みを浮かべ、取り返しの付かぬ呪文喚起を始めた。

「ブー・レイ・ブー・レイ・ン・デー・ド
   血の盟約に従いアバドンの地より来たれ・・・・・・」


DSが、異世界のチャンネルを開き精霊に働きかけ、最後の詠唱を発動させようとした時


「止めてーーー!」


パゼットとランサーとDSの間に迫る影があった。
キャスターであった。
DSの使う魔術の気配を察知し、DSの詠唱する魔術の直線状に割って入ってきたのであった。


「貴方の、使う魔術がどんなものか分からないけど、それだけの大原“マナ”を行使する魔術をそんな体で使用すれば確実に死ぬわよ!」


「どけ」


「どくわけないじゃない!」


「もう一度だけいう・・・どけ!」


DSが、キャスターに向けて言った。
それが、DSにできる最終通告であった。


「俺はあいつらを殺す。最も死ぬ気はないが、黙って殺されるつもりもない」


「運が良ければ、相打ちぐらいにはできるだろうがな・・・・・・」


「!!」


その言葉にキャスターは確信した。この男は本当に死のうとしていると、敵と相打ちになったら、なったでそれで良しと思える人間なのだと、己の命を、顧みない男なのだと。
男の受けた、傷が呪いの類ではなく、戦いによって受けた傷なのだとキャスターの聡明な頭はすぐに理解した。
キャスターが、パゼットとランサーの二人に向いて、即座に提案をしようとする。

「貴方達も、分かっているとは思うけど、うちのマスターは、貴方達と相打ちを狙っているわ・・・それを理解した上でランサーとそのマスターに聞くわ、貴方達はここで相打ちになっても構わないの?」

「・・・・・・」

ランサーとバゼットが目を交わし逡巡する。


「ここは退きましょう・・・」

「パゼットいいのかよ・・・」

ランサーが残念そうに言う。

「見たところ彼はかなりの魔術師です、先程あなたが食らった魔術・・・それは英霊でもダメージを食らうものでした」

「それだけの魔術を行使できる男が、自身の命を燃焼させて魔術を行使しようとしている、恐らく英霊でも倒す事が可能なのかもしれません・・・・・・
本来、我々が此処に来たのは、偵察だけです。サーヴァントのクラスが分かっただけでも良しとすべきです」

「しょうがねえな、わかったぜ」

残念そうに、紅い魔槍を帰し、パゼットとランサーの二人は去っていった。






























うんちく   >:<


暗黒魔術/Dark Art 魔道物理と呼ばれる理論の元に成り立つ魔術で、言葉(呪文)と図形によって物理現象を引き起こす魔術。
失われたと言われるこの魔術を再構築したのは、他ならぬDSでもある。

爆霊地獄(ベノン)
Type:Dark
Spell:ザーザード・ザーザード・スクローノ・ローノスーク
   漆黒の闇の底に燃える地獄の業火よ
   我が剣となりて敵を滅ぼせ 爆霊地獄(ベノン)
混沌の領域の門(ゲート)を敵の周囲に解放し、その領域から
生物を食らう邪悪な物質を呼び出す呪文。暗黒に属するものは
一般的に生命に対する激しい憎悪に満ちており、この呪文の効果と
威力もそれを如実に顕している。
呼び出された「破壊酵素」は肉体の新陳代謝(異化)を異常加速させ、
敵の細胞を急激な速度で変質・分解し、再生が困難な程にまで
塵の如く破壊し尽くし、その後空気に触れることで壊れ消滅する。
凄まじい破壊性の呪文であるが効果範囲外には全く影響が無く、
味方を巻き込む危険性は無い。

威力 (-B~-A)
四天王のカルでも防げない威力である為に作者はこのくらいが妥当だと
考えている。


感想

一話一話が、長い気がします。
一応書いた後は、原稿を二度三度チェックしていますが、それでも
矛盾点、分からない点があったら、感想に書いて下さい。
この物語は、最初が一番難しいです。
ボロボロのDSとそれを介護するキャスターのイメージが
難しいからです。
戦闘描写やDSが暴れまわるイメージならすぐに掛けるのですが・・・
まあ、頑張って書いていこうと思ってます。
次の投稿は、多分一週間以内だと思います。
<s>では、また。<s>














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