<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.24623の一覧
[0] Fate BASTARD night (fatexBASTARD)[無謀](2011/04/05 18:56)
[1] 地獄の門からやってきた。[無謀](2010/12/30 01:39)
[2] 遭遇[無謀](2010/12/30 01:17)
[4] 異世界の魔人[無謀](2010/12/30 00:07)
[5] 復活[無謀](2011/02/16 23:43)
[6] 遭遇!![無謀](2011/01/08 01:24)
[7] 怪物対魔人[無謀](2011/02/16 23:41)
[8] ペガスス[無謀](2011/02/22 18:42)
[9] ヒキガエル[無謀](2011/03/01 15:59)
[10] 受肉??[無謀](2011/03/06 14:35)
[11] 平和な一日[無謀](2011/03/13 16:00)
[12] 夢と故郷 前編[無謀](2011/03/17 23:43)
[13] 夢と故郷 中篇[無謀](2011/03/30 18:50)
[14] 夢と故郷 後編[無謀](2011/04/05 19:03)
[15] 名前[無謀](2011/06/25 13:19)
[16] 戦闘の結果[無謀](2011/06/25 13:21)
[17] バゼット[無謀](2011/09/17 23:09)
[18] 英雄王と覇王[無謀](2011/09/21 23:41)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[24623] 受肉??
Name: 無謀◆d7bb9f58 ID:f25f26c1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/03/06 14:35
◆Fate DS night◆





メディアはD.Sの規格外の凄まじさに驚いていた。

(D.S。貴方って何処まで出鱈目なのよ)

メディアは空を飛べるといってもD.Sの様に亜音速に近い速度を出せるわけではなく、空を飛ぶといっても精々緩やかなぐらいの速度で飛べるぐらいである。
余りの遅さにD.Sは溜息を漏らして。


「おせえ・・・」


そう呟いて、空いている片方の手でメディアを抱きかかえた。


「ちょっと、D.S・・・」


「行くぜ」

両方の手に左にメディア右にライダーと抱えて
一気に自分たちの住処である柳洞寺の前に帰還する。その間ライダーはD.Sの血を吸った後に戦闘の後遺症か気を失ってしまったのである。
柳洞寺に着くとメディアは手足をジタバタさせて抱き抱えられるのが嫌な猫のように暴れていたが、D.Sにしてみれば小娘がジャレているようなものである。
いくら暴れても無駄と悟ったのか、メディアは口を開いた。


「・・・早く、降ろしなさい」


「何だよ我がままな野郎だな。折角俺様が抱き抱えてやってるのに・・・」


「いいから!!早く降ろして頂戴!!」


怒声を発してメディアが余りにも暴れるので、D.Sが不機嫌そうな顔をしてメディアを降ろす。


「ようやく、自由になれたわ」


それだけならば問題ないのだが、D.Sがその後にライダーをお姫様抱っこした事に問題があった。
長身のD.Sがライダーを抱きかかえる。その姿は驚くほど絵になっており満月の月明かりがD.Sの漆黒の法衣と銀髪を照らして
そこに妖美な美しさを持つライダーが重なり一枚の肖像画の様であった。
メディアはそんな自分のマスターの姿を誇りに思うと同時に抱きかかえられているライダーに少し嫉妬した。
その様子を見ていて思うところがあったのかD.Sは声を掛けた。


「・・・何だよ、まだ何か文句があるのかよ」


「・・・何でもないわよ・・・」


その感情の意味(嫉妬)にはD.Sはすぐさま気付いていたが、今はそれどころではないと考えて急ぎ境内に向かって階段を上っていく事にした。


(ここで何か言ったらこの馬鹿は・・・また五月蝿そうだしよ)


ライダーの魔力が回復したと言っても楔を失ったサーヴァントが、この世に留まる事は現世に生きている者の力を借りなければならない。
何故ならば、その楔がなければ彼(彼女)らは消失してしまうのだから。
その意味にはD.Sも気付いているらしくライダーのスキル単独行動がランクCあって一日現界できるといっても何も魔力消費しなければの話である。
さっさと契約を済ましたいと言うのが本音だった。
勿論。
D.S自身サーヴァントに遅れを取るとは微塵も思ってはいない、このような状況下で敵に襲われたらと危惧してのことだった。
いくらD.Sが数千、数多もの呪文を詠唱、喚起できると言っても両手が使えない状態ではお話にならなのである。
部屋に着いた後でもD.Sは周囲の警戒を怠る事はない。何故なら彼にとって夜伽をしている時でも自身の首を狙ってくる不埒物などは日常茶飯事だったからだ。
それに過去のサーヴァントに匹敵する程の猛者―――D.Sの配下、四天王にすら命を狙われていたのだから・・・・・・


「・・・D.S。貴方、ほんっっとうにそのサーヴァントを抱く気?」


メディアが嫉妬やら妬み、女が持ってる幾つもの顔の部分の内の一つの仮面で話しかけていた。並みの人間ならばそれだけで萎縮してしまう程の殺気がD.Sに向けられて放たれていた。
しかしそんな物でD.Sは怯むはしない、むしろ諭すような口調でメディアに語っていた。


「それが・・・一番手っ取り早いじゃねえかよ・・・何だよ・・・妬いてんのかオマエ」


その神経に障る台詞を聞いてワナワナと肩を震わせて、震えが止まったかと思うと高められた声帯の発生音がその見た目麗しい口から発せられた。


「妬いてなんかいないわよ!!この甲斐性なし男!!」


魔術で拡声したかのごときの大音量の声を張り上げて部屋から出ていって襖の戸をピシャンと閉めると。

「ハアーー」

溜息を漏らした。
D.Sの言っている事は魔術師としては正しいし、その行為に議論の一つも差し挟めない。
何せこれで現状では自分たちの手元には魔力が無尽蔵に供給される、マスターの元に二対のサーヴァントが居る事になる。
第三者の視点から見ればコレはかなりの脅威である。しかもD.Sもサーヴァントと互角に戦える戦力とするならば約三体ものサーヴァントである。
つまり聖杯戦争の約半分に相当する戦力が既にあるのである。コレに議論を挟むなど彼女の魔術師としての論点から言えば有り得る訳がなかった。
そんなことを立ち止まって月を眺めながら考えていたら。


「オメエも来るんだよ・・・」


メディアはD.Sにその紫のローブの襟を引っ張られて部屋に引っ張られていった。


「ちょっとD.S!!きゃ」


この男はズルイとメディアは考えていた。何故かは知らないがD.Sという男はこういう場面での女性の扱いを知り尽くしているかの様な男なのだ。
閨や夜伽の時には有無を言わせず女性を組み伏せる術を持っている男であった。自身は快楽には溺れず第三者かのような視点で女性の性癖を責めてくるのだった。
そうして二人は抱かれて。ライダーはD.Sとパスを繋がれてメディアはD.Sとの繋がりを強くしていった。
・・・・・・
・・・・・・・・・




やがてはライダーとメディアの二人も疲れ果てたのかD.Sの膝を枕代わりにして寝入ってしまった。




◆◆◆





「D.S」


D.Sが呼ばれて目を覚ますと目の前には一人の男が立っていた。
D.Sにしては幸いなのかライダーとメディアは起きてはいない―――否、目の前にいる男がD.Sに気でも使っているのかそうさせている事が窺えた。
この世の理の外にいるサーヴァントをそれも二人に気付かれずに起こす事もなく侵入するなど並外れた実力者ではない事がD.Sを警戒させた。


「・・・何の様だ、根暗野郎・・・」


「根暗野郎とは随分と失礼な言い方ですね・・・コレでも七大悪魔王の一人なのですが・・・」


其処にいる男は悪魔王の一人。肉欲を司ると言われている人類最古の悪魔とも言われている”アスモデウス“であった。
上半身は少しだけ露出してはいるが、其処には無駄な贅肉はなく鍛えられた腹筋が見えて真っ白い外套を羽織り
その端正な顔には切れ長の眉毛とそれに付随した眼。それだけでは悪魔には全く見えないが彼にはその額に生える一本の角が彼を悪魔たらしめる要素であった。
その見事なまでの端正なバランスは正に肉欲の悪魔を思わせる風貌であった。


「・・・何の用で、来やがった?」


別にD.Sはこの世界にアスモデウスがいる事に驚きはしない。宗教学的にいうと本来の天使や悪魔の役目とは人間を監視する事である。そうして人間が神に逆らうほどの力を手にしたとき罰するのが彼らの役目の一つでもある。
だからこそ今D.Sの世界は大変な事になっているのだが・・・・・・
彼らは火や水などを媒介に人間を監視してその魂を善や悪に導くという役割を持っている。そして天界や地獄から数多ある平行世界を監視するのも彼らの役目の一つである。
だから別に彼がD.Sの目の前にいる事は驚くべきことではない。それに上位の悪魔になれば成る程その魂を地獄に引っ張られる為に本来の力を物質界(マテリアルプレーン)で出せないのである。ましてや悪魔の王ともなれば高次元の孔(チャンネル)が開いていない世界では実力の欠片も出せないであろう。
だが腐っても悪魔の王ではあった。サーヴァントに気付かずに侵入してその存在を気付かせないのはさすがと言った所か。


「・・・・・・貴方に伝える事があります・・・貴方の愛していたと思われる女性―――ティアノートヨーコは既にこの世にはいません。有り体に言うと死亡しました」


D.Sはその言葉を聞いて、奥歯をギシリとはぎ立てて凄まじい怒気をや憤激を発したかと思うとそれを急速に収めてゆくと、次の質問をした。


「・・・それで、他の馬鹿どもはどうなってやがる」


「・・・そうですね。他には貴方を慕っていた。侍達やまた魔戦将軍達も死亡が確認されています・・・そして四天王は目下の所、行方不明と言った所でしょうか・・・」

「・・・これは、その映像です」


それはD.Sの愛した女性や仲間達が天使に蹂躙されて死体になっていく光景だった。D.Sの中央メタリオンでは確かに天使や悪魔が現界しているが、まさか全員が既に死体になっているなどとは思わなかった。
最早、自分を知っている者など数えるほどしかいないであろう。滅び行く世界の光景と天使や悪魔の戦いとやらがD.Sの目の前で映像化されて映し出されていく。
そのビジョン(映像)を見終わった後に、D.Sは目の前の男に質問をした。


「・・・それで、テメエは俺様に何をして欲しいんだよ?」


質問の異問を察したのかアスモデウスは本来の用件をD.Sに伝える事にした。


「・・・単刀直入に言います。現在・・・我々悪魔の軍勢は天使の軍勢に比べて劣勢にあります。そこで貴方に大天使長ミカエルを討ち取って欲しいのです」


・・・・・・その質問を聞いたD.Sは暫く考え込んで顎に手を乗せて。


「・・・・・・成る程なそっちがテメエの本音か・・・」


「・・・それで、ソイツはすぐやらなきゃいけねえのか・・・・・・?」


最もな質問をアスモデウスに問いただしてみた。


「・・・いいえ、暫くは劣勢とは言え・・・拮抗状態が続くでしょう。・・・それにいくら私が悪魔の王と言っても異世界の孔(あな)を開くのは時間が掛かります・・・そうですね貴方も何か厄介ごとに巻き込まれていますし・・・今年の春の桜が咲くころには貴方一人分が通る孔(あな)ぐらいなら開けることでしょう・・・」


「それまでに、下らない戦争ごっこを終わらせて置く事ですね・・・英雄如きに負けていては暗黒のアダムの名が廃りますよ」


「それでは、また」


そういい残してアスモデウスは漆黒の暗闇に消えていった。


「クソッタレが・・・」

D.Sは悪態を空間に向けて吐いた。これで聖杯に願う事は既になくなったし別に戦いを急ぐ事もなくなった。
向こうの世界に残った四天王の事が気にはなるが、彼らならば生き残ってはいるだろうと考えていた。伊達に彼らとて四天王の名を冠してはいないのだった。
それにもしもD.Sが聖杯に愛した女性(ティア・ノート・ヨーコ)の復活を望んだとしても、それはD.Sの記憶から複製された唯の贋作である。矛盾しているようだがそれはティア・ノート・ヨーコであって彼女ではないのだ。
例えるならクローン人間にD.Sが知っている彼女の記憶を植えつけた複製人形みたいな物である。
ここの聖杯に出来るのは第三魔法の真似事であって、第三魔法そのものではないのだ。
平行世界で死んだ死者を蘇らせるなどという離れ技は、例え聖杯戦争にD.Sが勝ち上がったとしても不可能であろう。
D.Sはよく馬鹿と間違われているが、こういう時にすぐ答えが出せるほどの頭脳の明晰さは残酷でもある。不可能な事は不可能と分かってしまうのだった。
だから例え数パーセントでも確率があればそっちを取るのである。


(・・・グダグダ考えてもしょうがねえな・・・こっちの事を考えるか・・・)


D.Sはそう考えて、自身の膝を枕代わりにしている二人をみて。


(・・・せめて、こいつらは守ってやるか)


そう誓い、そして天井を見上げた後に・・・


「・・・天使か・・・必ずブチ殺す・・・」


自分の仲間や愛する者を殺した天の御使い達に復讐を果たすと誓ったのだった。
・・・
・・・・・・






◆◆◆



サーヴァントは本来なら夢を見ないのであるが死の間際を経験した。ライダーは何故か、その見ない筈の夢の中で死を感じていた。
自分の本来のマスターからの繋がりは全て無くなり魔力も限界近くまで消費して体はドンドン冷たくなっていく。
腕に足に感覚がなくなっていき。まるでうまく動かずに自分の手足ではないようであり。
いくら冬木市の冬が暖かいとはいえ魔力の無くなっていく体は冬の外気が体を冷やしてドンドンと冷たくなるのを感じていた。


(・・・寒い、私は死ぬのでしょうか・・・?こんな所で桜にも会えずに・・・)


(それも仕方が無いのかもしれません・・・・・・怪物の私が人を救いたい等と思うのが間違いだったのかもしれません)


ライダーは闇夜の空間を歩いていた。其処は真っ暗な空間で唯―――何もなく広がっていた。


(どうやら、ここが私の終着駅のようですね・・・)



そこでライダーは光輝いていて、とても暖かな熱量を発する物を見た。
否―――それは物ではない光を発しているのは不死鳥(フェニックス)だった。不死鳥はライダーに気が付くとその神々(こうごう)しい体をライダーに近づかせていき、その暖かな羽でライダーを包み込んだ。

(・・・暖かい、何て暖かいのでしょうか・・・これは・・・)

それはメデューサが失った筈の家族の温かみにそっくりだった。顔を上げて不死鳥をみてライダーはこの暖かな鳥に尋ねていた。

「・・・貴方も私と一緒で一人なのですか・・・?」

不死鳥は声にならない声で答えた。その泣き声は肯定の意味を取っていたのか更にライダーを包んだ羽を狭めて寝入ってしまうのであった。


「・・・フフフ暖かいですね、貴方は・・・こんな終わり方なら悪くないかもしれません」


可笑しい話だがライダーは死を受け入れるかのようにして夢の中で眠りに入った。




・・・
・・・・・・




◆◆◆



時が過ぎていき朝日の光と共にライダーは目を覚ました。
其処にはその銀髪を朝日の光に輝かせながら、佇んでいる男―――D.Sの姿があった。規格外の魔力を持つとはいえ自分の宝具を受け止めるという離れ技をやったD.Sが其処にいた。
メディアは機嫌が悪いのか深い紫のローブとフードを被り部屋の脇によっかかっていた。ちなみによっかかるというのは方言の一種である。
なぜそんなことをライダーが知っているのかはどうでもいいが、ライダーには漆黒の法衣を着ているこの男に聞きたい事があった。


「よお、目が覚めたみてえだな」

ライダーが気が付いたのを見たのかD.Sが歩み寄ってきた。ライダーは自分が裸の事に気が付いてパスが目の前の男と繋がれたのだと自覚する。
すぐに魔力で形成した服を身に着けて、初めて会った格好と同じ服を装着していた。
其処でライダーは自分の状態に気が付く偽臣の書とは比べ物にならないほどの流れてくる圧倒的な魔力の本流。
コレだけの魔力があれば、いくら宝具を使おうとも気にはならないほどの魔力。そこでライダーは気になっていた疑問を問いただした。


「何故、私を助けたのですか?」


「・・・何だよ、オメエ死にたかったのかよ?」


D.Sはあっけらかんとした口調でライダーの疑問には答えなかった。


「質問の答えになっていません。私は何故?私の正体を気付いたのにも関らず、なお私を助けたのですかと聞いているのです」


「貴方も知ってのとおり、私は怪物です。この眼に魅入られた者を石像にする”魔物“だったのです。その私を何故助けたのかと聞いているのです?」


ライダーは疑問の答えを聞きたいのか、少し苛立ちを含んだかのような口調になっていた。
D.Sはその質問に対して黙って腕を組んでいた。答える気がないと汲み取ったのかライダーは更に苛立ちを含み話しかけようとしたが
そこにメディアが割り込んできた。


「・・・そうね、私も貴方の本心っていうのを聞きたいわ」


メディアとライダーの二人がD.Sから本心を聞くために疑問を問いた。


「・・・いちいちうるせえ奴等だな・・・じゃあ”テメエら“が死んだら何か変わるのかよ?」


「「・・・それは」」


ライダーとメディアは答えられなかった。自分が死んでどうなるというのだろうか何も変わらないのだからである。


「俺様が助けたいから助けたんだよ。なんか文句があるのかよ・・・それによ怪物か魔女か魔物だなんてどうだっていいじゃねえかよ・・・」


「・・・それにオメエあの口が五月蝿い馬鹿と気が合いそうじゃねえかよ」


確かに同じ彼女らは二人ともギリシャ神話に縁ある英霊で、その末路は神によって好き勝手にされたが。
だからと言って敵対者にいきなり隙を見せられるのはD.Sぐらいであろうか。そういってメディアをD.Sは親指でほらっと指した。
それが我慢ならなかったのかメディアは立ち上がってD.Sに指を指して文句を垂れていた。


「誰が馬鹿よ!!いいかしらD.S私が口が五月蝿いのはそもそも貴方が――――――クドクド」


「そういう所が口がうるせえっていってんだよ」


D.Sがいい加減メディアの小言を聞くのを聞き飽きたのか会話を断絶した。


「・・・変わってますね。貴方達は見ていて微笑ましい物があります」


そこをライダーがD.Sに話しかけてきた。


「・・・んでこの後オメエはどうしやがんだよ?」


この後どうするの進退をD.Sがライダーに問う。


「・・・貴方に敗れた今。私は誰にも必要とされていません・・・」


そう力なく言うライダーを見てD.Sは決めた様にライダーを指刺して言い放った。


「生きる理由がねえのなら・・・・・・生・・・き・・ろ・・」


「・・・え、どういう事ですか?」


ライダーはD.Sの言っている意味が分からずに聞き返した。


「・・・わかんねえ野郎だな、俺様の為に生きろてみろってんだよ」


「・・・貴方は正気ですか、令呪があるとはいえ自分を殺そうとした者を手元に置くなどとは・・・」


「あんなもんで、俺様が死ぬかよ・・・・・・んでどうするんだよ?」


(強がりもいいところですね私の宝具をあんなもんとは・・・事実私の攻撃を受けた貴方はズタズタだった筈です)


「其処までいうのならば・・・分かりました。貴方をマスターと認めて貴方の剣となり盾となる事を誓いましょう」

ライダーはD.Sをマスターと認めて協力する事を誓うのだが・・・
その言葉を聞いて、何か可笑しいところがあったかのようにD.Sは指摘した。


「ちょっと待てよ、剣になるのはいいけどよ”盾“になってどうすんだよ?オマエが盾になったってよ速攻であの世に行くだけじゃねえのかよ」


折角いい雰囲気だったのに、D.Sの雰囲気を察しない細かい指摘で台無しである。
それを聞いたライダーは顎に手を乗せて、少し困った様な顔をして次の言葉を続けた。


「・・・申し訳ありません、言葉に誤りがあった様ですね。貴方の剣になる事を誓いましょう」


普通の人物ならばこれで契約が完了するのだが・・・D.Sの底意地の悪さは極めつけであった。


「・・・ああ悪い、俺様の方からも訂正があったわ、メデューサ。オマエ俺様より弱いのに俺様の剣になってどうしやがんだよ?
そもそもオマエの武器は剣じゃねえじゃねえかよ?」


ピシッと空間に亀裂が入ったかの様な音がした。
ライダーは困ったかのようにメディアに目配りをした。


(・・・申し訳ありませんが、何とかしてもらえないでしょうか・・・?)


(・・・無理よ・・・頑張って頂戴)


ライダーとメディアは悟ったかのような顔つきでD.Sを見ると。ハアーと溜息を吐いた。

「・・・では貴方はどうしろと私に言うのですか?」


D.Sが腕を組んで少し考えて言う。


「・・・大体よ、オマエらイチイチ、言う事がかたっくるしいんだよ。剣とか盾とかよ。んな事しなくても一緒に生きてければいいじゃねえかよ」


ライダーは驚いたかのような顔をして、D.Sを見て言った。


「本当に貴方は変わっていますね・・・貴方の発言はサーヴァントとして何も求めない事を肯定しているかのように聞こえます」


「・・・いいでしょう、貴方と共に生きていく事を誓いましょう」


「それでいいんだよ」

その台詞を聞いてフッとD.Sは笑っていた。
メディアもニコッと笑ってライダーとD.Sが手を取るのを認めていた。







そうして手を取り合った後にライダーはいつもどおり、霊体化しようとすると何故か霊体化できないのだった。
どうしてかと考えてD.Sとメディアに疑問を問いかけた。


「・・・スイマセンが私の体に何をしたのでしょうか?・・・霊体化ができなくなっているのですが・・・」

メディアはその言葉を聞いて、マジマジとライダーを見るようにして言う。

「そんなことは無いはずよ。どんなサーヴァントであれ霊体化は出来るはずよ・・・あなた・・・もしかして」

そう言われてライダーは一生懸命、霊体化しようとするが出来なくなっていた。
D.Sは理由が分かっているらしく何も言わず見ているだけだった。ライダーは自分の状態に気付いて一言言った。


「・・・信じられませんが、受肉しています」


「・・・嘘でしょう」








感想



エート、バスタードからのキャラが一人出てきました。
悪魔の王様です。しかし彼は暫くでてきませんお休みです。
アスモデウスさんですが、コイツ悪魔王の中でも相当強そうな気がするんですが
気のせいですかね。

まあいいや

さて受肉したライダーですが、その理由はある男の血を飲んだからです。
ご存知の通り、聖杯はメシアの血を受けたものを言います。
つまりサーヴァントは救世主の血を飲めば・・・・・・・できるという事です。
そしてライダーはD.Sの血を飲みました。

まあこんなところですかね
それではまた次回・・・






前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.028681039810181