俺でも出来る夜食講座 一日目 アジア風ビーフンスープ
ビーフンという物をご存じだろうか。ああ、炒め物の話ではなく、食材その物だ。
米の粉が主原料となっているが、最近のは余計な物が入るのが実に不快だ。実に不快だ。
大切なことだから二回言っておく。
濃厚な鶏ガラスープと食欲をそそるピリッと辛い刻み青唐辛子、桜えびでも代用可能だが、
片栗粉をまぶし、ごま油でさくっと揚がった小エビの歯ごたえとビーフンのコシ、眠気を抑え、
慣れれば合計４分で作れ、腹持ちも良いのに胃にもたれない。
早速作ろう。
だが、何事にも準備が必要だ。今回は一日目、よって同志(ソウルブラザー）諸君の中には材料が無い者も居るだろう。
そんな兄弟たちは、今回は参加を見送り、次回からの参加を待っている！
各自材料を集め、来るべき時に行動に移せ。いまは雌伏の時だ。
基本は素早く、音を立てずに、汚れ物を最小限に。
事前の準備や下ごしらえ、科学の力【冷蔵庫】が鍵となる。
三種の神器 の一つ、 【電子レンジ】を使いこなす匠の技も必要だ。
さあ、まずは武器の確認だ。
乾燥ビーフン。
冷凍庫に仕舞ってある、刻んだ青唐辛子。
ペースト、又は粉末の中華スープの元。
自作の鶏ガラキューブ、冷凍保存済み。
小エビ、又は代用品として桜えび。味付け済みの鶏肉でも可。
ごま油。
片栗粉。
クレイジーソルト。
なお、上に記した備品は経験上、異常に応用が効くので、常備しても損ではない。
上の調味料と芋やじゃがいもがあれば、それだけで(栄養は偏るが）朝昼晩、三食を
主菜、副菜二品で作ることもできる(経験談）。全体的に生野菜と果物が足りないが。
さあ、時間との勝負だ。
コンロに火を入れお湯を沸かせ、その待ち時間の間に揚げ物とスープを作る作業が始まる。
コンロの開いた方にフライパン、できれば鉄製がよい、を置き、コンロに強火で火を入れ温める。
丼を用意せよ。好みの濃さの味で、中華スープの元、冷凍鶏がらスープ、一キューブ、
鶏がら気キューブが半分浸る程度の少量の水を入れ、最後にスプーン一つまみ(７～１０欠片）
の青唐辛子(切り方によるが、好みの辛さで各自調節せよ）
そして、どんぶりをレンジにいれ、約一分から二分温める。
お湯が沸騰しているはずなので、ボコボコと音をたて１～２センチ程度の気泡が
出るぐらい熱い熱湯にビーフンを投入、タイマーを３分にセット。
音で問題がある場合は体内タイマーや数を(頭の中で）数えながらの作業になる。
レンジに入れた直後には、充分にフライパンは暖かいはず。
冷凍庫から出した小エビを小さいステンレスボウル(１０CMくらい）にいれ、
スプーン一杯程度の片栗粉と混ぜる。クレイジーソルトも二、三回振る。
最後にごま油を入れ、まんべんなく混ぜたらフライパンへ投入せよ。
強火で表面をカラッと揚げ、片面をひっくり返し終えた頃にはビーフンが
ゆで上がっているはずだ。
レンジからとりだしたボウルへビーフンを投入し終わる頃、小エビは揚がり、
最後の具として乗せ終われば料理は終了だ。
そしてすばやく洗い物を済ませる。
使用したスプーンは特に生物に触れていないはずなので、水洗い後、
そのまま食事に利用。 揚げ物に使った菜箸とフライパン、ステンレスボウルは
さすがに油なので手早く洗うこと。音を立てずに。
使用した調味料はもとの位置に戻すように徹底せよ。
位置が動いたことによる不信感を限りなく少なくするために。
そして、最後に。
さあ、たべようじゃないか！
【番外編】
諸君、夜食の道は険しい。だが、あらかじめ下ごしらえと準備を行う事で、
普通より遥かに早く、上手く、旨く、素早く、夜間を作ることが可能になる。
夜食でフレンチフルコースが食べたい？ ノープロブレム。
夜食で懐石料理が食べたい？ ノープロブレム。
夜食でおでんが食べたい？ ノープロブレム。
夜食で鍋が食べたい？ ノープロブレム。
さあ、準備に移ろうか。
自作の鶏ガラキューブの作成。
これは上でも使用したが、そば、ラーメン、チャーハン、丼もの、スープ、
和、洋、中、伊、各種と、応用範囲がひろいので作る価値はある。
鶏ガラは冷凍の安いのでよい。だが、夜食道を極めるならブロイラーや
ゲージの廃鶏ではなく、国産、フリーゲージの動き回っている鳥の鶏ガラが最高だ。
例え身は高くて買えなくても、僅かにこそげついた皮や引き締まった身や筋から
出る出汁は格別だからだ。もちろん骨からも大いに期待できる。餌がよいからな。
鶏ガラから脂と肝を取り除き、水から煮た出汁は手間がかかるが、とても濃厚で良いベースになる。
灰汁は取れ。絶対にとれ。これを取らずに何をとる。
一晩冷却し、上に集まり固まった油を取り除いた後、ゼライズ状のスープが溶ける程度解かし
アイスキューブのトレイに入れ冷やす。匂いが移るので専用のを用意するのが良いだろう。