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No.23719の一覧
[0] The Parallel Story of Regios (鋼殻のレギオス 二次創作)[嘘吐き](2010/11/04 23:26)
[1] 1. 入学式と出会い[嘘吐き](2010/11/04 23:45)
[2] 2. バイトと機関部[嘘吐き](2010/11/05 03:00)
[3] 3. 試合観戦[嘘吐き](2010/11/06 22:51)
[4] 4. 戦う理由[嘘吐き](2010/11/09 17:20)
[5] 5. 束の間の日常 (あるいは嵐の前の静けさ)[嘘吐き](2010/11/13 22:02)
[6] 6. 地の底から出でし捕食者達[嘘吐き](2010/11/14 16:50)
[7] 7. 葛藤と決断[嘘吐き](2010/11/20 21:12)
[8] 8. 参戦 そして戦いの終結[嘘吐き](2010/11/24 22:46)
[9] 9. 勧誘と要請[嘘吐き](2010/12/02 22:26)
[10] 10. ツェルニ武芸科 No.1 決定戦[嘘吐き](2010/12/09 21:47)
[11] 11. ツェルニ武闘会 予選[嘘吐き](2010/12/15 18:55)
[12] 12. 武闘会 予選終了[嘘吐き](2010/12/21 01:59)
[13] 13. 本戦進出[嘘吐き](2010/12/31 01:25)
[14] 14. 決勝戦、そして武闘会終了[嘘吐き](2011/01/26 18:51)
[15] 15. 訓練と目標[嘘吐き](2011/02/20 03:26)
[16] 16. 都市警察[嘘吐き](2011/03/04 02:28)
[17] 17. 迫り来る脅威[嘘吐き](2011/03/20 02:12)
[18] 18. 戦闘準備[嘘吐き](2011/04/03 03:11)
[19] 19. Silent Talk - former[嘘吐き](2011/05/06 02:47)
[20] 20. Silent Talk - latter[嘘吐き](2011/06/05 04:14)
[21] 21. 死線と戦場[嘘吐き](2011/07/03 03:53)
[22] 22. 再び現れる不穏な気配[嘘吐き](2011/07/30 22:37)
[23] 23. 新たな繋がり[嘘吐き](2011/08/19 04:49)
[24] 24. 廃都市接近[嘘吐き](2011/09/19 04:00)
[25] 25. 滅びた都市と突き付けられた過去[嘘吐き](2011/09/25 02:17)
[26] 26. 僕達は生きるために戦ってきた[嘘吐き](2011/11/15 04:28)
[27] 27. 正しさよりも、ただ己の心に従って[嘘吐き](2012/01/05 05:48)
[28] 28. 襲撃[嘘吐き](2012/01/30 05:55)
[29] 29. 火の激情と氷の意志[嘘吐き](2012/03/10 17:44)
[30] 30. ぼくらが生きるために死んでくれ[嘘吐き](2012/04/05 13:43)
[31] 31. 慟哭[嘘吐き](2012/05/04 18:04)
[32] 00. Sentimental Voice  (番外編)[嘘吐き](2012/07/04 02:22)
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[23719] 20. Silent Talk - latter
Name: 嘘吐き◆e863a685 ID:eb6ba1df 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/06/05 04:14


荒れ果てた大地以外には何も見えない荒野の上を、一台のランドローラーが走っていた。
時に足場の悪いところを迂回しながらも、ある一つの地点を目指してただひたすら真っ直ぐに走る。
無人の荒野に話しかける者などいるはずもなく、ランドローラーに跨ったレイフォンは、人間を拒絶する外の世界の冷たさを感じながら無言でハンドルを操作していた。




「なんだか暇ですね」

突然、フェイススコープに接続された念威端子から先導役であるフェリの声が聞こえてきた。

「………それは言わないでほしいんですけど」

その気持ちはよく分かる。 でも、できれば口に出して言わないでほしかった。
ただでさえ退屈な気分が余計に増すような気がするから。

「仕方が無いでしょう。 暇で暇でしょうがないんです。 かれこれ7時間以上も、ひたすらあなたを案内していたんですから」

いかにも不満そうな声でフェリが言う。
まぁフェリの気持ちにはレイフォンも同感だ。
命懸けの戦いを前に不謹慎かもしれないが、フェリの案内に従ってただひたすらランドローラーを運転しているのは、ぶっちゃけかなり退屈だった。
長期間にわたる都市外での活動もグレンダンで多少は慣れていたとはいえ、やはり憂鬱になってくるほどつまらない。 それに、さすがにここまで都市から離れるのは初めてだ。

近くに自分以外誰もいない状況といい、何時間も変わり映えのしない風景といい、飽き飽きするほど退屈極まりない。
ずっと先導ばかりしているフェリも手持無沙汰で仕方が無いのだろう。
かといって先導に手を抜くわけにもいかないので、ずっと真面目に念威端子を飛ばしていたのだが、流石にうんざりしてきたようだ。
とはいえ、運転している最中であるレイフォンにはどうすることもできない。 どの道、念威繰者の案内が無ければ目的地には辿り着けないのだし、フェリ以外にここまで端子を飛ばしてレイフォンを補助できる者はいないのだ。

「退屈ですから少し話し相手にでもなってください」

と、唐突にフェリが要請してきた。

「え、どうしてまたいきなり……?」

「言ったでしょう。 退屈なんです。 黙ってただ案内するのもいい加減に飽きました」

「はぁ……まぁ、別に構いませんけど」

暇で退屈していたのはレイフォンも同じなので、おとなしく要求に従う。

「ええと、それで何を話すんですか?」

「こういう時、咄嗟に何か小粋なジョークでも言えないんですか?」

「うーん、そういうのはあまり得意じゃないんですけど」

「そうですか。 まぁ別にいいですけど。 あなたがシャーニッド先輩のようになるのは好ましくありませんし」

「………」

訓練に顔出している時から薄々そうじゃないかとは思っていたけど……シャーニッド先輩、フェリ先輩にはあんまり良く思われてないみたいだ。
……まぁ、わからないでもない。

「では少し質問してもいいですか?」

「どうぞ、何でも訊いてください………答えられるかどうかはわかりませんけど」

「では………以前から不思議だったのですが、あなたはどうしてグレンダンで戦っていたのですか?」

「え?」

思いがけない質問に、レイフォンは念威端子の方を見やる。

「戦いを止めたのは武芸で失敗したからだと聞いていましたが、そもそも何故戦っていたのかがわからないんです」

念威端子越しのためその表情は分からないが、レイフォンにはフェリがこちらの表情の変化から反応を窺っているように感じた。

「何故って………武芸者が戦うのは特におかしなことではないと思いますけど」

「確かに普通はそうかもしれませんが、あなたは武芸者だから都市を守るために命懸けで戦うのは当然だ、などという事を言うタイプではないと思います。 汚染獣との戦いは常に死と隣り合わせのはず。 そんな戦場に立つからには、それ相応の理由や事情があったのではありませんか?」

やや探るようなフェリの言葉に、レイフォンはどう答えたものかと少々思案する。

「よしんば武芸者が敵と戦うのが当然であったとしても、あなたのような子供が戦う理由にはならないでしょう。 あなたの戦いに対する姿勢を見る限り、これまでかなりの実戦経験を積んできたものだということは容易に想像できます。 しかしその若さでそれだけの経験を積むには、普通では考えられないほど幼いころから武芸者として戦っていたのではないのですか?」

フェリの言葉は正解だ。
確かに、レイフォンは武芸の本場グレンダンでも例外的なほど若い頃から戦場にいた。
子供だからという理由で逃げるわけにもいかなかったし、逃げる必要も無かった。

「子供にすら頼らなければ都市を守れないほど、グレンダンの武芸者の層が薄いとも思えません。 あなたが幼くして戦っていたのは、あなた自身に、それに値するだけの理由があったからだと思ったのですが」

「……まぁ、個人的な事情から戦っていたのは確かですね」

レイフォンはどう答えるべきか迷った末、結局、本当のことを話すことにした。
フェリは既にレイフォンの実力を知っているし、武芸で失敗したために自都市を出てツェルニに来たのだということも知っている。 無理に隠し通す理由も無い。
さすがに全てを詳細に打ち明ける気は無いが、フェリはあまり他人の個人的な事情を吹聴するタイプではなさそうだし、多少は話しても大丈夫だろう。

あるいは自分の心の内に、誰かに話してしまいたいという気持ちがあるのかもしれない。
全てではなくとも、自分の本質の一端だけでも知ってもらいたい。
そしてそれを知った上で、なおも自分を肯定してほしいと………心のどこかでそう望んでいるのかもしれない。

「では、なんのためにあなたは命懸けの戦場で戦っていたのですか?」

「色々と理由はありますけど……一言で言うとお金のため、お金を稼ぐためですね」

「お金のため……ですか」

端的に答えるレイフォンに、フェリが若干意外そうな声を出す。

「解せませんね」

「そうですか?」

「あなたはそういう俗な欲求が薄いように感じられましたが」

フェリの言うことは間違っていない。
確かに、レイフォンは普通の人間が持つような欲が薄いように自分でも感じていた。
娯楽や嗜好品などに対する、社会に生きる人間ならだれでも持っているような物への執着心が弱いのだ。
同年代の少年少女が集まる学園都市に来てからは特にそう感じるようになった。
だが、レイフォンが金を稼ぐために戦っていたのは事実だし、金銭に執着したがために道を踏み外し、都市を追放されたのも確かだ。
一瞬、過去の映像が脳裏に浮かび上がる。
貧しさゆえに苦しんでいる家族たちの姿がはっきりと思い浮かんだ。

「あの頃は……どうしてもお金を稼がなくてはいけない理由がありましたから」


その声に滲んだ様々な感情に、フェリは思わず口を噤む。
以前、汚染獣の幼生体との戦いに向かう際に、レイフォンが昔色々と失ったのだと言っていたことを思い出す。
彼が命懸けで戦っていたのは、二度と失うことが無いようにするためだったのかもしれない。
あくまで推測の域でしかないが、レイフォンのこれまでの態度や姿勢からも、そんな感情が窺い知れた。

「そうですか」

フェリはレイフォンの台詞に大きな反応はせず、あえて淡々とした声のまま相槌を打った。 下手に深入りすべきではないと悟ったのだ。
よくよく考えてみれば、フェリはレイフォンの過去を何も知らない。
武芸に失敗したとはいっても、具体的にどんな失敗をしたのかは知らないし、どんな気持ちで戦場に赴いていたのかも知らないのだ。

だからといって、根掘り葉掘り聞くのも無粋だろう。
訊ねてみたいという気持ちも無いではないが、誰にでも他人に言いたくない過去の一つや二つあるものだ。
この話がレイフォンにとって言いたくないような内容であるのかは分からない。 何となく、似た立場である自分になら教えてくれそうな気もする。
だが、聞いたところで自分に何ができるというものでもない。
代わりに背負ってやる覚悟も無いのなら、下手に首を突っ込むべきではないだろうとフェリは判断した。


レイフォンの声に滲んだ僅かな苦渋に気付いたのだろう、踏み込み過ぎると重い話になりそうだと悟ったフェリは、結局それ以上その話題について訊ねることはせず、質問を変えた。

「まぁいいです。 その話は置いておきましょう。 ではもう一つ訊きます」

「どうぞ」

質問の変化に僅かな悔恨と安堵を感じながらレイフォンは頷く。
フェリはほんの数秒躊躇うような間を開けた後、やや言いにくそうにレイフォンに訊ねた。

「今日のあなたは何となく調子が悪そうに見えるのですが……何かあったのですか?」

「え?」

レイフォンが怪訝そうに首を巡らせて、再び前方の念威端子の方を見やる。

「一昨日会った時と比べて、何やら落ち込んでいるというか気を揉んでいるというか……とにかく、何かしら気がかりのありそうな様子ですけれど……何かあったんですか?」

これもフェリにとっては少々訊き難かったことなのだが、レイフォンの精神状態はこの戦いの行方にも影響する大切なことだ。 無視して放置するわけにもいかない。
彼の状態如何では、一旦進行を中断することも考えなくてはいけないし、場合によっては引き返すことも考慮すべきだろう。
レイフォンが敗北すればツェルニが滅ぶからではなく、半端な気持ちで戦いに臨めば彼の命にかかわるからだ。

「いえ、大したことじゃないんですけど……昨日ちょっと友達に嘘を吐いてしまったんです。 それで、今頃心配してるだろうなって……。 どうも隠し事してるのがばれちゃったみたいで……僕が危険なことしてるってことにもそこはかとなく気付いてるみたいでしたし……」

レイフォンはやや寂しげな口調で問いに答えた。

「余計な不安を与えたくないから嘘吐いたのに、結局心配かけてしまって……おまけに、また明日って言ったのに学校休んじゃったり……まぁ、気に病んでると言えばそうですね」

別れ際の不安そうな顔が未だに脳裏にこびりついている。
安心させようと嘘を吐いたのだが、結局は余計に心配をかけてしまっているかもしれない。
今思えば、自分は決して相手のことを思いやったが故に、彼女たちに事実を話さなかったのではないのだと気付く。
ただ単に、レイフォン自身が彼女たちの悲しむ顔を、こちらを案じて不安に揺れる顔を見たくなかっただけだ。

本当に彼女たちが大切であるなら、事実をありのままに話した上で、心配をかけないように説得するべきだったのではないのか。 今では少しそう思っている。
だが、それにはレイフォンの本当の実力だけでなく、知られたくない自分の過去を話さなければならなくなるかもしれない。 それはまだ、怖い。
結局のところ、レイフォンが彼女たちに本当のことを話せないのは、ただ単に臆病だったからなのだ。
そんな自分の狡さと弱さに嫌気が差す。 気がかりがあるとすればそれだろう。
朝から時々そんな思考に捕われていたのが、顔に出ていたのかもしれない。

(ま、お世辞にも嘘や演技が得意とはいえないしね)

つい昨日もメイシェンやミィフィに隠し事を悟られたばかりなのだ。
聡いフェリを相手にとても内心を隠し通せていたという自信は無い。

「大丈夫なのですか? 心苦しいのは分かりますが、気を引き締めてかからないと命を落とすことになりますよ。 ただでさえ危険な戦いなのですから」

「わかってますよ。 戦う時には、ちゃんと気持ちを入れ替えますから。 戦場に私情は持ち込まない主義ですし」

主義というよりは習い性だ。
確かに今、レイフォンの心には不安や憂慮が存在している。
だが、現在こうして胸を押し潰しそうなほど心を苦しめている感情も、一度戦端が開かれれば、拭い去ったように消えてしまうだろう。
長年戦場で過ごす中で、レイフォンはそういったことが自然にできるようになっていた。
戦いに向かうまでには理由や感情が介在しているが、一旦戦いが始まれば、それらはすべてレイフォンの中から消え失せる。
あとに残るのは、戦って生き残った方が勝つという、単純明快であると同時に冷たく厳しい戦場の倫理だけだ。

「それに……一昨日も言いましたけど、僕は決して死ぬわけにはいきませんから。 何があろうと絶対に生き残るつもりです。 ……ちゃんと帰って、みんなに謝らないといけませんしね」

努めて軽い調子でに言うレイフォンに、フェリの声からも緊張の色が若干薄れていった。

「そうですか。 では、気を抜かずに、しっかり生き残るとしましょう」

「了解」

短く答え、レイフォンはランドローラーを走らせる。

汚染獣の姿は、まだ見えない。

























放課後。
いつものように終業のベルが校内に鳴り響き、それを合図に授業から解放された生徒たちが教室や校舎から飛び出してくる。
周囲が喧騒で溢れ返る中、一人、沈んだ顔で教室の一角を見つめる女生徒がいた。

「大丈夫、メイっち? ずっと浮かない顔してるけど」

「う、うん。 なんでもないよ」

幼馴染のミィフィに心配げに声をかけられ、メイシェンは慌てて顔を上げて表情を取り繕った。
もっとも、お世辞にも上手くいっているとは言えなかったが。

「気持ちは分からないでもないが、必要以上に心配し過ぎると身体を壊すぞ。 もしかしたら、明日には何事も無かったみたいに登校してくるかもしれないんだしな」

近付いてきたナルキも励ますように言葉をかけた。
メイシェンが不安を感じている理由が分かるだけに、おのずと声が気遣わしげになる。
ナルキ自身も言い知れぬ不安を感じていた。

「う、うん。 そうだね」

メイシェンは小さく応えつつも、すぐにまた表情が曇ってしまう。
視線がおのずと先程から見つめていた場所に吸い寄せられた。
その先にある席に、今は誰も座っていない。 朝からずっと空席のままだ。

「レイとん………どこ行ったのかな?」

メイシェンの呟きに二人は答えることができず、声はただ虚しく響いた。
誰も座っていないレイフォンの席を見つめながら、メイシェンの心は不安に押しつぶされていく。
昨日の帰り道、たとえ迷惑がられてでも何が起きているのかレイフォンに訊ねるべきだったのではないか。
自分が聞いたところで何もできないのかもしれない。 自分が知ったところで何も変わらないのかもしれない。
だけどそれでも、真実を知っているのと何も知らないのとでは大きな違いがあるのではないか。 そう思わずにはいられない。
何も知らないということが、自分たちとレイフォンとの間に大きな隔たりを生んでいるようにメイシェンは感じた。

「何か危険な目に遭っていなければいいが……」

ツェルニ武芸科最強と言われるレイフォンが学校を欠席してまで向かう用事が、ただの雑用だとは思えない。
何かしら都市に危険が迫っているのではないか。 そしてそれを解決するためにレイフォンが引っ張り出されたのではないか。 どうしてもそう思ってしまう。
最近のレイフォンの様子がおかしかったことを知っているだけに、ナルキも絶対に大丈夫だとは言い切れない。

「………よし」

と、突然力強く声を発したミィフィに、メイシェンとナルキが驚く。

「どうしたの?」

「こんなとこで鬱屈してても仕方ないでしょ。 レイとんが今どんな状況にあるのか調べに行こう」

思いがけない言葉に二人が目を丸くする。

「調べるって言っても、どうやって?」

「レイとんがどうなってるのか、知ってそうな人が一人いるじゃん。 とりあえずその人に訊きに行ってみよう」

言うと、ミィフィは率先して教室から出ていく。
その迷いの無い足取りに、戸惑いながらもメイシェンとナルキが後を追った。










そうして三人がやって来たのは、小隊員たちが訓練するための建物、練武館の一室だ。
第十七小隊と書かれた表札が出ている扉の前に立ち、三人は呼吸を整える。
扉を少し強めにノックすると、その向こうから入室許可の声が聞こえた。

「失礼しまーす」

扉を開けて中に入ると、そこには四人の男女がいた。
第十七小隊の隊長ニーナと、隊員のシャーニッドにハイネだ。 部屋の隅の方に、計器や錬金鋼をいじっているハーレイもいる。
しかし隊員の一人であるはずのフェリの姿だけは見当たらなかった。 いったいどうしたのだろうか?
三人が室内を見渡していると、こちらを認めたニーナが近付いてきて口を開いた。

「誰かと思えば君たちか……。 何か用か?」

「ええ、いきなりですみません。 レイと……レイフォンはいますか?」

「いや、生憎と今日は来ていない」

「じゃあフェリ先輩は?」

「あいつは今日はサボりだ。 まったく……せめて連絡くらい寄こすのが普通だと思うがな」

ニーナの苦々しそうな言葉に、三人があからさまにがっかりした顔になる。

「フェリ先輩ならレイフォンがどこに行ったか知ってると思ったんだけどな……。 最近、よく一緒に行動してたし」

レイフォンが姿を見せないのは、てっきりフェリ絡みだと思っていた。
あるいはレイフォンが関わっている案件に、フェリも一枚噛んでいるのだろうと。
しかし、その肝心のフェリがいないのでは確かめようがない。
いきなり当てが外れてしまった。

「やはりこれは何かあるんじゃないか? レイとんとフェリ先輩が揃って所在が掴めないなんて」

「うーん……そうかもしれないけど、その二人がいないんじゃ確かめようが……」

「確かにな。 先輩たちも、事情は知らないようだし……」

「レイフォンがどうかしたのか?」

三人のただならぬ様子にニーナが怪訝そうな顔を浮かべる。
メイシェン達はお互いに顔を見合わせた後、ナルキが代表して説明した。

「実は今日、レイフォンが学校を休んだんですよ。 しかもどうやら公欠扱いになってるみたいで……。 それだけならあまり気にすることもないのかもしれませんけど、最近ちょっと様子がおかしかったもので、なんとなく気になったんです」

「様子がおかしい?」

何か引っ掛かるものがあったのか、ニーナが眉を顰めて問い返す。

「なんかやたらと忙しそうだったり、頻繁に生徒会長とかフェリ先輩と会ってたりしてたんで……もしかして何かあったんじゃないかな~って」

ミィフィの言葉に、ニーナもレイフォンの様子を思い返してみる。
言われてみれば、確かにここ最近のレイフォンの様子は少しおかしかった。
これまでは、金剛剄を教えるのは基礎ができあがってからだと頑なに言っていたのに、いきなり技の型を教えると言い出したり、機関掃除のバイトを立て続けに休んだりと、何となく不自然さを感じさせる行動が目についた。
だが、それだけでは判断のしようが……

「それだけじゃないんです」

考え込むニーナに、メイシェンが躊躇いがちに近付いて言った。

「昨日、最後にレイフォンを見た時……あの時と同じ顔してたんです」

「あの時?」

「前に汚染獣が襲ってきた時………シェルターを出て戦場に向かおうとしていた時と、同じ顔をしていたんです」

その言葉にニーナが凍りついた。
近くで話を聞いていたシャーニッドやハイネも表情を硬くさせる。

「あの時も………笑いながら『大丈夫だよ』って言って……」

昨日の別れ際にレイフォンが浮かべた笑顔が、メイシェンには以前見た表情と重なって見えた。
こちらを心配させまいというレイフォンの気遣いが伝わってくる。 優しく力強い……それでいて、ふとした拍子に消えてしまうのではないかと思わせるような儚さをも感じさせる笑顔。
戦場に向か直前の、普段とはまるで違った顔つき。
あるいは戦う覚悟を決めたレイフォンを見て、彼が別人に変わってしまうような予感がしたのかもしれない。 それほどまでに、戦いに臨もうとするレイフォンの姿は普段と違って見えたのだ。

そして昨日のレイフォンの様子は、メイシェンにその時と同じ不安を感じさせた。
力強さと儚さの混在した、消えてしまいそうな笑顔。
「また明日」と言った時の、辛そうな、悲しそうな表情。
それらが思い浮かぶたび、メイシェンの心は不安で掻き乱される。
あの時、レイフォンはメイシェンに優しく声をかけながら、心の中では何がしかの冷たい覚悟を決めていたのだ。

メイシェンの深刻な様子に、ニーナも黙り込む。
ここ最近のレイフォンの不自然な様子といい、杞憂と言い切るには少々不安要素が大きすぎる。
おまけに普段からよく行動を共にしている彼女たちが言っているのだ。 とても的外れだとは思えない。
かといって何か手掛かりがあるわけでもなく、ニーナはどうやって確かめるべきか思案する。

「ま、事情が分からねぇんなら、知ってるやつに訊くのが一番だわな」

と、それまで黙って話を聞いていたシャーニッドが横から口を挟む。
思わず目を向けて来るニーナやメイシェン達の目の前で、シャーニッドは部屋の隅にいたハーレイの方に歩み寄り、突然その胸倉を掴み上げた。

「え? わ、わぁ!」

「シャーニッド!!」

「先輩!」

ハーレイが悲鳴を上げ、ニーナとハイネが驚きの声を上げる。
それらを意に介さず、シャーニッドはハーレイを皆のところまで引っ張ってくると、普段の飄々とした声の中に微かに厳しさを込めて問いかけた。

「さて、ハーレイ。 お前さんは知ってるんだろ? レイフォンは今何やってんだ?」

「い、いや、何も知らな……」

「嘘を吐くな。 お前、さっき嬢ちゃん達がレイフォンやフェリちゃんの名前を出した時、明らかに動揺してただろうが。 俺の目は節穴じゃねぇぞ」

その言葉を聞いて、ニーナははっとハーレイの顔を見やる。
ハーレイは表情に苦渋を滲ませながら顔を俯き気味に背けていた。
その視線がその場の全員から逃げるように逸らされる。
明らかに何かしら隠し事がある顔、そして隠し事を暴かれそうになっている顔だ。
やはり何か起きている。 そしてそれにはレイフォンとフェリ、さらにハーレイが関わっているのだ。
シャーニッドはその狙撃手ならではの観察眼でハーレイの態度からその不審さを見抜いていたのだろう。

「それに、だ……レイフォンがここ最近お前らの研究室に頻繁に出入りしてたのは知ってる。 確かに前々から交流はあったみてぇだが、流石にあの勤労少年がバイト休んでまでお前らの研究に付き合うわけねぇだろ。 しかも二回も。 それこそ、余程のことが起きねぇ限りはな」

「それは………」

「ま、ただ聞こうと思えば他の連中を問い詰めてもいいんだけどな。 何か起きてんなら、うちの会長殿が知らねぇはずはねぇし……武芸科のレイフォンを引っ張り出すんだ、ヴァンゼの旦那だって知ってるだろ。 けど、できればお前の口から聞きてぇよな。 お前も第十七小隊の仲間なんだからよ。 フェリちゃんとお前が知ってんのに、隊長のニーナや年長の俺に秘密ってのは酷すぎねぇか?」

「…………」

「さぁ、何が起きてんだ? あの真面目なレイフォンが学校休んでまで、いったいどこに行ってる? あいつは今、何をやってんだ?」

決して大きな声ではないが、重く力強い声でシャーニッドは再度問いかける。
ハーレイは心苦しそうにシャーニッドから顔を背けた。
どの言葉も核心を突いていただけに、否定の言葉が出てこないという様子だ。

「……その顔見る限り、二人で学校サボってデート、ってなオチじゃなさそうだな。 言え。 あいつら今何やってんだ?」

シャーニッドがさらに強く詰問する。
メイシェン達三人も息を呑んでその様子を見守っていた。
ニーナもハーレイの顔を真っ直ぐに見る。
ハーレイは顔を強張らせたまま、その場にいる者たちの顔を窺うように見る。
ほんの僅かの沈黙の末、メイシェン達三人やニーナの張り詰めたような様子を見て、ハーレイの表情に諦めのような色が浮かんだ。

「ハーレイ?」

「ごめん……」

名前を呼んだニーナに、目を合わせることなくハーレイが謝罪を口にする。
そして微かに震える口から紡がれた話の内容に、ニーナは絶句した。






















ニーナが扉を蹴破らんばかりの勢いで生徒会長室に入ると、そこにはカリアンと武芸科の制服を着た男子生徒がいた。
二人が同時にこちらを向く。 カリアンの隣にいる男子生徒は随分と整った人形のような顔をしているが、その生徒には見覚えが無い。
それ以上その男子生徒のことは気にすることなく、ニーナは真っ直ぐにカリアンの方へと歩み寄ると、開口一番怒りの滲む声を叩きつけた。

「レイフォンを一人で戦いに行かせたというのは本当ですか!」

質問ではなく詰問である。
ニーナの後ろで気まずそうな顔をしているハーレイを見て、カリアンは否定しても無駄と判断し素直に頷いた。

「本当だとも。 理由は分からないが、ツェルニの進行方向上に汚染獣がいるのでね。 しかも今度は幼生ではなく成体の群れらしい。 ゆえに、彼に殲滅を依頼した」

聞いた瞬間、ニーナの顔が怒りに歪む。

「何故あいつを一人で行かせたのですか!? 汚染獣が近付いているのなら、武芸科全体で対処すべきでしょう!」

憤りに震えるニーナの声に、カリアンはあくまで平静を保ったまま答えた。

「戦闘での協力者をレイフォン君自身がいらないと言ったのだよ。 私はそれを信じることにした」

「信じるのと放置するのは違うでしょう! あいつを殺す気ですか!? たった一人で汚染獣の群れと戦わせるなんて! いくらレイフォンが強いからといったって、成体の……それも群れを成した汚染獣相手に敵うわけがない!」

そう考えるのが普通だ。
一般的な……学園都市とは違って熟練の武芸者がいる都市でさえ持てる戦力全てを尽くさねば倒せない。 汚染獣とはそういう存在だ。
たとえレイフォンが学生離れした実力の持ち主であるとしても、一人で汚染獣の群れと戦うのはいかにも無謀だろう。
少なくとも大抵の人間はそう考える。 ましてやツェルニの武芸者たちは汚染獣の脅威に直に触れたことすらあるのだ。 その恐ろしさは身に滲みて分かっているはずである。

「彼には過去にグレンダンで幾度となく汚染獣と戦ってきた経験がある。 汚染獣の恐ろしさはこの都市の誰よりも承知しているだろう。 その彼が言ったのだよ、学生武芸者では戦力にならないと。
 事実、前回の戦いでも君たちはかなり苦戦していただろう? 今回の相手は、この間の幼生体などとは比べ物にならないほど強力な汚染獣の群れなんだ。 君たちでは傷一つ負わせられるかも分からないような……ね」

「だったら、尚更あいつ一人に戦わせるのはおかしいでしょう! それほどの相手、ツェルニの全戦力を以ってしなければ対抗できません!」

カリアンはどう言うべきか迷った。
ニーナはレイフォンの過去や正体を知らないのだ。 おそらくは、武闘会で戦った時の姿をレイフォンの実力だと思っているのだろう。
自分とレイフォンとの力の差を正確に把握できていない。 仕方が無いとはいえ、この状況では少し厄介だった。

「成体の汚染獣を倒すのに必要なのは数ではなく個々の力量なのだそうだ。 数も確かに重要だろうが、それは各人に一定水準以上の実力があることを前提とした場合の話であり、今の君たちではそれだけの力が無い。 それでは助けにならないのだよ。 犬死にすると分かっている人材をわざわざ戦線に投入する気は無いね」

「それでも……私たちにだって何か手伝えることがあるかもしれません。 相手の気を引くとか、撹乱するとか、やりようはいくらでもあるはずです。 何もしないよりはましでしょう!」

ニーナが強く言い放つ。
しかしカリアンはにべも無く追い払うように手を振り、淡々と告げる。

「今回の件は君たちが関わるべきものじゃないのだよ」

「私たちにだって関係のあることです。 戦場にいるレイフォンは私たちの友人であり、サポートをしているフェリは第十七小隊の仲間です。 決して無関係ではありません」

「この汚染獣の問題に対して無関係の者などツェルニにはいないさ。 だが関係があるかどうかと、その案件に関わるかどうかは別の話だ。 そして君たちは関わるべきじゃない」

カリアンは断言するような調子で静かに言うが、ニーナは決して引こうとはしなかった。
ただ鋭い目でカリアンを見据えつつ口を開く。

「私を救援に行かせて下さい」

「そういうわけにはいかない。 私は今回の件をレイフォン君の判断に任せると決めた。 そのレイフォン君が助けは必要無いと言ったんだ。 彼が必要としない以上、こちらの独断で勝手に人を送り込むわけにはいかない。 下手をすれば、かえって彼を窮地に追い込む事態にもなりかねないのでね」

「ですが、我々は小隊員です。 都市を外部の脅威から守るのが我々の役目のはず。 ツェルニが危機に晒されているというのに、ただ指をくわえて成り行きを傍観している訳にはいきません! ましてや小隊員でもない一年生が一人で戦っているんです。 小隊員として、上級生として、何より一人の武芸者として、こんなところでのんびりと事態の終息を待つなど許されるはずが無い!」

カリアンは僅かに言い淀んだ。
彼女のこの頑なさと真面目さは、決して否定すべきものではない。
ニーナの持つこれらの要素は、いずれツェルニの武芸科にとって必要な存在となるだろうと、以前よりカリアンは思っていた。
だからこそ、若さゆえの浅はかさだと分かっていながら、他の隊長と比べ遥かに未熟な彼女の小隊設立を容認したのだ。
しかし事ここに至っては、手放しで褒められたものではない。 彼女の頑なさは、今この場ではただ単に厄介でしかないのだ。
カリアンがうんと言うまで、彼女はここでいつまででも粘り続けるだろう。

説得するには材料が足りな過ぎる。
当然だ。 彼女の意見こそが都市政府の本来下すべき判断なのだから。
ニーナの言っていることは正論であり、レイフォンという規格外な存在を考慮しなければ、誰もが同じ答えに至るだろう。
だからこそ、得意の口先で丸めこむことは難しい。 かといって、無理に制止して実力行使に出られても困る。

ならばいっそのこと許可を出すか。
彼女の存在が戦場において、吉と出るか凶と出るか……武芸者ではないカリアンでは判断がつかない。
それに今からでは戦端が開かれるのに間に合わないかもしれない。
いや、間に合わないだけならば問題は無いが、間の悪い時に居合わせることにならないとも限らない。
その結果レイフォンが敗北などすれば、ツェルニはもはや終わりだ。
逆にニーナたちが命を落とすことになるのも、ツェルニの行く末を思えば歓迎できることではない。
レイフォンとは別の意味で、カリアンやヴァンゼはニーナのことを買っているのだ。 できればここで失うようなことはしたくない。

だが、これもまた必要な段階であるとも思う。
より先のことを考えるのならば、汚染獣という脅威の本当の恐ろしさを武芸科の者たちに知らしめるのは、決して間違っていない。 その経験は、再び都市が窮地に立たされた時のための布石となるだろう。
特にニーナは来年、あるいは再来年の武芸科を引っ張っていく一人になるであろう人物だ。 経験を積ませるのに早すぎるということは無い。
ではどうするか……。
カリアンはしばらくの間迷っていたが、結局は頷いた。

「わかった。 ランドローラーの使用を許可しよう。 レイフォン君の補助をしているフェリの手を煩わせるわけにはいかないから、現場までの案内はこちらのアルマ君に任せる。 彼なら都市外まで君たちを案内できるだろう。
 ただし、現場に着いたらその後はレイフォン君の指示に従うように。 これは絶対だ。 勝手な行動を取れば、逆にレイフォン君の足を引っ張ることになるかもしれないからね。 それと、他の小隊まで向かわせることはできない。 救援は君たちだけということになる。 それでもいいかね?」

それがカリアンからの最大限の譲歩だ。
都市責任者として、そしてレイフォンの過去を知る者として……。

「わかりました」

短く言うとニーナは踵を返した。

「行くぞ、みんな。 汚染獣がいるのは都市の進行方向なのだから、レイフォンとの距離はそれほど開いていないはずだ。 あいつは移動の途中で一度休憩を入れるだろうから、距離と時間から考えて……今日の早朝に出発したのなら、こちらが休みなしで走ればレイフォンが戦闘を始める前に合流できるかもしれん。 ……うまくいけばだがな」

シャーニッドもハイネもやれやれといった顔をしていたが、口ごたえすることは無い。 黙って自分たちの指揮官の言葉に従い、足早に廊下を歩くニーナの後を追う。
三人が出ていくのを見届け、カリアンは深々と溜息を吐いた。
すでに重晶錬金鋼を展開して念威端子を飛ばしているアルマが訊ねる。

「いいんですか? 行かせてしまって……。 レイフォンが怒るかもしれませんよ?」

「止むを得ないさ。 拘泥して、強行に出立しようとされるよりは、こちらである程度行動を把握できる分、いくらかマシだよ。 彼女たちが力づくで行こうとするのを止めるのは難しいからね。 騒ぎになれば、他の生徒たちにも知られてしまうかもしれない。 それはできれば避けたいのさ」

「成程」

もちろんそれだけではないのだろうが、アルマは別段それ以上を訊ねたりはせず、淡々と自分の役割を果たす。
現在は端子を使ってニーナたちの動向を捕捉していた。
彼女たちは今、都市外への出入り口のある地下へと向かっている。
さらに端子を飛ばして、いざという時のために指揮系統や避難誘導の手順などを確認していた武芸長のヴァンゼにもたった今起こった事の次第を報告した。
それを横目に見ながら、カリアンは再び溜息を吐いて深く椅子に沈みこむ。

「まぁ……せめてこれがきっかけで彼女が多少なりとも成長してくれれば、せめてもの救いなのだけどね」

カリアンの誰に向かうでもない呟きは空気に溶けて消えた。





















あとがき

遅くなりましたが、なんとか更新できました。ただ、いつもより少し短いかもしれません。
ほんと、もう少し執筆が早くならないものか……今のパソコン、2年以上使っていますが、未だにブラインドタッチができないんですよね。

それとすみません。 前回のあとがきで嘘吐きました。
結局汚染獣戦にまではいけませんでしたね。 思ったより時間と文字数が喰ってしまって……

今度こそ、次の更新で汚染獣戦に入れると思います。


とりあえず今回は移動中の様子とツェルニでのやり取りの回ですね。
不安に揺れるメイシェン達3人に、何も知らされなかったことに憤るニーナ。
キャラそれぞれのらしさが出ていればいいですが、上手くいったかどうか……

アルマも再び登場。 フェイランも合わせて、今後出番を増やしていきたいなと思うキャラです(こちらはフェリがいるので難しいですけど)。

さて、レイフォンが生きて帰る決意をする中、結局戦場に出しゃばってしまうニーナ。 彼女の命運やいかに?



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