[NERVに関する随筆 2015] 歴史に於いて “
もしも” と云う言葉は無い。
だが思考実験として考えるのであれば、IFを弄ぶ事は赦されると思いたい。
正規量産型EVANGELION4号機の事を。
EVA-04/pa02のSerial numberを持ち、近年に於いては【
嵐の如き暴竜】という識別名で知られた機体に関する事を。
先行量産機であったEVANGELION弐号機の運用実績を元に、正式に量産されたEVANGELION。
EVANGELION初号機の如く、機体に強い特徴があった訳では無い。
Second Childrenの如く、操縦者が高い能力を誇っていた訳でも無い。
だが4号機がNERV本部へともたらした影響は極めて大であった。
S2機関に関してのみならず、NERVアメリカ支部が独自に行っていた諸技術に関する詳細を得る事が出来のだ。
更にはSeeleなる、当時の国連を裏側から操っていた組織の詳細が得られた事は後の目から見て ―― 多少大げさな表現を許されるならば、天佑ですらあったとすら言えるだろう。
そして私がこの事に思いを馳せる時、常にとIF云う言葉を脇へと備える理由は、この様々な恩恵をNERV本部へともたらした出来事が、極々小さな出来事に起因するからに他ならない。
当時のNERV総司令官、碇 ゲンドウの気紛れと云う。
上巻 第2章 過程に関する考察(45貢目)より抜粋
著者 冬月 コウゾウ(2035年出版)
新世紀 EVANGELION
Bifid
それは、たった1つの分岐で生まれた世界。
1つのボタンの掛け違いが生み出した物語。