この作品はHDDクラッシュによる執筆継続困難のため打ち切りになりました。
大変申し訳ありませんでした。
ゼロの巨神兵
※はじめにお読みください
この作品は「ゼロの使い魔」二次創作です。漫画版「風の谷のナウシカ」より巨神兵オーマをルイズが召喚します。
予定作品要素は中世FT・ハッピーエンド・成長を予定しています。
本編において大量の人が死にますが、原作キャラも死ぬ可能性があります。またその際ねちっこくしつこいぐらい嫌らしく描写するかもしれませんのでお嫌いな方はご注意を。
なお原作設定は再構築されています。よって原作設定や人物等については必ずしも準拠しません。むしろ第一巻以降の設定は巻数を重ねるほどまるで累乗的に無視されますし、通貨や社会制度といった世界観についての設定も改変されています。これは作者が原作を最初の十数巻しか読んでないことによりますし、また作者好みの設定に改変しているためです。
この作品で登場する世界は二次創作の宇宙に浮かぶ無数の並行世界の一つと考えていただけるとお楽しみ頂けるかもしれません。
魔法詠唱の呪文及び魔法に関する設定は作者が適当に創作しています。これは原作で魔法に関する設定が十分理解できなかったためです。
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ハルケギニア。
始祖の大いなる恵みと慈しみによって長きにわたり栄える大地。
しかし、かつてその大地が炎に包まれたことがあった。
それはある日突然歴史に現れた。
山のような巨体は見るものに畏怖を与え。
全てを暴く瞳は等しく恐怖を振りまく。
冷徹で無慈悲な審判は人の心を理解せず。
空を竜よりも早く駆けては人々をひれ伏させた。
まさしくそれは邪神のごとき恐ろしさであった。
それが一度目もくらむような光を放つとこの世のどんな山よりも大きな火が全てを焼き払った。
禍々しい災火はどんな強力な結界をも貫き通し、海でさえもその灼熱の業火でかき消した。
人々の願いは残らず灰になり、涙でさえもその熱に乾いた。
跡には何一つ残らず、乾ききった死の大地だけが何年も残った。
幾度も人々は立ち上がり抵抗したが全てがそれの火の息に焼き尽くされた。
人々は絶望した。このハルケギニアに存在する全ての生物はただひたすらにそれに怯え、逃げ惑うしかなかった。
それは確かに人々に絶望と恐怖を抱え切れぬほど与えた。
しかしそれよりも恐ろしく、残酷で、無慈悲で、偉大な存在がいた。
その存在に比べればそれはまだ災害のようなものだった。悪意と憎悪に満ちたその人と比べれば。
その人はそれを操り畑を焼いた。そこは毒に浸された枯れ地となった。
その人はそれを操り街を焼いた。そこは涙も乾く悲劇の舞台となった。
その人はそれを操り城を焼いた。そこは名誉も失われた廃墟となった。
けれどその人は時には自ら世界を焼いた。
子どもの泣き声を楽しそうに聞きながら焼き、母の懇願を上機嫌に聞きながら焼き、父の罵倒を夢見心地に聞きながら焼き、大勢の人を笑いながら焼いた。
天にも登る炎に焼かれる人々があげる悲鳴を背に、恐怖に染まった民の目を嬉しそうに受け止めながらその人は世界を笑った。
ああ、それはなんとおぞましい姿であったろうか。
その人は人にあらざる罪過を積み重ね、大地を赤く覆った。
人々は山よりも大きく、全てを暴き、心を知らず、千里を駆ける邪神より、たった一人の人間を恐れた。
人々はたった一人の少女を恐れたのだ。