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No.21966の一覧
[0] ザ・ン・ギ・エ・フ!! (ザンギエフ×なのは)[煮込み鶏肉ハンバーグ](2012/08/09 23:54)
[1] ザ・ン・ギ・エ・フ!!2 ~~メカザンギエフの逆襲~~[煮込み鶏肉ハンバーグ](2011/10/12 13:35)
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[21966] ザ・ン・ギ・エ・フ!! (ザンギエフ×なのは)
Name: 煮込み鶏肉ハンバーグ◆aa27d688 ID:a701f12e 次を表示する
Date: 2012/08/09 23:54
日は高く、雲ひとつない青空が広がっている。だが、さんさんと照りつける太陽の光も、シベリアの大地に広がる残雪をすべて溶かすことは出来ない。森に生い茂る針葉樹の上にはまだ多くの雪が残っていた。
だが、今、その雪はふるい落とされている。大地が揺れているのだ。何も知らぬ人がこの場にいれば、地震と勘違いするであろう、その揺れは、決して自然が起こしたものではなく、人為的なものであった。その証拠に、何かが叩きつけられるような音が鳴り響いている。しかし、それは人為的といっても、重機などが起こす無粋なものではなく、大軍が踏み鳴らす軍靴のような耳障りなものでもない。どこか、聞くものの心を払うような、そう、まるで協会の鐘のような音であった。聞くものが聞けばであるが。

それも当然であろう。揺れと音の原因を知るものは納得してうなずき、熱心なファンならば喝采の声を上げるだろう。今、ここでは、ロシアの英雄ザンギエフが己の技に磨きをかけるべく、山篭りをしているのであった。

「うぬぅぅぅ」

ザンギエフは二メートルを越える巨体を震わせ、うめきとも取れる声を上げる。二メートルにも及ぶ身長と聞けば、普通は、バランスが悪いひょろっとしたようなスタイルか、横にも同じくらい広がったものを想像するが、ザンギエフはまったく違っていた。鍛えられた鋼の肉体。その表現がこれほどまで似合う体は他にあるだろうか。無駄といえるような脂肪はまったくついておらず、盛り上がった筋肉は彼の力強さを容易に想像させた。いたるところに刻まれている古傷は、彼が歴戦の勇士であることを証明し、頭を飾っているモヒカンは、彼の燃えるようなロシア魂を表現している。

まだ肌寒い空気の中、ザンギエフは一張羅である赤いパンツを纏い、いやそれ以外は纏わず立ち尽くしていた。彼に前には、大の大人でも二人がかりでなければ抱えることが出来ないような太さを持つ丸太が多数、無残な姿をさらして転がっていた。

「うぬぬぬ、これではだめだ、足りないのだ」

ザンギエフは嘆きの声を上げる。彼は行き詰っていた。己が必殺技に限界を感じていた。
そう、必殺技。必ず殺す技と書いて必殺技。
繰り出したからには、相手を必ず殺さなければならない。いや、ザンギエフは格闘家、プロレスラーであるのだから、殺す必要はないが、KOできなければならない。
だが、実際にはどうだろうか?

「ぬぅぅぅ……ふん!」

ザンギエフは近くにあった新しい丸太を抱え、高く跳び上がる。そしてそのまま鋭い回転を加え地面に叩きつける。丸太はその技にこめられた威力を証明するかのように粉々に砕け散る。これが実際の人間であったのならば、頭を破壊され、血まみれになっているのは間違いない。スクリューパイルドライバー。それが、この技の名前であり、ザンギエフの必殺技であった。
しかし、このスクリューパイルドライバーをもってしても必殺とはなりえない。最近の格闘界のレベルは高くなってきており、かつては体力ゲージの三分の一近く奪うことが出来たこの技も、今では六分の一ほどしか減らすことが出来ない。
六分の一。その程度の威力しかない技が必殺技として名乗ることが出来るのだろうか? かつて三分の一の威力を誇っていた時代でも一撃KOには程遠かったというのに。

ザンギエフはその巨体がゆえにすばやい動きが出来ない。体に流れる熱いロシア魂がゆえに、奇怪な飛び道具、ハドウケンを使うことは許されない。それゆえに、すばやい動きをするものや、ハドウケンを使う敵、それに手足を自在にのばしてくる相手に近づくことは容易ではなかった。
だからこそ、彼の必殺技は必殺でなければならなかった。鋼の肉体を頼りに相手の攻撃を耐え、近づき掴んで一撃の下に倒す。
それが出来なければ、ザンギエフはロシアの英雄であり続けることが出来ない。その事実が彼を悩ませていた。

スクリューパイルドライバーは完成された技だ。だからこそ、いかに世紀のプロレスラー、ザンギエフといえど手を加えることは出来ない。同じように、彼の鋼の肉体もこれ以上鍛え上げることは難しい。
ゆえに、今こそスクリューパイルドライバーを越える新たな必殺技を生み出さなければならないのだが、それがいったいどういう技なのか、ザンギエフにはまったく見当もつかなかった。

「ぬぅぅぅ、教えてください、偉大なる指導者。俺はいったいどうすればいいのでしょうか……」

ザンギエフは、敬愛している栄光ある元書記長に問いかける。だが、彼はこの場にいなく、声は届かない。いや、届いたとしても、いくら世界地図を頭に戴いている彼といえど、ザンギエフの悩みに答えを返すことは出来なかったであろう。それほどまでにこれは難しい問題であった。

「ふん……ぬん……ふん!」

何度スクリューパイルドライバーをかけようが、いくら己の肉体をいじめようが答えは出てこない。

「……少し休憩をするか」

結果が出ないことが無尽蔵な体力を誇るザンギエフに疲れを感じさせたのか、まるで、フルマラソンを走りきったようなランナーのような足取りで近くにあった切り株まで歩み寄り、腰を下ろす。

「ぬ?」

そのザンギエフの尻に痛みが走る。何か、針に刺されたような感覚。普段の彼であればその程度の些細なことはまったく気にしないで座り続けたであろう。しかし、己に自信をもてなくなってきていた彼は、そんな小さな問題を気にしてしまった。
腰を浮かせ、手を伸ばし、痛みが走った場所をまさぐる。原因はすぐに見つかった。小石のようなものが彼の尻に刺さっていたのだ。

「ぬう?」

なんだ、石かと思い、それを投げ捨てようとしたザンギエフの目に輝きが映る。小石が光を放っているのだ。眩い、閃光ともいえる輝きに思わず彼は見とれてしまう。それがいけなかった。ザンギエフは知らない、その石がなんと呼ばれているかを。いや、知っていたとしても彼は信じようとはしなかったかもしれない。だが、その石が持つ力は真実のものであった。その石の呼び名は、願いを叶える宝石、ジュエルシード。かつて海を越えた日本の海鳴という街に異界からやってきて、さまざまな現象を起こした不可思議な石。一部は管理局と呼ばれる組織に回収され、残りは大魔導師とともに消えたロストロギアが、今、ザンギエフの手の中にあった。ジュエルシードは純粋な想いに反応し、独自の解釈によってその願いを実現させる。そして、今、石の前には強き想いがあった。

『俺に、新たな力を』

石が放つ輝きは強くなり、ザンギエフを包み込む。そして、閃光がやんだ後には、何も残っていなかった。
ロシアが誇る英雄ザンギエフは今、この世界から姿を消した。


















そこは異界、そう呼ばれるのにふさわしい場所であった。あらゆる物理法則が無視されている。ビルは、木々は天から生え、巨体は何もない下面に立っていた。
その巨体の周りを二つの光が飛び回っている。一つは、その心の強さを表しているかのような、金色の光。そしてもう一つは、やさしく、されどまっすぐな想いを表現している桜色。
二つの光から、何度も閃光が放たれ、巨体にぶつかっているが、巨体は揺るがない。

「どうしよう、フェイトちゃん。何にも通じないよ」
「うん、バリアも張っていないし、バリアジャケットのようなものも纏っていないのに、どうしてだろう……」

二つの光、フェイトとなのはは困惑していた。
二人は闇の書事件以降、久々にそろって任務についていた。通常ならば、AAAランクの魔導師を二人も投入しなければならないような事件はめったに起こらない。いくら仲がいい二人といえど一緒に仕事をすることはあまりなかった。だから、今回は例外中の例外。二人だけではない、混乱した世界のため、通信も念話も通じないが、この世界のどこかに、クロノも八神家の面々もいるはずだった。そろえば世界をも救えるだろうといえるグループが一堂に会している。それも当然といえるだろう。かつてプレシア・テスタロッサとともに失われたと考えられていたジュエルシードが見つかったのだから、しかも発動している状態で。ジュエルシードは数がそろえば、次元震を起こし、いくつもの世界を滅ぼせるだけの力を持つ。だから、発動した場所に近い世界から集められるだけの戦力が投入されたのだ。

だが、転移したとたん世界の混乱に巻き込まれ、離れ離れになってしまう。アースラと連絡を取ることも出来ない。気の弱いものなら、こんな混乱した世界で孤立しようものなら、怯えて何も出来なくなってしまうであろうが、二人は違っていた。自分たちに与えられた役目を果たすべく、混乱の原因となっているだろう、ジュエルシードの捜索に向かったのだ。

そして、それはまもなく見つかった。すでに願いをかなえた後なのか、それは鋼色の肌を持つ人?のようなものにとりついていた。
二人はすぐに、封印をすべく、ジュエルシードの暴走体を弱らせようと魔力攻撃を放つ。だが、誘導弾も、直射弾も、砲撃も、斬撃にも暴走体は動じた様子を見せない。逆に、はげしい攻撃を続けた二人は疲れ果て、息を切らせている。
このままでは、限界が来て力尽きてしまう。二人はそう考えた。だから、その前に大技を放ち決着をつけようと考えた。

しかし、その考えは間違っていた。
もし、二人が、あれがなんと呼ばれるか知っていれば、その肉体が持つ効果を理解していれば、もっと別の戦術を選んだだろう。
あの鋼色に染まった肉体は、アイアンボディ。投げ技以外では一切ののけぞりモーションをとらないハイパーアーマー。そして、それを纏った巨体は、パラレルワールドでは、こう呼ばれるのだ。

メカザンギエフ、と。

メカザンギエフはその肉体を与えられたがゆえに一切の防御姿勢をとることが出来ない。それに、のけぞりモーションがないとはいえ確かにダメージは食らっているのだ。だから、二人は逃げ回りながら、メカザンギエフの体力を削り取るべきだったのだ。だが、攻撃が通じていないと勘違いした二人は足を止め、隙が大きい大技を放つことを選択してしまった。

「行って! なのは!」

フェイトが援護の射撃魔法を放つ。そして、それで相手の意識をそらしている間になのはが大技のチャージを行う。何度も練習したことが伺える完璧なコンビネーション。だが、選択した技が致命的であった。

「エクセリオンバスターA.C.S!」

トリガーワードとともに、なのは体が加速する。エクセリオンバスターA.C.S。別名、高速突撃型エクセリオンバスター。レイジングハートの先にやりの穂先のような魔力刃を灯し、高速で突撃して、相手の防御を破りゼロ距離で砲撃を叩きつける荒業。メカザンギエフの防御を突破できていないと考えたなのはとしては、この技を選んだのはある意味当然の選択であったのかもしれない。

だが、プロレスラーに自ら近づくという行為の意味を彼女は知らなかった。
穂先はメカザンギエフを捕らえ、砲撃は彼を包み込んだ。しかし、体力ゲージを削りきるまでにはいたらなかった。なぜならザンギエフは数ある格闘家の中でも最高の体力を持つのだから。

「きゃ!」

砲撃に耐え切ったメカザンギエフの手がなのはを掴む。そして、その体勢から繰り出されるのは当然!

「ふん!」

必殺技! スクリューパイルドライバー!
あらゆる物理法則が無視されているこの世界でも、この技が回転して落下することを妨げることは許されない。レバーが一回転してパンチボタンが押された後に待っているのは、赤く染まった体力ゲージだけなのだから。

異界がゆえか、スクリューパイルドライバーはいつもより高く舞い上がる。この高さならば防御力を誇る、なのはといえど大きなダメージを負ってしまうことは間違いないだろう。もしかしたら、格闘家でない彼女ならば、気を失ってしまうかもしれない。そしてそんな無防備で頭にひよこを飛ばせていれば、待っている結末は簡単に想像できる。格闘家相手にはありえないピヨりからピヨりへと延々とつながるスクリューの嵐。さもすれば、意識を失いメカザンギエフとなってしまった彼ならば、彼女の命さえ奪ってしまうかもしれない。

だが、そんな悲劇的な結末をなのはの友達であるフェイトが黙ってみているはずがない。

「だめー!!」

落下してくるメカザンギエフとなのはを受け止めようというのだろう。フェイトはその小さな体を下にもぐりこませる。
落下地点に向けられていたメカザンギエフの目と、見上げてくる赤い瞳が絡み合う。それが、レバーが一回転した後には赤く染まったゲージしか残らないという絶対の法則を狂わせる。

フェイトは、きれいな金色の髪に、白い肌を持っている。そう、フェイトはロシア的美少女といえるのだ! そのロシア的美少女が、必死の形相を浮かべ、悲鳴とも取れる叫びを上げている。
それが、メカザンギエフとなってもくすぶっていた彼のロシア魂に火をつけた。
彼が戦っているのは、強くなりたいと願ったのは、ロシアのため、ロシアに生きる人々のため、ロシアをこれから背負っていくであろう子供たちに希望を与えるためだった。
その自分が、ロシア的美少女を泣かせるような行為をしてどうする!

「ぬぉぉぉおぉおおおおお!!」

ザンギエフは雄たけびを上げて、抱えていたなのはをフェイトのほうに放り出す。そして、スクリューの勢いすべてを自らの体に向けた。世界が激しく揺れ、地煙が舞い上がる。
そして、その煙の向こうから、

『KO!!』

そう、決着を告げるコールが、確かに聞こえてきたのだった。
















「ぬう、すまなかった少女たちよ」

とりついていたジュエルシードを封印され、通常時の肌の色に戻ったザンギエフが深々と頭を下げる。ザンギエフは、間違ったことをしたわかったときは潔く謝れる、高潔な精神を持った漢なのだ!

「いえ……」
「まあ、ジュエルシードにとりつかれていてはしかたがないですから……」

二メートルを越える巨体が二人に覆いかぶさらんばかりに頭を下げているのだ。その光景になのはたちは少し恐怖を覚えたのか。少し顔を引きつらせている。

「ぬう、しかし、おぬしらのような年端もいかない少女が、たった二人でこんな奇怪な場所で何をしている? 危ないから早く家に帰りなさい。美少女はロシアの宝なのだから」
「……ロシア、ロシアって国のことだよね?」
「……うん、まあ、フェイトちゃんは金髪できれいだから、その国の人と間違われているのかもね。うーん、どうやら言動から私と同じ世界の人が巻き込まれちゃったみたいだから、ちゃんと事情を話したほうがよさそうだね。全部封印するまで帰れないようだし……」

なのはとフェイトはザンギエフの言動とその巨体に少し引きながら、事情を説明する。それは、何も知らない人が聞けば、妄想と斬って捨てるような内容であったが、ザンギエフは、世の中が奇怪なことであふれかえっていることを知っている。ハドウケンも、自在に伸びる手足も、スモウレスラーの一秒間に百回繰り出される張り手も、アメリカ軍人の奇妙な髪型も知っている。だから、少女たちの話を戯言と笑い飛ばすことはしなかった。先ほどまで、自分自身に起こっていた現象もある。そして、なにより、ロシア的美少女が嘘をつくことなんてありえはしないのだ!

「ぬう、わかった。このザンギエフが何とかしよう。そのジュエルシードというものを集めればいいのだな。安心して任せたまえ、赤きサイクロンの名にかけて全部集めて見せよう。だから、少女たちは早く家に帰りなさい」
「だめだよ、ジュエルシードは危険なんだよ!」
「そうです、一人でなんか危険すぎます」

説明をよく理解していないように伺えるザンギエフを、二人は必死で止める。
そして、その言動をザンギエフは、またロシア的に解釈する。

「うむ、そうだな、全部集め終わるまでは帰れないのだったな。こんな危ない場所に少女二人を置き去りにするのは心苦しい。わかった、二人とも着いてこい。俺の後ろにいれば何の危険もないぞ。赤きサイクロンの戦いぶりに見ほれているといい」
「ええと、そういうことじゃなくて……」
「……なのは、たぶん何を言っても、もうだめだと思う。とりあえず一緒にいてはくれるみたいだから」
「……うん、そうだね。暴走体を発見したら、ザンギエフさんが前に出る前に私たちが全力全開で封印しちゃうしかなさそうだね」

ロシア魂を燃え上がらせているザンギエフを横目で見ながら、なのはとフェイトはうなずきあう。
ザンギエフは、二人を見てなにやら満足そうにうなずいた後、歩き始める。

「わあ、どこに行くんですか」
「そうですよ、どこに暴走体がいるのかもまだわかっていないのに、むやみに歩き回ったら……」

二人は慌ててザンギエフの後を追う。その様子を見て、ザンギエフはほほえましそうに笑う。

「心配するな少女たちよ! 俺は、ザンギエフ。ロシアの英雄。だから、その行く手にはいつも試練が立ちはだかるのだ。それを、乗り越えてこそ、英雄なの……だから……な」
「え、えと?」
「どうしたのですか? ザンギエフさん?」

威勢のいい声を上げたかと思うと突然立ち止まり、なにやら悩み始めたザンギエフを二人が覗き込む。その顔は苦悩に満ちていた。ザンギエフがこんな表情を人前で見せることは珍しい。ましてや、今彼のそばにいるのは守らなければならないロシア的美少女なのだから。だが、彼は思い出してしまったのだ。この世界に飛ばされる前に悩んでいたことを。

もう、彼のスクリューパイルドライバーは必殺技と足りえないことを。

必殺技を持たないプロレスラーである彼が、口に出したような大言壮語を実行できるのだろうか? その思いがザンギエフに苦悶の表情をうかべさせていた。
されど、それでも彼はロシアの英雄。彼自身が口にしたように英雄には試練が付きまとうもの。歩き出して数分、まだ答えの欠片すらつかめないうちに、彼らの前にそれは立ちふさがった。

「あ、本当に」
「さっきまで何の魔力反応もなかったっていうのに……」

黒い豹のような暴走体。その背中には無数の触手が生えており、それを自在に伸ばしてザンギエフたちに襲い掛かってきたのだ。その姿はまるでザンギエフの最大の難敵であるヨガの使い手であるかのようであった。
吐き出される炎に、伸ばされる触手に、アイアンボディを失ったザンギエフは一歩も暴走体に近づくことが出来ない。ただ、防御姿勢をとり、身を固めるだけであった。

「いくよ、フェイトちゃん!」
「うん、なのは!」

そんな彼を尻目に、二人は空を飛びまわり、触手を華麗に交わして、射撃や砲撃で暴走体の体力を削っていく。

「時代は、やっぱりハドウケンなのか……」

繰り広げられる光景に、英雄の口から弱音が漏れる。それはあってはならないこと。それだからだろうか。天は彼に罰を与えようというのだろうか。

「ザンギエフさん!」

なのはの砲撃に吹き飛ばされた暴走体が、ザンギエフの前に着地する。暴走体は体勢を崩している。この好機を見逃すザンギエフではない。

「ぬん!」

二メートルを越す巨体が宙を舞う。
繰り出される技は、フライングボディアタック。彼の巨体を持って相手を押しつぶす豪快な技だ。だが、一回跳ばなければならないがゆえに、繰り出されるまでは一瞬のラグがある。だから、暴走体は防御を間に合わせることが出来た。
しかし、そんなことは関係ないといわんばかりに、ザンギエフは暴走体にその鋼の肉体を叩きつける。それだけではない、そのまま着地姿勢のまま地獄突きを繰り出した。それは一般人が急所に喰らいでもすればそれだけで悶絶しそうな鋭さを持っていた。だが、それも暴走体の防御を崩すことは出来ない。
だが、それでいいのだ。この連携技の目的は相手にダメージを与えることではない、相手の動きを止めること、そして間合いを調整するためであった。

そして、この間合いから、繰り出される技は唯一つ!

「ふん!」

ザンギエフは、暴走体を掴み空高く舞う。そして、そのまま鋭く回転しながら、下へとたたきつけた。

『KO!!』

決着を告げるコールが鳴り響く。

「やったね!」
「ザンギエフさん、すごかったです!」

二人の少女は、初めて見たザンギエフの必殺技に目を丸くして、大はしゃぎする。こんな荒業を使うものは、管理局で働いているなのはとフェイトでも、出会ったことがないのだろう。
その瞳からは、先ほどまでどこか不安そうにザンギエフの事を見ていた光が薄れ、素直な賞賛の心にあふれていた。

だが、その賞賛を受けて、普段なら、勝利の雄たけびを上げているザンギエフの表情はうかなかった。彼は理解していたのだ。
この暴走体を倒したのは自分ではないと。

彼が繰り出した必殺技スクリューパイルドライバー。それは、暴走体の体力ゲージを八分の一ほどしか奪うことは出来なかった。それは、彼が、初めてストリートファイトの世界に入ったときの、大降りのパンチ一発ほどの威力に過ぎない。暴走体は彼の前に来たときはもうすでに瀕死だったのだ。
ザンギエフがやったのは、弱ってピヨっている敵に止めを刺しただけ。そんなことは初めてレバーを握った小学生にも出来ることであった。

「ぬうう……」
「ザンギエフさん……?」
「いったい、どうしたんですか?」

ザンギエフはうなだれる。気力を失ったその巨体は二人にはとても小さく見えた。
彼の前には力を失ったジュエルシードが弱弱しく光を放ち浮かんでいたが、ザンギエフの様子に二人は一時それを封印することを忘れてしまった。
そして、英雄であることを運命付けられたザンギエフに試練は再び舞い降りる。

「ん、すごい魔力……」
「きっと、これが元凶……残りのジュエルシードがすべてあの中に集まってる」

それは巨大な球体であった。そして、あらゆる要素を持っていた。
先ほどの暴走体の触手も、炎も、なのはたちが使った魔法さえも使い、三人に襲い掛かってきた。
その攻撃は激しかった。ハドウケンというよりも、ソニックブームといいたくなるほどのが嵐だった。動き鈍いザンギエフはもとより、空を自在に飛びまわれるなのはとフェイトでさえも防御を固めるしかなかった。

「このままじゃ、埒があかないよ、フェイトちゃん!」
「うん、なのは、わかったよ!」

比較的防御が厚いなのはが盾になり、フェイトがその影から砲撃を放つ。フェイトの砲撃は、なのはのものに勝るとも劣らない。ゆえに、それは一撃必殺の威力がこめられていた。
だが、それを喰らっても、球体は揺るがない。確かに直撃した。バリアのようなものを張った様子もなかった。それなのに、球体は動じた様子を見せない。

「え……」
「まさか……」

二人は、それに心当たりがあった。つい先ほど、それに苦しめられたのだから当然だ。アイアンボディ。投げ技以外では一切ののけぞりモーションをとらないハイパーアーマー。

「……だったら」
「うん」

ならばと、二人は攻撃再開する。アイアンボディを纏うものは防御姿勢を取れない。それゆえに、なのはとフェイトの攻撃は当たれば必ず相手の体力ゲージを減らす。だから、攻撃を続けていればいつか倒すことが出来る。攻撃が通っていないわけではないのだから。
だが、その目論見は簡単に崩れ去る。

「きゃあ!」
「フェイトちゃん!」

防御が厚いなのはは、盾で身を守りながら、その合間に攻撃を続けていたが、高機動型のフェイトはなのはのような戦法を取ることが出来ない。必死に回避行動を取っていたのだが、まるで、今ではもうやることが不可能となっている海賊盤ストⅡ´´(ダッシュダッシュ)のガイルが繰り出す、ソニックブームラッシュのような、嵐の猛攻をかわしきることは出来なかった。
一発あたれば、その後に控えている数十にも及ぶソニックブームが続けて襲い掛かってくる。すべて喰らえば待っているのは死でしかない。だが、彼女にも救いがあった。
ピヨリである。
三発喰らったところで、気を失った彼女は体勢を崩し、落下する。そのおかげでソニックブームの嵐から抜け出すことが出来た。
なのはが落下するその体を受け止め、フェイトを追ってきた誘導型のソニックブームを盾を張って防ぐ。だが、猛攻はとまらない。

目標が一つ減った分、ソニックブームの嵐は激しくなっている。なのはも、防ぎながら、合間に砲撃を放つということは出来なくなり、ただひたすら防御を固めることしか出来なかった。このままでは、待っているのは削りによる死。幾多の´´(ダッシュダッシュ)プレイヤーが味わった敗北しかなかった。

「ぬうう……」

ザンギエフはその様子を歯噛みして見ていることしか出来なかった。
ザンギエフの元にもソニックブームは襲ってきている。だが、それはなのはたちに向かっているものに比べれば小数。しかし、動きの鈍い彼ではそれをかわすことなどは不可能だ。一発でも喰らえばのけぞりモーションが入ってしまう。そうなればその後に続くソニックブームをすべて喰らってしまう。いくら体力が高い彼といえど、七、八発も続けて喰らえばピヨってしまう。
そうなれば、フェイトと違いかばってくれるものがいない彼に待っているのはKOだけだ。
だから、防御姿勢をとることしか出来なかった。ただ、何もせず、ロシア的美少女が撃墜されるのを見ているしか出来なかった。そして、ロシア人ではないとはいえ、あどけない少女がその身を張ってがんばっているのに、手を差し伸べることが出来なかった。

球体は、ザンギエフのことを脅威とみなしていないのか、彼との距離はそこまで離れていない。だが、ほんの少し、一歩分だけ間合いの外にあった。
あと一歩踏み込めれば、とザンギエフは考える。そうすれば掴める。スクリューを喰らわせることが出来る。

だが、それがどうしたというのだ、そうともザンギエフは考える。この球体の体力は、あの豹のような暴走体を大きく上回るだろう。そんな相手に、必殺となりえない技を食らわしたとしてどうなるというのか? スクリューは一度決まるとその反動で、相手との距離が離れてしまう。ピヨってもいない相手に連続で食らわせることなど出来ない。中パンチほどのダメージを単発で与えることに意味などない。
それにそもそも、その間合いをつめることが不可能なのだ。

「ぬぅぅぅ」

ザンギエフは己の不甲斐なさのあまり、唇を噛み切る。それしか出来ない。

「きゃああああああ」

彼が思い悩んでいる間にも、なのははソニックブームの猛攻にさらされていた。彼女が張っていた盾はついに嵐に耐え切れなくなり、破壊されてしまう。反動で大きく吹き飛ばされるなのはとフェイト。
そのおかげが、すぐさまソニックブームが二人に襲い掛かることはなかったが、もうKOは時間の問題だろう。

「ぬ……おおおお」

思わず、かがめていた体を立ち上がらせるが、それはソニックブームの的となる面積を増やす行為でしかない。嵐に耐え切れず、すぐに体をかがめさせられてしまう。

「ぬう、せめて、後一歩後一歩ふみこむことができれば……」

そうすれば、スクリューを喰らわせ、一瞬でもソニックブームの嵐を止めることが出来る。そうなれば、あの二人が逃げる時間くらい稼ぐことが出来るのに。
その想いに反応するかのように、ザンギエフのそばで浮かんでいたジュエルシードが輝きを強める。
アイアンボディを再び、ザンギエフに授けようとしているのだろう。確かに、ハイパーアーマーを纏えば、このソニックブームの嵐にも耐え切ることが出来る。ピヨるよりさきに、一歩踏み込みスクリューを食らわせることが出来る。その後も、体力が尽きるまで、戦い続けることは出来るだろう。

「いらん!」

だが、その誘いをザンギエフははねのける。
アイアンボディを纏っても、勝つことは難しい。
だが、彼はそんな理由で、誘いをはねのけたのではなかった。
彼は、英雄にしてもらいたいのではない、英雄でありたいのだ。強くしてもらいたいわけではない、強くなりたいのだ。
彼が、どんな苦難にもめげず、努力して壁を乗り越え続ける姿こそが、ロシアの民に希望と光を与えることが出来る。そう信じているから。それなのに、与えられた力で、降ってわいた能力で勝ちを得て、何を誇るというのだ。神や得たいの知れないものに祈ることで得た勝利などには一片の価値もない。そんなものにすがるくらいなら、人として最期まで戦い続け、人として出来る最高をロシアの人々に教えたい。

「ぬん!」

だから、ザンギエフは一歩踏み出した。
球体の方向へではなく、横へ。球体と少女たちの間に入り込むように。

「行け! 少女たちよ! ロシアの未来は託した!」

彼の鋼の肉体なら数発はソニックブームに耐えることができる。その間に二人を逃がそうというのだろう。
だが、頑固な少女と、その頑固さに救われた少女は素直にうなずかない。

「ザンギエフさんを置いて逃げることなんて出来ないよ!」

なのはが叫び、ソニックブームを消し去るように砲撃を放つ。

「うん、諦めないで! 三人で力を合わせればきっと勝てるよ!」

フェイトもその手に持つデバイスを振るい、ザンギエフに命中しようとしていたソニックブームを切り払う。

「少女たちよ……」

ザンギエフはの瞳は感涙にあふれていた。
このまっすぐな心を持つ少女たちがいれば、ロシアの未来は明るい。自分の選択は間違っていなかったのだと。
そして、もう一つ。
フェイトの言葉がザンギエフにひらめきを走らせた。

「三人……三……そうか、わかったぞ!」

その瞬間奇跡が起こった。
なのはとフェイトの熱い心と、燃え盛るザンギエフのロシア魂、それに彼の脳裏に走ったひらめきが新たなるゲージを作りだし、それを埋める。

「少女たちよ、一瞬でいい、一瞬だけ、やつに隙を作ってくれ!」
「わかったよ、エクセリオン……」
「うん、トライデント……」

新技を繰り出すには少し遠い、少女たちを守るために遠ざかってしまったのだ。後一歩踏み込む必要がある。だが、それはザンギエフ一人では到底当は出来ない絶望的な距離。しかし、ザンギエフは一人ではないのだ! 少女たちのロシア魂を認めたザンギエフが二人に援護を求める。二人はそれにうなずいて、それぞれのデバイスの先端に魔力を灯す。

「バスター!!」
「スマッシャー!!」

桜色と金色の砲撃がソニックブームの嵐をかき消した。
一瞬できた空白。その空白にザンギエフは踏み込んだ。

「見るがいい、俺の新たな必殺技を!」

ザンギエフの接近に気がついた球体が慌ててソニックブームを放つが、もう遅い。
すでにザンギエフはコマンドを完成させていた。この状態になってからでは遅いのだ。
この状態に陥った格闘家たちは口をそろえてこういう。

『吸い込まれた』

と。

そう、この吸い込みこそが、赤きサイクロンの真骨頂!
無敵モーションがない技ならありとあらゆるものを掴んでみせる!
そして、繰り出されるは本当の必殺技!

ザンギエフは悟った。一回で三分の一しか体力ゲージを奪えないのならば、相手を放さず続けて三回投げればいいのだと。そうすればちょうど一。相手のゲージを完全に奪うことが出来るのだ! (注;実際にはこの技でも三分の一ほどしか奪えません)

今、命名しよう! 
この新必殺技の名前を!

「ファァイナル!」

巨大な球体を掴みザンギエフはそのままバックブリーカーを決める。掴んでしまえれば、ザンギエフに相手の大きさなど関係ない。どれほど巨大であろうと投げることが出来るのだ。

「アトミィィック!!」

そのまま、続けてもう一回。そして、高く跳び上がる。
とどめの一撃は当然!

「バスタァァァ!!!」

いつもより三倍高く跳び、二倍の回転を加えたスクリューパイルドライバーで相手を叩きつける!

これこそが、真! 必殺技!

ファイナルアトミックバスター!

日本語訳、最後の核爆発投げ!

その名が示すとおり、FAB(ファイナルアトミックバスターの略)の威力は絶大であった。
球体はその姿をうすれさせ、霞のように消えていく。それだけではない、FABの余波が、ジュエルシードが作り出していた世界にひびをいれ、崩壊させる。まさしく、最強の必殺技。世界を崩壊させる威力をこめた技である。

『なのは、フェイト、無事か?』

世界が崩壊したためか、物理法則の乱れが戻り、通信が復活したようだ。二人を心配そうに呼びかける声が聞こえてきた。

「あ、クロノ君」
「兄さん、大丈夫だよ」

二人は、やはり、少し不安だったのか、その声が聞こえたことであからさまにほっとしたような表情を浮かべている。
ザンギエフはそれ見て満足そうに、うなずいている。

「うむ、どうやら、もう、何の問題はないようだな。少女たちよ、家に帰るがいい。そして、ゆっくりと休み、夢を見て、輝けるロシアのために、力を蓄えろ! 俺は少女たちが大きくなるまで、ロシアを守り通して見せるぞ!」
「ええと、私、ロシアの人じゃないんですけど……」
「それより、ザンギエフさんは、どうされるのですか? よろしければ、ロシア? までお送りしますけれど」

あきれた表情を浮かべるなのは。それに対して、フェイトはもう慣れたのか、すんなりとかわし、ザンギエフにその後をたずねてきた。
それに対して、ザンギエフは、鷹揚にうなずく。

「うむ、心配いらんぞ、ロシア的美少女よ! 俺が、ロシアの英雄が勝利を挙げたのだ。偉大なる指導者が迎えに来て、祝いのコサックダンスを一緒に踊ってくれるに違いない。だから、少女たちは、余計な気を回さず帰るがいい」
「え、ええと。ここは異世界、次元の違う世界なんだけど……」
「うん、そうだけど、どうやら、ロシア?の人にはそういった常識は通用しないみたい。後で報告しておかないと」

何とか説得して一緒に帰ろうとしている、なのはをフェイトがとめて、上空を指差した。豆粒のような機影。それはだんだんと大きくなっていく。

「ヘリコプター!?」
「うん、でもそれだけじゃないね」

そう、それだけではなかった。ヘリコプターからは、はしごが吊り下げられており、そこには一人の男性が捕まっている。そして、その男性の頭には世界地図が描かれていた。

「おお、偉大なる指導者ゴル○チョフ元書記長!」

ザンギエフは、喜びの声を上げる。そして、先走ったのか、一人でコサックダンスを踊り始めた。

「……フェイトちゃん、もう帰ろうか。なんか私、頭がおかしくなりそう」
「うん、そうだね、帰ってゆっくり休もうか、なのは。ザンギエフさんもありがとうございました」
「うむ、ゆっくり休め、少女たちよ!」

なのはとフェイトはザンギエフに会釈をして、転移陣を作り、そこに身を躍らせる。
二人が去った後、コサックダンスの宴は夜通しで続いていた。



















自壊予告




本当はありえなかった出会いが歴史を変える。
この出会いを見ているものがいたのだ。

「はははははは、すばらしい。すばらしすぎる!」

その者は紙一重で天才であった。いや、こんなことを考えるあたり、もしかしたら紙一重のほうであるかもしれない。
時は過ぎ、少女たちが、もう少女と名乗るのが厳しい年齢になったとき、それは起こった。
少女たちが所属する機動六課と呼ばれる部隊と、紙一重の作り出したものがぶつかり合ったのだ。
本来の歴史であれば、少女たちの部隊が完全とも呼べる勝利を挙げたその戦いは、この歴史では大きな変貌を遂げていた。

「なんで、なんで、喰らってものけぞらないのよ!」
「だめ、エリオ、近づいたら吸い込まれる!」
「助けて、なのはさん、フェイトさん」

上がる悲鳴、そして悲鳴は自分たちが信頼する隊長たちに助けを求める。
だが、二人は呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。それほどまでに圧倒的な光景だったのだ。

「ザンギエフさん……」

地平線を埋め尽くすほどのメカザンギエフの群れ。そう、紙一重は、ガジェットの代わりに無数のメカザンギエフを作り上げたのだ!
次々と吸い込まれていく、機動六課のメンバー。突破されていく防衛線。

「うふふふふ、最高だわ!」

眼鏡はそれを見て喜びの声を上げる。それは勝利を確信した笑い。
だが、

「ザンギエフさん……」
「だめだよ、フェイトちゃん諦めたら、ザンギエフさんが教えてくれたじゃない!」

ロシア的美女の涙と、ロシア魂にも似た不屈の心が、奇跡を呼び寄せる。

「ぬう、ここはどこだ? モスクワではないようだが……」

そして、繰り出される新技。

「ゆりかご? ぬう、空中竜巻旋風脚のことか、そんなものつかんで落としてくれるわ!」

エリアルロシアンスラム!

「そうよ、あなたたち虫けらの命なんていくら失われても何の問題もないの!」
「ぬう、許せん。その根性叩きなおしてくれるわ!」

元凶を前にしてザンギエフに新たなゲージが生まれる。

出るか!? ウルトラコンボ!

アルティメットアトミックバスター!!





自壊を楽しみのお待ち下さい。











おわっとけ。













あとがき

ザンギエフへの愛が暴走した。後悔はしていない。
そして´´(ダッシュダッシュ)
知らない人のほうが多いんだろうな。もし知っている人がいたら、作者と同じ世代。要するにおじさんです。
追記:20120808に リリカルなのはSS cafe というサイトに転載いたしました。


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