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No.21913の一覧
[0] 頭が痛い(ネギまSS)[スコル・ハティ](2016/05/23 19:53)
[1] 第二話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:17)
[2] 第三話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:17)
[4] 第四話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:18)
[5] 第五話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:18)
[6] 第六話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:18)
[7] 第七話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:18)
[8] 第八話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:18)
[9] 第九話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:19)
[10] 第十話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:19)
[11] 第十一話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:19)
[13] 第十二話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:20)
[15] 第十三話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:21)
[16] 第十四話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:22)
[17] 第十五話[スコル•ハティ](2015/12/19 11:22)
[18] 第十六話[スコル・ハティ](2015/12/19 11:22)
[35] 第17話[スコル・ハティ](2016/06/03 22:36)
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[21913] 第十三話
Name: スコル・ハティ◆7a2ce0e8 ID:1ce8384a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2015/12/19 11:21
「何故来たのか等とは聞いてくれるなよ。私の目的が何であるかなどお前に初めて会ったときからたった一つしかない」

「俺への嫌がらせでしょう? 幾ら俺でも忘れたりしませんよ。実感も記憶も無いとは言え、流石に一度俺の事を殺してるんですから。その相手がどんな人なのか、この短期間で忘れるのは至難と言えますよ」

「ふん、これでホンの僅かばかりでも驚いていれば可愛げがあろうというのに。お前という奴は本当にこれっぽっちも可愛くないな。殺しておいて正解だったよ」

「そもそも可愛げが有ったら貴方に目を付けられた挙句に殺されることも無かったと思います。まあその事について恨み言の一つも吐く気になりませんし、俺にとってはどうでも良い事ですけどね。どちらかというと俺が分からないのは貴方が此処に来た動機ではなく、此処で私に何をする積りなのかという事です。嫌がらせならもうとっくに済んでいると思っていたのですが、もしかしてまだやり足りない事でも?」

「ああ、やはり私は爪が甘いのかな。お前に一つ二つ伝え忘れたことが有った。お前にくれてやった物について説明をしていなかった。なに、至極簡単で単刀直入に事実を教えてやる積りだ、そう時間は取らせんよ」

「そういう事なら早速お話をしていただいて宜しいですか? 俺の生徒では有りませんが子供も居ますから早めに用事を済ませてしまいたいんです。それともこの子達だけでも先に進ませてもらっても構いませんか?」

「いや一緒に聞いてもらおうか。そっちの方が面白そうだ。無論私にとってはだが」

「期待された反応を返せるか自信は有りませんが、頑張りますよ」

「では、用件に移ろうか。黒金哲、お前私が与えてやった物が何か分かるか?」

「まあ、大分うろ覚えになっていますけど貴方が言ったことを振り返ってみれば大体分かるような気がします。俺の自意識以外は殆ど貴方から貰ったものでしょう。顔が変わってるところを見るとどうやら恐らく身体も全部貴方が作った物ですよね? 色々とあるようですけど有形無形合わせたら名前を挙げていくのが面倒になる位のものは貰っている気がします」

「その通りだ黒金哲。お前の言ったとおりお前の意識、正確に言えば魂以外の全ては私が特別にお前の為だけに作ってやった。後お前の物が残っているとすれば記憶位の物だよ。一旦私の作った身体に移し変えたがね。それ以外は字義通り全て私のオーダーメイドだよ。その眼も鼻も口も耳も髪の毛も指も腕も肩も胸も足も内臓も脳も、お前の体は細胞の一つ一つ私のお手製だ。それだけじゃない、大凡才能と呼ばれるものは全て私からお前に与えた。学習も運動も思考も作業も考え付く限りなどというくだらない制限も無くどんな事でもお前ならたった一人で実現可能だ。それも一般的な人間の行う行動の範疇に収まらず超常的な能力も思いのままだ。暫く前にお前が使ったアレがどれ程の事態かお前には理解できないだろうが、断言しよう。あんな事が出来る存在は、お前が元居た世界から見れば出鱈目としか言えないこの世界にも一人も居ない。詳しいことは後でそっちの金髪の娘にでも聞けば詳しく教えてもらえるんじゃないか?」

「はあ、それはまあ其処までとは行かなくても一応理解していたんですが。もしかしてそれだけですか?」

「まだだ。まだ先が有る」

「嬉しそうな顔をしてますけど、そんなに俺が嫌がりそうな事ですか?」

「どうだろうな。薄々気が付いてはいるんだがお前は余り気にし無さそうでは有る。とはいえやってみなければ結果は分かるまい。或いはお前の苦しみが少しでも長引けば良い。それだけだよ」

「昔から思っていたんですけどどうも俺は知らない人から猛烈に嫌われる才能が有るみたいですね。俺の性格のせいでしょうが神様にまで嫌われているとなると流石に落ち込みますよ」

「そうは思えんような顔付きをしているのが本当に腹立たしい。それに私はお前の事を知っているぞ。お前が生まれた瞬間からな。お前の誕生に祝福まで贈っているのだ。お前が一方的に私のことを知らないだけでそう冷たい事を言わないでくれないか?」

「殺された相手に向けるような笑顔を持っている人間なんか薄ら寒いだけでしょう。こうして生き返っているとはいえ私もそれと同じですから」

「そんな事を言えばお前のように臆した様子もなく私に向かい合うことが出来る人間というのも十分に薄ら寒いといえるが。まあ、その辺りの事は今はいい。話の続きの方が重要だからな。では、黒金哲、私がそれ以外にお前に与えた物に心当たりはあるか?」

「他に貴方から貰ったものですか? ………肉体と能力と……。ああ、後は運ですかね」

「覚えていてもらえて嬉しいよ黒金哲。そう、残りの一つは運だ。これはどちらかといえばお前の運命そのものだと言えるが」

「つまり俺が送る人生は既に貴方によって決定された規定の道だということですか?」

「違う、そうじゃない。私の決めた運命を与えたのではなく、君に君自身に運命を与えたのだ。よくこの様に言う人間が居るだろう。運命は自ら切り開くものだと。正にその通りの物を君に贈ったのだ黒金哲。最早君が人生に於いて不幸を嘆くことは無い。君の生において起こる全ての事象は全て君の思い描くままなのだからな。通常人間は自らの才能を大きく上回る運命という名の流れに飲み込まれることを余儀なくされるが、君はその流れそのものを操る事が出来るのだ。どうだ? 凄くは無いかね」

「ええ、まあ驚愕に値する事実だと思います。では俺が今このような事をしているのは貴方から与えられた力に因る事なのでしょうか?」

「全く違うというわけではないが、それが今言った運の事を指すならばこう言う他無いな。馬鹿な事を言うなと。私が与えた力がこの程度で収まるとでも思ったのか? 言っただろう、思いのままと。貴様がそう欲すれば瞬きの間に全世界の人間を平伏させる事も、明日で終焉を迎える世界を永遠に存続させることも出来る豪運が齎す物が、たかだかその程度の物である訳が有るまい。今のお前の境遇は私が作ったお前の身体の持つ運に因る物だ。お前が何も望まない為にその身体自体が持つ幸運が引き寄せたものに過ぎん」

「なるほど、じゃあこういう事ですか。俺がこれから先どんな人生を辿ったとしてもそれは俺自身の努力や運命の結果ではないと」

「無論そうなるな。幸福を望まぬお前の思考は理解の及ぶ物ではなかったが、確か貴様はこう願っていたな。努力の末に勝ち取る人生が欲しいと。どうだ、前世において唯一望んだものを奪われた気分は。悔しいだろう? 憎らしいだろう?」

「まあ、少しだけ。そもそも今の今まで努力もしてこなかった俺が今更そんな物を手に入れられるとは思ってはいませんでしたから」

「期待していなければ失望もより少ないという事か。ちっ、つまらん」

「という事はお話は終わりですか?」

「ああ、残念ながらな。矢張りまともな神経をしていない奴に嫌がらせというのはどうにも普通の人間に行うのとは勝手が違うようだ。これが全うな人間だったなら今頃泣き叫んでこれからの人生の空虚さに打ちのめされでもしているだろうに」

「といわれましても人生の空虚さなら生まれたときから感じてますから。打ちのめされるなんて言うのは本当に今更の話でしょう。それに良い事尽くしじゃないですか。ただ生きていけるだけでこの瞬間死んでしまう人たちや幸せに生きていけない人たちよりも余程幸せだ」

「それほど平坦な表情で言われても信憑性の欠片も無いがな」

「まあその為の努力なんて一度だってしたことはありませんが、自分の様な人間に幸運が訪れるくらいなら不幸な人間が一人でも減ったほうが良いとも思ってますし。何より嬉しくもなんともありませんから」

「ふん、貴様が本当に幸せを求めるようになればその時漸くお前の苦しむときが訪れるわけだ。それまでは只管に絶望を舐め続けるといい」

「そんな時が来れば良いと自分でも思っているのですがね」

「忘れたのか黒金哲。貴様は不老不死・不死不滅の化物だ。貴様がこのままの生き方を続けるにしろ、普通の生き方に目覚めるにしろどちらにしろお前には苦しみしか用意されていない」

「それは俺が善良な人間の場合でしょう。何の努力もせず我武者羅に幸福を啜る行為を肯定できるような人間になれば貴方に与えられた力は私を幸せにしてくれるように思いますが」

「そうなれるならばとうの昔にそうなっている。周囲の人間に等微塵も興味を抱かず幸福を幸福とも思えない人間が悪人になど成れる筈もない。悪人というのは自らの幸福に恐ろしく貪欲な連中だ。そして他人の幸福すら横取りして幸福になる。では他人にも興味が無く、他人の幸福は自分にとっての幸福ではなく、他人の不幸すら自分の幸福に出来ない人間が、悪人に成れる道理はない。腐っても鯛ではないが、どう頑張っても其処まで変化することはお前には不可能だ」

「神様にまで善人のレッテルを張られてこれで何処行っても胸を張れるというのに、幸せにはなれないなんて笑っちゃいますね」

「不幸な人間には将来或いは来世にでも幸運が与えられ、幸運な人間には同じように不幸が約束されている。どちらでもなく、死ぬこともないお前は幸福なまま不幸になれ」

「それで、話はそれだけですか? それならそろそろ先に進みたいんですが」

「誠に憎らしい奴だなお前は。私が態々出向いてやったというのにその反応。もっと不幸そうな顔をしろ。と言いたい所だったが、お前のそのむかつく顔を見ているうちにもう一つ思いついたことがある。どうせだ、そちらも聞いて行くと良い」

「聞いていきましょう」

「さて、先ほど私はお前にお前自身の運命をくれてやったと言ったのは覚えているな? そしてお前の人生が思いの儘になるとも」

「ええ、確かに」

「では、お前が幸せな人生を望んだとして、お前が望む幸せな人生とはどんなものになる?」

「それは一般的なって言っても現代だと大分贅沢かもしれないですけど、とりあえず奥さんと子供が二人位いて一軒家に住んでて仕事してて貯金もそれなりにあって………という感じですけど」

「そうなると少なくともお前の伴侶になる人間とお前とは愛し合っている必要が有る。違うか?」

「結婚して子供が居るというならそうなりますね。少なくとも俺は好きでもない人間と結婚することはないでしょうし、好かれてもいない人に子供を産んで貰うような事はしたくないですね。もしかしてその俺と結婚する相手が俺の事を好きなのは貴方から貰った力のせいだと言いたいんですか?」

「それ位は私が教えた時点でお前も気付いていただろう。それを含めて先程のなんだが、今言いたいのはそれよりもう少し前の段階の話で相手もお前というよりはお前の周りの人間の話だ」

「そう言って生徒達を見て笑われるとその邪悪さに警戒せざるをえませんね。大体俺以外の人間に危害を加えるのは反則では?」

「私の標的は飽くまで黒金哲だ。しかし、あまりにも手応えが無さ過ぎて八つ当たりの対象としてお前の周囲の人間を選ぶのは仕方のない事だろう? ……しかし危害などとは心外だな。此処まで穏健な姿勢を見せている私がそんなに野蛮な性質に見えるか? 私がやるのは精々耳元で囁いてやる程度だよ。それもお前が嫌がるような事が起こる範囲でな」

「俺は他人に興味の無い冷淡な人間なのでは?」

「他人に興味は無いが冷淡では無い。目の前で誰か困っていたり苦しんでいたりするのは嫌だろう? お前は誰がどうこうではなく兎に角この世界に『苦しみ』が存在することが嫌なだけだ。だからお前の周囲の人間を不幸にしてやればお前も自動的に不幸になる。単純な図式じゃないか」

「なら俺が貴方から貰った力で相手の抱えた問題を解決すれば良いでしょう。俺が困るまでも無くそれでお終いですよ」

「そう簡単に事が運べばな。その問題がお前には解決できない種類の問題だったらどうする?」

「俺に解決できない問題? さっき言われたような能力が有ればどんな問題でも解決できるんじゃ?」

「それに気付かない辺りはまだまだ青いな黒金哲。では話の続きだ。先程お前が言及した通り将来お前に伴侶が出来たとして、その伴侶が真にお前の事を愛することはない。それはお前が好意を持った相手は例外無くお前の持つ力によってお前に対する好意を植え付けられるからだ。普通なら次はこう考えるだろうな。ではお前が好意を持つ前に相手から好意を向けられていたらどうなんだと。確かにその場合既に相手から好意が向けられている以上、それは力の干渉を受けたとしても大した影響ではないかもしれない。しかし相手から向けられる好意には少なからずその影響が見られるだろう。それどころかお前に対する好意は、ゼロから再構成されていたり元来お前に向けられていた好意とは全く別種の好意かもしれない」

「そいつはまた胸糞の悪い展開ですね」

「さて、ではそこで私から特別に善意的な贈り物だ。お前に対して特別な好意を持っている人間には、お前の持つ力の影響が有るかどうか判断できるようにある物を渡してやろう。それは本当にお前を愛している人間にのみ送られて力の影響を受けたときにそうと分かるように反応する。ああ、それともう一つ。その相手はお前に対する好意が自分の持っていた物と違っていた場合にそうと意識できるようにしてやろう。抗うことも出来ずに植えつけられた好意に引き摺られ続ける感覚を味わえるようにな」

「うわー、素敵ですね。絶句せざるをえない」

「とはいえお前が好意を寄せなければどうと言う事もない。特にお前は他人に対する興味が常人より遥かに弱いからな。好きでもない人間は」

「まあ興味もないんで路傍の石と同じだと言う他ないな。あ、いやでもエヴァンジェリンとか知ってる子はそこまで酷い認識してないから」

「くっ、まあ態々横槍はいれまい」

「ちょっと意味有り気な言葉で俺の言葉の信頼性を下げないで貰えますか? ていうか初対面の相手の言うことなんか信じるなよ」

「さて、いたいけな少女を甚振って私の溜飲も下がった所でいい加減お暇しよう」

「神様とは思えない台詞ですね。良いんですか、そんな邪悪な事言って」

「清廉潔白で温厚篤実、誰一人傷つけない神等寡聞にして知らん。まあ試練の様な物だとでも思っておけばいいだろう。古来から英雄は神から与えられた試練を乗り越えることで力を示し、それに見合う祝福を得るものだしな」

「はあ、次来るような事が有れば前もって言っておいてください。本当に吃驚したんですから」

「それだけが唯一つ成功した嫌がらせだというのが問題だ。あれだけ言ってやったというのに響いた様子が丸でない。次来るときは八つ当たりのアイデアも考えてくる。精々一人きりで行動していることだな」

「貴方だったら何処にいても連れて来るぐらいしそうなので無駄な努力はしない事にします」

「ちっ、あの時の様に恐れで満たされた瞳で見つめられたいが、最初の方針からは離れるが実力行使もしてみるか?」

「……………いえ、結構です。是非そのまま貴方にはお帰り頂きたいのですが」

「その顔が見れたのなら十分だ。ふん、今までは虚勢を張って恐れを隠していたか。私相手に無駄な事だが、そう考えると今までのお前の顔も中々可愛く見えてくるな」

「喜んでいただけたなら重量ですよ。出来るなら後半部分だけ違う相手に違うシチュエーションで聞きたい言葉ですがね」

「では、再び見えるときまでに改心しておけ。私に最高に苦しんだ顔を見せる為にな」





「ああ、疲れた。何、何であいつがこんな所居るの? 噂をすれば影ってレベルじゃないだろ。ああ、もうエヴァンジェリンと神楽坂、質問は全部明日以降だ。俺はもう疲れた。さっさと先に進むぞ…………はあ、しかし何がしたかったんだあいつは。そんなのどうだっていいだろうに」


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