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No.21833の一覧
[0] 【チラ裏から】 クリアのアトリエ (トトリのアトリエ・オリ主)[コルネス](2011/01/08 18:03)
[1] 第1話[コルネス](2010/09/13 20:04)
[2] 第2話[コルネス](2010/09/12 12:47)
[3] 第3話[コルネス](2010/09/13 17:47)
[4] 第4話[コルネス](2010/09/18 03:02)
[5] 第5話[コルネス](2010/09/29 22:53)
[6] 第6話[コルネス](2010/09/29 22:53)
[7] 第7話[コルネス](2010/10/01 20:27)
[8] 第8話[コルネス](2010/10/18 19:58)
[9] 第9話[コルネス](2010/11/21 08:44)
[10] 第10話[コルネス](2011/01/08 15:51)
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[21833] 第1話
Name: コルネス◆2d774991 ID:593a0955 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/13 20:04
 朝おきて顔を洗いに行ったあと朝食の準備を始める。うちの家事は基本的に俺と姉さんでやっていて、今日の朝食は俺の番なのである。
 まぁ、朝なのでそんなに手の込んだ物は作らないけど。

「おはよう、クリア」
「おはよう父さん」

 準備をしているうちに父さんが起きてきた。ちなみにトトリはまだ寝ていて、姉さんは洗濯をしている。
 あとはリビングに運ぶだけだったので、それを父さんに任せトトリを起こしに行くことにした。


「トトリ、起きてるか?」

 ノックの後、声をかけるが返事がない。想像通りなのでとっとと中に入りカーテンを開ける。
 すると日の光が入ってきて、それを嫌がるように毛布に包まろうトトリ。仕方がないので毛布も剥ぎ取る。

「ほら、もう意識はあるんだから顔洗って来い」
「うー、昨日寝たの遅いのに……」
「それは自業自得だろ。もう朝食出来てるんだから」

 そういうと、うぅーとかうなりながら顔を洗いにいこうとする。
 俺もその後に続いて朝食を食べに向かうのだった。




 朝食を食べ終え片づけをすると、アトリエに向かう。すると一足先についていたトトリが本を読んでいた。
 ちなみに俺のノートである。

「ちょっと聞いていいか?」
「うん、大丈夫」
「コンテナの仕分けってもう終わってるかと思ってさ」
「昨日のうちにやったから平気だよ」

 コンテナの仕分けってのはその名のとおり、コンテナの種類分けである。俺専用、トトリ専用、共有の3種類があり、ほしいものはあらかじめ専用に取っておくことになっている。
 もっとも、ほとんどのものは共有に入るのであるが。

「復習ばっちり! それじゃ調合開始!」
「俺も始めるとするか」

 今日は基本に帰って中和剤をやることにする。
 使用する素材は……


「やった! かんせーい!」

 あれから1時間と少し、トトリのほうは完成したようだ。
 そして俺の方も……

「こっちも……成功だ!」

 最近じゃまず失敗しなくはなったが、やはりうれしいものだった。
 少し浸っていると姉さんの声がした。

「よかった。今日は失敗しなかったみたいね」
「わ!? お、おねえちゃん見てたの?」

 俺もまったく気づかなかった……
 まぁ錬金術やってる最中は集中してるから仕方ないんだが。

「ええ。爆発しそうになったら急いで止めようと思って」
「わ、わたしだってそんな毎日失敗しないよ。ちゃんと先生に教わった通りにやってるし…」
「教わった通りに、ねえ…… 昨日もそんなこと言ってたけど」

 ロロナ先生の教えか…… かれこれ半年は合ってないんだよな。
 そう思いつつ当時を思い返す。


「よいしょ、よいしょ。こんな感じで平気ですか?」
「うん平気だよ。あとはそのまま、ぐーるぐーるかき混ぜ続けて」
「ぐーるぐーる……ですか?」

 そういわれても良く分からないんですが……
 仕方ないので自分なりにかき回し続ける。

「ああ、違うよ! それじゃぐるぐるぐるだよ! もっとこう、ぐーるぐーるだって」
「うーん…… もう少し遅くすればいいんですか?」
「そうじゃなくてぐーるぐーるって感じなんだけど……」

 それがわからないんけど……
 そんな風に、俺とロロナ先生が苦戦しているとそばで見ていたトトリが声をかけてきた。

「たぶんですけど、棒を下につけてかき回す感じじゃ……」

 試しにその通りにかき回してみる。
 そうすると、今まで感じられなかった手ごたえを感じられるようになる。

「そうそう、そんな感じ! 次はね……」


「横で聞いてて私には何を言ってるのかさっぱりだったけど」

 俺も半分以上わからなかったよ姉さん。
 トトリが横からアドバイスしてくれたからなんとかなったけど、最後のほうロロナ先生落ち込んじゃってたもんな。

「わ、わたしには分かりやすかったもん」
「トトリはあの教え方で理解できてたからな」
「おにいちゃん、私がアドバイスしないとさっぱりだったもんね」

 思わず顔が引き攣るのを感じる。本当にさらっと毒を吐く子である。
 まぁ、たびたび言われるおかげで慣れてきたけど。

「それにしても、変わった先生だったわよね」
「うん、それは否定できないけど……」
「ははは……」

 出会いが家の前での行き倒れだからなぁ。あのときは本当に驚いた。
 その後もいろいろやってくれるし……

「色んな人に錬金術を教えるために旅をしてるって言ってたけど、まだ続けてるのかしら?」
「うーん、どうなのかなあ…… たまには会いに来てほしいけど」
「一応、ロロナ先生が居なくなってから成長したと思うし、見てもらいたいよな」
「うん。元気かなぁ、ロロナ先生」
「元気にはしてるんじゃないか。あの人の元気ない姿って想像つかないし」

 そうこうして話に一区切りがつく。
 するとトトリが言いづらそうな顔で話を切り出してきた。
 
「えっと、おねえちゃん……」

 そういい淀んだあと、吹っ切ったのか姉さんに頭を下げてから言うのだった。

「昨日はごめんなさい!」
「もう……頭あげていいわよ、怒ってないから。トトリちゃんの分までクリアを叱っておいたしね。でも、これからはあんまり心配かけるようなことしちゃだめよ?」
「わかった!」

 こういうときにしっかり謝れるんだだからトトリはすごいと思う。普通怒られるかもしれない話題はあげたくないものなのに。
 それに、改めて謝るのってテレが入って言いにくしな。


「そうそう、二人とも。さっきゲラルドさんが来たわよ」
「ゲラルドさんって酒場の? なんで俺たちいたのに帰っちゃったの?」
「酒場のよ。帰ったのは二人が錬金術やってるって言ったから。急ぎの用事じゃないからあとで来てくれだって。」

 なるほど、気を使ってくれたのか。
 錬金術してるときに手を離すと失敗する可能性があがるからな。

「でも、用事ってなんなんだろ?」
「なんでも、二人に頼みたいことがあるみたい。そろそろお昼だから、食べたら酒場にいってきたら?」
「うん。後で言ってみる」

 トトリの返事にあわせて俺も了承するのだった。




 昼食後、酒場に向かっている俺とトトリ。
 その道中トトリが疑問の声をあげる。

「私とおにいちゃんが呼ばれるって何の用事だろ?」
「錬金術関係じゃないか? てか、そうだとうれしい」
「なんで?」
「依頼がくるってことは、それが必要とされてるってことだろ。それって1人前に近づいたって感じじゃないか」
「あ、なるほど。そうだといいね!」

 そう言ってにこにこ笑い出すトトリ。 本当にそうだといいんだけど。
 そう話しているうちにゲラルドさんのお店が見えてきたようである。近づいて酒場に入る俺たち。

「ゲラルドさん、こんにちはー」
「こんにちはー」

 ここに来るのも久々だが、相変わらず客がいない……
 たまに父さんがいってるみたいだけど、つぶれないか心配になってくる。
 まぁ、昼から酒場が繁盛するのも問題な気はするが。酒のにおいがあまりしないおかげで入りやすいし。

「おお、来てくれたか。適当に座ってくれ」
「はい。それで俺たちに頼みたいことってなんですか?」
「ああ、今から説明する。前々から考えていたことなんだが、今日から新しい仕事を始めることにしたんだ。今の仕事だけではとても食っていけないからな」

 やっぱり客入ってなかったんだ……

「はあ……お客さん全然いないですもんね」

 そしてトトリ、そういうことは思うだけにしとけ。

「そうはっきり言われるとつらいものがあるがな」
「あ、ごめんなさい!」
「まぁいい。その新しい仕事なんだが、アーランドからの依頼を回してもらうことにしたんだ」
「アーランドからの依頼、ですか?」

 考えても仕方ないので、聞いてみることにする。
 でも、口ぶりからして錬金術が必ず必要なわけではなさそうなのが少し残念だ。調合依頼とかならうれしかったんだけど。

「そうだ。アーランドでは住民の依頼を国がまとめて、それを冒険者や有志の人間に斡旋するシステムがあるんだ。そういった依頼の一部をこの村に回してもらうことにしたんだ。アーランドでは手に入りにくいものでも、こういう田舎の村では容易に手に入ることもあるしな。」
「はぁ……それはわかりましたけど、なんでその話を私たちに?」
「そりゃあ、お前たちにその仕事をやってもらいたいからさ。この村にはほとんど冒険者がいないしな」

 ……冒険者の仕事か、あまり気乗りしないな。
 まぁ、もう少し詳しく聞いてみるか。

「俺やトトリで出来るんですか? 冒険者資格もないからいける範囲は限られますし、倒せるモンスターだってぷにくらいしか……」
「大丈夫さ。難しい依頼は最初から断っておくし、なによりお前たちは錬金術士だろ。冒険者じゃ手に入れられないものでも、お前らなら作ることことが出来るだろ」

 錬金術士って言われるとやりたくなるんだよな。
 やっぱり少しでも錬金術士だと思ってくれるなら嬉しいし。

「なら……今まで通りに物を作って、その中から依頼品を納品する感じでもいいですか?」
「あぁ、それでいい」

 正直、そこまで気乗りしないけど依頼ってことはお金がもらえるだろう。
 切羽詰ってるわけではないけど、あって困るものではないし。

「それなら、トトリがいいなら大丈夫です」

 そう言ってトトリの顔を見ると、なにやら決心した顔になっていた。
 これは決まりかな。

「私もやりたい。ゲラルドさん、これからお願いします!」
「いい返事だ。それじゃ、これからは定期的に店に顔を出してくれ。依頼は不定期に入ってくるからな」

 そういうとゲラルドさんは奥に向かっていく。
 まだ何かあるのかと思ってると、なにやら紙も持って戻ってきた。

「早速だが、こなせるものはあるか?」

 そういって見せてくる紙には中和剤とマジックグラスの依頼があった。

「あ、これなら両方あります!」

 そう言ってうれしそうな顔をするトトリ。
 俺もこのくらいなら問題ないなと、気分がほっとする。
 
「依頼達成でいいか?」
「あぅ、家にあるんでとってきてもいいですか?」
「ああ、取って来い」

 そういうゲラルドさんに見送られ、俺たちは店を出て行った。




「おーい、トトリ!」

 店を出るとジーノが声をかけてきた。
 少し見ないうちに、また逞しくなっているのが妬ましい。

「って、クリアも一緒なんだな。やっと冒険行く気になったのか!」
「たまたま酒場に用があっただけだよ。それよりトトリ、依頼品は俺が持っていくからお前はジーノといってきていいぞ。帰るのは1週間後くらいでいいんだな?」
「ありがと。それで大丈夫だよ」
「えー、たまには一緒に行こうぜ。トトリだって平気なんだから大丈夫だって」
「こっちは姉さんの手伝いとかもしないといけないんだよ」
「それにジーノ君、今なら私のほうが強いよ」

 ……確かに錬金術の材料集めるようになってから強くなったよな。
 俺もいかないわけではないけど、トトリが行きたがるし、ぷにとはいえ戦うのが怖いので最近はトトリに任せきりだった。その分、アトリエの掃除なんかは全部俺がやってるんだけど。
 はぁ、いくら言い訳してもさすがに落ち込むな……。

「おい、トトリ。クリアのやつマジで落ち込んでるぞ」
「う、ごめんおにいちゃん。アトリエ掃除してくれたり感謝してるんだよ?」
「事実だから別にいいんだけどさ…… まぁ、気をつけていってこいよ」

 俺がそう言うと、二人は元気よく言うのだった。

「ああ、いってくる!」「いってきまーす!」

 そう言う2人を見送ってから、家に戻り酒場に依頼の品を持っていく。
 少しは体鍛えようかなと思いながら。


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