以下に注意。
・作者は文才が無い。
・ちょっとした厨二病。
夏が終わったのでちょっと暇つぶしに書いて板
ではプロローグへどうぞ
学校生活。それは誰もが通る道であり人生で最も楽しい時期である。その中で一番に青春を味わうことができるのが高校生活だ。それは人生で一度しかない。甘酸っぱくそして時には泥のような匂いも汗臭い匂いもする高校生活。人生でたった一度。その3年間がもっとも楽しい。中には大学生の方が楽しいと思われる人もいるだろうが、少なくとも俺は、高校生活の方が楽しかった。
そんな高校生活も気がつけば過ぎて大学へ。そして社会人へ。
頭のできる奴は大抵サラリーマンやらで金稼いでいる。なんの変哲もない普通の社会人生活だ。俺もその生活を送っているうちの一人で小さい会社に入社してもう5年が経つ。中肉中背な体と何の変りもない顔。唯一自慢できる処と言ったら鼻が高いこと。
……物理的にだよ?
運動は道場に通っているためにそこそこは鍛えられているのだけれども平凡な社会人生活にこれはいらないのではないかと、最近サボリ気味である。
さて、そんな生活の中唯一心を癒してくれるのは、マイギャルゲーだ。
そう、若干26歳にて俺はまだヲタを続けていた。
おかげでいまだ彼女0。画面の中で攻略した数なら自慢できるのだがな。
冴えない毎日。日々繰り返される日常。それが人生だ、と。所詮こんなツマラナイ人生。漫画みたいにどこか異世界に飛ばされたり、こんなギャルゲーみたいな甘い生活がある筈もない。
俺は一生涯このままパッとしない人生を送るのだろう。――とずっと思っていた。
それを変えたのある事故がきっかけだ。そのおかげで人生変わった。
さて、何が言いたいか。それをはっきりさせたい。
俺の人生、捨てたものではないのだと。
目が覚める。長い夢を見たようだ。随分と夜が長く感じられた。寝たときなんかはあっという間に夜なんて過ぎるのに。
時計を確認すると6時前だった。ひとつあくびして俺は顔を洗う。そして、『制服』に身を通しながらトーストを焼きコーヒーを入れる。朝の朝刊を広げながら俺はバターとジャムを塗ったトーストを食べる。
俺は基本的に朝は洋食である。コーヒーのカフェインが俺の眠気を緩やかに取り除く。
洗濯物をほして軽く掃除をして見ると時計は8時を過ぎていた。『学園』はこの家の近くなために朝はゆっくりとできる。事実この時間帯に出ても十分に間に合う。
「さて、行ってきます」
誰もいない俺の住むアパートにそう告げて俺は家を出た。
俺は一度死んだ。それは確かなことだろうと思う。酔って帰った途中に信号無視のハイブリットカーに轢かれて即死。ということになっている。正直車が俺の目の前まできたところまでは覚えているのだが。なんだかパットしない。
問題はそこではない。
問題は死んだ後のことなのだ。
車に轢かれてその直後『輪廻天娘』と名乗る少女に俺は出会った。スラリとした体、まだ少し幼さを残す顔。彼女は見た目からすれば16くらいだろう。真っ白の何も無い空間で彼女と出会い、俺を今から転生するとかなんとか言って来たのは覚えている。
転生。生まれ変わりそして新たなる生を生きて次世に行くことであるが、少々俺は特殊らしい。
俺が次に転生するのは17歳の男。そこから第二の人生がスタートということらしいが。
さらに言えば前世の記憶も受け継がれるらしい。
意味がわからん。意味がわからないが、もう一度、今度は生まれ変われることができるならこれと願ってないことだ。
でも――『頑張ってくださいね♪1000人目さん』彼女が最後に残したこの言葉だけはやけに耳に残った。
さて、無事転生し終えた俺はどうやら本当に17歳からスタートらしい。しかしながら色々と問題は残る。
まず、17歳以前の記憶である。本来ならば当然俺には17歳以前の記憶なんぞ知るわけがないのだが、頭ではちゃんと記憶しているのだ。それに前世とは違った名前なのに呼ばれれば自然と反応するし、以前の友達とだって自然と会話できる。まるで長年本当に0歳からちゃんと生きていたみたいに。
なんだがそれは気持ち悪いが便利なことには変わりない。
さてさて、一番に厄介なのは今の状況だ。
17歳ということはもちろん高校2年生だ。高校生だ。俺の通っていた――いや通うこの学園、『さくら学園』が厄介なのである。
私立『さくら学園』それが俺の『再び』通うこととなった学校である。元は『さくら女学園』という名前で女子高であったが5年前に少子高齢化の影響で共学へ。未だに女生徒が男性との約2倍という数の学校だ。
書いて字のごとく、この学園には桜が多く春には美しく桜が咲き乱れる――。
まぁここまでなら普通の学園と大差ないだろう。
まず問題点その1。俺が記憶する限りこの土地にはさくら学園なんて大層な学園はまずない。ここはどうやら俺の地元なのだが、県は一緒でも街がまるごと違うのである。あ、もちろん前世の話で。
俺の生まれた、そして前世でも働いている会社の県に『桜町』なんて街も『さくら学園』なんて学校はまずない。断言しよう。と、言うことは考えたくもないが俺がいた世界とは違う並行世界なのではないかと考える。この手の小説やギャルゲーはやり尽くしたからわかる。これはまず転生系だ!
と、そんなのどうでもいいが。
問題点その2。あぁ――これが一番厄介だ。
「おはよう。ジュン」
「おやよう。ナオ」
学校の登校途中で出会ったこの男――大狗直人。こいつはどうやら幼少のころからの親友で俺の幼馴染らしい。自然と会話が弾むのは17歳以前からこいつと付き合っていたからだろうか。
まずこいつ。スゴクIKEMENNです。背は175ぐらいで整った顔立ち。制服の上からでは分かりにくがこいつ結構筋肉さんが潜んでいて強い。まぁそれだけなら学校の中で1人や2人いるだろう。そんなに難しくない。
こいつの恐ろしいのはそのステータスではない。その環境なのだ。
「おっはよージュンくん!今日も髪ボサボサだねー」
「……おはよう。神木神奈」
「なんでフルネーム……?」
神木神奈。少し茶髪の掛ったポニーテイルの元気な女の子直人の『幼馴染』であり、こいつの『隣』さんだ。
「ジュンちゃんどったの?」
そして下から覗く彼女は大狗菜々。直人の妹なのだが血がつながっていない。所謂『義理の妹』
「いや、なんでもないんだ。少し寝ぼけているんだよ」
「ふーんそうなの?」
頭の良くて勘の良い皆様ならお気づきになるかもしれない。だが、こんなもんではこいつは終わらない。
「あっ!ヤベッ!このままだと遅刻するぜ!」
むっ!これは!
「あ、本当だ!もうナオが今朝着替えるの遅いから!」
「それは神奈がいきなり俺の部屋に入ってくるからだろ!隣だからって窓から入ってくんなよ!」
リア充め。
「ほら、2人とも『夫婦喧嘩』してないでいくよ!このままじゃ遅刻する!」
『誰が夫婦だ(よ)』
俺たちは走る。見ると他の生徒の人影はあまり見られない。先頭を走るのはナオ。そしてその先には曲がり角がっ!
察しの良い皆様ならお気づきでしょう。そうです、この直人――転生先の俺の親友は――
「きゃっ!」
「うわっ!」
鈍い衝撃音。そして悲鳴。何事かと俺達は曲がり角を曲がってみる。
そこにはスカートを抑えた超可愛い女子生徒と顔を赤くする直人の姿が。
おう……ついにやったかこの野郎。
「あ、ご、ごめんなさい。私急いでいるので!」
そうして走り去る女子生徒。落ちるハンカチ。それを拾う直人。
「ナオ!時間がないわよ!」
「お、おう……」
そうなのです。この大狗直人は、俺の親友は、フラグメイカーなのです。
……これってなんのエロゲ?