<サトー>
血のバレンタイン以降、ZAFTへと入隊した兵士の殆どが胸に【復讐】の2文字を刻んでいた。
友を失った者、家族を失った者、そして愛する人を失った者。
たった1発の核ミサイルが24万の命を奪い、それに数倍する復讐者を世に生み出した。
かく言う私も復讐と言う修羅の道を歩む1人である。
私の愛する妻が、私の愛する子供達が、なぜ核の炎にその身を焼かれなくてはならなかったと言うのだ?
理由など何も無い、有るはずが無い。
正当な理由など何も無いままに、ただ焼き殺されたのだから。
…だが、原因は存在する。
それは彼女が、あの子達がコーディネーターだったからだ。
コーディネーターである、ただそれだけの理由で殺されなければならなかったのだ。
許せるだろうか?
人として、夫として、父として。
私はそれらを為したナチュラル共を、許さねばならなかったのだろうか?
停戦協定が結ばれた時、私は祖国に失望を覚えた。
なぜ停戦が必要なんだ?
何を成し得た故での停戦だと言うのだ?
我々はまだ何も成し得ていない。
現に地球は未だブルーコスモスなどと言う狂信者共の巣窟のままなのだ。
血のバレンタインの頃と今とでいったい何が変わったと言うのだ?
2度とあのような悲劇が起こらない保障が何処に有る?
…変わっていない。
何も変われていないのだ。
もたらされた平和は、何時またあのような悲劇が起こり得るかも分からない脆い土台の上に立っている。
しょせん、砂上の楼閣に過ぎないのだ。
なら中途半端なまま、何も問題が解決していないままで戦争を終える事に、果たして意味が有ると言えるのだろうか?
犠牲になった数多の命に、胸を張って報告する事が出来るとでも言うのだろうか?
否!
断じて否!
このまま戦争が終る事はけっして許されない。
許されてはいけない。
それは死んでいった者達への冒涜に他ならないのだから。
私は許さない。
…この世界に必要なのは戦争なのだ。
結局、行き尽くところまで行かねば、人は、世界は何も変わりはしないのだ。
だから私は、同志達は今日より戦争を再開する。
じゅうぶんな同志達と物資を揃えるのに2年の歳月を費やしたが、それも終わる。
今度こそ世界が前に進める事を願って、我々は地球を粛清するのだ。
それを為し得ると言うのなら、この命、けっして惜しくなどない。
例え後の世に蛇蝎の如く酷評される事になろうとも一向に構わない。
私は、私の大儀の為に命を賭したのだから。
だから、躊躇わない。
だから、後悔などはしない。
『ユニウス7、移動開始しました』
オペレーターから報告が告げられる。
遂に賽は投げられた。
修羅の道を歩む事を決めたその日からコクピット内に張られた数枚の写真に、しばし目を走らせる。
写真の中に閉じ込められた笑顔が、嘗ての幸せだった日々の残光を思い起こさせた。
「エヴァ、リノ、そしてマーヤ。
やっと、やっとお前達の無念を晴らす事ができる…」
彼女は心の優しい女性だったから、私がこれから行なう行為を知れば悲しむに違いない。
『私達の無念なんてどうでもいいから、貴方は貴方の幸せを見付けて生きて』
彼女ならそんな事を言うかもしれない。
だけどお前が、お前達がいない世界で俺は決して幸せには為れないんだ。
だから、例えそれがお前の願いだったとしても、俺は止まれない。
「さあ行け、我等の墓標よ!
嘆きの声を忘れ、真実に目を瞑り、またも欺瞞に満ち溢れそれを享受する事を許容させるこの世界を!
今度こそ正すのだ!」
■■■
ユニウス7は順調に地球に進路を向けていた。
だが、決してその航海の全てが順調に進んでいた訳ではない。
運悪く【メテオブレイカー】なる工作機が配備されたZAFT艦が、比較的近い宙域に存在したのだ。
新型MS・ザクを駆る工作隊が、我等の大儀を打ち砕かんと、ユニウス7を破壊する為に飛来する。
我等と同じコーディネーターだと言うにも関わらず。
道を別った嘗ての同胞が、我等の大儀を阻止せんと立ちはだかる。
大儀の為だとは言え、嘗ての同胞を討たねばならない事に躊躇いは禁じ得ない。
だが、我々は既に止まる事を許されないのだ。
例えその結果、武装されていない同胞を背後から撃ち殺すという残酷な行為に繋がろうとも。
…戦闘は過酷を極めた。
最初こそ非武装のMSを相手に優勢を誇っていたが、武装された後続機と合流されてしまうと、忽ち形成は我々にとって不利なものになった。
残念ながら、もともとMSの性能が違うのだ。
ZAFT軍が最新型のザクを主軸とするのに対し、我々は先の大戦の遺物であるジンに過ぎない。
その上、こちらの方が数で劣ると言う状況、致命的だと言える。
そんな状況下にあって、それでも我々は善戦した。
もちろん、それには理由が存在する。
敵機の任務があくまでユニウス7の破壊だと言う事だ。
彼等にしてみれば、我々MSとの戦闘は任務達成の為の障害に過ぎない。
逆に言えば、例え我々が1機残らず殲滅されたのだとしても、ユニウス7を地球に落とせたならば、勝者は我等の側なのだ。
その事実が我々を支えている。
絶望的な戦力差で、殲滅される事が目に見えていたとしても。
我々の死が、決して無駄にはならないのだと信じる事が出来る故に。
例え撃墜されたとしても、敵機が撃墜する為に割いた時間が必ず我等の勝利に繋がって行く。
元より我等1人残らず今日、この場所で命を捨てる覚悟だったのだ。
謂わば死兵。
死を賭した兵の執念、思い知るがいい!
■■■
途中、戦況は一時混乱した。
突然、我々ともZAFT軍とも異なる勢力が参戦してきたのだ。
2機のGと1機のMA、彼等は我が方にもZAFT軍に対しても攻撃を加えてきた。
まったく予期せぬ事態では有ったが、幸いこれは我が方の有利に働いた。
彼等の手に拠って、少なからぬ同志が討たれはした。
だが、彼等の手に拠って破壊されたメテオブレイカーもまた少なからず存在したのだ。
なにより有利に働いたのは、ZAFT軍のエース機が乱入してきた機体の相手に時間を取られた事だ。
だが、幸運は決して長くは続かなかった。
不運な事にZAFT軍のパイロット達は真に優れた精鋭揃いだったのだ。
パーソナルカラーを許された3機のザク、彼等の腕はどれも半端なものではなかった。
2機のゲイツRと見事な連携の取り、多対一の優勢な戦況を作り出す事に長けた赤色のザク。
高速移動・複数のガンバレルによる多方向同時射撃を行なうなど、かなり腕の良いMAを相手にまわしても互角の戦闘を繰り広げる白色のザク。
そして、2機のGを相手にしてさえ圧倒的な攻勢を誇っている水色のザク。
どれもが我が方が想像できなかったマイナス因子だ。
更にその上を行くマイナス因子が存在する。
ユニウス7の上を縦横無尽に駆け巡る、獣形態への変形機能を備えた黒色のG。
この機体の所為で幾本ものメテオブレイカーがユニウス7に穿たれ、今やユニウス7はその巨体を真っ二つに砕かれてしまった。
…事、此処に至り、もはや我々の目的は完遂しえない。
遺憾ながら地球のナチュラルへの粛清は、その本来の規模を大きく減少してしまう事になってしまったのだ。
そして今、最狂の存在が私の前に在る。
このような存在がこの世に在る事が、私には信じられなかった。
1機のG、たった1機のGに過ぎないのだ。
だが、白を基調としたそのG1機の為に、我々は2桁を数える同志の命の灯を消されたのだ。
その雄姿は、敵対する身でありながら畏怖すら覚える代物だった。
豪雨の様に降り注ぐ銃弾の嵐の中を、無人の野を行くが如く高速で駆け抜けて、両手に持った二振りの大柄な対艦刀を敵機とのすれ違いざまに一閃する。
そして、その機体の通り抜けた跡には無事な命は一つとして存在しなかったのだ。
振るわれるその剣筋に一片の躊躇も無く、まさに修羅の所業だと言えるだろう。
私は畏怖すら感じるその機体へと通信を開いた。
当初の規模とは比べ物にならないが、既にユニウス7は大気圏への突入を開始している。
我々は勝てはしなかったが、決して負けたわけでもないのだ。
私は私の生涯に残された僅かな時間を目の前の機体のパイロットとの会話に費やしたいと思った。
修羅の道へ堕ちた我等を迷う事なく殲滅してのけた修羅。
我々とは異なる修羅の道を歩むであろう者の【声】が聴いてみたかった。
「…敵ながら見事な腕だ、Gのパイロット。
我が名はサトー、今回の件の首謀者でもある。
最期に貴殿と話がしたい。
名を伺っても構わないだろうか?」
既に相手に対する恨みなどと言う、下種な感情は存在しなかった。
相手が我等の大儀を否定した存在であるにも関わらず、だ。
我ながら不思議な事だと思う。
『………シン・アスカだ』
「!? 君は…、まさか少年なのか?」
一言だけ告げられた敵MSのパイロットの名前。
シン・アスカと言う名の男の声には、どこか幼さを感じさせる響きが有った。
成人した男性では持ち得ない、純粋さを兼ね備えた声。
あれほどの修羅の所業をやってのけた相手が、まさか年端も行かぬ少年だと言うのか!?
『………俺は、大人だ』
「! …そうだな、失礼した」
どこか不機嫌さを混ぜ合わせた声。
こちらに対する反感の情が込められていると言うのに、どこか好感を覚えてしまう。
先程の質問は俺が失礼だったのだろう。
仮にも優秀な兵士である彼を、声だけで一方的に子供扱いしてしまったのだから。
重要なのは年齢じゃない。
在り方なのだ。
むしろ少年の身でありながら、確固たる自分を築いている事は賞賛に値する。
そういう意味で、彼は大人なのだ。
であれば、私も彼を大人として遇しよう。
「聞きたい事は一つ。
貴殿は何の為にその身を戦場に置いておられるか、だ。
大儀を掲げる我等を屠ったその手際、真に水際立ったものだった。
是非、冥土の土産にシン・アスカ、貴殿の信念をお聞かせ願いたい」
それは純粋な興味からの質問だった。
彼の年齢で修羅の道を歩む、余程の信念が無ければ為しえる事ではない。
それを知りえるのならば、私は此度の結末、納得できるかもしれない。
だが、返答は私の満足に値するものとは言い難かった。
『………………他人に聞かせる信念なんか持ち合わせていない』
「………どうしても、か?」
『ああ。
俺の信念は俺だけが知っていれば良い。
他人に聞かせるような代物じゃないさ』
「…そうか。 いや、すまなかった。
だが、これだけは確認させてくれ!
貴殿は貴殿の信念の為に人を殺す事に迷いは無いか?」
それは本当に確認の為だけの質問だった。
答えは聞く前から分かりきっている。
『YES』だ。
だが、どうしてもその答えを彼の口から聞きたかったのだ。
それが、我等の選んだ道だったから。
修羅の道に堕ち、信念の、大儀の為だけに幾万の無辜の命を奪う道を歩んだ我等の。
彼もまたその道を歩む、その答えを知りたかった。
…だが、またしても彼からの返答は私の予想する処では無かったのだ。
『………俺は、信念なんかの為に他人を殺した事なんかない』
「なんだと!?
だったら貴殿はなんの為に他者の命を奪うと言うのだ?
信念に拠らず、どうして人を殺める事が出来るっ!?」
『それが俺の任務だ』
「なっっ!!?」
任務。
任務だと!?
我等の大儀を否定してのけた其れが、任務に過ぎないと言うのだと?
馬鹿な!
そんな馬鹿な話が有ってたまるか!
「貴殿は任務と言う理由だけで人を殺められるとでも言うのか?
他者の命を奪う事に任務以外の理由は要らないとでも言うのか?」
『ああ、必要無い』
「そんな馬鹿な!
貴殿は何を言っている?
貴殿は他人を殺したいと考えた事が無いとでも言うのか?」
『ああ、無い。
誰かを殺したいなんて考えた事なんか1度も無い』
「そんなっ『だけど、俺は【戦争】を殺してやりたい!』―――っ!!??」
…一瞬で頭が冷えた。
まるで冷水をぶっかけられた気分だ。
―――【戦争】を殺す。
そんな考え、私は思いつきもしなかった。
妻と我が子を失った私には目の前の復讐で精一杯だったのだ。
―――敵わない訳だ。
敵うわけが無い。
敵を殺すのに信念を欲さず、戦争を無くす為に修羅に為れる存在。
目の前の少年は途方も無い大きな存在だ。
私とは器が違う。
ああ、そうか。
【戦争】を殺す。
【戦争】を殺す、か。
そうだな、私もその道を歩めば良かったのかも知れないな。
今ではもう遅すぎるけど。
エヴァ、リノ、マーヤ、…やっぱり私は間違ってたみたいだ。
「シン・アスカ、貴殿と話が出来た事を感謝する。
どうやら我々は道を間違ったようだ。
ZAFT軍の皆さん、後始末を押し付ける事を此処にお詫びしたい」
どうやら残された時間はもう無いようだ。
私のジンも、彼の機体も大気圏との摩擦でその姿を赤色に染めている。
大気圏突入用の装備を持たない私のジンは、既に限界に達しているのだ。
「シン・アスカ、貴殿は貴殿の道を行け!
例えそれが血に染められた修羅の道だとしても。
最後までその信念を貫いてみせてろ、【紅蓮の修羅】よ!」
―――パパ
――――――アナタ
赤色に染まる視界の中で、薄れ行く意識の中で、最期に愛する人の声が聞こえた。
機動戦士ガンダム SEED DESTANY 異聞
紅蓮の修羅
『…敵ながら見事な腕だ、Gのパイロット。
我が名はサトー、今回の件の首謀者でもある。
最期に貴殿と話がしたい。
名を伺っても構わないだろうか?』
大勢が決した頃、敵MSからの通信が入った。
出処はどうやら目の前のジン。
戦闘の構えを解いて、国際救難チャンネルで呼びかけてきた。
「………シン・アスカだ」
しばしの逡巡の後、正直に答えた。
敵を相手に本名を教えるのは如何なものか?とか考えてしまったのだ。
後、ちょっと「シャア・アスナブルだ!」と偽名を名乗ってやろうかと考えたりもした。
でも、どっちにしても後でばれると怖い事になりそうなんで正直に答えたのだ。
『!? 君は…、まさか少年なのか?』
だと言うのに行き成り少年扱いされた。
失礼じゃない?
「………俺は、大人だ」
俺ってば、経緯はどうあれ、もう大人の階段を上っちゃったんだから。
子供だったと何時の日か思う時が来るのさぁ~♪
『! …そうだな、失礼した』
あっさり納得してくれた。
ちょっと拍子抜けだ。
反論されたら俺が大人な理由を事細かく教えてやろうと思ったのに。
残念。
『聞きたい事は一つ。
貴殿は何の為にその身を戦場に置いておられるか、だ。
大儀を掲げる我等を屠ったその手際、真に水際立ったものだった。
是非、冥土の土産にシン・アスカ、貴殿の信念をお聞かせ願いたい』
貴殿ってアンタ、何か俺ってば凄く偉そうじゃない?
まあ確かに戦闘じゃあ圧勝だったけど。
いくらチューンナップしてるって言っても所詮相手はジンだしなぁ…
俺とインパルスの敵じゃない。
そして何故に信念?
そういえば俺の信念って何だ?
俺としては平穏な人生が遅れればそれで良いだけなんだけど。
しいて言えば『長い物には巻かれろ』か?
実際、議長に巻きついたんだか、巻きつかれたんだかで今の俺が有る訳だしな。
…ダメだ、とても他人には言えない。
恥ずかしすぎる。
「………………他人に聞かせる信念なんか持ち合わせていない」
『………どうしても、か?』
「ああ。
俺の信念は俺だけが知っていれば良い。
他人に聞かせるような代物じゃないさ」
『…そうか。 いや、すまなかった。
だが、これだけは確認させてくれ!
貴殿は貴殿の信念の為に人を殺す事に迷いは無いか?』
これまた唐突な。
さっき1つだけ、って言ったじゃないか!
ってか、そろそろ大気圏に突入しそうなんですけど。
のん気に話してる場合じゃ、なくなってきたんじゃないですか?
とりあえず、質問に答えておこう。
そして逃げよう。
「………俺は、信念なんかの為に他人を殺した事なんかない」
『長い物には巻かれろ』なんてしょうもない信念じゃあ人は殺せないしな。
『なんだと!?
だったら貴殿はなんの為に他者の命を奪うと言うのだ?
信念に拠らず、どうして人を殺める事が出来るっ!?』
「それが俺の任務だ」
何を当たり前の事を聞くんだろう?
任務だからに決まってるじゃないか。
任務じゃないのに人を殺したら殺人者だよ。
そもそも軍人になりたくなかったんだよ、俺は!
それを議長が! 議長が…う゛ぅ。
『なっっ!!?』
いや、そんな驚く事じゃないでしょ?
軍人なんだから任務で人を殺すんだ。
たとえ軍人に成りたくて成った訳じゃないんだとしても。
じゃなかったら殺されるのは俺の方かもしれない。
ひょっとしたらルナが死ぬかもしれない。
そんなのは嫌だ!
だから任務だと自分を納得させて、人を殺すんだ。
『貴殿は任務と言う理由だけで人を殺められるとでも言うのか?
他者の命を奪う事に任務以外の理由は要らないとでも言うのか?』
「ああ、必要無い」
『そんな馬鹿な!
貴殿は何を言っている?
貴殿は他人を殺したいと考えた事が無いとでも言うのか?』
「ああ、無い。
誰かを殺したいなんて考えた事なんか1度も無い」
それは、父さんや母さん、マユが死んだ時でもそうだった。
オーブでの戦争で家族を失った時、悲しかったさ。
悲しくない訳が無いじゃないか!
それが戦争じゃなかったら相手を憎んだかもしれない。
でも戦争だったんだ。
相手は軍って言う大きな組織なんだ。
直接手を下した人だって、それが任務だから実践したんだろうし。
だから当事者を恨めない。
恨んじゃいけないんだ。
俺は戦争が嫌いだ。
家族を奪った戦争が嫌いだ。
俺を軍隊に引き込んだ戦争が嫌いだ。
だから俺が殺したいとすれば、それは…
『そんなっ「だけど、俺は【戦争】を殺してやりたい!」―――っ!!??』
戦争が無ければ父さんや母さん、マユは死ななくて済んだ。
戦争が無ければ俺は軍人になんて成らなくても良かったんだ。
…本当は議長の事もちょっぴり恨んでるけど、それは怖くて言えないしな。
そんな俺の邂逅を余所に、
『シン・アスカ、貴殿と話が出来た事を感謝する。
どうやら我々は道を間違ったようだ。
ZAFT軍の皆さん、後始末を押し付ける事を此処にお詫びしたい』
って話し出した。
ZAFT軍の皆さん?
あ゛っ!
そういえばコレって国際救難チャンネルだっけ?
って事はこの通信ってば、全部筒抜けだったりするんじゃあ…
良かったぁ… 議長の悪口言わなくて。
危うく死刑執行書にサインする処だったよ。
知らず知らずでも危機を回避する。
さすが俺!
…と言うか、流石にそろそろ熱いんですけど。
何時の間にやら大気圏に突入しちゃってますよ?
ミネルバは?
ミネルバは何処ですか?
ひょっとしてまたメイリンに通信切られてたってオチですか?
さすがに俺でも堪忍袋の緒が切れちゃいますよ?
待ってろよーメイリン!
俺が無事にミネルバに戻ったら≪検閲削除≫なオシオキしてやるからなっ!
『シン・アスカ、貴殿は貴殿の道を行け!
例えそれが血に染められた修羅の道だとしても。
最後までその信念を貫いてみせてろ、【紅蓮の修羅】よ!』
え?
勝手に人の将来を血に染めないでよ!
ってか、修羅の道ってなんなのさ?
つづく(って言ったじゃないか!)
後書きみたいなもの
前回の予告通り、ギャグ分は皆無に。
そして勘違いも少ないし、コメディ分も少ない。
暗い、暗いよ!
サトーさん・パートを頑張りすぎた所為でシン・パートはなんだかおざなり。
サトーさんのフルネームが分からないよ!
お陰で自己紹介が少し間抜け。
サトーさんのフルネーム分かる方、教えて下さい。
とりあえずシンの人物構成に少しだけでも触れられたんで良しとしよう。
バッサリと切って捨てた他のキャラ関連のイベントは番外編で触れようかな。
コメディなのに人が死ぬと言う前例を作ってしまった… orz
一応、シンのスタンスに触れときますね。
シンは基本的に軍人が任務で人を殺す事を肯定しています。
じゃないと軍人は人殺しになっちゃいますから。
逆に大儀が有ろうと任務でもないのに人を殺すのは殺人に過ぎないと考えてます。
そして国家が外交の一手段として、戦争を回避しえない事が有り得ると理解しています。
(安易に戦争を起こそうとするのを肯定する訳ではありません)
その上で戦争そのものを否定しています。
なんだか矛盾している気もしますが、戦争なんか無いほうが良いと思ってます。
家族の件は任務とは別の、たんなる巻き添えに過ぎないんですが、そのような思考の持ち主なんで安易に「連合軍が憎い」「オーブが憎い」とは行かなかったんです。
そういう事にしといて下さい。
いろいろと指摘が来そうだなぁ…