「あちゃー…やっちまった~…」少し落ち込み、一人反省会をしながら、シミュレーターデッキから降りて来るタケル 『お前…やりやがったなっ!!』『九條少佐を接近戦で討ち取るなんて…凄いな…』『教えろっ!!あの機動の仕方を私に教えてくれっ!!』「えっ、ええぇぇぇっ!?」デッキから降りて来たタケルを待っていたのは、先程までタケルがコテンパンに撃破した衛士達だった。タケルの背中や肩を強く叩きながらも、タケルの強さを認め、仲間として認めてくれた。 (前の世界でのトライアルを思い出すな…)あの時----前の世界で自分を認めてくれた先任衛士達を思い出すタケル この世界でも、先任衛士達に認めてもらい、嬉しい気持ちが溢れていた。 「むぅ…今回の勝負は負けを認めるわ…けど、次は必ず勝ってみせるわっ!!」ビシィッ!!…と宣戦布告を椿から受けるタケル椿の負けず嫌いの姿を見て、『速瀬水月中尉』と重ねてしまう。 (うわぁ…ヤッパリ少佐って、速瀬中尉にそっくりだよ…)『これから大変だな…』と予感するタケルだが、その予想が思いっきり的中してしまう事はお約束だったりする。 「ふむ、諸君ご苦労様だ」「ぐっ、紅蓮大将に…神野大将!?」モニター室から現れた紅蓮大将と神野大将を見て驚愕する椿達タケルはポカンと『ええぇ…嫌な予感が…』とダラダラと嫌な汗を流す。 実はタケルは、元の世界で、二人に出逢ってたりする。冥夜と悠陽の紹介で、師である二人に出逢っていた。その際、紅蓮が『ハァハァ…冥夜タン…』神野が『悠陽タン…萌え…』…と怪しい呟きを漏らしながらハァハァしてた記憶があったりする。しかし、武術に関しては、やはり冥夜と悠陽の師だけあって、チートを超える程強かった。特に紅蓮は胸元からビームを放ったりする摩訶不思議な必殺技を使い、タケルの度肝を抜いた記憶は新しい。 そんな奇妙な記憶がある為、この世界の二人にイヤな予感がバリバリしていた。「さて、白銀中尉よ…」「ハッ、なんでしょうか?」突如、声をかけてきた紅蓮大将に敬礼するタケル。「貴殿の戦闘を見せて貰ったが…誠に天晴れだ」「まぁ、最後の故障についてはヌシの失敗じゃが、よくぞ椿様を討ち取ってみせた」「あ、ありがとうございます」伝説の二人に誉められて、敬礼しながら礼を言うタケル。 「此度の敗因は、無理な機動と…二度の蹴り技じゃな」「うぐっ!?」敗因をズバリ言われてしまい、ちょっと傷つく。 「ヌシの操作技術は確かに限りなく高いが、まだまだ荒削りじゃもう少し機体にダメージを蓄積せんように戦わんと、戦うたんびに機体を壊しては話にならん」「あと、あの蹴り技だが…あれが無ければ、もしかすると、沙耶殿にも勝てたかもしれん…最初の『踵落とし』と、沙耶殿を蹴り飛ばした時…あれが故障の原因だな」「踵落としはまだ良いが、全力噴射しながらの水平噴射跳躍からの蹴り…あれが一番の致命傷じゃよ。」「ガハッ!!」紅蓮大将と神野大将のダメ出しの言葉に致命的ダメージ(精神的に)を負うタケル。「だが、貴殿の意表を突く攻撃や行動は満点をくれてやろうそれは神野大将も同じ意見だ」「敵の頭部を踏みつけて視界を封じる事…得意のアクロバットで敵を翻弄する機動…攻撃手段の視野を広げ、相手の予想を外す手札の多さ…そして、どんな不利な場面でも諦めずに挑み、そして、様々な策を実行する度胸…正に天晴れと言うしかあるまい」「あ…有り難う御座います!!」紅蓮大将と神野大将のお褒めの言葉を頂き、感謝するタケル。 「流石は殿下や斉御司大佐に認められる事は有る此度の新OSの開発の件…期待してるぞ?」「新OSの開発?」はてな?と紅蓮大将の言葉に疑問に思う椿その反応を見て神野大将が説明する「白銀中尉は、此度帝国軍・極東国連軍による共同開発任務の任があってな、この最初の開発任務として新OSの開発が進められてるそして、その新OSの実態が…先程の白銀中尉の機動特性じゃ」「「ええぇぇぇっ!?」」神野大将の発言に驚愕する椿達 口をパクパクとする者や呆然と立っている者が出てくる程衝撃が強い話だった。「誰もが白銀中尉と同じ機動特性が可能となる新OSそうなれば、戦力の大幅アップは勿論、生存率の底上げ、新しい戦術の可能性まで現れると考えられているその為、白銀中尉には『テストパイロット』としての任務があるのだ。」「どうかのぅ…椿様?もし、椿様が白銀中尉と同じ機動が出来るとなれば…?」紅蓮大将の説明を聞き、驚き以上に歓喜が現れてくる椿達神野大将に問われる椿は---笑みを浮かべて答える 「是非とも欲しいですねそれに白銀中尉に負けっぱなしっていうのも、嫌ですしね。」「だそうだ、良かったな白銀中尉既に椿様の『お気に入り』になったぞ?」「んがっ!?」獲物を狙う眼光を放つ椿と、タケルをいぢくる紅蓮大将の発言を聞いて『ハァ…ヤッパリこうなるのね…』とorzになるタケル。「あと、最初は白銀中尉だけじゃが、後からお主達にもテストパイロットをしてもらう予定じゃ」「その時は貴殿等中隊は、白銀中尉と同じく帝国代表として『次世代戦術機の開発部隊』となる事になる」「「「!!!!」」」「この話はかなりの機密故に他の者達には喋る事は禁ずる…いいな?」「「「ハッ!!!」」」自分達の重要な立場を理解し、紅蓮大将達に返答を返す椿達。「あと、椿様時折白銀中尉には開発の任務で国連軍の方に出向く事がありますその際は隊を一時的に抜ける事もあるので御理解頂きたい」「ハッ、了解致しました!!」「…そうそう、白銀中尉よ実は国連軍の香月博士から新OSのデータを送られて来てな…休憩が終わったら、早速テストパイロットをしてくれたまえ終わり次第、再び香月博士の下にこのデータの結果を送りたいのだ」「ハッ、了解しましたっ!!」早速来た新OSのテストパイロットにウキウキするタケルそして、その新OSのデータに興味津々の椿達。休憩後、再びシミュレーターデッキに乗り、新OSのテストパイロットをするタケルその新OSを装備した白銀機の瑞鶴の機動をモニター室で見て驚愕する椿達と紅蓮大将達新OSのデータを装備したタケルの機動を見て、人類の未来に『希望』がちょっと見えてきた瞬間だった。