中階層--沙霧side「クッ…なんて数だ…!!」ハイヴ内を順調良く制圧を進めていく我々帝都防衛軍途中、反応炉停止の報を受け、歓喜に包まれた。勿論自分も作戦成功に喜びで、全身を震わせていた。 初めてのハイヴ戦、そしてハイヴ内への突入と制圧作業。どれも初めての事で緊張はしていたが、皆のおかげで未だに自分は撃破される事無く、戦う事が出来た。 その要因のひとつでもある、不知火・改とXM3XM3は『本土侵攻戦』から使っていたが、不知火・改に関しては、これが初めての実戦使用。この2つが合わさった力は凄まじく、不知火を操っていた頃では考えられない程の戦力差が有った。 不知火・改は不知火に比べて全体的に向上し、特に機動力に関しては、群を抜く程上がっていた。正にハイヴ攻略に関しては最適とも言える。従来より早い時間でハイヴ内を進行出来た事が何よりの証拠だ。そんな機体にXM3が加わった事で、『鬼に金棒』となった不知火・改これで日本はBETAによる脅威を振り払えるのではと思える程のものだった。勿論、そんなに現実が甘くはないのは重々承知。しかし、この機体に搭乗すると、そう思えてしまうのが心情だ。モニターに映っている駒木少尉も嬉し泣きをし、涙を流す。今はこの喜びを味わおう…そう考えていた時、アラームがコクピット内に響きだす。 反応炉が停止した為、BETA達が退却を始めた様子。最初は一万程度だったが、徐々に増え続け、最終的には七万まで増え続けていた。 そして現在---仲間が三人程失い、つい先程駒木少尉が撃墜され、戦闘不能になる。 即座に私の機体に駒木少尉を回収する事に成功するが、駒木少尉は撃墜されたショックで頭に血を流した状態で気を失っていた。即座に私の機体に搭乗した際、四点式ハーネストで駒木少尉に装着させる。米製なのは気が癪だが、駒木少尉を救出する事に役立った今だけは感謝する。部隊を退却をしながら、BETA達を殲滅していくが、現在の武装とBETAの残存数を考えると、絶望的な結果が出て来る。今ある部隊の武装では、精々二・三万が限度。しかし、BETAの残存数は未だに五万超『彩峰准将…みんな…後は頼みます…!!』「まっ、待つのだ!!」すると、とある衛士が捨て身覚悟で単騎突入する。右腕を失い、弾数すら尽きた状態で、BETA群に突撃する すると--再びコクピット内にアラームが鳴り響く内容は…自決装着による警報だった。 『日本がBETAから解放される姿をこの目で見る事が出来ないのが心残りですが…後は頼みます。』「……ッ!!済まぬ…貴殿の死は無駄にはしない…!!」己自身の無力さに悔やみ、唇を噛み締めながら英霊と化す衛士の最期を見届ける。命を賭した閃光は、数多くのBETAを滅する。「皆よ…我等の命を救ったあの者の命を無駄にするなっ!!我等はあの者の分まで戦わねばならぬのだっ!!」「「「了解…ッ!!!」」」仲間の死を悲しみを背負いながら、生き残ったBETAの殲滅をする我等。残った数は一万強逝った仲間の分まで、我等は戦い続けていた。 しかし、現実というのは無情なモノだ--- 『彩峰准将ッ!!後ろ--』「しまっ---」彩峰准将の背後に現れた数多の要撃級数は少なくとも、不意打ちには充分な数突然の偽装横坑で対応に遅れる彩峰准将 「彩峰准将ッ!!」身体が言葉より速くに動き、彩峰准将の搭乗する不知火・改に体当たりをし庇うが、代わりに自分が要撃級の一撃を喰らう事になる 「グアァッ!!」「尚哉ッ!?」救出した彩峰准将は、即座に仲間達が援護に入る。……ああ…これで慧が悲しまずに済む。「沙霧中尉…」「済まぬな…駒木少尉貴殿を救う事が出来ん…」「いえ…お供します…沙霧中尉。」笑みを浮かべる駒木少尉どうやら覚悟は決まったようだ。要撃級の一撃を喰らった為、私の機体は操縦不可能運悪く一撃を受けた場所が背部だった為、ベイルアウトが出来ない状況だった。仲間達の通信は壊れてしまい、音信不通あとは黙って死を待つだけだった。ハーネストで同乗している駒木少尉を抱きしめ、最期を迎えようとしていた時--- 胸部のハッチが強引に開かれる 「大丈夫か!?今救出するから待ってろ!!」私と駒木少尉の目の前には---白銀に輝く不知火・改が存在していた--!! 沙霧side end 「大丈夫か!?今救出するから待ってろ!!」危うく要撃級にトドメを刺される沙霧達をタケル達第17大隊が救出する沙霧機に一撃を入れる筈だった要撃級は、冥夜機が前腕部を両断し、真那機によって撃破された。そしてタケルが撃墜された不知火・改のコクピットのハッチを開くと--- 軽傷の沙霧中尉と駒木少尉が搭乗していた。(沙霧に……誰?まぁ…なんとか彩峰の約束を守る事が出来たから、良しとするか。)流石に中身が沙霧中尉が搭乗していた事は驚いたが、なんとか慧との約束を守る事が出来、一安心するだが--- 「……もしかすると、今…いい雰囲気だったか?もし、そうだったら………済まない事をした…。」「な゛っ!?」タケルは沙霧中尉と駒木少尉の姿を見て誤解をする。…まあ、タケルでなくとも、男女が抱き合ってる姿を見れば、同じ気持ちにもなる。 タケルの一言に驚愕する沙霧中尉、現在思考が停止する。駒木少尉に関しては、真っ赤に顔を染めていた。 「ラヴラヴな最中悪いけど………こっちに避難してくれない?」「ラ、ラヴラヴ!?」「なんだ尚哉…人が心配してるというのに、駒木少尉と良い雰囲気になっていたのか…」「誤解ですッ!?彩峰准将!?」タケルと彩峰准将のオープンチャンネルにパニクる沙霧中尉『ラヴラヴ』という言葉に、駒木少尉の脳内には、沙霧中尉と一緒に幸せ一杯の妄想が広がっていた。 とりあえず沙霧中尉をタケルの機体に回収し、駒木少尉は冥夜機に回収し、BETAを殲滅しながら退却していく。 「済まないけど、暴れるから覚悟してくれよ。」「無論だ、遠慮など要らん!!」「言ったな。後悔するんじゃねぇぞっ!!」四点式ハーネストを装着したのを確認してから、タケルは『全力機動』を振るうその動きに驚愕し、今でかつて無い体験を受けている沙霧中尉は、吐き気を根性で抑えながら、耐え続ける。 (こ…これが白銀中尉の戦術機機動…!!なんて桁違いの動きだ…!!)全身あらゆる方角から重力が襲ってくる事に驚愕する沙霧中尉歯を食いしばりながらもタケルの機動を体験し、学ぶ。(これがあの『本土侵攻戦』で見せた機動…!!私にこのような機動が出来るのか…!?)タケルの機動特性を体験し、今の自分に同じような事が出来るのかを考える。 (……悔しいが、無理だな…これを覚えるには、今までの事を忘れる…いや『壊す』必要がある)新OS・XM3に切り替えて、ある程度は出来るものの、やはり固い思考と以前のOSで培った戦闘方法が未だに有る為、タケルの機動は無理と判断する。 タケルの機動を習得するには、一度今までの思考や戦闘方法を『壊す』必要があると沙霧中尉は判断する。『忘れる』ではなく『壊す』『忘れる』では、身体に染み付いてる故になかなか『忘れる』事は出来ない だからこそ『壊す』簡単に出来る事ではないが、一度リセットする事が出来れば、吸収するのが早いと考えるあながち沙霧中尉の考えは間違いではない。現に何も知らない訓練兵の頃にタケルに叩き込まれた水月・孝之・慎二は新人衛士とは思えない程の結果を残し、即戦力になった。水月に関しては、紅蓮大将ですら認めた程だ。故に沙霧中尉は、今までの『固い思考を壊そう』と考える。 (今の考え方では、白銀中尉のような機動は無理だ…『出来ない』事は無い…だが、それには長い時間が必要だ。ならば、考え方を少し変えよう-- )今初めて沙霧中尉は『固い思考』を壊し『新しい思考』を得ようと考える。沙霧中尉は知らない---これをきっかけに沙霧中尉の『未来』が変わる事を--そして、その一番のきっかけがタケルの存在だとは、タケル自身すら気づかない… 「ふぅ…やっと地上に戻れたぜ…。」「うぅ…」無事、なんとか地上に帰還する事が出来たタケル達。ハイヴ内から出た際に、輝く太陽の光を懐かしむ。 「大丈夫か、沙霧中尉?」「ああ…少し酔ってる程度だ。」「強がるなよ、顔真っ青だぜ。…けどまあ…俺の機動に潰れなかった奴は初めてたから、それに関しては大したもんだ。」戦闘中、タケルの機動に辛うじて耐えきった沙霧中尉。タケル自身、『沙霧中尉なら大丈夫だろ』と勝手に判断し、全力機動をフルに動かしていたが、流石に耐えきるとは思ってなかった為、驚いていた。 「とりあえずこれで彩峰の約束を守れたから、安心した。」「なに…彩峰だと…?」タケルの一言にピクリと反応する沙霧中尉 「彩峰慧、彩峰准将の娘さんだよ。三沢基地周辺の店で会ってな、彩峰准将やアンタに危機が迫ってたら助けてくれって約束したんだよ。」「そうか…納得した。」自分や父親を心配していた慧に対し、『心配をかけた』と謝罪する気持ちになる沙霧中尉同時に、自分や父親を守って貰うようにタケルに頼んだ事に感謝の気持ちで笑みを浮かべる。 「イグニス1からイグニス各機へ。これより我々突入部隊は横浜港に待機する戦艦まで水平噴射跳躍で向かう。イグニス10・イグニス26に同乗している帝国防衛軍の衛士は、軽傷を負っている為、艦に到着次第医療班に引き渡して治療して貰う事」「「了解」」椿の指示に従い、第17大隊全機が、横浜港で待機する艦目掛けて移動を開始する。「…この恩は必ず返す。」「気にすんな。俺に返すんなら、彩峰准将の娘さんに返しな。」「…そう…だな…。」少し苦笑いしながら眠りにつく沙霧中尉『仕方ねぇな…』と呟きながら、艦へと帰還するタケルだった…あとがき--- しばらくぶりです、騎士王です。今日は真那さんの誕生日画像だと楽しみに、朝5:00から確認してたが…真那さんの誕生日画像がアップされてないだと…? 『そりゃないぜ…』と落ち込んでましたⅢorz 今回はちょい早めに更新日曜日に更新出来るかは未定です、出来ても以前書いた簡単な設定集です。それが終わればオリジナルのシナリオを書いてから原作の2001年に突入するかもしれません。 …途中、外伝のヴェナ太郎書くかもしれませんが、石は投げないで下さい(ガクガクブルブル…)