1999年・2月20日 訓練学校内シャワールーム「疲れたぁ~…」「情けない声出すな、正樹」タケルと共に訓練後のシャワーを浴びていた正樹。他の男性訓練兵達は既に上がり、交代で入っていた。 「正樹もだいぶ成長したな、完全装備の10キロ行軍じゃ、純夏を常に抑えてるじゃないか。」「白銀さんのおかげですよ。」現在、完全装備の10キロ行軍では、純夏を抑えて正樹がトップに居る。要因はやはり男性特有の体力の多さ。身軽ならば純夏だが、完全装備をすれば、持続力がモノを言い、正樹がトップに出た。 その後に、まりか・唯依の二人がピッタリとマークし、ちょっと離れた場所ではクリスカ・美冴が居るそして、勿論ビリはイーニァだったりする。格闘訓練では…圧倒的に純夏が頂点に立ち、並み居る仲間達(主に男性訓練兵達)を粉砕し、何度となく、天に召される寸前までいった。射撃訓練では、10キロ行軍の汚名を返上するように、イーニァがトップ接近戦での射撃命中率を95%超えをマークし、遠距離射撃に関しては80%を超えていた。タケル曰わく、『接近での射撃はイーニァ遠距離射撃はたま』と賞する程凄まじかった。 因みに、純夏は接近戦での射撃は70%遠距離射撃は65%と遠距離射撃に関しては最低だったりする。総合的成績で言うならば、まりかがトップ『やはり血筋なのか…』とタケルも頷く程だ。「しっかし、今回は女性陣が層が厚いな…むしろ男性陣は…頑張れ。」「フグッ!?」ズキリと痛い所を疲れてしまう正樹。男性陣は平均的なので、正樹以外は目立って居ないのだ。 すると、背後から引き戸の開く音が聞こえ、他の『使用者』が現れたと悟り、正樹と一緒に振り向くと----「あは、あはははは~…し、失礼しま~す」「タ、タケルちゃん…あまり…見ないでね…」「むっ、宗像・雨宮、私は戻るっ!!」「これも訓練ですよ、唯依」「諦めて下さい♪」『ピシッ!!』…と余りの衝撃に硬直するタケルと正樹何故か男性用のシャワールームに純夏・まりか・イーニァ・クリスカ・唯依・美冴・佳織の計7名の女性陣がバスタオルを巻いて入って来る。 まりか・純夏・クリスカはタケルと正樹が居ると知り、恥ずかしそうに中に入るのを躊躇うが、イーニァが堂々と中に入った為、諦めて中に入る。唯依はタケルと正樹が居るのを知り、退却しようとするが、美冴と佳織に阻止され、モジモジと恥ずかしそうに奥へと侵入する。「……此処男性用ダヨネ?」「ハイ、勿論男性用シャワールームですよ?」美冴以外は恥ずかしそうに、真っ赤にクネクネと動いてたが、美冴だけは堂々としていた。 「何故此処に来たのか理由を述べて欲しいのだが…?」「現在、隣の女性用シャワールームは、途中で故障してしまい、仕方なしに此方にやってきたという訳です。」「なる程…だが、他の男性達が入って来る考えを考慮してるのかね?」「勿論、男女シャワールーム入り口には『故障中の為、使用禁止』の立て札を立てて起きました。」「中に俺達が居る事は…?」「勿論確認済みです。まあ、鑑達には二人が入ってる事は内緒にしましたが…」「どうりで…」頭を抱えるタケル正樹もまりかのバスタオル姿を見て、理性と本能が戦っていた。 タケルの隣に恥ずかしそうに純夏が入り、正樹の隣にはまりかを配置し、他の者達は、開いてる所でシャワーを浴びる。 「それにしても、白銀は女性達のシャワーシーンを見て、落ち着いてますね。」「そ、そういえば…」美冴の質問に戸惑う純夏だが、呆れるようにタケルが答える。 「あのな…前線では、住む部屋は男女関係無しに一緒に生活するんだぞ?風呂で男女一緒に入ったりする事なんて、日常茶飯事なんだぞ?」「えっ?だけど、タケルちゃんは京都に居た時は、真耶さんの家で同居してたぢゃん?」「オレの場合は、基地内で泊まり込みの時や深夜まで作業をしてた時に、仮眠室で極偶にあったんだよ。そりゃあ、今でもマジマジと見れば恥ずかしい気持ちは有るけど、訓練兵の強化装備を見たら…意味が良く解るようになるぞ?」タケルの発言に『『ええぇぇっ…』』と返答する純夏達流石の美冴も少し恥ずかしそうに不安になる。 「タケルちゃん…訓練兵の強化装備って…どんなの?」「殆ど『裸』に近い姿になるな…保護皮膜が半透明でな…殆ど裸みたいな姿だから、かえって裸を見せるより恥ずかしいらしいぞ?オレに言わせれば、あれは…制作者の趣味丸出しだと思うぞ?」タケルの話を聞いて、女性陣達の顔が真っ赤になる。「さて、正樹…そろそろ上がるか」「そうですね…」タケルと正樹は『理性が勝ってる内に退散しよう』…とアイコンタクトで語り、退却の準備をする。 「だ、駄目だよ、タケルちゃん!!帰る途中に伊隅さんの裸見えちゃうでしょ!!」「俺は兎も角として、正樹は構わないだろうに…それに、このままでいたら、風邪引いちまう」タケルの発言に慌てる正樹と、真っ赤っかになるまりか…その様子を楽しむかのように、美冴が笑い出す。 「大体にして、見られてマズいんなら、入って来るなよ…俺達が出た後に入るなり、色々とあっただろ?」「う゛っ…」「今回は聴かなかった事にするけど、神宮司軍曹には絶対に言うなよ?そんな事言ったら、お前の顔面に『鉄拳』入るからな!」「はぁ~い…」しゅん…とする純夏を見て、『仕方ねぇな…』と溜め息を吐くタケル。「純夏・伊隅、今から俺と正樹が目隠しするから、脱衣所まで道案内しろ。出来れば、背中から押して道案内してくれると助かる。正樹、腰にバスタオル巻いておけよ。」「あっ、ハイ」「えっ…うん、ゴメンね、タケルちゃん…」タケルの提案で、腰にバスタオルを巻いて、タオルで目隠しをするタケルと正樹その背中で、バスタオル巻いて、タケルと正樹を押しながら道案内をする純夏とまりか。その際、自分のわがままでこんな事をするタケルに詫びる純夏「タケルちゃん、あと50センチ前方で脱衣所の出入り口だよ。」「わかった、それじゃ…」脱衣所の引き戸をスライドさせて開こうとすると---!! 「白-----きゃ!?」「あ゛っ」すると、突然引き戸が開きだし、まりもとみちるが現れるそして、引き戸を開こうと手を伸ばしたタケルの手には、母性溢れるまりもの胸を鷲掴みにする。 「ん…?なんだコレは…?随分柔らかくて大きなモノが…?」「きゃんっ!?」「あああああ…」目隠しをしてる為、何なのかは知らないタケル。タケルに揉まれたり、撫でられたりして、確認してる為、悶えてるまりも、その光景に「やべぇ~…」とアワアワしてる純夏と、まりもの後方で、笑い声を抑えながら、腹を抱えて笑ってる香月博士が居た。 「白銀さん、引き戸開きました…わぷっ!?」「ま、正樹!?」「おおおお…!?」目隠しをしてる為、事態に気づいてない正樹はそのまま前進。その際、みちるの胸元に顔を突っ込む。まりかも、正樹の後ろに居た為、気付くのが遅くなり、そのまま正樹を押す感じで、姉・みちるの胸元に正樹の顔を突っ込む形になり、その時点でやっと事態に気付く。そして「お姉ちゃん」と言葉が出ず、『おおおお…』と連呼する。 「なんだコレ…正樹、一旦目隠しを取るぞ。」「あっ、ハイ」そして、目隠しを取ると----事態を把握し、石化するタケルと正樹後方の美冴達からは『南無~…』と合掌されていた。 「し、白銀…人前で胸を鷲掴みにするのは…」「正樹…此処でそういう事は…」「「スミマセンでしたっ!!」」石化が解け、二人同時に素晴らしい土下座をする。腰にバスタオルを巻いた大の男二人が裸で土下座する姿を見て、爆笑する香月博士。 「さ、流石は白銀と…『弟子二号』の前島ね…此処まで、笑える事態を作るとは…流石は恋愛原子核ね~♪」「で、弟子って何ですか…?」「アンタ、白銀の弟子じゃない?勿論恋愛原子核の方のね。」 「ぐふっ!?」「そんな弟子いらん…」正樹もタケルの『恋愛原子核』の仲間入りをしたと香月博士から言われてしまい、精神的ダメージを受けてしまう。ちなみに『弟子一号』は鳴海孝之らしい… 「白銀、面白いモノ見せてくれてありがとう。あと、まりもの胸を散々触りまくった責任は、ちゃんと取りなさいよ~♪」「…ちなみに、その責任の取り方は…?」「まりもをアンタの嫁として嫁がせる事よ!!!」「ゆゆゆ…夕呼ッ!!」握り拳をしながら『責任』の取り方を説明する香月博士に、思わず名前で呼んでしまうまりも。「な、何故博士達が此処に…?」「だって、『こんなの』が男性用シャワールームの入り口前にあったら、怪しむのは当たり前よ~?」ガタッと、タケル達に看板を見せる香月博士その看板の『怪し過ぎる内容』に硬直する。『現在、男性用シャワールームは故障中につき、使用は禁ずる。例え、怪しい声や音が聞こえても、スルーをする事勿論覗いたりすると、罰として、無い事を有るようにされて、基地中に噂を広げられてしまうので、覗き・盗撮は禁止。決して香月博士等に報告は禁ずる、面白い事になるから。』…と看板に貼り紙されていた。 「むむむむ…宗像ァァァッ!!」「知りません、私じゃありません。」「嘘つけぇぇぇっ!!」目を細めて誤魔化す美冴だが、これが悲劇の素となる。 「フフフ…良いだろう…宗像…貴様には、特別に『特別訓練』を指導してやる。勿論逃げる事は不可能だから、覚悟すれよ?」「特別訓練?」タケルの一言に、些か不安を持つ美冴「先生…宗像に『強化装備』を与えて下さい。ちょっと…二人っきりで訓練したいもので…」「あ、アンタ…まさか…」タケルが何をするかを悟る香月博士。流石に美冴に同情する視線を送り、タケルの提案を許可する。 そして、まりももタケルが何をする気なのかを悟り、懐のポケットから、紙と封筒とペンを取り出し、美冴の下に行く 「宗像…貴様にコレをやる。」「な…何ですか、コレは…」香月博士とまりもの哀れみな視線を受けて、一気に不安が募る美冴まりもの目尻には、何故か涙が溜め、美冴に紙と封筒とペンを渡す。 「……………………………………『遺書』だ。お前が逝った後に、責任を持って、私が届けに行ってやる。…私はお前の事を何時までも覚えていてやるからな…」「「「ええぇぇぇぇぇぇっ!!?」」」まりもから未使用の『遺書』を渡されて、硬直する美冴『地雷…踏んじゃったわね…』と香月博士の呟きが、全員の耳に届く。 「宗像、一時間後にシミュレータールームに強化装備を着用して来る事。因みに拒否権は無いし、逃走した場合は、更に酷くなる事を約束する。勿論、仮病なんて使ったら…ワカルヨネ~?」「り、了解…」青筋を浮かべながら、笑顔で死刑宣告をするタケル逃げ場を失い、諦める美冴そして一時間後、美冴は地獄を見る事になる。「そぉぉぉれっ!!次はトリプルアクセルだっ!!」「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」シミュレータールームでは、複座式の管制官が起動していた。其処では、何時もより激しい動きと絶叫が響いていた。 中には、タケルと美冴が搭乗し、『全力変態機動~お仕置きバージョン』を行われていた。モニターで戦術機の映像を見る限りでは、『………ええぇ…?』というような光景だが、操縦席の中では、真っ青な表情をしながら、気持ち悪さ120%で吐きそうな美冴の姿があった「アナタ達も気をつけなさいよ…?白銀中尉の全力機動は、熟練者でも、ああなるわよ…」「ちなみに言うと…戦術機を見れば『ふざけてる姿』に見えるけど…アレ、中の衛士にしたら、逝ってもおかしくない程拷問だから…」二種類のモニターを見ながら説明する香月博士とまりも戦術機の方は、不知火・改が、バレリーナのように華麗に舞う姿に唖然としていたが、しかし中の美冴は、今すぐにでも天に召されて逝きそうな状態を見て、小鹿のように震えて居る純夏達。 その際、純夏達は『白銀中尉を怒らせてはいけない』…と同じ考えを持ち、強く決意する。「よっこいしょ…っと…」「……う゛ぅ゛っ」コクピットユニットがイジェクトされ、降りて来るタケルと美冴今回は酔いが酷い為、オンブではなく、お姫様抱っこで降りて来る。「ほら宗像、バケツだぞ。」ポリバケツの蓋を開けると同時に、バケツの中に吐く美冴その姿を見て、やはりガクガクと震える純夏達。 「ハァ…ハァ…」「吐き終わったか?」「な、なんとか…」かなり吐き出し、少し落ち着いた美冴タケルもその様子を確認すると、再び美冴をお姫様抱っこで担ぐ。 「白…銀…中尉…スミマセン…歩けないもので…」「別に良いさ、気にするな」「うぅ…タケルちゃんのバカ…」歩けない美冴をお姫様抱っこで運ぶタケルだが、その姿を見て嫉妬する純夏。しかし、その嫉妬もすぐに消える事になる「さて、宗像…『第2ラウンド』逝くぞ♪」ピシッと、辺りの空気が凍てつく。嫉妬していた純夏や周りの訓練兵達そしてお姫様抱っこされている美冴すら表情が固まる。 「い……今…なんと…?」「ん?聞こえなかったか、声が小さかったようだな、済まない。『第2ラウンド逝くぞ』と言ったんだ♪」カツカツと再びコクピットユニットに歩いて行くタケル。良いカンジに笑顔で応えるタケルを見て、初めて恐怖する美冴「や…止めて----」「れっつ…ごー!!」コクピットユニットに乗り込み、美冴を搭乗させ、自分もシートに座り、ハッチを閉める。 「お…鬼だよ、タケルちゃん…」先程の嫉妬もキレイサッパリ消え、怒ったタケルの恐ろしさを知り、震える純夏… 「さ~て、この悪路を全力疾走するぞ~♪」「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」先程は回転でのお仕置きに続き、つぎは縦の上下運動のお仕置きに変更する。通常ならば、別にそれはなんともないのだが、先程の回転の酔いの後に縦の振動で、更に堪えてしまう。 偶に三角飛びしながら倒立反転し、時折倒立反転中、くるくると横に回転したりして、いぢめる。「あ…う…あう…」再びお仕置きが終了し、ポリバケツへ直行し、吐く美冴しかも美冴の体調を見ながらお仕置きをしてるので、尚タチが悪い。 「さて、吐き終わったようだし…次逝くか…」「------ッ!!!」首をブンブンと横に振り、拒絶する美冴しかしタケルはニヤニヤしながら、再びお姫様抱っこをする。 「…わかったでしょ、アンタ達…日頃優しい白銀が怒ったらどうなるかを…」「「「ハッ…ハイッ!!」」」「ちなみに、トラウマとして刻むまでは終わらないわ…しばらくは宗像は訓練を休む事になるから、あとは頼むわよ?」「「「了解しましたッ!!」」」タケルの恐怖にビビる純夏達訓練兵この後、流石にこれ以上はマズいと判断してお仕置きを終了するタケル抱えて来た美冴を落ち着かせようとするが、駆け込んで来た純夏達に介抱される。 「宗像さん、これ飲んで…」「済まない…鑑…」赤い紙パックのドリンクにストローを刺す純夏。「す、純夏、そのドリンクは駄目だっ!!」「そんな事言ってる場合じゃ無いでしょう!!…さっ、宗像さん…あ~ん…」「------ッ!!!!!」純夏から貰うドリンクのストローをくわえ、最後の力でドリンクを飲み込む---その瞬間、美冴に衝撃が走る!! (ピクピクピクピク…)「む、宗像さんッ!?け、痙攣してるよっ!?」「あ~あ…トドメ刺しやがった…」純夏が飲ませたドリンク---通称・ゲロマズドリンクにて、トドメを刺される美冴… あまりの不味さに気を失い、痙攣してしまう。 この日の事はトラウマとしてゴリゴリと心に刻み込み、二度と度を超えたイタズラをしないと心に誓う美冴だった…あとがき宗像ファンの方々…スミマセンでした。つい、ネタを浮かんだもので… 偶には、タケルちゃんが宗像をいぢっても…良いよね?