1998年・7月20日京都・帝都防衛線付近--- 「すげぇな…あんなにも傷だらけで戦ってたのか…」タケル達の目の前には、九州・四国・中国地方の生き残った戦術機と衛士達がゆっくりと退避する。現在BETA達は岡山県付近で待機中、どうやら大半のBETAが活動エネルギーが尽きかけて来たようだ。 その隙を突き、四国・出雲側の海から戦艦の砲撃と、京都・大阪の防衛線の支援砲撃車両などのおかげで、大半のBETAを始末する事に成功。そして四国での地獄のような戦いに勝利し、四国防衛線の衛士達は、約四割近い生存者が出たこれには、名古屋・大阪の防衛線の戦力が支援に向かい、奇跡的とも言える確率で四国を死守する事に成功する。 そして、四国からの横撃と、戦艦や支援車両のおかげで、第一波のBETA群を壊滅する。だが、その後第二波・第三波のBETA群が上陸、現在は岡山県付近で待機していた。 「岡山県付近のBETA群の総数が約十万か…けど、高い確率で援軍が来るから、長期戦は確実か…。」タケルの記憶と香月博士の記憶を辿れば、京都での防衛戦は1ヶ月間に及ぶ戦いの末、陥落する事になる。 しかし、現在タケル達は、XM3と不知火・改という手札(カード)があるそして、今回は四国・九州・中国地方の生き残りの部隊、合わせて約四割強が防衛してくれる為、戦力的には京都防衛の可能性が高まって来た。 そして、香月博士がただ単に傍観する訳が無い。必ず何らかの動きは有る。 そう考えていたら、タケルに突如ぶつかって来る者がいた。 「す、スミマセン中尉…。」「大丈夫か?」激戦の中、見事に生還した帝国少尉がふらついてタケルにぶつかってしまう 「良く戦った。貴官等の戦いのおかげで、多くの民が救われました。誇って良いですよ」「ありがとう…ございます…」所属は違えども、上官に誉められ、感涙する少尉そして、仲間達に肩を貸してもらい、医務室に向かう。 「ん…これは…ロケット?」先程ぶつかった際に少尉が落とした物と判断し、拾うタケルそして、落ちた際にロケットの蓋が開いてたので、中の写真を覗き、驚愕する。 「これは…宗像中尉…!?まさか…あの人が宗像中尉の想い人!?」突然の出逢いに驚くタケル。そして、先程の少尉の下に向かう。 「少尉、落とし物たが…」「えっ…ああっ!?す、スミマセン、ありがとうございます!!」ロケットを無くして慌ててた所にタケルが届けに来て、ホッと安堵する。 「良かった…」「済まないと思いますが…拾った際に中の写真を見てしまった。」「いえ、構いません。それに蓋の金具がおかしくなってたので、開き易くなってたんです。」「そうでしたか、申し上げない」謝罪するタケルに慌てて反応する少尉そして、用が済んだので退室するタケル先程の少尉を見てふと思う 「名前聞いとけば良かったな…そしたら宗像中尉を反撃するネタになったのに…」『まっ、いっか』と簡単に断念するタケル。しかし意外にも、このネタが宗像中尉の反撃するネタとなる事を後々体験する。 そして、数時間後---- 「各自戦術機にて待機せよ、以上解散!!」椿の号令と共に解散し、自分の不知火・改へと向かうタケル 「白…いやタケル」「真耶さんに…沙耶さん?」不知火・改へ搭乗する際、真耶と沙耶がタケルの下に訪ねて来る。 「恐らく、この数日以内に事は起きるだろう…だから…必ず生き残るのだぞ。」「ハイ」不安そうに告げる真耶を安心させるように、笑顔で答える 「タケルには生き残って貰わねばならぬ。勿論計画等もそうだが…我等を『娶って』貰わねばならぬのだからな。」「め、娶る!?」「当たり前だ、私や真耶を此処まで変えたのだ…責任を取って貰うぞ?」突然の真耶の『娶る発言』により慌てるタケルだが沙耶の『責任を取れ』との発言で、タケルは陥落する。そして--- 「タケル…」そっと真耶がタケルに近づき、タケルの頭を絡めるように抱きしめながら、接吻をするそして、その後に沙耶も同じように接吻をする「…タケル、私が貴方の背後を守る事を誓うわ…だから---力の限り、暴れなさい」「ハイ、ありがとうございます。」真っ赤な表情の真耶と沙耶タケルの背後を死守すると沙耶の誓いをタケルは受け止める。 「それでは、私は行く…沙耶殿…タケルを頼みます。」「ああ…任せておけ。」タケルを守る事を誓う沙耶を見て、安心する真耶そのまま惜しむように立ち去り、自分の部隊の下に向かう。 「さあ…タケル…必ずこの京都を守りきるわよ…」「…了解!!」タケルの返答を聞いて、笑みを浮かべる沙耶そして、自分の不知火・改の下に向かう 「…負けれない理由が増えたな…」ポツリと呟きながら、不知火・改に搭乗するタケル。 そして、この時から翌日…動きはあった…