「それにしても、タケルちゃん、珍しく男の人だけで街中歩くだなんて…、悪いモノでも食べたかな?」「ス、スミカ…、タケルだって、男友達が居てもおかしくは…」「うーん…タケルちゃんの場合、友達の割合が9:1(女:男)の割合だからな…」「9割女性!?」純夏の誤解ある説明で驚愕するクリスカだが… 「タケル~~!!」「「ええっ!?」」せっかく、隠れてたものの、イーニァの突撃で無駄になる。「イーニァ!?」「タケル、しばらくぶりだね♪」「…タケル、この娘は…?」「イーニァ・シェスチナって言って…簡単に説明すると、沙耶さんの姉妹みたいな関係だ」「「!!?」」タケルの説明を聞いて驚愕する孝志と政弘しかし、イーニァの持つ、ほわわんとした雰囲気に和んでしまう。 「へぇ~…そっかぁ~…こんにちは、イーニァちゃん。オレは崇宰孝志って言うんだ、孝志って呼んでくれ」「うん、わかったよ、タカシよろしくね♪」「俺は斉御司政弘、政弘で構わないよ。」「よろしく、マサヒロ♪」イーニァに自己紹介する孝志と政弘イーニァも礼儀正しく挨拶をすると、二人にリーディングをする。「タカシはやさしい、ポカポカする、おひさまのひかりみたいないろ。マサヒロは、あたたかいかぜのようないろ。みんなをまもるように、つつんでくれる。」「…もしかして…リーディングした?」「うん♪」素直に答えるイーニァを見て、叱る気すら失せてしまう政弘。孝志は『やれやれ…』とイーニァの純真無垢な姿を見て苦笑いをするそのあと、タケルに『あんまりリーディングしたら駄目だよ?』と注意されると、『ゴメンナサイ、タカシ・マサヒロ。』と謝る姿を見て、『くぅ…怒る事が…出来ん!!』と萌えてしまう。 「ちなみに、イーニァ…クリスカは何処に…?」「クリスカとスミカは、あっちにかくれてるよ?」「…ほう」イーニァの指差す先には、諦めて姿を見せるクリスカと、クセ毛だけピコピコ動かしながら隠れる純夏がいた。 「フッ…『頭隠して尻隠さず』とは、正にこの事よ…!!」腰から何故かビニールスリッパを取り出し、くの字に折り曲げて---- 「それで隠れたつもりか、純夏ぁぁぁぁっ!!」「痛ぁぁぁぁっ!!?」折り曲げたビニールスリッパを投擲し、クリスカの頭上を通過し、見事純夏にヒットする。「ひ~ど~い~よ~!!タケルちゃん、私の頭がバカになったら、どーするのさっ!!」「安心するがいい、純夏。お前の頭は元々バカで出来ているこれ以上悪くなる事は無い!!」「ひどいよ~…タケルちゃん、気にしてるのにぃ~…。」「「…………」」タケルと純夏のやりとりを見て、孝志と政弘は言葉を失う。クリスカとイーニァは、最早見慣れた光景故に、落ち着いていた。 「タケル…その二人は?」「こちらが、イーニァのお姉ちゃんのクリスカ・ビャーチェノワ。そして、コイツが幼なじみの鑑純夏。」「クリスカ・ビャーチェノワです。」「鑑純夏ですっ♪」普段通りに自己紹介をするクリスカと、元気いっぱいに自己紹介をする純夏。その後に、再び孝志と政弘が自己紹介をする。 「タケルちゃん、珍しく男の人だけで街中歩いてるけど、どーしたの?」「誤解を招く事言うなっ!!」『スパァァァン!!』「あいた~!!」孝志や政弘達の前で暴言を言う純夏に、必殺ビニールスリッパ攻撃でお仕置きをする。「今日は『臨時収入』が入ったから、孝志さんと政弘さんに買い物に付き合って貰ってるんだよ!!あと、誰がいつ何処で俺が毎日毎日女性を連れまわしてるかっ!!強いて言うならば、純夏ぐらいだろうが。」「ハァ…だからタケルちゃんは『鈍感』なんだよ…。中学の頃、タケルちゃん結構人気あったんだよ?」「…知らん。お前が常にそばに居たから、全然知らんかったよ」本当の事を話すタケル。『この世界の白銀武』と同化してる為、記憶はあるが、やはりニブチンな為、気づいてない。「臨時収入って言ってるけど、何の臨時収入なんだ?」「XM3の発案料ですよ。先生がXM3のライセンスを取ったから、そのライセンス料から引いて、発案者の俺に振り込んで来たんですよ」「へえ~…そうなんだ。ところでタケルちゃん、香月先生から、いくら貰ったの?」「………これだけ。」鞄から通帳を取り出して、パラリと開いて見せると… 「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…………へっ?」「ゼロがいっぱいあるね、クリスカ」「…………………目の錯覚かな…?」イーニァとタケル以外のみんなが目をゴシゴシとこする 「錯覚…じゃないな…?」「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…じゅうまん…ひゃくまん…いっせんまん…へっ?」目をグルグルと回しながら桁を数える純夏そして--- 「三億だよ三億…しかも、これから増える予定…」「………どうするんだよ、この額…」「…だから困ってるんだ…」突然の漠然な金額を入手し、困惑してるタケル。使い方に悩んだ所、孝志が提案してくる。 「…まず車一台買わないか?確かタケル免許取り立てだろ?」「まぁね、免許無いと色々困るし。」「だな、軍で様々な車両を扱うからな…」免許取り立てのタケルに孝志は車を購入する事を決める。 そして、政弘の案内で、車の販売店に向かい、店に入る 店員さんに、スポーツカーを勧められるが、タケルは却下し、パジェロを選ぶ理由として『先生のような走り屋には、なりたくないから…』らしい…「へぇ~…タケルちゃん、車の運転旨いんだね~。」「そりゃ、一応習ったからな。」「次は何処に行くんだ、タケル?」「ん~…飯でも食べます?昼飯、まだ食ってないし…」「孝志のせいで食べてないのでな、腹を空かせてる状態だ」「う゛っ!?」「それじゃゴハンにしよ~♪」政弘の道案内に従い、運転していく。 「此処で良いだろう」「…ファミレスとは意外かも。政弘さんなら、料亭とか案内されるかと思った」「あのな…俺とて、周りの者に合わせたりする。まさか、いきなり高級料亭などに連れて行ったら、それこそ鑑殿達が緊張するだろうに…」「そうだね~…緊張してガチガチするかも…」ホッと安心する純夏。車から降りて、店に入ると---- 「しっ、白銀、助けて…」「ういぃ…ゆーこ、なに逃げてるのよ~?」死屍累々とした中に、香月博士が、お酒で酔っている『狂犬』と化した神宮司軍曹に拘束されて、暴れていた。そして本能が告げる--此処に居ては、屍達と同じ運命を辿る事を--!!そして、香月博士が気を失い、犠牲者の一人となる。「にっ、逃げろーーーーッ!!」全員が神速の速さで反転し、退却する!! 「逃~が~さ~な~い~わよ~!!」しかし、野獣の如く追いかける神宮司軍曹足の遅いイーニァが狙われる所を孝志がカバーに入る。 「逃げろ、タケル!!此処はオレが殿を持つ!!」「クッ…!!済まない!!」そのまま車の所に向かい、脱出するタケル達 『グハッ!?』そして、先程のファミレスから、天高く飛ぶ孝志の姿を目撃し、全員が敬礼する。「…孝志…お前の勇姿は我々の心に刻み込んだぞ…」「つーか、何故先生と神宮司軍曹が彼処に…?」「夕呼先生も用事で一緒に来てたんだよ…神宮司軍曹は護衛で来たんだけど…」「護衛にやられちゃ、世話がねぇな…」ウンウンと頷くタケル達…だが… 『ウフフ…し~ろ~が~ね~…♪』「「「「え゛っ?」」」」突然何処からもなく、声が聞こえてくる…そして---!! 『みぃ~つけたぁ…☆』「「「「うわぁぁぁぁっ!!!!!」」」」突然車の天井から神宮司軍曹の顔が現れ、驚愕する!!そして、急ブレーキをして、停止すると神宮司軍曹が天井から降りて、タケルを拉致する。「た、助け---」「さぁ~、一緒に飲むぞぉ~☆」そのまま先程のファミレスに連行されるタケル残された純夏達は、自分の身の安全を重視し、ぶっちゃけ、見捨てる。ちなみに、孝志は---「……」「…………孝志、何の真似をしてるのかしら?」先程天高く飛ばされた孝志、地上に着地(落下したとも言う…)した際に、偶然椿と沙耶が居た 「神宮司…軍曹…恐るべし…ガクッ…!!」「た、孝志?孝志!?」それ以来、お酒を飲んだ神宮司軍曹には、絶対近づくまいと、心から誓う一同だった…