「あの……大丈夫でしょうか…?」「………………だいじょうばない。」罰ゲームが終了し、真っ白な灰になるタケル心配して声をかける清十郎だが、その疲れっぷりのタケルの姿を見て『駄目かも…?』などと思ってしまう。ちなみに罰ゲームはクリアならず。二往復で限界か来たタケルが要撃級に挟まれてしまい、ク○ス○ンバーばりの攻撃を受けてしまい、撃沈。『拉麺人の気持ちがわかった瞬間だった…』とタケルは呟く。「あの…白銀武大尉……ですよね?」「そうだけど……君誰?」「あ、ハイ。自分は日本帝国斯衛軍衛士養成学校二回生の真壁清十郎候補生です。此度は卒業生全員がドーバー基地で研修中でありますっ!!」何故か真那の時と違い、少し緊張気味に自己紹介する清十郎タケルもそれに気づき、『楽にして良いよ。』と声をかける。「『白銀の守護者』と呼ばれる白銀大尉に会う事が出来、光栄でありますっ!!自分も白銀大尉の噂は良く耳にし、その…貴方のような衛士になりたいと思ってます。」「うわっ、ムズ痒いって。そんな大した奴じゃないって。」ベタ褒めの言葉に流石に照れるタケル清十郎の緊張の理由はどうやらタケルへの『憧れ』だったらしい。 「清十郎、シロガネ大尉の事知ってるの?」「ハイ、日本で良く噂を聞きます。『白銀の守護者』という呼び名は、少なくとも養成学校の中では全員が知る程でして、流石に名前を知ってるのは…極一部しか知らないと思います。」イルフリーデが清十郎に近寄り、質問する。すると清十郎の口からタケルの渾名等の話が出てくる。「『本土防衛戦』に姿を現した白銀のカラーリングの不知火・改今までに無い機動を操り、BETAを次々と撃破する凄腕の衛士。光線級が現れた際、単機で飛び込み、光線級のレーザー照射を回避しながら殲滅した話は有名です。」「ええっ!?シロガネ大尉、光線級のレーザー照射の中を飛び込んだんですかっ!?」「いやぁ……今思えば、なんつー無茶したんだろうと思ってるよ。」タケルの無茶っぷりを知って驚くイルフリーデ離れた所で話を聞いていたアイヒベルガー達も呆然とし、『本土防衛戦』を体験した椿達に至っては、『そんな事もしたわねぇ…。』と苦笑いしながら呟く。「自分も、白銀大尉の事は尊敬してまして…その…一度会ってみようと思ってました。」「成る程。しかし…がっかりしただろ、噂の人物がこんな奴で。」「い、いえっ!!先程モニターを少し見ましたが、あのスピードの中で繰り出す戦闘。撃墜はしてしまいましたが、『凄い』の一言しか思い浮かびません。」「いや…アレはとある鬼畜な技術者のおかげで必死になってただけだって…。」「……それでも音速機動で二往復出来る事は凄いと思うんですけど…。」憧れの自分に会いに来たと知るタケル情けない姿を見せて『落胆しただろ』と問うと『そんな事ありません』と返答を返す清十郎そのそばで、小さな声でイルフリーデがタケルの先程の結果について苦笑いしながら呟く。「シロガネ大尉も疲れてる所だ。今日はこれぐらいにして解散しようではないか。」「あ、ハイ。それではシロガネ大尉、ごゆっくりお休み下さい。」「アリガト。さてと…汗でも流すかぁ…。」アイヒベルガー少佐が気を使ってくれ、今日は解散する事になった。タケル達も解散し、各々自由行動となる。―――――――――――――――――――――――――――――――――「うぃ~…腹減った…。」「もうすぐPXだから我慢するがよい。」PXへ向かうタケル・嫁達三人と千鶴・慧・美琴・壬姫・晴子PXに着くと、メニューを見て悩むタケル達だが、慧に至っては『………ヤキソバが無い…。』とへこんでいた。「さてと…何処に空いてる席は…『シロガネ大尉、こっちこっち~♪』……あれはフォイルナー少尉?」今晩の食事をパスタに決めたタケル、料理を持って席を探していると、イルフリーデが手を振って招いていた。食事を運んで向かうと、イルフリーデ・ヘルガローゼ・ルナテレジアの三人娘と、清十郎と数人の日本人が食事をしていた。「シロガネ大尉達も今食事ですか?」「そっ。そっちは…食べ始めって所か?」「ハイ、先程の訓練とかの話で盛り上がってた所にシロガネ大尉達がやってきたのを見かけたので。」「清十郎もそうだけど、他の候補生達もシロガネ大尉達に会いたかったみたいだし♪」「…成る程。」イルフリーデ達も丁度食事を始めたばかりだったらしく、まだ食事が八割程残っていた。どうやら先程迄の訓練の話で盛り上がり、話に夢中になっていたせいで少し食事が進んでなかったようだ。たまたまタケル達を発見し、呼ぶと清十郎以外の候補生達が緊張でカチカチに固まっていた。「俺は帝国斯衛軍第17斯衛大隊第四中隊所属の白銀武大尉だけど、なんか聞きたい事あるか?」 『あああ…あの…白銀大尉は…あの『白銀の守護者』ですよね…?』「ん~まぁ~…そう呼ばれてる。まったく…大袈裟な渾名だよなぁ…。ちなみに君の名前は?」「すすす…スミマセンっ!!私は…日本帝国斯衛軍衛士養成学校二回生の『楯都鈴鹿』と言いますっ!!」「いや、だからそんなに緊張しなくても良いって…。」ガッチガチに緊張しまくってる楯都候補生を落ち着かせようとするタケルと清十郎内心では『築地みたいな子だな…』と思っていたりする。(……清十郎…この子大丈夫?)(……これでも一応候補生でNo.2の実力なんだけど…。)(……そうなんだ…。)イルフリーデが清十郎に小さな声で訪ねると、以外にも好成績の楯都候補生にちょっと驚く。その後、雑談等で賑わうと、食事も後半にさしかかってた所に霞がやって来る。「……間に合いました。」「お疲れ様、霞私の隣が空いてるぞ。」「ありがとうございます。」タケルの隣に座ってた真那の隣が空いた所に霞を招き、座らせる。「おっ、『合成サバ煮定食』があったのか?」「ハイ…サバ煮定食…好きです。」「そっかそっか~♪これでニンジンも食べれるようになれれば良いんだけどな~。」「………ニンジンは…苦手です…。」予想外にも合成サバ煮定食があった事に驚くタケル日本食を好んで食べてくれる霞が可愛らしく見え、ナデナデするけど、意外にも釘を刺すように好き嫌いを直すように発言する辺り、親バカ(兄バカ?)みたいな事を言う。すると――――何かが閃いたかのように行動を起こす霞右手に持つ箸を上手にサバ煮をつまんで―――「白銀さん…。」「ん、なんだ霞「……あ~ん。」………ゑっ?」「「「「―――ッ!!!?」」」」突然の『あ~ん攻撃』に霞以外の者逹が時が止まる。周辺にいる人達ですら、突然の事に時間停止する。「………………………………いやぁ~…霞クン、ソレハキミノオカズダヨ?」「あ~ん……。」「いやいや…遠慮しないで食べ「…あ~ん。」……かす――ッ!?」突然の『あ~ん攻撃』に戸惑うタケル説得(?)するが、問答無用にあ~ん攻撃を止める様子は無い。そんな時に―――タケルに複数の殺気が篭った視線を感じる。「「「「………………(食べるな食べるな食べるな食べるな…。)」」」」冥夜を始め、千鶴・慧・美琴・壬姫・まりもの殺気の篭った痛々しい視線を受けるタケル途中、美琴と壬姫が『自分も真似をすれば…』等と考えたが……与えるオカズが無く、痛々しい視線が三割増しになる。慧に至っては、何やら怪しい怨念を送りつけている様子。そんな殺気を周辺の人達も感じてる訳で………………PXに居る皆さんも逃げる事すら忘れる程の恐怖を感じ取り、その場でガクガクブルブルと震えるしか出来なかった。「か……霞……それは「……嫌ですか…?」いや、そうじゃなく…。」「…………(ウルウル)」「わわわ…わかった、だから泣く「あ~ん…。」………(パクッ)」「「「「――――――ッ!!!」」」」悲しそうな表情・涙ウルウルのコンボで撃沈するタケル覚悟(?)を決めてパクッと食べると、冥夜達の殺気が一気に膨れ上がる。勿論、皆さん恐怖で失神者続出候補生の鈴鹿に至っては、天に召されそうデスヨ?「し~ろ~が~ね~?わざわざ遥かドーバーに来てまで………見せつけてくれるわね。」「ちょっとまて、委員長っ!!これには海より深い訳が…。」ブチ切れる千鶴今宵の眼鏡は何時もより輝いてると言わんばかりに殺意の眼光がギラギラと光りだす。「勿論、O・HA・NA・SHI・してあげるわよ。」「ま、まりもちゃん、そのお話意味違うっ!!」――狂犬モード発動。ターゲット捕捉、ガッチリと獲物の(タケル)両肩を掴み、逃走不可能。「………今日の皆流神威は良く斬れるぞ?」「落ち着け冥夜っ!!あとそれ本気で怖いからっ!!」シャキン…と鍔に親指を当て、鯉口を切る。抜刀準備OK「……白銀……新技開発に協力…。」「ダメダメっ!!っていうか、まさかSTAに代わる新技!?って……うおっ!?」STA(スペース・トルネード・アヤミネ)に代わる新技開発の獲物としてタケルを指名する慧するとタケルの手元に食器のナイフがカツンとテーブルに刺さる。「ゴメンねぇ~♪手が滑っちゃった~……エヘッ♪」「『エヘッ♪』じゃねぇっ!!っていうか、今ナイフをナイフスルーしましたよね?」ブチ切れてる美琴表情は笑顔、けど今の美琴は狩人(ハンター)のように獲物に狙いを定め、フォークをナイフスルーしようと構える。「タケルさぁ~ん♪コメカミにゴミがついてますよぉ~☆」「いゃあぁぁっ!?タマ、拳銃の銃口でコメカミグリグリしないでぇぇぇっ!!」流石の壬姫も堪忍袋の緒が切れ、携帯用の拳銃をグリグリとタケルのコメカミに零距離ロックオン完了安全装置?なんですか、ソレ?乙女の凄まじい嫉妬の嵐にタケル…カウントダウン開始。勿論、召される意味で。そして皆さん(冥夜達)タケルを力強く抱き締めて(拘束)「全速力っ!!」千鶴の号令と共に全速力で立ち去る。タケルの断末魔が響くが、誰一人助けに向かう者は居ない…。「………白銀大尉に対し……敬礼。」ヘルガローゼがポツリと呟くと、PXにいる全員が犠牲者(タケル)に対し敬礼する。勿論、黙祷の意味で。「……真耶大尉は行かなくて良いんですか?」「別に。流石に大人気ない真似をするのも恥ずかしいしな。」予想外にも真耶だけは残り、晴子の問いに冷静に答えながら茶を飲む。(………大人気ない……ねぇ……けど……さっきの『アレ』……。)しかし、晴子は見た――――真耶が嫉妬で影でタケルの横っ腹に携帯していた短刀の柄をコツコツと当ててたのを―――無論、鯉口を切っていた状態で。ぶっちゃけ、彼女もキレていたのだ。(白銀……御愁傷様…。)唯一の理解者である晴子が本心で同情していた……。「いやぁ……びっくりしたね……。まさか『あ~ん』ひとつで、あそこまでなるとは…。」 流石に同じ女性でも驚いていたルナテレジアヘルガローゼも頷き、同意すると、何やらイルフリーデが思いつき、行動する。「清十郎~♪」「なんで「あ~ん☆」―――――ッ!?」第二次あ~ん攻撃勃発。時間停止再び。今度はイルフリーデが清十郎に対し、あ~ん攻撃を仕掛ける。勿論PXに居る皆さんが一斉に注目する。「あの…フォイルナー少尉…これ「あ~ん☆」……ですか「あ~ん☆」…い「あ~ん☆」………(パクッ…バタリ)」必要迄にあ~ん攻撃を仕掛けるイルフリーデに観念し、食べる清十郎同時に『さっきの出来事が自分にも起こるのか?』と考えた清十郎は、恐怖の余り、気を失ってしまう。しかし実際には、単にイタズラッ子をしただけなので、そんな事が起きる筈はなかったのだ。「ぐっじょぶです…フォイルナー少尉…。」あ~んを成功させたイルフリーデに称賛を贈る霞そして、PXに居た皆さん達は清十郎に対し、涙を滲ませながら、敬礼を贈るのだった……。―――――――――――――――――――――――――――――――――あとがき遂に百話まで辿り着きました。\(^o^)/けど……約2年近くかかって、まだ原作の所まで届いて無い…orz…………多分、今やっと半分ぐらい?(えっ?)書き始めた時は一年ぐらいで完結するだろうと予想していたが……甘かった……。とりあえず次回は百話記念に久し振りに外伝を載せる予定です。