1998年・1月16日----朝早くから、香月博士の研究室に集まるタケル達。他にも白銀夫妻やクリスカ・イーニァ・霞も集まる「おはよう、朝っぱらから面白い事やるとは、流石は白銀ね~♪」「…ぐっ…既に知られたか…」朝の説教が香月博士にバレて、いぢくられるタケル。 「因みに、現在は誰が本命なの?鑑?御剣?それとも殿下?」「「「「----ッ!!!!」」」」香月博士の言葉にビクンと反応する真耶・沙耶・霞・クリスカ母・楓は溜め息を吐きながら、『流石は影行さんの子ね…』と苦い思い出を思い出す「実は…その事に関して、悩みがあるんですよ…。母さんと先生…相談に乗ってくれませんか?」「ナニナニ!?教えなさい、相談に乗ってあげるわっ!!」「…タケルも恋愛事で悩むようになったか…」タケルの悩み事に対して、面白半分に聞く香月博士と、『我が子の恋の悩み』を複雑そうに真面目に聞く楓。「以前言ったように、今の俺は『最初の元の世界』・『一度目・二度目の世界』・『現在の元の世界』の記憶を『全部』思い出してます…。実は…そのせいで、複雑な問題が有って…恋愛どころではないんです。」「…というと…?」「『最初の元の世界』では、純夏と結ばれた『世界』があるんですけど…違う『並列世界』では、冥夜や委員長達と結ばれてる世界もあるんです…。そして『一度目のBETAの世界』も同じように…みんなと結ばれた記憶が複数有り…。仕舞には、『現在の元の世界』でも、みんなの他に、更に悠陽…この世界の殿下や霞や柏木までの結ばれた世界の記憶があるんです…。」「うわっ!?なんか凄い事になってるわね…。」「…難しい問題ね…」記憶の問題のせいで、恋愛事に支障が出ていたタケルその話を聞いた香月博士や楓は、難しそうな顔をしながら考える「この問題解決しないと…みんなにも失礼だし…。どうすれば良いんでしょ?」「忘れろ…って訳にもいかないから、大変ね…。」頭を悩ます楓。予想以上の問題に困惑する 「そうね…解決案としては『リスタート』しましょう」「リスタート?」すると、香月博士が解決案を出す 「流石の私も、こればかしはどうしょうも無いわ。だから解決案として、『リスタート』する事。みんなの気持ちを知った上で再出発するのよ。」「再出発…ですか…」「そうよ。勿論、この世界の御剣達はアンタとは出逢ってないから好意は無いわ。けど、恋愛原子核のアンタなら、間違い無く出逢えば恋するわ。ならば、今此処でアンタは再びスタートすれば良いの。結果、みんなの誰かと結ばれるのか。それとも、みんな以外の誰かと結ばれるのか。それともヤッパリ、恋愛原子核を大爆発させて、ハーレムの道を歩むのもひとつの道よ。そして、それを決定するのは…アンタ自身よ。」「ハーレムって、アンタ…。」「因みに言うと、ハーレムの道が、今現在確率が限りなく高いわ。」「んがっ!?」真面目に相談してた筈が、いつの間にか再びタケルをいぢくられる方向に持ってかれていた 「そういう事だから、あとは頑張りなさい。」「ハイ……」びみょーな終わり方をして、悲しくなってくるタケル。 (…もしかして、私も結ばれる事が出来るのか…?)そんな事を頭の中で考えてた真耶すると、沙耶・霞・クリスカがコクリと頷く 「えっ!?」その姿を見て、驚く真耶ぶっちゃけ、三人にリーディングされてたのである「さて、本題に入るわよ。今日の予定として、午前中はXM3のテストをするわ今回はエース級の衛士が搭乗する旧OSの吹雪が『仮想敵』アグレッサーとして一機出るわその一機と1対1で戦って貰うわ」 「了解」「それが終わって問題無いならば、此処に要る私と社以外のみんなも交えてXM3のテストを進めるわよ。あっ、そうそう…その時に『他にも一人追加』する事になるわ」「……?了解しました。」香月博士の言葉に引っかかるタケル達…その後、タケル達は退室すると同時に受話器を取り出す香月博士 「ああ、私よ…済まないけど、-----を此処に呼んでくれない?そう…急ぎの用事よ…」ガチャリと受話器を本体に置く香月博士。「フフッ…楽しくなって来たわ…。」怪しい笑みを浮かべながら、呼び人を待ち続ける香月博士だった…。それからしばらくして、強化装備を身につけてシミュレータールームに入るタケルシミュレーターに乗り込み、準備する。 「準備完了しました、先生。」「わかったわ、向こうも既に完了したわそれじゃ…始めるわよ」シミュレーターを起動し、ステージが現れるステージは、この柊町を戦場とした市街地。二度目の世界の市街地跡演習場を思い出し、懐かしく思うタケル。 「さてと…どうやって敵を見つけるかな…」相手はエース級の衛士ちょっとした脅しには乗って来る筈は無い。策を考えながら、静かに隠密行動を開始する。 「…キリが無いな…」開始してから10分が経過。しかし、未だに相手の動きを捉える事が出来ないまま、時間が過ぎていく。 「こりゃ…危険覚悟で、空に出て誘き出すしか無いか…?」危険を承知でそばに有ったビルの屋上に連続噴射跳躍で飛び乗り、其処から飛んで移動する。 『なっ、なんだと…!?』その行動に驚く仮想敵。自らを空に飛び立ち、姿を晒す行為に戸惑う。 『狙撃するか…いや、恐らくは、私の位置を知る為の罠…。仲間の居ない1対1の対戦でするとは…余程の腕前か…余程のバカか…?』結構酷い事を言う仮想敵。しかし、この行動に対し、どうするかを悩みだす。 『…誘いに乗るか…?』確かにこのままではキリが無い。それならば、見つかる危険を覚悟して狙撃するまでだ。 120mm滑空砲を構え、白銀機である不知火を狙いを定める 『----ファイヤッ!!』滑空砲を撃ち出す仮想敵。だが、白銀機は突然アクロバットで回避する!! 『----何っ!?』「----アブなっ!?」狙撃された場所を即座に捜索し、仮想敵の吹雪を発見する 「いたっ!!」『クッ…見つかったか!!』後退しながら突撃砲で白銀機を攻撃する仮想敵。白銀機も仮想敵の攻撃を回避しながら突撃砲で反撃する。『なっ!?動きの切れ目が無いだと…!?それに、硬直時間が…少な過ぎるッ!!』白銀機の動きを見て驚愕する仮想敵。経験したことの無い動きに翻弄される。後退しながら左右にと移動しながら、狙撃をするが、白銀機の倒立反転からの三角飛びで回避され、しゃがみながら匍匐飛行で突撃しながら、長刀装備する。『接近戦だと…良いだろう!!』仮想敵も長刀に装備し、白銀機に突撃する。 お互いがぶつかり合う瞬間---事態は動いた。「オオォォォッ!!」『な、何ィィィッ!!?』お互いがぶつかり合う瞬間。白銀機が突然地面スレスレに『スライディング飛行』し、そのまま仮想敵の足下を横切るようにすり抜け、空に飛行しながら仮想敵の背中を斬りつける!! 『なんだと…!?』背部が損傷を受け、動きを封じられる。担架に装備した突撃砲が盾になる形のおかげで、大破判定は免れたものの、突撃砲を失い、同時に動きも封じられ、為す術が無い仮想敵。『ク…ソ…動けッ!!動くんだっ!!』操縦桿をガチャガチャと動かす仮想敵だが、鈍く動くしかない仮想敵の吹雪は、着地した白銀機に突撃砲で狙撃され、大破判定を貰うコクピット内が暗くなり、CPから撃墜報告が告げられる『クッ…なんなんだ…あれは…!?』先程まで繰り広げられた戦いに困惑する仮想敵すると、モニターが映りだし、香月博士が現れる『お疲れ様~。済まないけど、もう暫く其処で待っててね~♪』妙に明るい表情をしながら報告する香月博士『何を企んでるんだ…?』と察する仮想敵。 「ふぅ…すげーよ先生…。もうあそこまでXM3を完成させるなんて…。」短時間で現在のXM3の完成度に驚くタケル。それと同時に気になる事があった。「さっきの仮想敵…誰だろ?けど、さっきの吹雪の動き…見た事があるような…」「お疲れ様、白銀どうだった、今回のテストは?」仮想敵の事を考えてると、香月博士や他のみんながやって来る。「かなり良いカンジでしたこれならみんなと一緒に『賢く』しても大丈夫ですよ」「そう、良かったわ。それなら、このあとみんなで開発するわよ。」「ハイ」やっと先に進む事に嬉しくなるタケル達。すると、香月博士がニヤニヤと怪しい笑いをしながら、発言する 「さて、今回の『仮想敵』アグレッサーを紹介するわ。良いわよ~、出て来なさい」シミュレーターデッキのハッチを開き、仮想敵を紹介する香月博士 そして、現れたのは----!! 「な゛っ!!?」「「「-----ッ!!」」」仮想敵の姿を見て驚愕する、タケル・真耶・沙耶・椿 「これが今回の『仮想敵』アグレッサーの『神宮司まりも軍曹』よ。そしてまりも、そこの強化装備を着てるヤツが斯衛軍の白銀武中尉よ。」「「…………え゛っ!?」」お互いに対戦相手を見て驚愕するタケルとまりも…タケルは恩師との再会に驚き。まりもは自分を負かした相手が、自分より年下の者と知り、驚く