「まぁ~ったく…とんでもない1日だったな…。」「そう言うな、孝志」驚愕の事実から数時間後。1日の作業を終えて、タケルの住処である月詠家に集まる一同。精神的にも疲労を見せながらも、孝志に声を掛ける政弘 「けどよ…流石にこれは言いたくもなるぜ?オリジナルハイヴのデータやら、BETAの組織図やら、凄乃皇の事やら…これほどの重要機密情報をいっぺんに公開されたら、深い溜め息のひとつだって吐きたいぜ?」「確かにそうだが…それを言ったら、タケルや霞嬢を見てみろ…ああもドッシリとした態度を取れるのだ…此処で弱音を吐くわけにはいくまい。」「いや、霞ちゃんはわかるよ?あの幼いながらも、これだけの重要な事を背負ってる霞ちゃんはすげーと思うよ?けどよ…」チラッとタケルへと視線を向ける孝志政弘もタケルへと視線を向けると……。 「ほ~れほれ護ぅぅ♪こっちこっち、お父さんはこっちだぞぉぉ☆」「だぁ~☆」「………あれだけの事があって、これだけ緊張感ゼロな態度を取れるタケルを見るとな…」「言うな……」護と遊ぶタケルを見て、脱力感が一気に襲って来る孝志と政弘……ちなみに、巌谷中佐や榊パパの親バカが感化されたのでは?と思う方は、気のせいにしてほしい。 「……けど、凄かったな…凄乃皇のデータ」「ああ…確かにオリジナルハイヴのデータも、驚愕度や絶望感は凄かったが…あれを見て、実現が出来ると思うなら…無理はあるまい…。」凄乃皇のデータを思い出す孝志と政弘あの時見た凄乃皇は『凄乃皇四型』のデータで、その超火力の装備と、強固な防御力に圧巻された孝志達 話だけは聞いていた椿や沙耶・真耶ですら、そのデータを見て息を呑む程だった。 「2700mm電磁投射砲2門・120mm電磁投射砲8門・36mmチェーンガン12門・多目的VLSが小型で36基と大型で16基…」「トドメに荷電粒子砲にラザフォード場…だっけ?なんつー武装なんだよ…」凄乃皇の武装に再び唖然とする孝志達「どうしたんですか、二人とも?」「…お前の緊張感ゼロの親バカ姿と凄乃皇の話をしてたんだよ。」「堂々と酷い事言いましたね、孝志さん…」するとタケルが近寄り、話を聞くと、孝志の言葉を聞いてちょっと傷つく。 「別に緊張感ゼロって訳じゃないですよ。ただ、家に帰って来て家族と接する時ぐらいは、あんまりそういうのは持たないようにしてるんですよ。」「成る程、確かに家にまでそのような緊張感を持ってくれば、空気が変わるからな…。父も時折そういう空気を家に持って来て、話をかけづらい時が度々あった。」「…大変だね、親は……」タケルの返答を聞き、納得する政弘孝志も記憶の中に似た記憶を思い、納得する。 「いやいや、孝志さんアンタも人の事言えませんよ?」「何故?」「孝志さんだって、椿さんと『結婚』したら、同じ事するんですから。」「ブブゥゥゥゥッ!!」「うわっ、汚ねっ!?」タケルの一言で飲んでいた茶を霧状に噴き出す孝志とっさに回避するタケルだが、政弘は回避出来ず『喝ッ!!』と孝志の顔面に拳を入れる。 「な…何突然言いやがる…?」「いやいや、孝志さん人の事結構いぢくるけど、孝志さんの方は進展どうなんですか?」「い…いいぢゃねぇか…」自分と椿との関係を迫られ、顔を赤くしながら話を逸らす孝志 「孝志の事なら案ずるな、タケル二人共タケルに影響されてか、順調に進展してな…もうそろそろ結婚話のひとつやふたつ出るやもしれん。」「ほほぅ…(きゅぴーん♪)」「ま、政弘ッ!!」思わぬ所からの奇襲攻撃に戸惑う孝志タケルも目を光らせ、政弘に近寄る。 「先日、京都に帰ってすぐに二人で思い出の場所を二人っきりで過ごしてな…余りの甘い雰囲気に、流石の俺もそれ以上見る事が出来なかった。」「何故それをっ!?」「お前を探してたからに決まってるだろう。椿は兎も角、お前は仕事を抜け出したから、探してみれば……あんな甘ったるい雰囲気を見せつけてれば、逆に俺が出づらいわ。」「は……恥ずかしい…。」政弘の証言にピクピクと悶える孝志(う…嘘…あの時政弘に見られてた…!?)そして部屋の隣では、タケル達と合流しようとしてた椿が顔を真っ赤にしながら悶えていた(ど…どこまで見られてたの…?)隣の部屋で息を殺しながら盗み聞きをする椿… 「それで、何処まで見たんですか?」「椿が孝志の腕を組みながら寄り添い、何か孝志が呟くと、椿の顔が真っ赤になってたような…」「ほうほう!?」「…それで、どうなったんですか…?」「おわっ!?か、霞…何時の間に…!?」政弘の話を聞き、強く興味を持つタケルすると何時の間にか霞がタケルの隣に座って、政弘に質問する。 「流石にそんな甘ったるい雰囲気だったのでな、その場は退散したよ。…しかし、その後の展開がどうなったかは容易に想像が出来る。」「孝志さん……キス…したんですか……?」「それ以上聞かないでくれ、霞ちゃん…」霞の質問に答えられない孝志……しかし、そんな態度を見せてれば、答えてるのと同じな訳で… 「……そういえば…その日、椿さんに用事あって九條の家に電話入れたんだけど…結局その日は連絡来なかったな…」「……そうですか…白銀さん、情報提供……ありがとうございます。」「フム…成る程…という事は…答えはひとつ…。タケル、そろそろ祝言の準備をした方が良いようだ。」「ですね。」トドメの一撃をタケルに入れられてしまい、HPがゼロになる孝志隣の部屋でも椿が両手で顔を隠し、ピクピクと倒れていた。「ごちそうさまでした。」「…ごちそうさまでした。」その後、みんなで晩御飯を食べる事になり、賑やかな食卓となる。そして、タケルと霞が今食事を食べ終わり、全員が食事を終える事になる。 「タケルもすっかり父親らしくなったな。護の食事の世話しながら自分のメシとか食べてたら大変だろ?」「まあ慣れましたよ。護の世話をまるっきり真耶さんに任せっ放しってのも駄目ですし、やちるさんだって忙しいですからね。これぐらいやらないと、父親として失格ッスよ。」「うわぁ…流石タケルさんだ……」護に食事の世話をしていた為、食べ終わるのが遅くなったタケル真耶は食事の片付け等があった為、孝志達より少し早めに切り上げていた。 そんな父親らしい姿のタケルを見て、駿が尊敬の眼差しをする。 「そういえば沙耶の妊娠も随分経つな。もう少しで6ヶ月か?」「ハイ、調べた時で1ヶ月でしたから、もう少しで6ヵ月になります。」「もうそんなに経つか。ところでタケル、名前の候補は決まったのか?」「まだですよ…あれこれ考えてますけど、まだ決まってません。」「そっか………そういえばタケル紅蓮大将や神野大将がくれた名前リストのノートはどうした?」「ありますよ?……意外とマトモな名前だったりするからビックリしますよ?」沙耶のお腹の中に居る子供の話になり、名前の話題になるタケル達すると孝志が以前紅蓮大将と神野大将が持ってきた名前リスト(計六冊)を孝志達の前に出し、覗いてみると…… 「………………………まともな名前だ…」「いや、幾ら紅蓮大将等とはいえ、赤子の名前をふざけて考えはしまい?」「いや、普段はっちゃけてるイメージあるからさ…つい…。」「…その意見には同意するわ、孝志」予想以上にも良い名前が書かれており、驚く孝志達政弘がフォローを入れるが、椿ですら同意してしまう辺り、日頃の行いのせいである。 「そういえばさっきは孝志さんをいぢくりましたけど、政弘さんはどうなんですか?」「全く進展はナシだ。…まあ、最近仕事が忙しがったり、孝志やタケルとつるんでだりしていたからな…そのせいもあってか、余り恋愛事の考えが出てこんのだ。」「その考えは斉御司家次期当主としてマズい発言では…?」政弘の恋愛話に持ち込むタケルだが、見事に政弘に一刀両断されてしまう程恋愛話が無く、思わずまりもからツッコミを入れられる。 「タケル~…誰か良い人居ないか?ここまで来ると、独身を貫きそうで、流石に不安になるんだが…」「確か…好みが静さんですよね…」「確かにそうだが、ああも高嶺の花な方であれば、俺とて躊躇いもする。」「確かに静殿は良妻賢母で大和撫子を足したような方ですからな…気持ちはわかると思います。」「……あの人も色んな意味で完璧超人だからな…」候補として静の名前が上がるが、余りのチートキャラな為、政弘も躊躇いを見せる。孝志・タケル・冥夜が静の私生活のチートさに納得してしまうだが意外にも、来年国連軍に一時的に出向した際、意中の女性を見つける結果になるとは誰も予想だにしなかった。 そして、その次の日--- 「今日の授業は此処までだ。」「起立…礼!!」今日の訓練兵への教官職を終えて、祷子が指示を出し、タケルとまりもに礼をする。 「白銀大尉、スミマセンが…ちょっと聞きたい事が…」「なんだ、風間?」教室から退室しようとするタケルとまりもだが、祷子が突然タケルを呼び止める。 「あの…その、以前入隊式の時に居た男性少尉殿の事で、質問が…」顔を赤らめて正樹の事を質問する祷子その様子を見て、『ああ…なる程…』と納得するまりも タケルも自分の事でない為、意外と理解する。 「正樹の事か?」「あ、ハイ、そうです。」「前島少尉がどうかしたのか?」(前島…正樹…うん、覚えましたわ。)わかってはいるのだが、一応『知らないフリ』を演じて聞いてみるまりも 祷子も正樹の名前をゲットし、心の中に忘れないように正樹の名前を呟く。「その……前島少尉は…今…何をしてるのでしょうか…?」「いや、何をって言われても…確か今は書類整理等の雑務をやってる筈だけど…。」『本当の質問の内容』を恥ずかしくて聞けず、なんともマヌケな質問をしてしまう祷子タケルも、その質問に少し唖然としながらも、答える。 「風間…恥ずかしい気持ちはわからんでもないが、ハッキリ答えた方が良いぞ?」「すっ、スミマセン!!」呆れ顔をしながら、注意するまりも慌てて謝る祷子を見て、苦笑いをするしかなかった。 「一応言っておくが……前島少尉は『彼女持ち』だぞ?」「!!!」「しかも、今の日本は『一夫多妻制』だから、その彼女を含めた四姉妹が揃って前島少尉を好意を抱いて激しいアプローチを繰り広げている激戦地だぞ?お前はそんな過酷な戦いに、その身を投じる事が出来るのか?」「そ、それは…」流石にたじろぐ祷子まりもも、祷子にしろ、みちるやまりかにしろ、『教え子』だから応援したいのだが、流石にこの状況に救いの手を差し出す事が出来ないで悩んでいた。 だが--- 「諦めたら駄目だよ、祷子」「私達が支援してあげるから、奪い取るつもりで挑みなって♪」「同じ仲間じゃないですかぁ~♪」「か…神代さん…巴さん…戎さん…!!」巽・雪乃・美凪の助力に感動して涙を滲ませる祷子タケルやまりもも三人の行動に感心し、笑みを浮かべる。 「私も助力するぞ、祷子」「ナスターシャさん…!!」そして一番仲が良いナスターシャの援護も得て、感涙する祷子仲間達の支援を得て、『祷子…頑張れ…!!』と自分に勇気を持たせるように呟く。そんな純情な祷子の姿を見て、癒やされるタケルとまりも「けど風間…頑張るのは良い事だけど…………相手は手強いぞ?」「大丈夫です…白銀大尉。皆さんの心強い支えがあるんです。強敵である彼女や他の姉妹さん達にも負けませんっ!!」仲間達の支援もあってか、力強く宣戦布告をする祷子だが---- 「いや…確かに伊隅大尉達も手強い事は間違いないんだけど………それ以上に手強い敵は…正樹自身なんだ…。」「「「「へっ?」」」」「……それは一体…?」タケルの言葉に不安な表情を見せる祷子一方タケルは…なんともいえないビミョーな表情で苦笑いを見せる。 「オレも人の事は言えないんだが、正樹はな………重度の鈍感持ちだ。」「ハッ?」「正樹と伊隅大尉率いる四姉妹はな…『幼なじみ』の関係なんだが…その鈍感故に、長年四姉妹達が送っていたアプローチのサインにも気づかない程の鈍感の持ち主なんだ…」「つ、つまり…」「今、風間が正樹に対する好意は勿論、四姉妹の内の長女・四女の好意ですら気づいてない…と思う。……下手したら…三女も怪しい……」「な………ッ!!」正樹の鈍感の凄さに衝撃を受ける祷子事実故に『………まあ…なんだ…頑張れ』と祷子の肩にポンっと手を乗っけながら同情するタケル鈍感の大変さを良く知るまりもも、涙を流しながら『本当に…本当に大変だぞ…』と経験者は語る。 「今から作戦会議を行う。」タケルとまりもが去った後、教室に居残り、祷子の為に作戦会議を行うナスターシャ達仲間達の暖かい友情に感動する祷子だが、これからの厳しい戦い(恋愛)に備え、気を引き締める。 「前島少尉に祷子の想いを伝える事が最重要課題となる。---問題は、『どうやって伝えるか?』だ。勿論、現在一番の注意人物である伊隅みちる大尉次に伊隅まりか少尉長女の伊隅やよい・四女の伊隅あきらはまだ好感度がまだ判明出来ないので、保留にする。」今作戦のリーダーであるナスターシャがライバルである伊隅四姉妹の名前を挙げる。「ハイ、質問です!!」「何かな、巽?」「何故ナスターシャさんが伊隅大尉達の名前を知ってるの?」「……先程、白銀大尉からコッソリ聞いた。」「何時の間に…!!」「抜け目が無いですわぁ~。」巽の質問に内心ビビりながらテキトーに誤魔化すナスターシャだが、巽達には全然怪しまれる事無く済んだ辺り、ビミョーな気持ちになったりする。 「今現在『彼女』の位置にいる伊隅大尉だが、『同じ部隊』に居る伊隅少尉も油断ならない存在であり、現在祷子の告白に障害になる相手だ。まあ、個々の実力は劣るが、数では勝ってる。伊隅少尉に関しては私達でなんとか抑える、良いな?」「「「了解!!」」」「一番の問題は…前島少尉本人だ。白銀大尉の話を信じるならば、相当な鈍感の持ち主。まず、生半可なアプローチでは逆効果此処はストレートに『好きです!!』…と告白する方法しかあるまい。」「………ッ!!」ナスターシャの提案に激しく動揺する祷子ドキドキと高鳴る鼓動を抑えようと胸に手を添える。 「勿論、今私が言った以外の案があるなら言ってくれ。」「ハイ、ちょっと質問ですぅ~」「美凪、なんだ?」「今思ったんですけど、入隊式以降に祷子さんは前島少尉と面識は有るんですか?」「いえ……残念ながら…」「なら、いきなり『好きですっ!!』って告白するのはマズいのではぁ~?もう少し慎重に接する時間を作って、それから告白した方が良いと思うんですけどぉ…。」「………なる程、一理あるな。」美凪の疑問と別な案を聞いて『確かに…』と納得する一同リーダーのナスターシャも美凪の意見に納得しつつ、別な意見を訪ねる。 「他に疑問や質問や案は無いか?」「うーん……ヤッパリ定番らしく、前島少尉の趣味とかを聞いてみてから行動してみるってのはどうかな?それから告白するのも遅くないと思うんだけど。」「確かに…。だが、一体誰からその情報を得るか…だな。」「白銀大尉は?白銀大尉なら男同士での会話とかもしてそうだけど…?」「………多分駄目だろう。白銀大尉は今回の件には中立な立場だ。どちら側の味方にはならないから、情報提供は期待しない方が良い。」「そっかぁ~…なら、誰から…?」雪乃の提案には納得するが、聞き出す相手がタケルでは、恐らくは無理と判断するナスターシャの言葉を聞いて『むぅ~…』と難しそうな顔になる雪乃 「そうだっ!!ナスターシャさん、時々香月博士と会話したりする?」「うん?まあ……時折博士から連絡があるが……………止めた方が良いぞ?」「何故?」「確かに博士なら、前島少尉の趣味等の情報を知っていてもおかしくはないが……それには多大なリスクと混乱を招く結果になるから、オススメはしない。」「………………………そっかぁ……なら止めた方が良いね。」香月博士から聞き出す案を出す巽だが、ナスターシャの言葉を聞いて『ヤッパリやめておこう……』と提案を却下する。 彼女達も香月博士のイタズラの被害に遭うタケルやまりもを見てる為、全員一致する。「…困ったな。」何か良い方法が無いかと悩むと--- 「………ターシャさん…探しました。」「霞………あっ---」するとナスターシャ達の居る教室に霞が訪ねて来たのだった……。---あとがき--- あっっっっついッ!!…………しばらくぶりです、騎士王です。 今回は前回の話の続きを最初だけ入れ、本題は【恋愛話】の話になりました。 一応次話も続きの話の予定ですので、孝志・祷子関連で行くと思います(多少の変更の可能性アリ)しばらくぶりの祷子さんのイベントなので、慎重に考えねば…(-.-;)