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No.20752の一覧
[0] 林祐太の憂鬱 【涼宮ハルヒの憂鬱二次 オリ主 転生?物】[ホーグランド](2011/02/21 20:28)
[1] 一話[ホーグランド](2011/02/19 20:20)
[2] 二話[ホーグランド](2011/02/19 20:23)
[3] 三話[ホーグランド](2011/02/19 20:27)
[4] 四話[ホーグランド](2011/02/19 20:31)
[5] 五話[ホーグランド](2011/02/19 20:39)
[6] 六話[ホーグランド](2011/02/19 21:06)
[7] 七話[ホーグランド](2011/02/19 21:11)
[8] 八話[ホーグランド](2011/02/19 21:18)
[9] 九話[ホーグランド](2011/02/19 21:22)
[10] 十話[ホーグランド](2011/02/19 21:33)
[11] 十一話[ホーグランド](2011/02/19 21:37)
[12] 十二話[ホーグランド](2011/02/19 21:40)
[13] 十三話[ホーグランド](2011/02/19 21:53)
[14] 十四話[ホーグランド](2011/02/19 21:56)
[15] 十五話[ホーグランド](2011/02/19 22:00)
[16] 十六話[ホーグランド](2011/02/19 22:06)
[17] 十七話[ホーグランド](2011/02/19 22:12)
[18] 十八話[ホーグランド](2011/02/19 22:15)
[19] 十九話[ホーグランド](2011/02/19 22:16)
[20] 二十話[ホーグランド](2011/01/10 18:02)
[21] 二十一話[ホーグランド](2011/02/21 20:25)
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[20752] 七話
Name: ホーグランド◆8fcc1abd ID:07b38125 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/02/19 21:11
 翌日の土曜日。キョンがメールで知らせてくれたSOS団の、なんだったか。ああ、そうそう「不思議探し」だったか。そして、今回の、ビックリ私は実はこんな人間でしたでショーの主役は、泣く子も黙る未来人、朝比奈さんだったはずだ。

 待ち合わせ場所である北口駅前は、今日が休日であるからか、たくさんの人でごった返している。比較的若い人が多いのは、ここにはある程度若いファッションを扱う店が集まっているからだろうか。

 シャッターの降りた銀行の前に、SOS団の悪い意味でよく目立つ集団が見えた。古泉、涼宮、朝比奈さん、長門の四人だ。つまり、キョン以外の全員が集まっている事となる。腕時計を見ると八時四十五分。待ち合わせ時間より十五分も早いのに、みなさんマメなこった。

「おはようございます」

 乗ってきた自転車を適当なところに止めながら挨拶。実はこのSOS団員に対してはこれが二度目の挨拶である。古泉に関しては一言も挨拶などしていないから、まるっきし初対面である。

 自己紹介もそこそこに古泉と雑談していると、遅れてキョンがやってきた。罰金と涼宮のよく通る声が聞こえる。やった、キョンのおごりだ。貴重な休日をこんな訳分からんことに費やすんだから、それぐらいの得がないとな。

 連れだって近くの喫茶店を目指すSOS団一行。不本意ながらその一団の中に自分も含まれる訳だが。
 改めて自分を囲む団員達を見まわしてみる。隣で造り物くさい笑みを浮かべて、キョンに話しかけている古泉は、黒に近い紺のようなシャツにジーパンと無難にまとめてきている。ちょっと遊びなれた青年って風だ。悔しいが、男から見てもカッコいいとおいう事実に異論はない。

 前には朝比奈さんが涼宮にとっ捕まるような形で前を歩いている。朝比奈さんはうすいピンクのキャミソール、手にはちょこんと小さなバックを持っている。かわいい、うん、文句なく可愛いです朝比奈さん。その絡まれてちょっと困り顔もそそります、朝比奈さん。
 その横には、意外とカジュアルに着こなした涼宮。ホント何もしなければ、可愛い女の子なのに。ソフトがハードをぶち壊しているいい例だ。

 そして、最後に長門はいつもと同じ制服である。逆に新しいわ、それ。何故かその制服姿が”らしく”感じる。その姿以外は考えられない感じ。ほら、想像してみてくれ。長門が無言、無表情でおもいっきしおめかししてきている状況を。そんなものを見たら、まさしくそれが今日の”不思議ナンバーワン”であろうよ。

 外の汗ばむような暑さとは正反対の、涼しさいっぱいの喫茶店に入った自分達は、思い思いの注文をキョンに叩きつけたあと、涼宮の提案を聞いていた。

 涼宮の提案は、くじ引きで別れて、不思議を探索。見つけたら携帯で連絡を取り合うというものだった。こんな駅前に不思議が転がっているだろうか。百円玉じゃあるまいし。
 つまようじで造られた六本のくじを引いた結果、キョンと朝比奈さん。そしてそれ以外とすごく偏った感じになった。ハルヒさんはなんだか不機嫌になった。

「ところで……」

 これまで怪しい微笑をたたえながら、あまりしゃべらなかった古泉が手をあげる。

「不思議……といっても、具体的にどのようなものを探せばいいのでしょうか」

 当たり前といえば当たり前の質問を団長であり発案者の涼宮にぶつける。そう言うところにあまり疑問を持たなかった自分はもう毒されているのかもしれんね。

「よく聞いてくれたわ、古泉君! そうね、未来人とか宇宙人とかと遊ぶことが目的だから…」

「町で、そのような人達の痕跡をみつけろ、と?」

「そうそう! そう言うことよ! さっすが転校生じゃないの! やっるぅ!」

 どこがさすがなのか全く理解できないが、おおむね展開は原作と変わるところはないように見える。って言うか六人になっても四対二で分けるんだな。それだけ、キョンと二人になりたかったてことか。

 ん? まてよ。この願いは何故かなえられないんだろうか。原作でもこの後のチーム替えでキョンは長門とペアになり、涼宮は不機嫌になったはずである。力はどうした?

 ……まあいいか。深く考えても分からんもんは分からん。

 こうして、自分たちは南側と北に別れて、不思議探しを開始したのだった。




 南側は色々な商店街が集まるところだ。近年、騒がれているようなシャッター街という訳ではなく、それなりに客もいるようで賑わっている。商店街の強みとして、色々なものが売ってるがその中に不思議が含まれているとは思えない。

「地球屋とかないかしらねぇ」

 涼宮が呟く。そんな様子を見て、古泉が苦笑する、その様もどこかカッコよく、妬ましい。

 隣には、いつもと全く変わらない長門が居る。こんなに暑いのに汗一つかかないその姿はどこか絵画の様な雰囲気を思わせる。
 気になったことを、前の美男美女カップルに聞こえないように聞いてみた。

「なあ、長門。お前は転生…じゃなかったのか。その不思議を知っている訳なんだが、ほかの奴は知っているのか?」

「……知らない、はず。古泉一樹の組織をもってしてもあなたの異常さを理解することはできない」

「そうか。まぁ、よかったんだろうな。自分が閉鎖空間やらに行ったとして、何かできるとも思えないしな」

 そう、結局は普通の人間なのだ。こんな事になるのだったら長門に頼んで、記憶を消したもらった方が、楽だったんじゃないかと思うことがある。
 しかし、その一歩が踏み出せない。ある程度の未来をしっているという武器を捨てることができない。人間が核を捨てることができないように。

 
 みんなで。核を廃絶して手をつなぎましょう! 平和な世界を築きましょう!

 
 結構なことだと思う。思うが、それだけだ。

 もし、自分が気に入らないからって涼宮にケンカを吹っかけたら? 神人とやらに出会ったら?

 毒を毒と思わず、なんでも口に入れる赤ちゃんのように危険に突っ込むかもしれない。無知はそれだけで罪なのだ。

 だから、自分はもろ刃の剣を捨てることはできない。

 結局、どうやら色々な店を回ることとなったようで、路地裏の怪しげな店を回ることとなった。

 マジックショップ、ヘッドショップ、古本屋……

 どれも、まあまあ面白い、お店達だったが団長は気に入らなかったようだ。時間には少し早いが、自分たちは待ち合わせ場所の喫茶店に舞い戻ることとなった。



 お昼をみんなで食べ終え、涼宮は不機嫌そうな顔を隠さずに、宣言する。

「午後の部を始めるわよ!」

 まだやるのかよ。


 先ほど、不思議が見つからなかったのは、数が少なかったのが原因だとのたまった涼宮は、今度は二人ずつの三組で捜索すると発表。もう一度、くじをすることとなった。

 結果、ペアは涼宮と古泉、長門とキョン、そして朝比奈さんと自分ということになった。

 今、自分は朝比奈さんとベンチで一緒に座っている。桜が綺麗な並木の近くだ。ここは確か、朝比奈さんがキョンに正体をばらしたところである。周りにはカップルが多く、えらい居心地が悪い。

「全く、困ったもんですね」

 先ほど、何か買ってくると自動販売機に走っていった朝比奈さんに声をかける。

「こんなことで、休日を振り回されて。家でごろごろしたかったのに」

「でも楽しかったですよ? 私、こんなみんなで一緒にどこかに出かけるという経験があまりないので」

「そうですか? 朝比奈さんなら、黙っていても男から誘ってくると思いますけど」

「ふふ、そんなことないですよ」

 自販機から、帰ってきた朝比奈さんの手には、お汁粉があった。お汁粉がまだ売ってるというのに少しびっくりしたが、それをここでチョイスする朝比奈さんのセンスにもビックリせざるを得ない。

「で、どうします。キョンとは何をしてたんです? 自分たちは不思議な店探しをしていましたが」

「そのことなんですが」

 いったん言葉をきり、隣に座っている自分の顔を朝比奈さんが見つめる。綺麗に整った顔を見るのは気恥ずかしい。

「あなたに話したいことがあります」











「なるほど……、未来人、ですか」

 朝比奈さんの説明は原作でキョンにしたようなのと同じだった。つまり、自分は未来人。涼宮さんが原因の三年前の出来事を調査うんぬんの話だ。細かいところははしょるが、まあ原作と同じ様な内容だった。
 技術的な事は分からない。というか、教えてもらえなかった。「禁則事項です」と気になるところがことごとくダメだったのだ。本人も意図的に話そうとしない訳でないところを見ると、何か暗示なんかをかけられているのかもしれない。

「……私から言うのもなんですが、驚かないのですか?」

「それが、長門に同じ様な与太話を教えられたばかりなんですよね。二度目ともなれば、人間落ち着きます」

「そうですか……長門さんが……」

 何やら、考え込む朝比奈さん。あなたのこと、生まれる前から知ってましたよ、なんて言えるはずもなく、演技しながら話を合わせていた。

「でもそうなると、古泉やキョンも怪しいですね」

「え? なんで?」

「だってそうでしょう? あなた達が普通じゃないとしたら、他の人達が普通なほうが異常ですよ。だって涼宮がすごいってことは、その周りの自分たちも普通からかなり離れたところにいるんでしょうし。しかし、分からないなぁ」

 朝比奈さんが可愛い小動物のように首をかしげる。

「自分自身はどこかの諜報員でもありませんし、魔法使いでもありません。まったくの一般人です。そんな自分が何故SOS団に呼ばれたのか……」

「なるほど、確かに不思議ですね」

 しらじらしい。自分で言っててもそう感じる。その時、携帯がブルブルと震える。尻ポケットに入れていた携帯だ。

 違和感を感じる。どこかで、同じ様なことしていたような感じ。

 デジャブ。そう呼ばれる違和感を自分はこの世界に来てから、感じる事が多くなっていた。
 それは、自分の勘違いかもしれないし、統計的な何かをとった訳じゃないから、これが普通かどうかなんてことは分からない。ただの自分の被害妄想かもしれないし。というか、前の世界でも感じる事は多々あった。みんなも感じた事あるだろう?

 電話に出ると、涼宮が集合だと言った。そんなに時間がたってたのか。意外と朝比奈さんの話を真剣に聞いていたらしい。

「朝比奈さん、集合らしいですよ」

「え! もう!?」

 あたふたする朝比奈さんはすごく可愛かった。これを見れただけでも、今日参加した価値があるってもんだ。





 集合先には、涼宮と好青年。涼宮は頼んだメロンソーダをぶくぶくと吹いている。小学生か、ほら店員さんが迷惑そうにこちらをみているじゃないか。

「不思議は……見つからなかったか」

 こちらをぎろりと睨みつける涼宮と、アメリカ人ばりのリアクションで盛大に肩をすくめる古泉。どうやら、やっぱり不思議は彼らの前には現れなかったようだ。めったに知覚できないから不思議って言うんだよ、涼宮。

 さらに、涼宮は携帯でずっとキョンにかけ続けている。そうか、たしかあいつらは図書館にいたんだったな。となると、遅れてくるんだったっけか。

 予想道理、彼らは遅れてやってきた。もはや何か黒いオーラが見える涼宮とは正反対の、嬉しそうな長門が印象的であった。何があった、長門。

 話を聞くと、図書館に行っていたそうだ。そして長門が本を借りたらしい。だからか、長門がえさを与えられた動物とかぶって見えたのは。

 そして、今日の不思議探しは解散。各自で不思議を探しとくってことで、みんなは帰って行った。ここで自分を帰りたいのは山々なのだが、この後にも忌々しい予定が入っていた。
 そう、あの眉毛とのデートだ。

 夕食はいらないとメールを家に打つ。時間を見ると、まだ待ち合わせ時間には早いようだ。

 しかし、やることもない。さっきので疲れたし。

 ということで、待ち合わせ場所に行っておこうと、駅の何やら分からん銅像のところに移動する。結構人が居る所を見ると、待ち合わせ場所しては有名なのかもしれない。

 暇つぶしの方法を考えながら、向かったんだが……なんと居た。

 何がって? あいつしかいないだろう?

 時間を新ためて確認するも、やはり集合時間のざっと一時間前ぐらいか。

 近くに寄ると、淡いブルーのさわやかなシャツに、何やらあちこち敗れたジーンズ。ダメージジーンズってやつか。運動しやすそうなナイキのシューズを履いていて、もうボーイッシュな魅力がバンバン出てる。

 可愛いというより、カッコいい。そんな言葉が似合うような、いでたちだった。悔しいが似合う、似合うがそれはデートで着てくる服装じゃないだろうと内心で突っ込む。

 近づいてくるこちらに気づいたのか、こちらに大きく手を振っている。やめれ、恥ずかしいから。

「なんだ、こんなに早くから居るなんて」

 と声をかけると、少し笑いながら、

「ちょっと、緊張しちゃって」

 なんてのたまった。

 くっ、やめてくれ! なんかもう、眩しいから!

「そっちこそ、どうしたの? まだ時間より一時間ほど前だと思うんだけど」

「あ、ああ。さっきまで、SOS団の活動ってやつに駆り出されていたよ」

「ふうん、SOS団のねぇ」

 何やら考え込む朝倉。結果、どんな結論が出たのか知らないが、うんうんとうなずいてくるっとこちらに向きなおした。

「はい」

 手を出す朝倉。

「へ?」

 どこかの別の自分居たらが、ぷぷっと吹き出すような間抜けな声が自分の口から洩れた。

「だから、はい」

 若干のいらだちをはらんだ朝倉の声とともに、その白い綺麗な手が自分の前に出される。

 これを握れと? 待て。待って。落ちつけ。そう、深呼吸。

 もう一度前を見よう。そこには、何やら眉毛を寄せた、先ほど見た事あるような顔をした朝倉の顔。そして、陶磁器の様な……

 じゃない! 直喩してる場合じゃない!

 この手は、つまりだ。そう! 手を、つなげ? ということか。いきなりレベル高過ぎじゃね!?


 この間、僅か一秒。集中すると、時間って引き延ばされるんだね、初めて知ったよ。なんて、関係ない感慨に耽っていると焦れたのか、あーもう! と彼女は自分の手をパシッっと取った。

「ああ、ああああ朝倉さん! 何をしてるんですか?」

「デートでしょ。だったら手をつなぐって花と夢に載ってたわよ」

 だって。そうだった、こいつら三歳だった。こう、クラスで中心張ってるから気づかなかったが、こいつも所どころ常識がないんじゃないだろうか。ほら、こう男女間の距離の取り方とか、そこらへん。

 手をつないだ、その病的なほど綺麗な白い手は、やっぱりというべきか、意外と言うべきか、まぁ、暖かかった。そんな感じがした。








<作者コメ> 繋ぎ回。次回かなり話は動きます。というか、やっぱりデートの描写苦手だー!


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