<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.20752の一覧
[0] 林祐太の憂鬱 【涼宮ハルヒの憂鬱二次 オリ主 転生?物】[ホーグランド](2011/02/21 20:28)
[1] 一話[ホーグランド](2011/02/19 20:20)
[2] 二話[ホーグランド](2011/02/19 20:23)
[3] 三話[ホーグランド](2011/02/19 20:27)
[4] 四話[ホーグランド](2011/02/19 20:31)
[5] 五話[ホーグランド](2011/02/19 20:39)
[6] 六話[ホーグランド](2011/02/19 21:06)
[7] 七話[ホーグランド](2011/02/19 21:11)
[8] 八話[ホーグランド](2011/02/19 21:18)
[9] 九話[ホーグランド](2011/02/19 21:22)
[10] 十話[ホーグランド](2011/02/19 21:33)
[11] 十一話[ホーグランド](2011/02/19 21:37)
[12] 十二話[ホーグランド](2011/02/19 21:40)
[13] 十三話[ホーグランド](2011/02/19 21:53)
[14] 十四話[ホーグランド](2011/02/19 21:56)
[15] 十五話[ホーグランド](2011/02/19 22:00)
[16] 十六話[ホーグランド](2011/02/19 22:06)
[17] 十七話[ホーグランド](2011/02/19 22:12)
[18] 十八話[ホーグランド](2011/02/19 22:15)
[19] 十九話[ホーグランド](2011/02/19 22:16)
[20] 二十話[ホーグランド](2011/01/10 18:02)
[21] 二十一話[ホーグランド](2011/02/21 20:25)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[20752] 十三話
Name: ホーグランド◆8fcc1abd ID:07b38125 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/02/19 21:53
 
 古泉の超能力っぷりをたっぷり見せつけられたあと、自分たちはまたもや黒い車に乗せられ家に帰ったのであった。

 そして、運命の日。つまり、涼宮が世界をぶっ壊しそうとする日だ。

 自分たちはいつもの様に放課後、部室に集まりうだうだしていた。目の前にはあの超能力者古泉。あれから自分の正体を聞くようなことは無かった。どうせ裏で機関とやらがバッチシ動いているのだろう。
 二人して何してるのかというと、オセロ。いつも男二人がやっていたやつだ。

 眼下に広がるは、その四角い枠に興禅寺庭園の如く真っ白なオセロ。所々にポツンと佇む黒はこれはこれで趣きがあるはずない。
 自分は勿論、黒。こいつ、いつも負けてるのわざとだろ。

「なあ、古泉。今日からお前が嫌いになりそうだわ」

「そうですか、残念です」

 と全く残念そうじゃないにこやかな顔で答える古泉。

 ため息を吐きつつ、これでゲームは終わりだと立ち上がって、うんっと背を伸ばす。

「はい、お茶です」

「ありがとうございます」

 花が咲いた様な素敵な笑顔で朝比奈さんがお茶をいれてくれる。最初は違和感しか感じなかったそのメイド姿も、最近は何も感じない。人間って偉大だ。

 しかし、大人朝比奈さんは変な事を言ってたんだよな。

 たいして大きな事件とか起こした記憶もないし、大体は自分の勘違いのせいであるし。

 いや、何を言ってるんだ。未来人が忠告したという事は自分が未来で何かやったって事だ。
 が、よく考えて欲しい。この忠告を自分自身が聞いたことによって自分は当然慎重になるだろう。なのに忠告したようなことを起こすのだろうか?

 ……結局、卵が先かニワトリが先かのような水掛け論になる。ここら辺を朝比奈さんに突っ込んでもどうせ教えてくれないだろうしな。

 どうしようもない問題は頭のすみに追いやって、取り敢えず熱いお茶に口をつける。

 キョンは入った時から、パソコンに向かっている。ホームページでも更新しているのだろうか。更新すること何てない様に思えるが。

 奥にはもはやそこに居るのが当然と、黙々と読書に励む長門。三十秒きっかり経つと一頁ずつ正確にまくる。測ったのは暇だからだ。

 自分も暇だし、なんか読むか。そう思い本棚を物色する。比較的SFが多い。似たようなものに惹かれるのか。
 出来るならハードカバーじゃないのがいいなと探していると、前世でみた様な本が。

【銀河ヒーロー伝説】

 その場違いっぶりに内心ツッコミながら、長門にこれを借りれるか聞いてみた。

「これ、借りていい?」

 長門はいつもの様にその澄んだ目でじっとこちらを見つめてくる。少し時間がたって、彼女はゆっくり頷いた。

「感謝の極み」

 一応、礼をいってテーブルに腰をかける。古泉はいつの間にだしたのかナンプレを解いていた。

 誰もが気持ちよく過ごしていた放課後。それを破ったのは意外にも涼宮ではなく、キョンと朝比奈さんであった。

「えー、見せてくださいよぉ」

「ダメです!」

 本の世界に没頭していた自分を現実に引っ張り上げたのは、二人のきゃぁうふふな声であった。

 パソコンの方を向くと、そこにはくんずほぐれつな二人が。どうやらキョンが朝比奈さんから画面を隠しているようだ。
 その大きな胸が当たって、潰れている様をみると胸の奥から何やらどす黒い感情が湧いてくる。妬ましい。

 これが有名な当ててんのよ、だろうかとぼんやり考えていると入り口から大きな音がした。

 その爆発かと聞き間違うような音の原因は不機嫌な涼宮。その眉毛はかなり寄っていて、目はパソコンの二人をにらめつけている。

「何? キョンってメイド萌えだったの?」

 超がつくほど不機嫌らしい彼女の声に、朝比奈さんが小さく悲鳴をあげてキョンから離れる。その顔は青白く決して気分がいいようには見えない。

 ドスドスと足音がこっちまで聞こえてきそうなほど、力強く床に八つ当たりしながら、涼宮は奥に引っ込む。そこからバニーの衣装を引っ張り出す。

「着替えるから、出て行きなさい!」

 そう怒鳴り自分たち男子は外に追い出された。

 古泉はその追い出されたドアを深刻そうな顔でにらみつけていた。キョンは何がなんやら分からない様子だ。

 今日のこれからを思い、ため息を吐く自分の息は部室の中から聞こえるけたたましい声にかき消されていった。

 部室で少し過ごしたあと、涼宮の機嫌は治らないまま解散となった。うさぎの様にビビる朝比奈さんと相変わらず深刻そうな顔をした古泉が印象的であった。

 






 

 今、自分は彼女の家にお呼ばれしている。その薄暗く電灯が照らす夜道を歩く足も心なしか速くなって行く。

 下手すると今から食べる食事が人生最後の食事になるかもしれないが、それが朝倉の手料理なら本望だ。

 宇宙人たちの済むマンションに着く。ナンバーを押すと朝倉の弾む様な声が聞こえてきた。

「はーい! 今開けるわね」

 自動で開く扉に感心しながら、これまた新しいエレベーターに乗り込む。いつの間にか父親のように彼女のマンションのセキュリティをチェックする自分に気づき苦笑する。彼女らの部屋に入った泥棒のほうが不憫だ。どうなるか分かったもんじゃない。

 目的地のドアの前に着く。これから彼女の部屋に上がると思うと手に嫌な汗をかくのを感じた。

 意を決して呼び鈴をならすと、入ってーとの声が聞こえた。
 小さな声でお邪魔しますといいながら家に入る。

 間取りは長門の部屋と同じ様であった。鼻を美味しそうな匂いがくすぐる。ダイニングに入ると、横のキッチンからエプロンを着た朝倉がオタマを持ったまま出てきた。まだ調理中だったのだろうか、その顔は少し上気している。

「ごめん、まだ出来てないの。テーブルで待っててくれる? もうすぐで出来るから」

「分かった。楽しみにしてる」

 その言葉に満面の笑顔を浮かべたあと、お湯の吹く音がして急いでキッチンに戻る。にやける顔を必死で制御しながら、kリビングのテーブルにつこうとすると、既に先客がいた。

「うお!」

 思わず声をあげた自分の先には長門さんがちんまりと座っていた。

 その目は自分をガン無視して、キッチンに固定されている。
 よほど鍋が気になるのか、こっちをみようともしないのを見て彼女の珍しい一面をみたなと思う。一心に食べ物を見つめるその様は子供というか動物的な微笑ましさを感じた。

 部屋はカジュアルにまとまっていて、そこら辺のモデルルームとなんら変わらない。申し訳程度に女性誌やファッション誌がおいてある程度だ。

 朝倉の部屋を見てみたいと思うが、それは全力で拒否される気がする。

 部屋を観察していると、朝倉が鍋掴みで鍋を持ってきた。そして、カセットコンロの上におく。

「今回は……」

 朝倉が口でドラムロール。長門の目はらんらんと輝く。

「キムチ鍋です!」

『おお!』

 蓋を開けると、空きっ腹に響く美味しそうな匂いとともに、湯気が上がる。長門のメガネは曇る。

「おお! 美味しそうだなあ。キムチ鍋とは意外だった」

「えへへ、いつもの水鍋じゃ特別な感じがでないからね」

 特別? と首をかしげると

「ほら、林くんが私の手料理を初めて食べるわけだし」

 恥ずかしそうに顔が赤くなるのは果たして鍋の熱気のせいか。
 言われた自分も恥ずかしいわと目線を下げると、メガネが完全に曇りながらも、鍋を見つめる長門。

 その姿をみた朝倉と顔を見合わせる。そして、二人同時に吹き出した。さて、いただきましょうとお椀にオタマで具を小分けしていく朝倉は黙って自分のお椀を差し出す長門と対照的で、まるでお母さんのようであった。

 長門は無言で鍋をつつく。一心不乱に鍋をつつく長門は親にエサを要求するヒナのようだ。自分と朝倉は、学校の事を話しながら楽しく食事をしていた。
 キムチ鍋も文句なく美味しい。そう言うと、朝倉は本当に嬉しそうだった。自分のこんな一言であんなに嬉しそうにしてくれるなら何度でも言ってやろう。

 楽しい時間はすぐ過ぎていく。美味しい具もすぐなくなっていくということで、長門が集中的にウインナーを攻めたことでウインナーがなくなってしまった。

 捨てられた子犬のような顔に耐えられなかったのか、近くのコンビニで買ってくると朝倉は出かけて行った。

 彼女がウインナーを買いにいって少したった時、今まで食う事に全力を注いでいたはずの長門の動きが止まる。それを不思議に思うと、彼女がぼそりと小さく呟いた。

「消えた涼宮ハルヒが戻ってきた」

「え、何だって!」

 その呟いた内容は到底見逃せるものではなく、詳細を長門に尋ねる。すこし、食事の邪魔をされたことに不満があるのか眉を少し寄せて長門は言う。

「涼宮ハルヒは今から、二時間半前この世界から消失した」

 ということは、だ。これで世界は救われたってことだ。安堵の気持ちを胸に、ほっと息を吐く。
 キョンが上手くやってくれたのか。主人公様様だな、明日何か奢ってやろう。

 もう一度長門を見ると、再び食事を再開していて今度はその魔の手をつくねに伸ばしているところだった。

 まぁ、なにはともあれ世界は救われた。いいことだ。
 頷く自分を帰ってきた朝倉が不思議そうな目で見ていたが、そんなことは気にしない。今日はまずはこの目の前の手作り鍋と幸せをかみしめよう、そう思った。翌日、面倒な事が待っているとは考えずに。









 



 本来ならここからエピローグとまとめに入る予定だったのだが、そうはいかなかった。

 翌日の放課後、いつものように部室へと向かう。そういえば、今日の涼宮はポニーテールだったなと思いながら、なんとなしに扉を開けると先客が四人いた。

「こんにちは、林さん」

「ああ、古泉か」

 テーブルには朝比奈さんと古泉とキョン。奥の方に宇宙人がいるがあれは無視してもかまわんだろう。いつもはメイド姿の朝比奈さんは今日は制服だ。

 制服に違和感を覚えるなんてと自分の感覚を丸洗いしたい気分だったが、テーブルの方々に感じる違和感は正しいものなのだろうか。

 比較的いつも見かけるぶすっとした顔のキョンが椅子に座った自分に声をかけてきた。

「なぁ、林。昨日な不思議な事が起きたんだ」

「……何かな?」

 冷や汗が止まらない。あの軽率なアドバイスのせいだろう、なんたってその解決方法をズバリ言ってしまったんだから。
 にこやかな仮面をかぶった古泉がその内容を説明する。それ流れるような説明はどこかドラマの最後、犯人を追い詰める雰囲気に似ていた。

「昨夜、大きな閉鎖空間が発生しました」

「へぇ、知らなかった」

 自分の頭はいい言い訳を思いつこうと、フル稼働CPU100%だ。しかし、この場をすり抜ける妙案など浮かばない。

「それは、涼宮さんが世界を壊そうとした結果なのですが、それをキョンくんが止めてくれまして」

「……」

「その止めた方法なのですが……」

 そこでいったん話しを古泉は止め、横目でキョンを見た。キョンは軽くうなずく。朝比奈さんは普段じゃ考えられないような真剣な顔をしてこちらの話を聞いていた。

「なんと、涼宮さんにキス、それでこの世界は救われたんですよ」

「……それは、何ともファンタジーだな」

 身振り手振りで話す古泉とは裏腹に、自分の声からは覇気が感じられない。

「ええ、そうですね。そんな方法を」

 古泉の目がこちらを見据える。

「何故、あなたが知っていたんですか?」

 この場から音が消える。その痛々しいまでの沈黙の中、長門の本をめくる音だけが響いていた。

「……知ってるはず無いじゃないか。自分は一般人だぞ? たまたま、本か何かで呼んだのをしゃべったんだろうよ」

 その自分でもわかる嘘臭い答えに、誰の返事もない。キョンはその不機嫌そうな表情を崩そうとしないし、古泉にいたってはこちらから目を離そうとしない、何かを見極めているように。朝比奈さんにいたっては、その目にうっすら涙がたまっている。

 



 はぁ、と溜息を吐く。もうどうしようもない。顔をあげて、正面を見据える。意を決して口を開く。

「自分は、まぁいわゆる普通の人間とは少々違う」

「なっ!」

 驚きの声を上げるキョン。同じく驚いた顔をする朝比奈さん。古泉の顔色だけはよくわからなかった。

「話しだすと長いし、自分自身でもよくわかってないところがあるから、十分に説明できないがそれでもいいか?」

 周りを見渡すと、三人が静かに頷く。

「じゃ、話す。まず自分は林祐太ではない」

 再びキョンが目をむく。そんな反応に苦笑しつつ、どうやって説明するかを改めて整理する。

「ちょっと、語弊があるな。正確には林祐太が生まれる前の人格がある、ってことになるかな」

 自分のその言葉に、古泉が手をアゴにあて考え込む。数秒たってその口から

「それは、前世から転生したってことですか?」

 というもっともな質問が飛び出した。

「いや、そう思うのも無理はないけど、実は違うらしい」

 ちらりと奥の長門を見る。

「自分もよくわからないんだが、詳しくは長門に聞いてくれ。説明を続けると、その元の世界じゃある本が出ていた」

「本?」

 キョンがその一見無関係そうな本という言葉に疑問の声を上げる。古泉はいち早くある可能性にたどり着いたらしく、その顔からは驚愕という感情しか読みとれない。

「そうだ、その本の題名は『涼宮ハルヒの憂鬱』」

 キョン、朝比奈さんとともに絶句していた。古泉は静かに目を閉じたまま沈黙している。重い空気の中、古泉が口を開いた。

「……その本は、完結していたんですか?」

「いや、自分が居た世界では完結してい無かった。もっとも最終巻が待てども待てども出ないという状況だったんだが」

 その言葉に、古泉の顔にいつもの表情がかすかに戻った。

「そうですか。安心していいのか、悔しがればいいのかわかりませんね」

「……どうだろうな。パンドラの箱を開けることになりそうだが」

 自分も苦笑を浮かべる。ある意味、この世界を観察してたという点で神に等しい知識を持っていた訳だが、それでもこの物語の結末を知らないというのは良かったのこ悪かったのか。

「っていうことは、俺らはその本の登場人物だってことかよ!」

「ああ。前の世界じゃキョンだったり古泉だったり朝比奈さんは本の中のキャラクターだったよ」

「なるほど、だから未来のことであれだけ的確にアドバイス出来たんですね」

「そうだ。まあ、しかし自分というイレギュラーが居る時点で、そこらへんの知識はあまり当てにならないけどな」

 大体、こちらの事情を話し終えたところで三人の反応をうかがう。三人も予想外のことだったのかそれぞれ考え込んでいる様子だ。
 
 こちらもここで気になることを話し切った方がいいか。

「それで、自分も気になるところがあるんだ。キョン?」

「何だ?」

 とその前に、さっきから目をまん丸にしている朝比奈さんに向かい合って忠告する。

「すみません、朝比奈さんは少し外に出てもらっていいですか?」

「? なんでですかぁ?」

 首をかしげる朝比奈さんにこう言い放つ。

「すみません…… 男同士の話なんで、女性の方が聞くのはちょっと……」

「え? ええ!?」

 と何を早合点したのか、朝比奈さんは顔を真っ赤にさせて部室の外に出て行った。
 その様子を不思議そうに見る二人に自分は、先から聞きたくて仕方がなかった質問をぶつけた。

「大人の朝比奈さんに、本当に気をつけろと言われたんだな」

「ああ、確かに言われた」

 そのことかと二人は頷く。

「自分の知識では、その時に言われるはずだった言葉と違う」

「確かに。イレギュラーのお前に関して言及するはずないもんな」

 頷くキョン。

「……ちなみに、今までの一連の出来事はその本に沿ってるんでしょうか」

 古泉のその問いに軽く不意を突かれた気がした。確かに、そこらへんは気になる所だろう。

「大体は、な。朝比奈さんや朝倉の件はあるが、おおよそ記憶通りだ」

「朝倉?」

「キョン、お前は朝倉に殺されかける筈だったんだぜ。そこを長門に救われることになる」

「こ、殺される!?」

「ちなみに朝倉も宇宙人だ」

「はぁ!?」

 次々と明かされる事実にキョンの驚きの声が追いつかない。

「ここからは私の推論なんですが、朝比奈さんの言っていた『気をつけろ』というのはその知識自体のことなんじゃないでしょうか」

 古泉のその推論は、自分でも十分に納得できるものだった。

「その可能性は高いかもしれない。ということは、知識を他人に、特にSOS団の近くの人には話さないほうがいいということだな」

 古泉は軽く頷く。どうやら正解だったみたいだ。

 これで自分に関しての話は全て洗いざらい話したことになる。溜息をついて、軽く頭をふる。

「……自分がこのことを話さなかったのは、証明するものがこの知識しかなかったからだ、他に他意は無い。アドバイスから追い詰められるとは思わなかったけどね」

 さて、もう言い残したことはない。

「大体のところは分かった、つまり今までと変わらずこのSOS団は続いて行くってことだろ」

 いつも様にキョンが疲れたように、しかしどこか嬉しそうに言う。

「この世界がいつ造られたのか、小説の中なのかどうかはわかりません。しかし、私はこの世界を案外気に行っているようなので、出来るだけ続いて言ってほしいものですね」

 といつもの笑みを浮かべながら古泉。

「え、え? どういうことですかー!?」

 やっと中に入ってこれて、未だ混乱中の朝比奈さん。

「……」

 終始、無言の長門。

 


 SOS団解散の日は、まだまだ遠い。














<作者コメというあとがき>
 最後、打ち切り臭くなりましたが、まだ続きます。
 作者としてはここまでこの作品が続くと思いませんでした。ここまで続いたのも、みなさんの感想のおかげです。ありがとうございました。
 一応、これで原作の一巻分が終了。ってことで伏線を引きつつ一部完となります。
 作品を読めばわかりますが、主人公の設定が明かされる所までしかプロットを作ってなかったこともあり、それ以降の話に多分修正が入ると思います。次からは最後までプロット造ってから肉付けしていかないと。何もない状態で思いつきで書くしんどさを痛感しました。
 


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.053252935409546