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No.19775の一覧
[0] 【次回更新は11月!】ナルトが馬鹿みたいに前向きじゃなかったら?(原作再構成) [ビビ](2010/09/29 14:16)
[1] 1.序[ビビ](2010/06/24 11:04)
[2] 2.序[ビビ](2010/07/02 22:24)
[3] 3.序[ビビ](2010/07/02 22:24)
[4] 4.カカシ事変――Ⅰ[ビビ](2010/07/22 20:22)
[5] 5.カカシ事変――Ⅱ[ビビ](2010/07/22 20:22)
[6] 6.カカシ事変――Ⅲ[ビビ](2010/07/22 20:23)
[7] 7.カカシ事変――Ⅳ[ビビ](2010/07/22 20:23)
[8] 8.挿入話 『ヒナタの悩み』[ビビ](2010/07/02 22:25)
[9] 9.波の国――Ⅰ[ビビ](2010/07/22 20:23)
[10] 10.波の国――Ⅱ[ビビ](2010/07/22 20:24)
[11] 11.波の国――Ⅲ[ビビ](2010/07/22 20:24)
[12] 12.波の国――Ⅳ[ビビ](2010/07/27 10:58)
[13] 13.波の国――Ⅴ[ビビ](2010/07/27 10:58)
[14] 14.波の国――Ⅵ[ビビ](2010/07/27 10:58)
[15] 15.波の国――Ⅶ[ビビ](2010/07/27 10:58)
[16] 16.波の国――Ⅷ[ビビ](2010/07/27 10:58)
[17] 17.波の国――Ⅸ[ビビ](2010/07/27 10:58)
[18] 18.波の国――Ⅹ[ビビ](2010/07/27 10:58)
[19] 19.挿入話『新必殺技!? 燃えろ、サクラちゃん!!』[ビビ](2010/07/27 10:59)
[20] 20.挿入話『戦慄!? 秘められた乙女の心を暴け!!』[ビビ](2010/07/27 10:59)
[21] 21.挿入話『ナルトに嫉妬!? 怒れるキバが牙を剥く!!』前篇[ビビ](2010/07/27 10:59)
[22] 22.挿入話『ナルトに嫉妬!? 怒れるキバが牙を剥く!!』後編[ビビ](2010/07/27 10:59)
[23] 23.中忍選抜試験・前日[ビビ](2010/07/27 10:59)
[24] 24.中忍選抜試験・開始[ビビ](2010/07/27 10:59)
[25] 25.中忍選抜試験・筆記試験[ビビ](2010/07/27 11:00)
[26] 26.中忍選抜試験・死の森――Ⅰ[ビビ](2010/07/27 11:00)
[27] 27.中忍選抜試験・死の森――Ⅱ[ビビ](2010/07/27 11:00)
[28] 28.中忍選抜試験・死の森――Ⅲ[ビビ](2010/07/27 11:00)
[29] 29.中忍選抜試験・死の森――Ⅳ[ビビ](2010/07/27 11:00)
[30] 30.中忍選抜試験・死の森――Ⅴ[ビビ](2010/07/27 11:00)
[31] 31.中忍選抜試験・死の森――Ⅵ[ビビ](2010/07/27 11:00)
[32] 32.中忍選抜試験・死の森――Ⅶ[ビビ](2010/07/27 11:01)
[33] 33.中忍選抜試験・死の森――Ⅷ[ビビ](2010/07/27 11:01)
[34] 34.ナルトと自来也――Ⅰ[ビビ](2010/07/28 12:34)
[35] 35.ナルトと自来也――Ⅱ[ビビ](2010/07/29 14:57)
[36] 36.ナルトと自来也――Ⅲ[ビビ](2010/07/29 16:00)
[37] 37.ナルトと自来也――Ⅳ[ビビ](2010/07/30 23:12)
[38] 38.ナルトと自来也――Ⅴ[ビビ](2010/08/02 21:54)
[39] 39.挿入話『砂と音』[ビビ](2010/08/05 14:02)
[40] 40.挿入話『滝と模倣』[ビビ](2010/08/10 10:26)
[42] 41.中忍選抜・最終試験――Ⅰ[ビビ](2010/09/10 11:16)
[43] 42.中忍選抜・最終試験――Ⅱ[ビビ](2010/09/10 14:30)
[44] 43.中忍選抜・最終試験――Ⅲ[ビビ](2010/09/16 11:25)
[45] 設定資料集……ってほどのことでもないかも。ネタバレ注意[ビビ](2010/07/12 10:53)
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[19775] 23.中忍選抜試験・前日
Name: ビビ◆12746f9b ID:5cdd62c8 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/27 10:59
1.

 さらさらと流れる川のせせらぎを聞きながら、石橋の上でのんびりと佇んでいる者たちがいた。
 金色、漆黒、桃色と色とりどりの髪を持つ七班の少年少女――ナルトにサスケ、サクラの三人だ。
 夏に差し当たってせいか蒸し暑く、断末魔の響きにもよく似た蝉時雨を聞き流しながら、三者三様に暑さから逃れようとしている。
 ナルトは半袖のパーカーを腹ほどまであげて、そこをウチワで扇いでいた。膝丈ほどまでしかないハーフパンツはだらしなくずり落ち、今にもケツが見えそうなほどにだらしない。サスケも同様に、タートルネックのシャツの襟元からウチワで風を入れており、少しでも体温を下げようと必死である。サクラも暑さに負けて、短めのプリーツスカートをパタパタとせわしなく動かしている。男がいるのにパンツが見えても構わないといった堂々たる姿勢だ。ちなみに男二人は全く気にしておらず、ぼんやりと空を眺めているだけだ。

「来ないな」
「来ないわね」

 阿吽の呼吸とも言えるほどに即座に帰ってきた返答は蝉時雨に溶け込んでいく。
 昼まっ下がりの午後である。太陽が最も元気に活動し、ちょうど良い感じに熱せられた地面も暑さを増してくれる。
 さらに、こんな悪環境の中で待ち合わせ場所に三十分以上待機させられた挙句、未だに呼びだした張本人が来ないのだから、いろいろと思うところあるのだろう。サスケに至っては苦無を取り出して、鋭利になるように研ぎ始めていた。何をする気なのか気になるところだが怖くて聞けない。ナルトとサクラは極めて自然に視線を逸らし、見ない振りに徹した。
 それから何十分待ったのだろうか。とてもとても長く感じた時間は、ナルトとサクラの苦無すらも研ぎ始めた。
 ずり、ずり、ずり。
 石橋を利用する人達は、片隅で仲良く苦無を研ぎながら陰気に笑う三人を見ないように気をつけながら歩行している。かなり迷惑な三人である。

「お待たせー!」

 苦無三本が言葉を発した人物に向かって放たれたのは言うまでもない。まぁ、全て簡単に掴まれてしまったのだが、それからの行動は速かった。
 サクラが指を動かすと、現れた人物――カカシは足を掬われる。行動不能に陥ったところにサスケとナルトが飛び掛かり、鳩尾を狙って踵落としを喰らわせる。
 何かが砕けるような、不吉な音が空気を震わせる。
 砕けたのは一本の丸太であった。
 ナルトとサスケの踵は変わり身に使われた丸太を粉砕し、石橋の上を木屑で汚すこととなる。

「お前たち、本当強くなったねぇ……」

 機嫌が最悪な三人は露骨に嫌な顔を浮かべる。死ねばよかったのに、と心から思っている――そんな表情だ。
 しかし、勝てないことはわかっているので大人しくカカシの前に整列すると、顔を見上げながらメンチを切り続ける。上司に対してやっていい態度を明らかに超えているが、もともと遅刻したカカシが悪いので、カカシも背筋に冷や汗を流す。

「いきなりだが、お前たちを中忍選抜試験に推薦しちゃったから」

 少しだけ空気が柔らかくなった。
 悪鬼羅刹のような鋭い眼差しだった下人三人は急に笑顔に転じる。

「……本当にいきなりだな」
「何ですってー!」
「フン」

 三者三様の喜び方に「ガキだねぇ」と苦笑しつつ、カカシはウエストポーチから用紙を取り出し、配る。

「……先生、中忍選抜試験って何をするんですか?」
「ん、試験」
「それはわかるけど……」

 ナルトの質問の意味はわかるが、カカシとしても言いようがない。
 何故なら――

「実際のところは決まってないんだ。試験毎に担当する試験官が変わってな。毎回全く変わることになる。ま! 死ぬほど危険なものもあるってことだけは覚えておけ」

 その程度しかわかっていないのだ。
 担当する試験官によって何を重視するのかが変わるし、合格する基準も大幅に変わる。どんな任務が多く依頼されているのかという時期的なものもあるし、安易なことを教えられない。
 仮に知っていたとしても、自慢の部下であるナルトたちには敢えて教えない可能性も高い。何故なら、どうせ合格するだろうと安直に考えているからだ。

「任務でも死に掛けるんだから、そりゃ試験でも死ぬくらいのリスクはあるよな」
「当然だ」
「私、まだ死にたくないなぁ……」

 あまり恐れている空気は流れていない。
 カカシが特に危険な任務を選んでこなさせてきた奴らだ。命のやり取りには慣れている。精神的にも鍛えているし、自分たちでも自主訓練を欠かしていない。下忍としては及第点を与えられる実力を持つ三人が、試験に不合格になるということを想定できない。

「推薦と言っても強制じゃない。受験するかしないかはお前たちが決めることだ。
 受けたいものだけその志願書にサインして、明日の午後四時までに学校の301号室にくること」

 どうせ全員来るだろうけどね、と思いながら――

「以上!」

 解散となる。
 後に気付くのだが、三人とも遅刻の謝罪をされていないことに……
 必ず復讐をしてやると誓うのはまた別の話。

 ◆

 帰り道のことだ。
 散歩ついでに、ということで少しだけ大回りをしながら、ナルトたちは帰路についていた。
 各々が志願書にある注意事項を見ており、『遺書持参とのこと』という要項については「うへー」とうんざりしている。誰か死ぬことが前提であるらしい。
 それにしても――

「中忍になれば教師の夢にも一歩近づくな」

 教師になる条件は中忍であることと、適正があることだ。
 ナルトとしては「俺はばっちり教師に向いている!」という根拠の全くない確信がある。

「あんた、そういえば教師になりたいんだっけ……?」
「おう」
「似合わないわよ。やめておきなさいよ」
「……そうか?」

 サクラの言葉に整った眉根を寄せる。ナルトとしては否定されたら凹むというものだ。

「包容力が足りないわね。あんたみたいな考え方だと生徒の可能性を潰すわよ」
「……そんなことねぇよ。な! サスケ!?」
「……」
「何で返事しないんだよ!!」

 決して目を合わせようとしないサスケに叫ぶが、反応はない。
「向いてねぇのかなぁ……」と肩をがっくりと落して、これ以上ないほどにアンニュイな溜め息を漏らす。心の底から落胆しているようで、なかなかに根深いものだ。サクラとしてもうろたえるしかない。ここまで精神的に打たれ弱いとは思っていなかったのだ。
 ちなみに教師が向いていないと思ったのはサクラの本音である。

「そんな落ち込まないでよ。まだ私たちの年齢じゃそんなものだと思うわよ?」
「俺は教師になりてぇんだよ」
「まだ無理でしょ? 確かに教師の年齢基準は設けられていないけどさ。みんな二十五歳は越えてるわよ?」

 それもそうか、と呟くとナルトは急に元気になる。
 扱いやすいのか、扱いにくいのか、いまいちわからないキャラクターではあるが、とりあえず機嫌が治ったのならいいやとサクラは安堵する。

「お前らと組むのは楽しいから、当分教師になる気はなかったけどな。もうちょっと歳食ってから考えるか」
「そうすれば? 何か他にやりたいことも出てくるかもよ?」

 十字路を右に曲がったところにナルトの家はある。

「んじゃ、俺こっちだから」
「うん、また明日ね」
「またな」
「おーう! 頑張ろうぜ」

 緊張感のない三人は、悩むこともせずにのんびりと帰っていく。

 ◆

 それから何分か歩き、家の前に着いた。
 古ぼけた小屋のような家はナルトのものであり、木の葉隠れの里から提供されているものだ。
 機能性があるとは言えず、とても狭いそこにはナルトが一人住んでいるだけ。
 つまり、家の前に誰かがいるということはナルトに用があるということで……実に懐かしい顔が家の前で立ちつくしていた。

「イルカ先生か。どうしたんだ?」
「話がしたくてな」

 家の前にいたのは海野イルカ。アカデミー時代にナルトがお世話になった担当教官であり、最も恩義のある人でもある。この人のおかげで、ナルトは教師になるという夢を見つけたのだ。
「立ち話も何だし、上がる?」と家の中に上がるよう勧めるが「いや、いいだろ」と何故か断られる。
 何だか気分が悪そうだ。
 だが、すぐに陰鬱な空気を払拭すると、無理に作りあげたことがわかる笑顔を見せる。

「……最近どうだ?」
「いきなりどうしたんだ?」
「教師ってのはな。教え子の近況報告くらい聞きたいものなんだよ」
「忙しくて連絡してなかったもんなぁ」

 話したいことがあるけど、まだ話すことを決めていない。そんな喋り方だ。
 察しの良いナルトは気付かないフリをするが、何の用なのだろうかと頭を高速回転しつつ答えを弾き出そうと努力することを怠らない。

「任務がか?」
「任務もそうなんだけど、サスケとサクラとずっと修行しててさ。一日中つるんでるんだよ」
「そうか。仲は良いのか?」

 気恥ずかしくなるような問いに少しだけ顔を歪めてしまう。なんだか、とてもむず痒い。
 ナルトははぐらかすように「わっかんねぇ。けど、楽しいぜ」と微妙な答えを返すが、イルカはそれだけで理解できた。仲良くやれているのだろう、と。しかも、とても仲が良いことがわかる。

「あのナルトがなぁ……そうか。友達ができたか」

 ずっと目にかけていた――意地っ張りで頑固なナルトにもようやく友達ができたのあと思うと、素直に嬉しい。
 自分の手元から飛び去ってから上手くやれているのかとずっと心配だったのだが、杞憂に終わったようだ。
 もう歳だな、とイルカは思う。嬉しくて涙腺が緩むなど、歳を食ったせいだ。

「何だよ。何で目潤ませてんだよ」

 ナルトは戸惑うが、

「アカデミー時代はずっと一人だったもんなぁ……!」
「そうでもないよ。イルカ先生がいたしな」
「……お前って奴は!!」

 嬉しいことを恥ずかしげもなく言うナルトを、イルカは抱きしめてしまった。
 愚直なまでに真っすぐだった生徒が、今は立派にやれている。それだけでも嬉しいのに、自分に感謝の言葉を投げかけてくれる。
 大変だった。けど、有意義なことだったと思うだけで報われる。
「抱きつくなって!!」と照れ隠しにナルトは叫び、イルカも離してやる。こんな夏まっ盛りの日に男同士で抱き合うというのもむさ苦しいし、と。
 蝉時雨が五月蠅い。
 ジンジンと空気を震わせるそれは耳朶を打ち、不思議と心をざわつかせるものだ。
 緊張が場を満たしていく。
 本題を話していいものか、と悩むが――そのために来たのだ。
 意を決する。

「……お前、中忍選抜試験受けるのか?」

 唐突な質問を受け、ナルトもようやく合点が行った。
 にやりと笑う。

「当然だろ。何事も挑戦だ」
「危険だぞ? それこそ、死んでもおかしくないほどに……」
「舐めんなよ。俺だってもう忍者だ。死ぬ覚悟はできてる……とは言えないな。死ぬのは怖ぇよ」

 本音だ。ナルトは死ぬのが怖い。まだ死ぬには早いと思っている。
 けど、譲れないものがあった。

「なら何で受けるんだ? 急ぐ理由もないだろうに……」
「たぶんさ。初めてできた友達が受けるんだよ。だからさ。一緒にいれば守れるかもしんねー。理由なんてそんなもんだよ」

 友達と一緒に何かを成し遂げるというのはとても楽しい。連帯感は人に幸福感をもたらしてくれる。
 あまり感じたことないそれはナルトにとっては快感であり、全てを投げ打ってでも手に入れたいものとなった。
「くだんねーだろ?」と苦笑しながら言う姿は、どことなく子供っぽいものだ。
 友達がやるからやる、その程度の理由で命のかかった中忍選抜試験を受ける者は、他にあまりいないだろう。

「……いや、いいだろう。頑張る理由なんて他人が聞けば陳腐なものだったりする。けど、それは立派な理由だと思うぞ」

 イルカにとっては陳腐とは思えない、立派な理由ではあったが。

「お前は自慢の生徒だよ」
「へへ……」

 にへらと笑う癖は変わりなく、ナルトは鼻を痒そうに掻いている。

「今日な。火影様の前でカカシ上忍がお前たちのことを推薦してな。
 普通は一年以上鍛え上げて、万全の体勢を整えてから中忍選抜試験に挑むものなんだ。
 先生びっくりして……抗議したんだ……」
「……うん」
「カカシ上忍に言われたよ」

 あれは吃驚したよ、と呟きながら、

「第七班の下忍は私が認めた優秀な部下です。この程度の試験でくたばるような実力ではありません、ってな」
「気難しいことで有名なカカシ上忍がな……お前たちのことを認めていたよ。
 ……お前は強くなったのか? 強く、なれたのか?」

 俺の手がいらないほどに、という言葉は含めない。

「あぁ、なれたと思う。確証はないけど、俺は強くなっていってると思う」

 顔を赤く染めながら答える表情は自信に満ち溢れており、どこか影の差したアカデミー時代のときとは一変している。
 少年から大人になりつつあった。

「……でかくなったなぁ」
「背は小さいままだけどな!」

 二人は笑う。

「……久しぶりにラーメンでもどうだ? 中忍昇進の前祝だ」
「いいねぇ。たっぷり食わせてもらうよ」
「給料日前だからな。勘弁しろよ?」
「蓄えがねぇから嫁が来ねぇんだよ」
「言ったな。このやろう!」
「痛ぇな!」

 冗談混じりの拳骨を落とした、そのときだ。

「あ、いたいた。ナルトー!」

 別れたばかりのサクラが息を荒く、走りながらナルトたちのほうへと走って来た。

「サクラじゃねぇか。どうかしたのか?」
「サスケくんが修行するから連れてこいって五月蝿いのよ……あ、イルカ先生。お久しぶりです」

 ちょっと疲れたわ、ととんとんと肩を叩いている。
 全力で走ってきたのだろう。身体中から玉のような汗が流れ出していた。

「久しぶりだね。ナルトは今から先生と一緒にラーメンに行くんだけど……」
「えぇー、どうしよ?」
「サスケも呼んでこいよ。イルカ先生のおごりでラーメン食べようってな」
「うーん、そうね。そうするわ! じゃあ呼んで来る!!」
「待ってる」
「はいはーい!」

 待ってなさいよー! と注意してから走り出すサクラはとても元気そうだった。プリーツスカートが捲れるのも気にせずに、全力疾走をし始める。
 後ろからそれを見ていたイルカは「はしたないなぁ」と少しだけ思うが、まぁいいのだろう。

「本当に仲良くやってるんだなぁ……」
「疑ってたのかよ?」
「……うん、良い事だ。良い事だ……ちょっとだけ、寂しいけどな」
「何か言った?」
「何もないさ」

 子供の成長は早い。
 教師生活をしていて十分にわかっていたつもりになっていたが、本当につもりだったんだなぁとイルカは思う。
 これにて日常は終わり、明日からは激戦が待ちうけている。
 その前に、ちょっとだけ一休み。




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