何だかんだあったミッドチルダ旅行でしたが、本日で終了という事でローウェル貿易にある地球行き転送ポートへやってきました。ちなみに地球のバニングス家に転送ポートが設置してあるのですぐ帰宅できます。
本来ならば見送りにはやてさんが来る筈でしたが、昨日の事件のせいでそんなのんびりしていられなくなったらしいです。
それにしても皆さん結構お土産買ったんですね・・・私は自分の家で食べるお菓子と、今回参加しなかった希さんへのお土産しか買ってませんよ。
え?両親?何処にいるか判らない上にいつ帰ってくるのか判らない両親にお土産なんて買っても仕方ないじゃないですか。とはいえ一応お菓子を多めに買ってはいますけどね。
「それにしても、なんやかんやで色々あって疲れました。自宅のふかふかソファーが恋しいです」
「そうだね。でも、楽しかったよね」
「そうですねぇ、それなりには」
「・・・昨日の今日なのに、二人とも態度があまり変わってないねぇ」
そりゃそうですよ。別に恋人になった訳でも結婚した訳でもありませんし。ただお互いに大事な友人だと確認しあっただけですしね。
まあ確かに多少気恥ずかしい部分はありますけど。
「あ、杏寝癖が・・・ちょっとコレ持ってて」
「はいはい」
「・・・なんかあんた達、昨日の夜から物凄く距離が近くなってない?」
「そうかな?」
「そうなんですかね?」
いつも通りだと思いますけど・・・でもアリサさんだけじゃなくなのはさんやすずかさんも頷いてますし、近いんですかね?
・・・まあ言われてみれば、外でフェイトさんに寝癖を直してもらうのは初めてかもしれませんね。というか髪を弄らせること事態初めてですね。
毎回自分で櫛を操作してやってましたし。それに基本的に寝癖がつきにくい髪質ですし、ついても簡単に直りますしね。
まあ今回はたまたま寝癖が残ってただけでしょう。・・・そんな事を考えていたらアリシアちゃんが小声で事の真相を教えてくれました。ニヤニヤしながら。
「寝癖無かったよ」
「はい?」
「無かったよ。多分フェイトが杏の髪を触りたかったんじゃない?」
思わず後ろで髪を梳いていたフェイトさんを振り返ると、髪の毛が離れていった事が残念だったのか一瞬悲しそうな顔をしました。そして直後に私の視線に気付いてちょっと恥ずかしそうに笑いました。
・・・そんな事をするからアルフさんにカップルだとか百合だとか言われるんですよ。というか今の流れで近くに居たアリシアちゃんが余計にニヤニヤし始めたじゃないですか。
というか何でアリシアちゃんはそんな全てを知っている様な顔でニヤニヤしてるんですか・・・
「今朝アルフが私とおかーさんとリニスに教えてくれたよ」
「フェイトさん、アルフさんにおしおきお願いします」
「アルフの今日の晩御飯は生ニンニクだけだね」
「うわぁぁぁ!!それだけは勘弁しておくれ!!」
ちなみにアルフさんは狼を素体にした使い魔であるせいか、強い匂いの食材が苦手みたいです。
でも問題なのは匂いだけみたいなので、犬が食べたら大変な事になるネギなんかを食べても大丈夫らしいですね。流石魔法、種族の問題なんて関係ありません。
しかし、まさかアルフさんがそんな軽く話してしまうとは・・・何となく気付いてはいましたけどね。だってプレシアさんもリニスさんも私達を微笑ましそうに、かつニヤニヤしながら見てましたし。
幸い他の人には話してないみたいなので助かりましたが・・・あ、でも勘の鋭いアリサさんが何かに気付くかもしれませんね。今はすずかさんとなのはさんでなにやら話してるみたいですが・・・
って、不味い。三人共こっちを見てニヤニヤしている・・・まさか。
「・・・聞こえてたんですか?すずかさん辺りが」
「うん、私って耳いいから」
小声の会話を聞き取るとは・・・恐るべし夜の一族。
まあでもフェイトさんが髪に触りたかったらしい事に関してだけしかバレてないでしょうし、まあ放っておきましょう。
「杏ちゃんとフェイトちゃんがラブラブなの」
「早くそのなのなの言葉を直した方がいいですよ。そろそろ年齢的に限界なので」
「な、直そうとしてるよ!ただ時々でちゃうんだもん!」
なのはさんはこのネタだけで色々と誤魔化したりからかえたりするので楽でいいですね。
というかラブラブではありませんよ。確かに仲はいいですけど、百合ではありません。・・・少なくとも私は。
フェイトさんに関しては行動がどういう意味での事なのか判断出来ませんしね。そもそも天然気味なのがそれに拍車をかけてますし。
暫くして転送ポートの準備が出来たらしいので三人ずつ順番に乗って転送していきます。
ローウェル貿易にある転送ポートは複数人乗せて転送しても大丈夫な大きい業務用ですが、バニングス家にあるものはあまり大きくない個人用なのでエラーが起きてしまうらしいです。
アリサさんは周りに魔法関係者が多いから大きい業務用にする予定だと言ってました。転送ポートって高くないんでしょうか。
そんな事を考えていたらいつの間にか私とフェイトさんが最後に残っていました。偶然なのか作為的なのか・・・どう考えても後者ですよね。いや問題は無いんですけど。
「ねえ杏、また一緒に旅行行きたいね」
「まぁ、面倒なのでそう頻繁にじゃないなら、吝かでもありません」
次に何処か旅行に行く時はユニも連れて行きましょう。そしてユニゾンして大きくなりつつ、体の制御をユニに丸投げして楽したいです。
ああ、ここ最近動きすぎな気がしますよ本当に。昔の歩く事すら面倒だと言っていた私は何処へいってしまったのか・・・今でも色々なものにサポートしてもらって動いてるのであまり変わりませんが。
まあ、未来の事はさておいて、とりあえず地球に帰りましょうか。