最近全然話題に出していなかった自動人形量産計画ですが、とうとう量産化可能な域まで簡略化出来たらしいです。
おかげで我が家の科学者三人はハイテンション。現在は月村家で過ごしているイレインさんにも研究協力のお礼の電話をしていました。
ちなみに受話器の向こうから物凄い驚愕を示す大声が聞こえてきましたが・・・多分忍さんとかも聞いたんでしょうね。ご愁傷様です。
・・・あれ、今私凄くナチュラルに我が家の科学者って言いましたよね。実際は隣の家の科学者の筈なのに・・・
「でも地球で販売可能な出来なんですか?あまり技術力が高すぎると面倒な事になりそうですが・・・嫌ですよ、家がマスコミに囲まれるなんて」
「安心してください。現在の地球で使われている技術と最近研究されている技術しか使っていませんよ」
「まあその最近研究されている技術もNASAとかその辺りのものなんだけれどね」
「それに並の科学者じゃ理解出来ないくらい複雑なプログラムだしねー」
それは大丈夫なんでしょうか。どちらにしろマスコミに集られそうな・・・むしろCIAとかKGBとかMIBとかフリーメイソンとかに狙われそうな気がしてきたんですが。
というかそんな技術を今の地球で使って大丈夫なんでしょうか。魔法は使っていないでしょうから管理局の問題は無い・・・筈ですよね?
「だいじょーぶだいじょーぶ。第一元の自動人形だって地球の技術なんだし」
「まあ、そうなんですが・・・まあ面倒な事にならないならどうでもいいです」
もし変な組織に狙われたりしたら怨みますからね?襲われてもある程度なら簡単に無力化出来るとは思いますけど。
あ、でも超能力とか存在して使われたら無理かもしれませんね。
「で、実際に量産するんですか?」
「それが技術的に量産可能になっただけで、コストが大変な事になってしまうんですよねぇ」
「それに量産する工場のツテも無いから、今のままだと正直ただの自己満足なのよね。魔法を使った方が安く組み上げられるけどまさかそんな工場なんて地球に存在しないし」
「だから今はとりあえずコスト削減の為に色々取り組んでるところー」
この人達は本当に地球をどうするつもりなんでしょうか。・・・いや、既に魔法とか妖怪とか異能とか吸血鬼とかありますし、量産型自動人形なんて今更なのかもしれませんね。
何かもう疲れてきました。ASIMOの技術が超進化したとでも考えれば問題は無いでしょう。多分。
休憩を終えたマッドサイエンティスト三人を見送ると、丁度夕飯の買出しに行っていたフェイトさんとアルフさんが帰ってきました。
フェイトさんはもう立派な主婦となってますね。炊事洗濯掃除とかなり高水準ですし・・・家事万能なもうじき中学生の心優しい少女の正体は魔法少女。シュールです。
「ただいま杏。みんなは?」
「おかえりなさい。休憩した後また篭りましたよ」
「もう・・・たまには違う事したらいいのに」
主婦というかもうお母さんですね。
「アルフさんは何だか楽しそうですけど、どうしました?」
「ふふっ、さっきはやての買い物に付き合ってたザフィーラに会ってね。明日一緒に釣りに行く事になったんだよ」
「おや、デートですか」
「そうなのかねぇ?ま、明日は美味い魚を釣ってくるから楽しみにしてなよ」
こちらはアウトドアですねぇ。一番地球の娯楽を満喫しているのはアルフさんなのではないでしょうか。この前は仕事仲間とボウリングに行ってたみたいですし。
というか、すっかり普通の人間みたいな生活ですよね。自宅ではたまに狼の姿で過ごしていますけど、外に出るときは殆ど人型ですし。
・・・いや自宅じゃないですね。私の家はアルフさんの自宅では無いです。自宅同然ですがまだ自宅では無いです。
まあ時間の問題な気がしますが。
「今日の晩御飯どうしようかな・・・」
「そういえば最近は専らフェイトさんがご飯の支度をしてますね。プレシアさんとリニスさんに思うところは無いんですか?」
「うん、あんまり。料理楽しいし、美味しいって言って貰えると嬉しいから」
本当に良い子です・・・本気でうちにメイドさんとして就職しません?優遇しますよ。まあ今でも既に似た様な生活なんですが。
そして夕飯の時間。みんなで談笑しながらテレビを見つつ食事していると、ふと目に付いたCM。それはバニングスグループのCMでした。
「量産型自動人形の販売する時にバニングスグループに協力要請してはどうでしょうか。幸いそれなりに関係もありますし、ご両親はどうか判りませんがアリサさんは魔法を知ってますしね」
「成程・・・」
「もし可能ならいいかも知れないわね」
「でもとりあえずはもっと改良しなきゃね」
「でも、そしたらアリサが一般人ルートから外れるかもね」
会社がちょっと凄いロボットを販売するだけですし、大丈夫ですよ。会社ごと魔法に思いっきり関わってしまったら後継者のアリサさんも脱・一般人の可能性が高いですが。
例えば管理局に自動人形を販売する管理外世界の企業とか、明らかに普通じゃないですしね。管理局に販売する機会なんて無いと思いますが。
「・・・ってアリシアちゃん、今私のから揚げ一個持っていきませんでしたか?」
「んふふ~何の話かな~」
ああ、から揚げ・・・