お仕事から帰ってきたプレシアさんとリニスさんとアルフさんがアリシアちゃんから話を聞いたらしく、再び大人な私に変身です。
ああ・・・この視点の高さ。素敵です。
「へぇ~、結構美人じゃないのかい」
「え?身長にばかり注目してたので全然気にしてなかったんですが、美人なんですか?」
「杏はもともと可愛いからこれくらいは当たり前じゃないかな?」
「いや私が可愛いとかフェイトさんに言われても・・・」
可愛いと言われて確かに嬉しいですが、どう考えてもフェイトさんの方が美人になりますよね。予想だと美人過ぎて男性がアプローチ出来なくなるくらいにはなりそうです。今でも男子は結構萎縮してるみたいですし。
実際フェイトさんの下駄箱にラブレターを入れようとしてやっぱり止めた人を見た事がありますし。まあ、なのはさんやアリサさんやすずかさんのも見た事あるんですけどね。はやてさんと希さんはまだ見た事ありませんが。
ちなみに私の下駄箱には入っている訳がありません。というかフェイトさんが転校してくる前でも既に聖祥アイドル三人が同じクラスに存在しているのに、私に興味を示す人が居るとは思えませんし。
「とりあえず、どんな仕組みで、どんな理由で大きくなったのか調査させて貰うわよ」
「そうですね。まずは身体測定をしましょうか」
「魔法的な調査はその後だねー」
ええー面倒です。大きくなっただけでいいじゃないですか。・・・いや、調査の結果を基にしてよりよい変身が出来る様になる可能性もありますし、ここは我慢しましょう。
と、言う訳で始めは身長を測ります。
「メジャーで測る辺りが実に家庭的ですね」
「専用の器具なんて持ってないもの。というか持っててどうするのよ」
「ごもっともです」
直立不動の私のかかとにメジャーの先を合わせ、頭には地面に平行になるように乗せた下敷き。そんな家庭的すぎる身体測定の結果・・・私の大人モードは身長162.3cmという事が判明しました。
大きい。これは大きいです。まさか本来の身長より20cm以上も伸びてるとは思いませんでした。ここまで高くなるなら中学くらいから急激に伸びるんでしょうね。楽しみです。
「次は体重ね」
「体重といえば、ジュエルシードにお願いして身長に応じた平均体重より少し軽いくらいを維持する様にお願いしてあるので測っても意味は無いかもしれませんよ」
「流石杏お姉ちゃん、ロストロギアの使い方がそれっぽいね」
ありがとうございます。
それはともかく、一応体重計に乗る事になりました。女の子の体重を勝手に見るなんて・・・とは別に思いません。少なくとも平均より軽い事は判ってますし。
「本当に平均体重ですね・・・」
「ちょっと羨ましいわ・・・」
「美人でスタイルのいいプレシアさんがそれを言いますか」
年齢不詳の美人が言う台詞じゃないですよね。特に体型維持の努力をしている様には見えませんし。
というか私が知る限りの魔導師全員がスタイル良かったり美人だったりしますけど、何故なんでしょうか。魔法の才能がある人はまさしく神に選ばれてとでも言うんでしょうか。
まあたまたまだとは思いますけど。あ、ちなみに今の私の胸はCカップくらいです。
「いえ、魔導師に美形が多くなるのは研究で証明されていますよ」
「え?」
「高ランク魔導師になるほどスタイルも良くなるって結果も出てるわね」
「え?」
「まあ例外も居るみたいだけどねー」
ちょっと気になったので詳しく話を聞いてみました。
何でもリンカーコアを持っていると魔力が体に影響を与えて、魔力素の吸収・魔力の放出に耐えられる様に体の成長に補正がかかるんだそうです。
その補正が上手い具合に美人さんを作り出し、更に高ランク魔導師になればなるほど肉体にも大きな補正がかかるらしいです。なので高ランク魔導師の女性は産まれの差はあるものの大抵美人でスタイル抜群だとか。
つまり、なのはさんやフェイトさんは親も美形な上に魔力の補正がかかって更に美しくスタイルも良くなるという事ですか。そういえばアースラの艦長さんも美人でスタイルが良かった様な・・・
そして例外というのは、生まれ持った肉体が始めから魔力と親和性が高い人の事らしいです。魔力に対する親和性が高ければ高い程、リンカーコア所持における成長補正が無くなるらしいです。
多分はやてさんの事ですね。他の魔導師組と比べて成長がそこまで大きく無いですし・・・同じくらい可愛いですけど。
「じゃあ私のこの姿はどうなんでしょうか?」
「恐らくリンカーコアがあった場合はこう成長するって事じゃないかしら」
「リンカーコアを持っていない人だと魔力に対する親和性が極端に少ないでしょうから、それが原因で行動に支障が出ない様に肉体が作り変わったんだと思います」
「つまりその体はあくまで魔力に馴染んだ場合の杏お姉ちゃんの体な訳で・・・成長してそうなるかは判らないんだけど・・・」
「・・・ユニ、そうなんですか?」
『はい。更に詳しく説明しますとマスターの肉体は魔力との親和性が極端に悪すぎるので、今後対処しても親和性が上がる事は無いと思われます』
「・・・つまり?」
『成長してもこの姿と同じにはなれません』
・・・何かもうどうでも良くなってきました。もう今日は眠ってもいいでしょうか。まだ昼ですけどいいですよね。というか問答無用で寝ます。不貞寝します。
みんな大きくなりすぎて天井に頭ぶつけてしまいなさい。
「だ、大丈夫だよ!杏は小さくても可愛いから!」
「励ましたいという気持ちはありがたいですが正直全然嬉しくないです」
「あぅ・・・」
いいですよー高校生になったら四六時中ユニゾンしてますから。解除しないでずっとそのままで過ごしてやりますからー。