「よし、改造します」
「にゃ?いきなりどうしたの?」
「多分暇だったんじゃないかな」
「暇になったら改造するんか・・・」
フェイトさん大当たりです。最近のんびり出来て幸せな日々を送っていたんですが、最近ちょっと暇だったのでデバイス改造がしてみたくなったのです。
改造するデバイスはなのはさんのレイジングハート、フェイトさんのバルディッシュ、はやてさんのシュベルトクロイツです。ちなみにバルディッシュに関しては、ちょっと前に後で元に戻す事前提でフェイトさんから許可を貰っています。
「私の許可は!?」
「私もなん!?」
「ありがとうございます」
「「何も言ってないのに!?」」
という訳で、バルディッシュと同じく後で元に戻す事を前提に改造する事になりました。ちょっと残念ですが、まあ暇つぶしなんで別にいいでしょう。
それにもし気に入っていただけたらそのまま使ってくれるかも知れませんしね。
「最初はレイジングハートから弄りますね」
「だ、大丈夫かなぁ・・・」
何やら不安そうな顔をしているなのはさんは放置しておきまして。
今回ははやてさんの闇の書を借りて中にあるプログラムを流用する形で色々弄る事になります。守護騎士プログラムを主に使う予定です。
という事でまずは闇の書のプログラムを色々探ってみましょう。何か面白そうなものが・・・ん?
「未使用の人格プログラムがありますね」
「え?そうなん?リインからは何も聞いてへんけど・・・」
「防衛プログラム側にあるみたいなので気付かなかったのかもしれませんね。今回はこれを使いましょう」
「人格・・・じゃあレイジングハートの性格が変わっちゃうの?」
「そうでしょうね。まあ後で元に戻すので安心して下さい」
「安心出来ないよ・・・」
ともかく人格プログラムが複数、今回はこのプログラムを元にして色々組み込む事にしましょう。
レイジングハートには・・・そうですね、どんな人格になるかはわかりませんがこのプログラムを組み込みましょう。
そして守護騎士プログラムと同じ様に人型になれる様にしておいて・・・外見データはバリアジャケットの要領で簡単に作れる様にしましょう。今回はマスターの2Pカラーになる様にしますが。
さて、これで外見と性格が完成しましたが・・・後はもう適当でいいですよね。
「という訳で一応完成です。異常はありませんか?」
『問題ありません』
「あ、本当にいつもとちょっと違う」
『新たにプログラムを組み込まれましたので』
「何かクールな感じになったね」
さて、次は人型になってもらいましょうか。基本はなのはさんに似る筈ですが、あくまで基本ですしどうなるんでしょうかね。
「では人型になってみて下さい」
『了解しました』
その返答と共にレイジングハートからなのはさんと同じ色の魔力光が溢れ出し、宙に浮かび上がりました。何ともらしい演出です。
そして一際強く光を発した後にピンク色の光は収束し・・・そこにはなのはさんにそっくりな少女が立っていました。
ただし、
「「「黒い・・・」」」
「な、何で黒いの?」
「改造者から流れ込んできたイメージを基にした結果です」
「杏ちゃん!?」
おや、確かに白なのはさんの相棒は黒なのはさんがいいのではないかと考えてましたが、それが伝わっているとは思いませんでした。
しかし・・・何というか、凄いですね。内なるなのはさんと言っても良い様な出来です。いや、元はなのはさんの相棒のレイジングハートなのである意味なのはさん本人と言っても過言では無いかもしれません。
よし、ちょっと質問してみましょうか。
「好きな事は何ですか?」
「戦闘です」
「得意な魔法は何ですか?」
「砲撃です」
「好きな戦法は何ですか?」
「バインドで拘束した上での砲撃です」
「なのはさんですね・・・」
「なのはだね・・・」
「フェイトちゃんも杏ちゃんも酷いの!?」
「なのはちゃんってそんなに危険な思想の持ち主やったんか?」
「マスターは砲撃魔ですので」
ちょっとだけ見た魔法訓練でのフェイトさんとの模擬戦でも砲撃しまくってましたしね。
ともかく、これは思っていたよりも面白い結果になりました。次のバルディッシュさんがとても楽しみです。現時点でのバルディッシュさんの性格は寡黙で頼れるお兄さんといった感じですが・・・
という訳でレイジングハートと同じ様な改造を施します。ただし今回は違う種類の人格プログラムを組み込んでみました。
さっきのはクールで少し物騒な人格でしたが、今度はどんな性格になるでしょうか?
「よし、完成しました。どうでしょう?」
『大丈夫、僕は何も問題無いよ』
「バ、バルディッシュ?」
「これは・・・面白い結果になりそうでワクワクしてきました」
どことなくアレ気なオーラが漂っている気がしてきました。普段のバルディッシュさんとはちょっと違う雰囲気です。期待が止まりません。
フェイトさんはちょっと不安そうですが・・・はやてさんはニヤニヤしてますね。とても楽しそうです。
そしてなのはさんとレイジングハートさんは全然こっちに注目していませんね。まあバルディッシュが人型になったらこちらに興味を示すでしょうけど。
「では、お願いします」
『さあ、僕の姿を見せてやる!』
思わずギャップに噴出しそうになりましたが何とか堪えて光を放ち始めたバルディッシュさんを見続けます。こちらもフェイトさんと同じ色の魔力光ですね。
さて、今度もフェイトさんの色違いになるんでしょうか?フェイトさんのバリアジャケットは黒ですから、今度は白くなるんでしょうか?
そして光が収束して現れた姿は・・・
「普通の2Pカラーですね」
「ちょっとインパクトが足らへんな」
「レイジングハートみたいな感じがしないの」
「せっかく僕が人型になったのに失礼じゃないか!?」
「なんか妹?が増えた感じかな」
「違う!僕が一番上だ!」
水色の髪のフェイトさんでした。バリアジャケットは細部に違いがありますが、基本的には同じですね。
しかしレイジングハートさんはクールでカッコいい感じでしたが、バルディッシュさんは何となく残念な感じがします。しいて言うなら、アホっぽい感じが・・・いえ、これは子供っぽいんでしょうか?
この子も内なるフェイトさんと考えると・・・まあ、フェイトさんは色々と我慢する傾向があるので、それを開放するとこんな感じになるのかもしれません。
「さて、最後にはやてさんのシュベルトクロイツですが・・・はやてさん、今の心境は?」
「不安もあるけれど、それよりも期待が大きい感じやな。勿論ネタ的な意味で」
ありがとうございました。それでは改造に移ります。
残っている人格プログラムはあと一個なのでこれを組み込んで・・・ふふふ、いったいどんな性格になるんでしょうか。
クール、子供っぽい、と来たので・・・ツンデレ?いや、素直な子?期待が膨らみますね。
「さて、どんな感じですか?」
『我に気安く話しかけるとは何様だ、塵芥め』
「削除しますね」
「そやな」
『ま、待て!?そんな事をしていいと思っているのか!?』
「残念な子ですね」
「容赦無いねレイジングハート・・・」
「うっ・・・ちょっとカッコいいかも」
「バルディッシュ!?」
どうしましょう?何だか妙に偉そうな性格みたいですけど、やっぱり人型になってもらった方がいいんでしょうか?
確かに人型を見てみたいんですけど、こういった子はこのまま暫くからかう方が面白そうですし・・・
「まぁ、せっかくですし人型を見てみましょうか」
『ふ、ふん!仕方が無い、我が姿を現してやるとしよう!』
「嫌なら別にかまへんよ?無理はさせられへんしな」
『ぐっ、いや、うぬらの期待に答えてやるのも王たる我の務めだ』
「王様・・・くっ、でも僕の方がカッコいいに決まってる!」
「バ、バルディッシュ・・・」
何だかバルディッシュさんが可愛いですね。フェイトさんは複雑そうですけど、ちょっとだけ優しい眼差しになってますね。本当に妹みたいに考えてるのかもしれません。
さて2Pカラーはやてさんの姿はどんな感じなんでしょうか。はやてさんのバリアジャケット姿に関しては全然知らないので予想が出来ませんが、やはり王様らしい姿なんでしょうか。
そんな事を考えているうちに変化が済んだ様で光が収束して来ました。
「へぇ、はやてさんのバリアジャケットってこんな感じなんですか。羽があるんですね」
「少し色が違うけど、大体は同じやね」
「何故我の姿を見て我ではなく主に反応を示すのだ!?」
「からかわれているだけでは?」
「駄目だよレイジングハート!そこは黙っててあげないと!」
「か、カッコいい・・・こうなったら、君を倒して僕は飛ぶ!」
「バルディッシュ、それって攻撃して逃げるって事?駄目だよ危ない事しちゃ」
なんだか物凄くにぎやかになってしまいました。それにしてもクール系とアホっぽい子供と自称王とはバラエティ豊かな人格ですね。
一体プログラムを組んだ人は何を考えてこの人格を選んだんでしょうか。とても気になります。
とりあえず人格を戻す事にはなりましたが、皆さん意外と気に入ったらしいのでプログラム自体は圧縮してデバイス内に残しておく事になりました。
はやてさんのデバイスは元は非人格型らしいのでそのままにしておこうかと思いましたが、ずっと一緒だとちょっと疲れそうだからという事で遠慮されてしまいました。
まあはやてさんには管制人格のリインさんがいますし、その方がいいでしょうね。
・・・自称王の人格をレイジングハートに組み込んだら、砲撃魔王黒なのはさんが生まれるんでしょうか。ちょっと面白そうです。
いつかこっそり試して見ましょう。