時は年末31日。一年の終わりの日となった訳ですが、流石にプレシアさんは今年中に帰って来る事は出来なかった様です。全員揃って年を越すのはまた来年という事になりますね。
フェイトさんもアリシアちゃんもとても残念がっていましたが、まあ今回は仕方がありません。リニスさん曰く来年には懲役が終わって勤労奉仕に切り替わるらしいので、そうなったら頻繁に会えるだろうとの事です。
流石に一緒に住めるかどうかは判らない様ですが・・・その辺りは今後の展開次第ですね。
さてさて、そんな事より年越しです。両親も帰ってくるかと思っていたのですが、今日の朝に電話が来て「北極点で年越しをする」等と言っていました。
せめて年末くらいは子供と居ようと思わないんでしょうか。判っていた事ではありますが、やはり親としては問題がある我が両親です。だからといって嫌いにはなりませんがね。
それに恐らくですが、フェイトさん達が居るから寂しくないだろうと判断しての事なんでしょう。実際その通りなのであまり気にしていません。両親と年越し出来ないのは少々残念ですけどね。
そういえば何やらなのはさん達やはやてさん達がみんなで集まってどうこうという話があった気がしていますが、結局どうなったんでしょうか?私は面倒だったので断ったんですが、フェイトさん達がここにいるという事は結局普通に家族と過ごす事になったんでしょうか。
まあはやてさん達は守護騎士達が現れてから初めての年越しな訳ですし、そういった事は来年の年越しの時になりそうですね。
そんな我が家なのですが、相変わらずテスタロッサ家が集合しています。最近はフェイトさんとアリシアちゃんがこっちに泊まる事も多くなってきているので、向こうの家は殆ど大人組みの寝床兼魔法研究施設と化しています。
今日に至っては全員こちらに泊まる様で、着替えやら色々用意して全員でコタツに入っているところです。我が家のコタツは大きいので全員で入っても問題が無いのです。元々は大きいコタツを独り占めしたいという考えから買ったものでしたが、みんなでゆっくりするのもいいものですね。
「さて、私の家では年末にはお雑煮とお汁粉の両方を作っていたんですが・・・」
「流石に日本の料理は作り方が判りませんね・・・」
「リニスさんの料理は基本的に洋風な物が多かったですよね」
どうやらミドチルダの料理は地球で言う所の洋風料理が多い様なのです。日本の料理は過去にミッドに行った日本人のおかげでそれなりにあるらしいですが、今回のお雑煮とお汁粉は知らなかったみたいですね。
緑茶やラーメンはあるらしいんですが・・・ともかく、このままでは今年の年末は年越し蕎麦だけになってしまいますね。
「仕方がありません。私が作りましょうか」
「実際に作るのは杏じゃなくて能力で動く調理器具じゃないのかい?」
「いえ、今回は私が自分で作りますが」
「「「「えぇー!?」」」」
そこまで驚きますか。いや、気持ちは判りますけどね。私が自分でちゃんと料理するなんて滅多に無い事・・・むしろフェイトさん達と会ってから一度もしていない事ですし。
それでも作り方も知ってますし、実際に作った事もあるんですよ?初めて作った時は両親も驚いていましたが。
「杏、料理出来たの?」
「多少はですが。別に調理器具まかせでもいいんですけど、せっかくみんなで年越しするなら手作りの方が良いと思いませんか?」
「杏お姉ちゃんがまともなことを言ってる・・・」
「失礼ですね。私は何時だってまともです。私基準で」
という訳で本日の夕飯時にお雑煮とお汁粉を作りました。フェイトさんが手伝ってくれましたが、何やら「私より手際が良い!?」等と言って落ち込んでいました。
手際が良いのとはちょっとだけ違うんですけどね。ただ余計な仕事が増えるのが嫌なので無駄な事をしない様にしただけなんですが。それに片付けに能力を使ってましたしね。
ちなみに出来はまあまあです。流石にお母さん程美味しくは作れませんね。精進するべきか、いやしかし面倒ですし・・・まあどうにでもなりますよね。
「前から思ってましたが・・・杏はだらけているせいで気付かれにくいですけど、結構万能ですよね」
「あ、うん。ちょっとおもってた」
「学校の勉強も適当なのにテストは問題無いよね」
「普通子供が知らない様な事も知ってたりするしねぇ」
そうでしょうか?勉強に関してはノートは取って貰ってますし、テストも授業をそれなりに聞いていて、テスト前に教科書やノートを見返せば何となく思い出せますし。
普通の子供が知らない様な事を知っているのは単純にテレビとか漫画とがインターネットが原因ですしね。そう疑問に思うことでも無い様に思えますが。
「さてテレビは・・・ああ、年末は特番が多くてちょっと微妙なんですよね。紅白は興味ありませんし」
「そう?地球の歌は良い歌が多いと思うけど」
「そういった台詞を聞くたびに『ミッドはそんなに娯楽関係が弱いのか』と考えてしまうのですが」
「ははは・・・ミッドも悪くは無いんですけどね」
結局最近の年末恒例になっている、笑ってはいけないシリーズを見て過ごす事になりました。これが生放送だったら遠隔操作で色々面白い事を起こすんですが・・・
いつか生放送でやって欲しいものですね。その時は・・・ふふふ。
そして全員でまったりとテレビを見続けて日付がもうじき変わる頃、アリシアちゃんがちょっと眠そうでしたが年越し蕎麦を用意して全員で食べる事になりました。
食べながら年を越すのが正しいんでしたっけ?年を越してからでしたっけ?・・・まあ、どちらでもいいですよね。
そして時計の二本の針が12の所で重なり、私達は新たな年を迎えました。
「「「「「あけましておめでとうございます!」」」」」
今年ものんびりダラダラと平和によろしくお願いします。