自宅待機しているとお客さんがやってきました。
「ヴィータ!」
「大丈夫!?ヴィータちゃん!?」
「無事か!?」
「『騒がず暴れず落ち着いて大人しくテレビでも見てなさい』」
はい、対処完了しました。お疲れ様です。
「さて、紅い貴女は他の仲間に事情説明をお願いします」
「あ、おう・・・」
さて、何だか新規でやってきた三人が、特にピンク髪のポニテさんが何やらうるさいですが無視してインターネットでもしましょうか。
勿論自分でマウスやキーボードを動かすわけがありません。むしろ、パソコンを直接操作しているので繋ぐ必要すらありません。便利ですね。
さーて、なにをしましょうか・・・迂闊に変な事をするとサイバーテロみたいなことも出来てしまうのでイタズラは出来ないんですよね。
というか私の能力はどこまで出来るんでしょうね。調べるのも考えるのも面倒なので詳しく調べた事は無いですけど、意思が強くても守護騎士を操れましたし・・・生物は無理というのは確定なんですけど。
でも植物も一応生物なのにお話も操作も出来るんですよね。いまいち基準がわかりません。やはり調べた方がいいんでしょうか?
・・・ともかく、インターネットじゃなくてソリティアでもしましょうか。マインスイーパーはイライラするので却下です。
「杏、とりあえずあの四人にコーヒー淹れるね。杏も飲む?」
「ミルクと砂糖たっぷりでお願いします」
「待ってて」
フェイトさんは気配り上手ですね。まあ淹れるコーヒーは我が家のものなんですけど。
いえ、好きなだけ飲んでいいとも言ってありますし、むしろ別荘扱いでもいいと両親公認で言ってあるので今更なんですけどね。
・・・あの紅い子はコーヒー飲めるんでしょうか。見た目アリシアちゃんと同じくらいですし・・・あ、でも昔から存在している闇の書から生まれてる存在だから実際は凄まじい年齢なんでしょうか?
という事はあの子は漫画でよくあるロリババァという事に・・・うぅむ、ファンタジーと言えばいいのか、SFと言えばいいのか。科学的な魔法なので少し不思議の方のSFが丁度良さそうですね。
あ、赤い子がコーヒーをブラックで飲んで・・・アリシアちゃんも砂糖とミルクをちょっと入れて程度でしたし、私の周りに居る幼女は何故こうも苦味に強い子ばかりなんでしょうね。
ちょっと悔しいです。訓練した方がいいのでしょうか・・・いや、面倒なのでやめましょう。自分が美味しいと思う飲み方で問題ありませんし。
・・・何気に金髪の人が一番砂糖とミルクを入れてますね。アリシアちゃん以上私未満の量ですが。
しかしあのポニテの人何とかなりませんかね。明らかに気を張りっぱなしで見てるだけで疲れるというか何というか。
確かに他の守護騎士もある程度警戒はしているみたいですけど、ポニテの人は特別それが・・・性格なんでしょうか。
まあ見た目と雰囲気からしてまさしく騎士な人みたいですし、お堅い人なんでしょうね。プライベートではどうなのかわかりませんけど。
それに引き換え金髪の人は緩いというか・・・いえ、違いますね。紅い子から話を聞いて警戒しても無駄だと理解しちゃったんでしょうか?
となるとそれでも警戒しているのは逃走とかに関してでしょうか。直接触って色々しないと何となくしか考えが読み取れないから困ります。
・・・それにしても、そんなに苦そうにコーヒーを飲むなら砂糖とミルクを増やせばいいと思うんですけど。
そして唯一の男性の・・・犬耳だから、使い魔でしょうか?男の犬耳とはなかなか斬新です。体格もいいですし、もしかしてそういう趣味の人の為に作られたのでは・・・
可能性は否定できません。何せ他のメンバーがロリっ娘と真面目な姉御と優しげな若奥様ですし。というか狙いすぎな気がしないでもありません。どこのアニメですか。
・・・それはともかく、この人は一番落ち着いてますね。目を瞑って話を聞きながらコーヒーを飲む姿がカッコいいです。これで半裸に近い格好では無ければキマっていたんですが。
「ただいまー・・・あれ?誰だいあんた達」
「アルフさんお帰りなさい。この人達は魔法絡みの事件を持ってきた迷惑な人達です」
「ふーん。まあフェイト達に危害を加えないなら別にどうでもいいか」
「アルフお疲れ様。コーヒー飲むよね」
「ありがとうフェイト」
うんうん、アルフさんもだんだん落ち着いてきましたよね。始めのうちはあんなに騒いでいたのに・・・まあ話によるとまだ二歳くらいらしいから当たり前かもしれませんが。
しかしフェイトさんはコーヒーを淹れるのが好きなんでしょうか。フェイトさんの淹れるコーヒーはインスタントなのに妙に美味しいので特に問題は無いんですが。
「・・・って訳なんで、今闇の書は持ってかれてるからその後に試すってさ」
「いまいち信じられんが、実際こうやって操られてる身だから信じないわけにもいかないか・・・」
「それにしても災難なのか僥倖なのか・・・本当に何とかなるのなら後者なんでしょうけど」
「・・・何れにしても、主が助かる可能性が高いならそれに賭けた方がいい。無理なら再び蒐集を再開するだけだ」
「あ、その場合は海鳴では暴れないで下さいね。魔法関連の事件は面倒過ぎるのであまり関わりたくないんです」
「蒐集自体は止めないのか?」
「どうでもいいです。現時点でもう暴走はしない事が確定していますし、勝手に集めて下さい。私は自分の周囲が平和なら他の世界が吹っ飛んでも気にしません」
まず他の世界に関わるなんてそうそう無い事ですしね。何かのきっかけで時空管理局に行く事でも無い限りは。
・・・いや、テスタロッサ一家と一緒に他の世界に行く機会もあるかもしれませんね。まあでもどうでもいいです。遠くに旅行に行くのは面倒ですし。
「杏、リニスから「今日一日闇の書を借りたいって伝えて欲しい」って念話が来たけど」
「という事らしいですけど、どうでしょうか」
「無理に決まっているだろう!」
「みたいですよ」
「うん、伝えるね。・・・今日中に修復するからどうしても貸して欲しいって」
「修復するの私なんですが」
「・・・本当に可能なら、修復後に主との相談次第では可能かも知れないが・・・」
「わかった。伝えるね」
修復するのは私なんですが。というかリニスさんが他人の意見を無視する様な事を言うなんて珍しいですね。よっぽど興味深いんでしょうか。
「持ってきました!さあ杏、修復してください!!」
「・・・とりあえずそのおかしなテンションを何とかしてください」
「リニスすごく楽しそうだったよー・・・あ、なんかふえてる」
「じゃあリニスさんとアリシアちゃんはそこの守護騎士と一緒にコーヒー飲みながら待っててください」
「はい、淹れてきたよ」
「ありがとー」
「あっと、ありがとうございますね、フェイト」
フェイトさんは本当に気が利きますね。我が家のメイドさんとして雇いたいくらいです。料理はちょっと苦手みたいですけど、それも唯単に経験が無いだけだと思いますし。実際コーヒー淹れるの上手ですしね。
「さて、どうでしたか?」
『あ、あそこまで弄繰り回されたのは初めてだ・・・過去に改造された時もあそこまで色々見られたのは中々無いぞ・・・』
「お疲れ様です。でも主との交渉次第ではまた弄繰り回されるんですけどね」
『何!?』
「さて、とりあえず一切危険が無い様にすれば良いんですよね?夜天の書がどんなのか分からないので、とりあえず危険が無くなる様に好き勝手やらせて貰います」
『ちょっと待て、好き勝手ってどういう・・・』
何か言ってるみたいですけど無視です。今回はそこまで面倒な事になってないとはいえ、私の平穏を妨害したんですからちょっとくらい自由にさせてもらいますよ?
別に危険な事をする訳でもありませんし。むしろ、より凄いデバイスにしてあげます。
「えーっと、これは・・・主を取り込む機能ですか。じゃあこれと守護騎士プログラムと無限転生機能を結びつけて、主が死んでもプログラム体として復活出来る様にしましょう」
『は?』
「ついでに破壊された後も主ごと転生復活出来る様にして・・・他人を取り込んで夢を見せる機能?じゃあこれは任意で人を収納開放出来る様にしましょう。本型輸送艦みたいな感じで」
『ちょっ』
「この夢を見せる機能は相手の記憶を読み取って夢を見せるみたいですし、プログラムを流用して蒐集で記憶も読み取れる様にしましょう。サイコメトラーもびっくりです」
『待て!何とんでもない事をしている!?』
「防衛プログラムを放置するのは勿体無いですね。ここは暴走しない様にきちんとプログラムを組んで・・・そうですね、起動時は常に主を守る障壁を張る様にしますか。オートガードの完成です」
『は、話を聞け!?夜天の書の原型が無くなってきてるぞ!?』
「あ、でもこれだと守護騎士があまり必要無くなってしまいますし・・・あ、蒐集してある魔法を守護騎士も使える様にしますか。適正の問題はありそうですけど何とかなりますよね」
『落ち着け!?このままではブラックボックス的な意味で闇の書になってしまう!?』
ふふふ、何だか楽しくなってきました。魔改造って結構面白いですね、嵌りそうです。今度バルディッシュも・・・いや、バルディッシュでやったらリニスさんに怒られてしまいますね。
じゃあなのはさんのデバイスを借りて魔改造してみましょうか。何となくで闇の書に使われてるプログラムを組み込んだらどうなるか興味がありますし。
「ユニゾンプログラム?じゃあ主を基本にして守護騎士全員と合体するスーパーモードとか面白いかもしれませんね。あ、防衛プログラムとも合体してスーパーアーマーでもいいかもしれません」
『止めろぉぉぉぉ!?』
面白い、面白いです。どんどんネタが浮かんできます。ふふふ・・・この私の能力の粋を尽くして、闇の書を最大限に強化しちゃいましょう。
そして夜天の書改め闇の書改め・・・そうですね、魔天の書とか暗黒の書とかどうでしょうか。うん、いかにもラスボス的な雰囲気です。
時空管理局とは敵対している様なものらしいですし、別に問題は無いでしょう。主がどんな人なのかわかりませんけど、まあ強くなる分には拒否しないでしょうしね。多分。
あ、改造しすぎてリニスさんとアリシアちゃんが弄れる場所が無くなる可能性もありますね・・・まあ、一部は見れますし問題無いでしょう。