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No.1956の一覧
[0] ナイツ・オブ・キッド[シセン](2006/03/07 18:02)
[1] ナイツ・オブ・キッド プロローグ2[シセン](2006/07/06 00:12)
[2] ナイツ・オブ・キッド 設定[シセン](2006/07/01 16:25)
[3] ナイツ・オブ・キッド 1st[シセン](2006/03/12 15:22)
[4] ナイツ・オブ・キッド 2st[シセン](2006/03/24 03:19)
[5] ナイツ・オブ・キッド 3st[シセン](2006/04/14 01:31)
[6] ナイツ・オブ・キッド 4st[シセン](2006/04/03 22:41)
[7] ナイツ・オブ・キッド 5st[シセン](2006/07/01 17:08)
[8] ナイツ・オブ・キッド 6st[シセン](2006/06/05 10:30)
[9] ナイツ・オブ・キッド 7st[シセン](2006/07/04 20:39)
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[1956] ナイツ・オブ・キッド
Name: シセン 次を表示する
Date: 2006/03/07 18:02
※この物語は色んなゲームやアニメがごちゃ混ぜになった小説です
そういったものが苦手な人、あるいは嫌いな人は閲覧をご遠慮ください
・・白樺学園
元は女子高だったが、最近になって共学となった有名な高校である。
元女子高である為か、男子の入学の際にはかなり厳しい審査が行われている。
その厳しさから下心から志望した男子は諦め、入学できたのは数名ほどだった。
学園のクラスの一つ『2年F組』唯一の男子・・それが本編の主人公である。

~ナイツ・オブ・キッド~
プロローグ1

・・2年F組
今はこのクラスの担任である『宮前 このか』先生の担当する歴史の授業である。
仕組んだのか偶然なのかは不明だが、クラスの女子は美女美少女揃いだった。
担任のこのかも、若くて美人なためにこのクラスは学園周辺でも有名だった。
唯一例外なのが、このクラス唯一の男子である如月 椎那である。
名前は女の様だが、正真正銘の男子でグルグル眼鏡をかけた地味な生徒である。
髪が銀色であるために割と目立つが、特に特徴もない目立たない少年だった。
「・・という事で、徳川 家康は1600年に江戸幕府を開いたのよ。」
「このか先生・・。」
椎那が手をあげる。
「ん?何?椎那君。」
「1600年にあったのって・・関ヶ原の戦いじゃないですか?」
「えっ?」
「それに江戸幕府が開かれたのは1603年ですよ。」
「あ゛。アハハハハ、そうそう!年表が教科書の真ん中でずれて間違えてたわ。」
『アハハハハハハ♪』
このかが後ろ頭を掻きながら苦笑いすると、教室中が笑いに包まれた。
「このか先生、しっかりしてや。」
クラスの一人である『美咲 若菜』が、なまりが混ざった言葉で話した。
「ゴメンゴメン♪じゃ、続きは間違いを直した椎那君に任せようかしら?」
「げ。」
『アハハハハハ・・。』

・・放課後 体育館裏
ドガッ!
「ツッ!?」
椎那は突き飛ばされて壁にぶつかった。
「イタタタ・・何なんですか、一体。」
「ウルセェ!美人ばっかのクラスにいやがって、いい気になるんじゃねぇぞ!」
突き飛ばしたのは、他校の不良数人だった。
どうやら、2年F組唯一の男子である椎那にイチャモンをつけている様だ。
「僕は別に好きであのクラスに入ったんじゃ・・。」
「真面目ぶってんじゃねぇよ!」
不良が殴りかかろうとしたその時、
・・なにしてんねん!・・
「チッ・・オイ、行くぞ。」
不良が逃げていった。
「椎那はん、大丈夫?」
来たのは若菜だった。
「美咲さん・・ありがとう。」

・・校門
「まったく・・男ならもっとシャキッとせなあかんよ。」
「分かってはいるんですけど僕、喧嘩は・・。」
「せやから君はなめられるんやで。止めんかったら、ケガじゃすまんかったで。」
「ハァ・・。」
「・・まぁ、頑張りいや。」
「ありがとう、美咲さん。」
「このお礼は今度のテストでヤマ教えてくれるっちゅうんでチャラにするで。」
「ヤマだったら、御神さんに聞いた方が早いと思いますよ。」
クラスメートの『御神 優子』の占いはほぼ確実に当たる事で有名なのである。
「何度も頼るんのも問題やろ?」
「どの道聞くんですね。」
「アハハハ・・まぁ、ええやん。ほな、また明日♪」
若菜は校門を出て、そのまま帰っていった。
「まったくもう・・シャキッとしろか・・。」
・・ヘッヘッヘ、待ってたぜ、クソガキ。・・
先ほどの不良達がまた椎那を囲む。
「今度は誰も助けてくれないぜ。」
「・・。」
「やっちまえ!」
不良達が一斉に襲い掛かる。
ブワァァァァ・・
椎那の髪がなびいた。

・・数分後
「あ・・あが・・。」
「グ・・ォォォ・・。」
椎那の周囲には腹や胸などをおさえて苦しむ不良達が転がっていた。
「僕がシャキッとしたら・・一般人にはちょっとマズイんだよな。」
椎那はかけていた眼鏡を外した。
眼鏡で隠れていたのは、少女と見間違えそうな整った顔立ちと緋色の瞳だった。
「もう学園に近づくな・・もし、仕返しとかで僕の友達狙ってみろ・・殺すよ。」
その表情は氷の様に冷たく、その瞳からは今の言葉が嘘ではない事を悟らせた。
「ヒッ・・ウワァァァァ!?」
不良達は一斉に逃げ出した。
「フンッ・・。」
・・あそこまで脅す必要はなかったのではないですか?・・
「ああいう奴にはあれで十分だよ・・それで、何か様?レディ・ハーケン。」
シュタッ・・
椎那の後ろに赤い兜と鎧を纏った女性が片膝をついた状態で現れた。
「本日19時、ゾディアックはナイツタワー『神の間』に集合との事です。」
「OK・・今日って、何か任務あったっけ?」
「今の所、この一週間前後に任務の予定はありません。」
「了解だよ・・それにしても、敬語やめてくれない?一応僕、年下なんだけど。」
椎那は女性:レディ・ハーケンの方を向いて苦笑いする。
「分かっている。だが、お前と私は上司と部下だ。敬語は使うべきだと思うぞ。」
「僕の事がバレるでしょうが・・まぁ、いいや。一度帰ってから向かうよ。」
「承知した。・・シータ隊長。」
シュンッ・・
レディ・ハーケンの姿が一瞬で消えた。
「・・さてと。行くか。」
シュンッ・・
椎那の姿も消えた。

・・ナイツタワー・・
東京湾に浮かぶ人工島に建設された高い塔は神に最も近い場所。
・・と言うより、本当に神が存在し、その神の依頼で建設された塔なのだ。
15年前、神界と魔界へ続く門が開き、三つの世界を行き来できる様になった。
最も門が使えるのは、神から許可を得た者だけで、許可を持つ人間は少ない。
そしてここは『ナイツ』と呼ばれる組織の本拠地としても使われている。
ナイツとは神が創立した人間界を守護する組織である。
人間界のナイツ、神界のセイント、魔界のダークネスが三界それぞれに存在し、
迷い込んだ異界の者を元の世界に返す事や依頼された依頼を行う事を任務とし、
場合により、異界への侵攻の阻止、異界の侵略の防衛、犯罪組織の殲滅も行う。
ただし、異界からの侵略からの防衛はまず起こる事はない。
神族魔族共に人間に友好的で、侵攻する者がいても、その前に捕らえられる。
よって任務は異界へ侵攻する者の捕縛、犯罪組織の殲滅と最初の二つになる。
ナイツは所属するメンバーの通称でもが、特に有名なのがナイツを統率する
『ゾディアック』と呼ばれる12人の指揮官である。
ナイツは最高指揮官の神の下に12の部隊とその指揮官のゾディアックがいる。
12の部隊はそれぞれ得意分野と戦法があり、それにより、行う任務も異なる。
ゾディアックは神に最も認められし者で国の首相以上の発言力も持っている。
力を欲する物、首相以上の発言力を手に入れようとする者も大勢現れるのだが、
ナイツに入るには厳しい試験を受けなくてはならず、ほとんどは脱落する。
その上、任務には危険なものもあり、入隊できたとしても死亡する者も多い。
そういった事が重なり、強い信念や意志がある者が割と自然に残るのだ。
その中で最も活躍し、神に求められた者のみがゾディアックの称号を得るのだ。
椎那もまたそのゾディアックの一人なのだが、表ではそれは秘密とされている。
ナイツのメンバーに史上最年少入隊者の椎那を知らない者は少ないのだが、
未成年の椎那が隊長就任は、実は神とゾディアックの会議で決まった事であり、
ナイツ創設以来の天才(本人自覚無し)の椎那には、資格は十分なのだが、
椎那が隊長に就任する事で起きると思われる隊員によるトラブルを避ける為、
部隊隊員という事になっており、隊長として表に出る時は顔を隠している。
他にも事情や説明する点はあるかもしれないが、またいずれ説明するとしよう。

・・ナイツタワー 神の間
ガチャッ・・
椎那は高校の荷物を家に置いた後、ナイツタワー最上階の神の間にやって来た。
「お待たせしました。」
椎那が部屋に入るとそこには黒い帽子と眼鏡、服を纏った一人の男性がいた。
「いや、気にする事はないよ。私も先ほど来た所だ。」
「照星さん。他の人は来ないんですか?」
「日本のゾディアックは私と君だけだ。他は各々の国の支部で待機している。」
「まぁ、そうとは思ってましたけどね。それで今日は?」
「ただの定期報告だよ。編成されて以降順調な君の部隊には無縁と思うがね。」
「順調といってもまだ2、3ヶ月で、やっと動ける様になったぐらいですよ。」
「ハハハ・・相変わらず謙遜するね、君は。君の隊長就任は私も同意した事だ。
ナイツの中には欲に溺れる者もいる。それを厳しく罰するのもゾディアックの
役目。真面目な君なら、見逃さない限りは大丈夫だと私は思うがね。」
「ありがとう、照星さん。けど、やっぱり隊長って言われるのは照れますね。」
「それは次第になれるものだよ、シータ君。」
「シータ・・か・・いつからですかね、僕がそう呼ばれる様になったの。」
「君が自分の名前が女っぽいって言った後だから、二年ほどだね。」
「そういえば、カズキさん達も考えてくれたんですよね。皆は元気ですか?」
「相変わらずだ。戦士カズキも火渡君も会う度に喧嘩するから困るものだよ。」
「それを、いつも半殺しにして止めるあなたもあなただと思いますけど。」
「ハッハッハ・・。」
坂口 照星、ナイツ七番隊隊長をしているゾディアックの一人《キャンサー》。
部下思いなのだが、争いを止める為には容赦なく半殺しにするのが玉にキズ。
元は錬金戦団という組織の責任者だったが、ある事情でナイツと合併した。
錬金術の集大成『核鉄』により『バスターバロン』というロボットを操る。
『核鉄』にはいくつもの種類があり、使い手によって武器が変わってくるのだ。
ピピピピ・・
「おっと、始まるみたいだ。行こう。」
「はい。」
二人は部屋の奥に入っていった。

・・翌日 電車内
定期報告が終わった椎那はそのまま家に帰り、眼鏡をかけて登校していた。
尚、椎那の家は学園から少し距離があり、普段は電車を使って登校している。
「ファァァァァ・・さてと、今日の授業はなにかな?」
椎那は鞄から時間割を取り出し、この日の授業を確認していた。
・・いや・・やめてぇな。・・
「ん?」
誰かの声に気が付いて椎那が周囲を見回すと・・
「!?」
その視線の先にはクラスメートの若菜が痴漢にあっていた。
相手はいかにもいやらしい事を平気でできそうな顔をした小太りの男だった。
「・・。」
椎那は痴漢に気付かれない様に後ろに回ると・・
ガシッ!
「!?」
痴漢の腕を掴んで一気に捻った。
「イテテテテテ!」
「えっ?・・椎那はん!?」
「僕のクラスメートに何してんだよ。」
「な、何の事だ!僕が何かしたって証拠はあるのか?」
「女の子に痴漢なんてするクズに証拠も何もいるかよ。」
何気に酷い椎那であった。
シュゥゥゥゥゥ・・
すると、停車駅に着いたのか、電車のドアが開いた。
「クソッ!」
バッ!
痴漢は椎那の手を振り解いて、電車から逃げ出した。
「待て!」
椎那もそれを追いかけ、すぐに追いついた。
「く、来るな!」
逆上した痴漢は懐からナイフを取り出した。
「僕がクズだと!ふざけやがって!殺してやる!」
痴漢が椎那に襲い掛かった。
「椎那はん!?」
若菜が椎那に叫ぶ中、椎那は痴漢の動きを見ていた。
「・・遅いよ。」
ビュンッ!・・ガキッ!
ナイフは椎那には当たらなかったが、フレームに当たって眼鏡が弾かれた。
ドガッ!!
それを気にせずに椎那は痴漢の鳩尾に右ストレートを叩き込んだ。
「グホッ!?」
そのまま腹部をおさえて、痴漢は崩れ落ちた。
コトッ・・ピシッ・・
弾かれた眼鏡は地面に落ち、レンズの部分がひび割れてしまった。
「椎那はん!」
若菜が椎那に駆け寄る。
「大丈夫なんか?」
「僕の事は心配いらないよ。美咲さんこそ大丈夫だった?」
「あ・・。」
眼鏡の無い椎那を見て顔を赤くする若菜。
「美咲さん?」
「椎那はん、そんな顔やったんや。眼鏡外した顔、初めて見たわ。」
「へっ?・・あっ!眼鏡!」
椎那は慌てて眼鏡をかけようとするが・・
「あちゃぁ~~、割れちゃったよ。フレームも切れてるし、もう使えないな。」
「ゴメンな。うちのせいで、眼鏡壊れてもうて。」
「ううん、気にしないで。元々度は入ってないんだし。」
「えっ?じゃあ、なんで眼鏡かけてたんや?」
「説明は後。早くしないと遅刻だよ。」
椎那は駅のホールを走っていった。
「あっ、待ってえな!」
若菜もそれを追って、ホールを走っていく。
尚、痴漢はその後、警察に捕まって、コッテリ絞られたそうである。

・・通学路
「目を隠すために眼鏡かけてたんか?」
「うん。・・僕の目って緋色でしょ?このせいで小さい頃、よくいじめられてさ。
それで、目を隠すために目を見られない様な分厚い眼鏡をかけてたってわけ。」
「そうやったんか。・・でも、うちは綺麗やと思うで。」
「えっ?」
「隠さん方がええと思うよ。」
「・・そうだね。眼鏡が壊れて隠せないし、そろそろ卒業しても大丈夫かな。
・・ありがとう、美咲さん。」
「お礼言うんはコッチや。今日に限って皆部活でおらんから、一人やったんや。」
若菜は普段、クラスメートの片瀬 亜紀や真崎 ほのみと一緒に登校している。
クラスでも一、二を争うほどスタイルの良い若菜はよく痴漢の標的にされる。
そこで同じ通学路で通う気の強い亜紀が一緒に登校しているのだ。
亜紀もかなり美人なのだが、痴漢にあっても即座に撃退している。
真崎 ほのみは亜紀の妹的存在な気の弱い少女で亜紀と一緒に行動している。
「だったらさ。もし一人で登校する時があったら、僕に電話してよ。」
「えっ?」
「僕だってこれでも男の子だよ。女の子を危険から守るのは男の子の役目、
・・なんて、ちょっとキザっぽかった?」
「そんな事あらへん。・・ほんまにええの?」
「うん。僕でよければ、ボディーガード引き受けるよ。」
「・・おおきにな。」
「良いって事。さっ、急ごうよ、美咲さん。」
「・・若菜でええよ。」
「えっ?」
「呼び方。若菜でええから。」
「・・うん、分かった・・それじゃ、急ごう、若菜さん。」
「・・うん!」
若菜は嬉しそうに笑うと椎那と一緒に学校へ入っていった。

・・2年F組
「おはよう。」
「あっ、若菜。おはよ・・誰?」
「もしかして若菜ちゃんの彼氏♪」
「ちゃうちゃう。この銀髪見て気付かへん?」
「ち、ちょっと若菜さん。」
「へっ?」
若菜は椎那の髪を持ち、話し掛けてきた夢野 香苗と姫宮 映子に見せる。
「もしかして・・椎那ちゃん?」
「正解♪」
『エェェェェェェェ!?』
クラスのほとんどが椎那を見る。
「うわぁ・・如月君の髪ってよく見ると凄く綺麗ね。何かつけてるの?」
「ううん。普通にシャンプーしてリンスしてるだけだけど。」
「椎那ちゃんのその目ってカラーコンタクトなの?」
「ううん、生まれつき。いじめの原因になってたから隠してただけ。」
「そういえば、どうして今日は眼鏡かけてないの?」
「実は・・。」
若菜は椎那に痴漢から助けてもらった事を話した。
「へぇ~。椎那ちゃん、やるじゃん。」
「ナイフを恐れずに痴漢を撃退するなんて凄いわね。」
「アハハハ・・なんか、友達が痴漢にあってるの見たら、カッとなっちゃって。」
「けど良かったわね、若菜。如月君が同じ電車に乗ってて。」
キーン、コーン、カーン、コーン・・
「あっ、授業が始まる。そろそろ席に着こうよ。」
「そうね。」
チャイムが聞こえ、席に座る椎那達。
とりあえず、目が原因でいじめを受ける・・という事はなさそうである。

・・夕方 ナイツタワー 二番隊待機室
椎那が率いる二番隊は現在椎那を含めてまだ6人しかいない。
しかし、いずれもナイツでも優秀な人間・・ではなく、魔族である。
元はダークネス所属だったが、人間界で椎那を気に入り、彼の部下となった。
青い鎧を纏い、巨大な槍を軽々と持つ騎士が副官のジークフリード
赤い鎧を纏い、大鎌を持つ女性が先日椎那の前に現れたレディ・ハーケン
黄色い装飾が施されたローブで全身を覆っているのが参謀のアルハザード
メンバーの中で最も大きく、魔族の姿をした鉄球を担いでいる男がベルセルク
そして鉄仮面を被り、黒い鎧の上にベストの様な服を着たブーメラン
この5人がゾディアックの一人椎那が率いるナイツ二番隊のメンバーである。
「ホホォ。では隊長が眼鏡をする必要はなくなったと言う事ですかな?」
「うん。なんかクラスの皆の反応見たら、隠すのバカバカしくなっちゃってさ。」
「ガハハハハ!どうせなら自分がナイツである事も言っちまえよ、大将。」
「それは駄目。」
「なんでだよ?」
「分からないか、ベルセルク。」
「あ?じゃあテメェは分かるっていうのかよ、ジーク。」
「隊長は自分の事を知ったクラスの者達に危険な目にあってほしくないのだ。」
「確かに。隊長の事が周囲に漏れ、彼女達を人質にされるという可能性もある。」
「その前に片付けちまえばいいんだよ。」
「愚かな。相手がナイツである事も考えられる。そんな事も分からないか。」
「なんだと!」
「・・。」
レディ・ハーケンの言葉に怒り、彼女を睨み付けるベルセルク。
「やめないか、二人とも。」
「ハッ。」
「ケッ、お前はそうやって大将に媚を売ってる方がお似合いだぜ。」
「フンッ。隊長への礼儀がなっていないお前に言われたくは無い。」
「なんだと、この元人間魔族が!」
「!」
持っていた鉄球を構えるベルセルクとそれに答えようとするレディ・ハーケン。
「やれやれ、またですか。」
「くだらん。」
いつもの事なのか呆れるアルハザードと興味を示さないブーメラン。
「このアマが。今日こそその頭、ぶっ潰してやらぁ!」
「その前にお前の首を胴体と別れさせてやろう。」
睨み合っていた二人だが、次の瞬間・・
「いい加減にしろ、お前等。」
「「!?」」
ベルセルクの心臓に銃口が、レディ・ハーケンの首筋に剣の刃先が当てられる。
それをしているのは両手に銃と剣を持った椎那だった。
その表情は、先日不良を叩きのめした時と同じ様な冷たい顔をしている。
「仲間同士の争いはよほどの事が無い限りは、口だけにしろといったはずだ。」
「・・分かったよ。」
「申し訳ありません。」
椎那の顔を見て、お互いに武器を下げるゲルセルクとレディ・ハーケン。
「ハァ・・ハーケン、普段は冷静なアンタがどうしてそうムキになるかなぁ?」
「それは・・。」
「ベルセルク、一応人間界に住む条件として暴れるのはご法度のはずだよ。」
「グッ・・。」
「とにかく、喧嘩するなとは言わないから、マジギレは無し!いいね。」
「はい。」
「まっ、大将の命令には逆らえねぇしな。」
「ふぅ・・さてと、ちょうど全員揃ってるから言っておく事がある。」
「何だよ、大将。改まって。」
「2番隊が編成されて数ヶ月・・昨日の会議で、本格的に動く事が決まった。」
「いよいよって事ですな。」
「うん。これからは危険な任務も入ってくる。それでも覚悟はある?」
「愚問だな。」
「左様。我等は隊長の指示のままに。」
「任せとけよ、大将!」
「フッ、今回ばかりはベルセルクと意見が合う様だな。」
「隊長。我等は隊長と共に参ります。」
「・・あぁ、頼むよ。」
「「「「「ハッ!」」」」」

こうして物語が始まる。
この物語がどう進んでいくかは神のみぞ・・ではなく創造主のみぞ知るである。


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