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No.19454の一覧
[0] ゼロの使い魔 蒼の姫君 土の国物語 (オリ主[タマネギ](2010/07/26 18:23)
[1] 第一話 二人の出会い[タマネギ](2010/07/07 21:51)
[2] 第二話 魔法・・・それは、人類に残された最後のアルカディア。人はそれを求め、数多の時を(ry[タマネギ](2010/07/07 22:02)
[3] 第三話   ハルケギニア[タマネギ](2010/07/07 22:17)
[4] 第四話   就職?[タマネギ](2010/07/07 22:26)
[5] 第五話   姫君の苦悩[タマネギ](2010/07/07 23:19)
[6] 第六話   魔法と印[タマネギ](2010/07/07 23:52)
[7] 第七話   騎士見習い[タマネギ](2010/07/08 00:08)
[8] 第八話   決闘と報酬[タマネイ](2010/07/08 00:36)
[9] 第九話   王の命令[タマネギ](2010/07/08 01:07)
[10] 第十話   リュティスに吹く雪風[タマネギ](2010/07/08 01:18)
[11] 第十一話   姫君の意思[タマネギ](2010/07/08 01:34)
[12] 第十二話   王の裁き[タマネギ](2010/07/08 22:37)
[13] 第十三話  名も無き丘で[タマネギ](2010/07/08 23:10)
[14] 第二部 第一話   使い魔  (一部修正[タマネギ](2010/07/27 15:53)
[15] 第二部 第二話   日常   (旧タイトル 新撰組 大幅に修正しました[タマネギ](2010/07/26 18:58)
[16] 外伝  異世界の事変[タマネギ](2010/07/10 12:48)
[17] 第二部 第三話   王。再び[タマネギ](2010/07/21 21:30)
[18] 第二部 第四話   魔法学院[タマネギ](2010/07/21 20:52)
[19] 第二部 第五話   休養[タマネギ](2010/07/21 20:52)
[20] 第二部 第六話   戦場[タマネギ](2010/07/24 08:50)
[21] 第三部 第一話  光の国[タマネギ](2010/07/26 20:06)
[22] 第三部 第二話  北花壇騎士[タマネギ](2010/08/01 23:10)
[23] 第三部 第三話  吸血鬼[タマネギ](2010/08/02 01:18)
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[19454] 第六話   魔法と印
Name: タマネギ◆f923a62f ID:60f18e82 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/07 23:52








第六話     魔法と印









「先生!よろしくお願いします!」

透き通る様な青い空。天気は快晴。
本日は虚無の曜日。すなわち休日。

「あぁ。それはいい。良いのだが・・・」

プチ・トロワの庭に呼び出されたカステルモールは、元気良く挨拶をした和磨から視線を僅かに横に移す。

「ん・・・まぁ、私の事はあまり気にするな。コイツの主として、付き添っているだけだ」

腕を組みながらそっぽを向く蒼髪の姫君。
その姫君を見て苦笑している和磨。

その二人を見て、カステルモールは本日呼び出された本当の目的を、推察した。








それは突然。昨晩のカステルモール宅の夕食の席の出来事。

「む?今なんと言ったのかな?」

「俺に魔法を教えて下さい」

一言一句。先程と同じ言葉を述べながら頭を下げる和磨。
聞き返したのは言葉を聞き逃したからでは無く、予想外の事だったから。

「魔法・・・か。今のは、君が、私に教えてほしい。という意味なのだね?」

「えぇ。実は先日、魔法を見せてもらいまして。で、それで!ですね!俺も是非。是非に使ってみたいと思った次第でして!!」

「ふむ。しかし・・・君は」

「杖ならホラ!コレ!My木刀《コテツ》と契約しました!後は優秀な教師が居ればですねっ!」

「いや、だが」

「えぇ。分かってます。先生の仰りたい事は。魔法はメイジしか使えない。そして、自分は異世界から来た人間であり、当然のようにメイジの血は流れていない。ですが!ですが!!物事は何事もやってみなければわからない訳でして!」

カステルモールが反論する隙を与えず、和磨はここぞとばかりにまくしたてる。

「もちろん、使えないかもしれません。というか、その可能性の方が遥かに高いでしょう。ですが、俺の世界の偉い人は言ったのです。曰く『失敗は成功の母』と。人は失敗から学ぶ生き物なのです!例え失敗しても、それを基にして次を目指せばいいのです!先生にご迷惑がかかるのは重々承知していますが、それでも、自分には今他に頼れる人が居ない訳で。どうか!この通りお願いします!!」

再び勢い良く頭を下げる和磨。
和磨の熱意は凄まじかった。
言っている事も、特に間違った事は言っていない気がする。

白いカラスが居ない事を証明できないように、和磨が魔法を使えないとも断言できない。
それを証明するには、実際に異世界人。地球人全てに杖を持たせ、魔法を教えてみなければならないのだから。
それはさて置き。カステルモールは、頭を下げて懇願する和磨を見て、僅かばかり思考を巡らせる。

彼に魔法が使える可能性が皆無とは言わないが、あまり高くも無いだろう。できれば、無駄な事に時間を割きたく無い。だがしかし、ここで断って、他の者に相談されるのもあまりよろしくない。何より目の前の青年は今、自分を頼ってきているのだ。それは素直に喜ばしい事であり、ここで応える事により、より彼との距離を縮められる絶好の好機と言える。

傍から見たら恋する乙女の思考と大差無い様に見えるが、実際はもっとドロドロとした策謀である。
そして素早く考えを纏め

「よし。わかった。では、次の虚無の曜日に教えてあげよう」

その答えを聞き、「マジっすか!!ありがとうございますっっ!!」と大喜びしながら再び頭を下げる和磨。
そんな純粋な姿を見せられ、思わず苦笑するカステルモールであった。








ただし







この時








下げた顔に









ニヤリと、不敵な笑みが浮かんでいた事に









カステルモールは生涯気が付かなかった。








その笑みは、某新世界の神のそれに似ていたとか、いないとか。













「それでは、まずは基本的な事から説明する。魔法とは精神力とイメージだ。まず精神を集中する事から――――――――――」

カステルモールの座学を聞きながら、和磨は昨日の事を思い出していた。







「という訳で、練習に付き合え」

「何が「という訳」なのか全く理解できないんだが、まぁ約束したしな。いいよ」

和磨はいつもの様に呼び出され、侍女達を下がらせたイザベラの部屋。
呼び出して突然。主語も何も無い命令に、素直に従う和磨を見て、何かとても不思議な物でも見たという様な表情でこちらを見つめてくる蒼髪の少女。

「何だよ、その顔は?」

「いや、だって・・・あんまりにも素直に頷いたものだからさ」

「はぁ~。お前、普段俺をどう見てた訳?」

「王女である私を敬わず、平気で命令を無視し、その上不敬極まりない暴言を吐く無礼な平民」

「・・・・・・・・・よく打ち首にされないよな。俺」

「寛大なご主人様に感謝する事だね」

「あぁ。そーですね」

全て事実であるが故に、全く反論できないので、仕方なしに。面倒くさそうに返事を返す事で、少しでも抵抗しようとする和磨。
そんな和磨を、先程までの意地の悪そうな笑みから、少しだけ慈愛の篭った笑みで見やった後、イザベラはさっさと本題に入ろうと、口を開く。

「それで、あっさり承諾してたけど、何の練習か分かってるのかい?」

「魔法だろ?つか、他って言われても無理だぞ?いや、だからって魔法の練習で俺に何が出来るのかって言われると困るんだけどな」

「分かってるなら良いんだけど・・・その、本当に良いのか?」

「ん?まぁ、約束したし。約束ってーのは、守る物だ。コレ社会の常識」

さも「それが当然だ」と言ってのける和磨を見て、その妙な所での生真面目さがおかしくて、口元を手で押さえてクスクスと笑い出したイザベラを、「何かおかしな事言った?」といった表情で和磨が見る。

「いや、いやいや。何でも無い。気にするな。お前はそのままでいい。そんなお前が私は好きだ」

言った後で自分が口走った言葉の意味を理解し、顔を真っ赤にして慌てて訂正。

「ち、違うぞ!今のは違うからなっ!そういう意味じゃなくて、その!あれだ!好ましいというか、好意に値するというか、そういう意味であって!ともかく、違うからなっ!」

全部意味は同じだと、突っ込む者は此処には居ない。
そして言われた和磨も、特に気にした様子も無く、平然と会話を続ける。

「そーかい。ま、それはどうでも良いとして、練習手伝えって、結局俺は何すればいいのさ?」

こうも平然と流されると腹が立つ。かといってここでまた蒸し返せば墓穴を彫りかねない。だがこのまま黙っているのも――――――

「おーい、聞いてますか?」

「う、うるさい!聞いてるよ!いいから、とりあえずそこの椅子に座れ!」

自身の葛藤を悟られまいと、怒鳴り声をあげ、強引に和磨を座らせ、咳払い。

「ゴホン。とりあえず、復讐・・・じゃなかった。復習だ。魔法について。私自身が再確認するのと同時に、カズマにも、具体的に魔法がどんな原理かを覚えてもらう。それで、不自然と思ったらそこを指摘してくれ。もっとも、実演は無しの理論のみだけどね」

「なるほど。了解。丁度俺も、それは知りたいと思ってたんだ」

その後、しばらくガリア第一王女御自らの魔法講義という、なんとも名誉な行為を享受する和磨は、所々質問を繰り返し、細部まで理解しようと努めた。




「ふむ。だいたい判った。んで、今の理屈からすると、リザは魔法が使えるはずだよな?なにせ、王家の血が流れてる訳だし。使えない方がおかしい」

「・・・そうだね。改めて考えると、ね・・・どうして出来ないんだろう」

「ふむ。とりあえず俺が思いつく限りだと、原因はイメージじゃないかな?」

「イメージ?」

「そ。さっきリザも言ってたじゃん。魔法は精神力でイメージを具現化するって。要するに気合で思い通りにするって事だろ?気合が足りてて出来ないなら、思いが弱いか、はっきりしないって事なんじゃないかな~と」

それを聞いて、顎に片手を当てて考える。

「んで、だ。とりあえず、一から新たに習うってのはどうだ?初心に帰る事も大切だと思うんだが」

それを聞いて、今度は不満を全く隠そうとしない声で「ぇ~」だの「でも~」だのとブツブツ文句を言いだした。

「まぁ、他に何か案があるなら良いけど、無いならとりあえず試してみたらどうよ?」

苦笑しながら、なだめる様に言われて、イザベラは「ん~~~」と腕を組みながら、難しい顔で黙り込んでしまった。

しばし時が過ぎ

「・・・・・・・・・百歩譲って、一から習い直すのは良い。良いし、私が命令すれば講師も来るだろうさ。だけど・・・」

ただでさえ、色々と陰口を言われているのである。
これ以上、何か言われるのが嫌だという思い。
これらは、和磨も判ってる事だろう。
それでも、それが良いのでは無いかと、自分も頭では理解している。
だがもう一つ。
これだけは、絶対に理解していないであろう思い。
絶対に知られてはならない思いがあるのだ。
それらを考えうんうんと頭を悩ませるイザベラ。
そんな姿を見て、ふと、和磨が閃いた。

「あぁ。んじゃさ、俺が習うか」

「へ?」

何故、自分の魔法について話し合っているのに、和磨が魔法を習うという話に――――――――――

「んで、お前は俺のご主人様。俺はお前の使い魔だよな?」

「そ、そうだけど?」

「うん。そして使い魔とご主人様は一心同体なんだよな?」

「あ、あぁ」

「なら、使い魔の魔法の練習に、ご主人様が同席してもなんら不思議は無い訳だ」

!!

正に天啓である。
イザベラが頭を悩ませていた全ての問題が、一気に解決した。

それからは、話が早かった。
二人の関係を知っている人物で、かつ、魔法を人に教える程の腕があり、さらに、平民であり異世界人である和磨の頼みを聞いてくれる人物。
そんなお人良し。もとい。善人はガリア広しと言えどただ一人。







「―――――――――という訳だ。理解したかね?」

一通り魔法に関する講義を終えたカステルモールは、生徒―――――正確には生徒達―――――に視線を送る。

「はい。凡そは」

答えた和磨だが、すでに昨日イザベラに聞いていた事が殆どで、カステルモールの講義で聞くべき事は特に無かった。
その事実に、和磨は自分の考えが正しかったと、改めて思う。
理論は完璧なのだ。
昨日聞いたイザベラの講義と、今聞いたカステルモールの講義。どちらかと言えば前者の方がより細かく、より判り易かった。
ならば、何が足りないのか。
その何かがイメージとやらなのではと。

「ふむ。では、まず私が実演して見せよう。コモンマジック。基礎の基礎だ。『レビテーション』」

言いながら、カステルモールは杖を振り下ろす。
すると、ふわり。と、目の前に置かれていたバケツが、1メイル程宙に浮き上がった。

「お~・・・何度見てもすばらしい!」

相も変わらず、基礎中の基礎程度の魔法で大喜びする和磨を見て、苦笑するイザベラ。
同時に、カステルモールも苦笑しながら、和磨に「では、次は君がやってみたまえ」と命じる。

「了解。ではっ!」

気合を入れ、コテツ《杖》を正眼に構える。
一応、今回の魔法講義は名目上自分が受ける事にして、イザベラに一から魔法を習わせる事が目的である。で、あるが、昨夜和磨がカステルモールに言った台詞に、嘘偽りは一切無かった。何故なら、和磨自身。あわよくば魔法を使ってみたいと思ったのだから。
だから、カステルモールの講義も一言一句聞き逃さぬよう真面目に聞いた。
そして今も。

ひゅうと、息を吸い込むと同時に目を閉じ、精神を集中。
一瞬で成したその姿に、イザベラはおろか、カステルモールですら息を呑む。

集中。

素人のイザベラですら一目で判別出来る程、和磨は集中していた。
恐らく今、和磨の天敵と言える侍従長に声をかけられても、その声は耳に入らないだろう。
そう思わせる程、それは自然で、洗練されていた。

やがて、目を瞑ったまま木刀を振り上げ

そして、カっと目を見開き

「レビテーション!!」

気合を込めて、風を切る音と共に振り下ろされた。









結果










「ふむ」

「「・・・・・・・・・」」

木刀が振り下ろされた先。
置いてあったバケツは








微動だにしなかった。




「まぁ、そんな所だろう。とりあえず、出来るまで続けてみたまえ。なに、初めてはそんな物だ。いきなり成功する者は多くない。何事も」

そこまで言って、カステルモールは言葉を切った。
既に、和磨は二回目の詠唱準備に入っていたから。

やがて、先程と同じ動作を繰り返し

「レビテーション!!」

しかし、置かれたバケツはやはり。微動だにせず。

「イメージだ。しっかりと、バケツが宙に浮かび上がるイメージを持て。心の中にその光景を思い浮かべるのだ。そしてそれを混め」

「レビテーション!!」

三度発せられた呪文。
しかし、やはりと言うべきか、バケツは動かず。

「ふむ」

再び木刀を構えた和磨を見て、カステルモールは考える。

集中は、文句無しに出来ている。
彼の習っていたケンドーなる物は、精神を重んじると言う事らしいが、その点は実に素晴らしい。
あれ程の集中力を持つ者はどれ程居るか。
イメージ。
これは、流石に外からでは判断出来ないが、自分が一度バケツを浮かべて見せている。そこからイメージする事は、そう難しくは無いだろう。
あとは血。
これは完全に未知数。
メイジではない。ハルケギニアの人間ではない。異世界からの来訪者。彼の血に、メイジと同じように魔法を扱える要素が有るかどうか。

惜しいな。

そこまで考えてふと、かぶりを振った。

違う。目的は彼に魔法を教える事では無いのだ。あくまでもソレは手段であって、目的は彼と親密になる事。なのに何故、自分は真剣に考えていたのだろうか。それも、惜しい等と。

少し頭を冷やしてこよう。

「姫様。申し訳ありませんが、彼をよろしくお願いします。自分は少々野暮用が」

「・・・ん?あ、あぁ。そうかい。ご苦労だったね。下がっていいよ」

カステルモールは、自分の考えを纏める事にかかりきりで、イザベラの少々不振な態度に気づかない。

そのままカステルモールが下がったのを見届けて、和磨に近づく。

「レビテーション!!」

何度目か。
木刀が風を切る音は響くが、バケツは一ミリたりとも動いていない。

「ふぅ・・・こりゃ、難しいなぁ」

さすがに少し疲れたのか、額の汗を拭いながら和磨はポツリと呟く。

「そりゃまぁ、そう簡単に使えたら苦労しないさ」

「だなぁ~。ん、あれ?先生は?」

「野暮用だとさ。しばらくしたら戻るそうだ」

「そっか。さて、続き続き」

言いながら、再び構える和磨を呼び止める。

「おい、目的忘れて無いか?」

「ん?目的・・・?俺が魔法を習う事だろ?」

「・・・・・・本気で言ってるのかい?」

「いやいや、冗談。冗談ですよ姫殿下。まぁ、とは言ってもさ。結局、先生も初心者の俺にアレしか言ってないって事は、本当にアレがレビテーションの全てなんだろうなぁ。もっとこう、具体的な指示があると思ってたんだけど・・・リザの時はどうだったのさ?覚えてる?」

「あぁ。殆ど一緒だったね。と言う事は」

「あぁ。さっき言われた通りにやってりゃ、いつか出来るようになる。って事なんだろうなぁ・・・なんだかなぁ~。ずいぶんアバウトだ」

「「はぁ~~~」」

二人して肩を落とし、重い溜息を吐いた。
期待していた分だけ、落胆も大きい。

「まぁ、とりあえず。リザもやってみろよ。改めて、言われた通りにさ」

「そうだね。やってみるかね」

新たにもう一個バケツを引っ張り出して来て、そして、二人してひたすらレビテーションを唱える。

するとどうだろうか。

「・・・苦手って言ってた割に、一発でできてね?」

「あ~、そうだね。うん」

イザベラの魔法が成功。
ふわふわ。と、イザベラが魔法をかけたバケツが15サント程宙に浮いていた。

「もしかして、コツ掴んだ?」

「いや・・・多分違う。感情が高ぶってるからじゃないかね」

確か、感情が高ぶると魔法の威力や効果も上がるとかなんとか

「って、何故に?」

「いや、まぁ・・・ともかく、もう一度やってみる!」

無理やり誤魔化しながら、一度術を解き、もう一度唱える。
すると、今度は失敗したようで、バケツは地に着いたまま。

「よーわからんけど、ムラが有るって事?」

そんな和磨のコメントを無視し、合計10回魔法を唱える。
結果、半分の五回が成功で、五回が失敗。
とは言え、これはイザベラにしてみたら大進歩であった。
今までは十回に一回成功すれば良い方だったのが、いきなり五割の成功率である。
いくら基礎の基礎とは言え、やはり嬉しいものだ。

感情が高ぶっている。
先程口を滑らせた言葉が、脳内で蘇る。
そして、横目でその原因の様子を伺う。
すると、イザベラの魔法成功に触発されたのか、再び和磨も気合の入った声と共に、木刀を振り回していた。

きっかけは、昨日あの後、和磨に言われた一言。
でもそれは、特別な言葉では無く、恐らく、和磨にしても、しばらくしてから「もう一度同じ事を言え」と言われれば、「俺何か言ったのか?」と答えてしまうほど、本人も意図しなかった言葉。
だけどその一言は、彼女の胸にしっかりと残った。そして、その言葉の意味について一晩じっくり考えてみた。
するとどうだろうか。今まで狭かった視界が、急に広がった気がした。考えれば考える程、それが錯覚では無いと思い知らされた。
その日、興奮で夜遅くまで寝付けなかったので、実は今も少し眠い。
だが、多少の眠気など吹き飛ばしてしまう程、今自分の感情が高ぶっている。
そういえば、魔法を使ってて楽しいと思ったのは初めてではないだろうか?

そんな事を少し考えながら、ふふと。小さく笑いながら、木刀を振り続ける和磨を見ていた。





「はぁっ!ふぅっ・・・くっそ~。ダメだな~」

あれからどれだけ時間が経ったか。何回呪文を唱えたか。一々数えていないが、軽く三桁は行っているはずだ。それでも未だ、バケツはピクリとも動かず。
流石に疲れたのか、肩で息をしながら、親の敵のようにバケツを睨みつける。

「他のやり方を試してみたらどうだい?」

見かねて、イザベラが一言。
本来彼女の為に和磨が魔法を習うはずだたのが、今や和磨自身がなんとか使えるようになろうと必死になって努力しているという。いつの間にか目的が入れ替わっているだが、二人ともそんな些細な事はどうでもよさそうだ。

「他。他か~・・・集中の仕方?杖《木刀》の振り方?後は・・・イメージの仕方・・・か」

イメージ。
単にバケツが浮く光景をイメージしていた和磨だが、ここでふと、考え方を変えてみる事にした。
ただ単に浮かぶのではなく、どのようにして浮かばせるか。上から引っ張るか、下から押し上げるか。あるいは

「浮力だ。浮力を与えるイメージ。俺が、バケツを。浮かせる」

ブツブツつ呟きながら、再び集中。正眼に構え

「浮かべ!!」

言葉には、力が宿ると言う。言霊。
それを証明する様に、和磨の気合の篭った一言に反応し、ふわり。
バケツが宙に浮かび上がった。

「うっっっっっっっっっっっしゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!出来たっ!出来た出来た出来た出来た出来たああああぁぁぁ!!」

自身も浮かび上がってしまうのではと、錯覚する程浮かれ、飛び上がり、喜びの余り不思議な踊りを踊る和磨。

そんな和磨を見て、あんぐりと口を開け、呆然とするイザベラ。
当然だろう。まさか本当に使えるとは思わなかった。まさに驚天動地。あまりの出来事に言葉が出ない。
そんなイザベラに、満面の笑顔で和磨が。凄まじい勢いで近づき、肩を掴み激しく揺する。

「なぁ、なぁなぁなぁ!見たよな?見たよな今の!!俺魔法使えたよ!なぁ、今俺、使ったよな!?」

「あ、あぁ。使った。確かに見た。見たから離せ!頭が、揺らすな!おい、こら!」

「ああ!だよな!やっぱ使えたんだっ!どうだ!見たか!気合と根性があれば、出来ない事はあんまりないっ!!」

「わかった。いいから、離せ!目が、目があああぁぁぁ~~~」

肩をつかまれガクガクと揺すられ、目が回る。それでも、彼女の顔も笑っていた事に気づく者はこの場に居なかった。和磨は興奮の余り頭がどうにかなっていて、イザベラ自身は、自分の今の顔など鏡を見なければわからないのだから。




そのまま二人、カステルモールが戻ってきて止めるまで不思議な踊りを踊っていたとか。


しかし、だからこそこの時気がつかなかった。
和磨が言ったのは「浮かべ」。
「レビテーション」では無い。
なのに、バケツは浮いた。
だから、気づかなかった。






少しして戻ってきたカステルモールは二人(和磨)を落ち着かせ(強制的に)、事情を聞きだした所で驚嘆した。
最初は何かの勘違いかと本気で思ったが、目の前で見せられては疑いようが無い。
あまりの驚きで、カステルモールですら気がつかなかった。
和磨が唱えた呪文はやはり「浮かべ」。
「レビテーション」では無く。

それはともかく

「ふ~む・・・本当に使えるようになるとは・・・正直、私は君が魔法が使えると思っていなかったのだが」

「でしょうね~。いや~、俺自身ビックリですよ。確かに可能性は無きにしも非ずでしたけど、それでもやっぱ、無理かと半ば諦めてましたからね~」

「ホントにね。世の中不思議なもんだね」

三者三様にコメントした後、ゴホンと、カステルモールが咳払いをしてから

「ふむ。それで、どうするかね?改めて、魔法を習ってみるかね?」

「もちろん!是非、お願いします!!」

当初の目的などスッカリ忘れ、本気の本気で頭を下げる和磨。
そんな和磨を見て、うむ。と頷き、カステルモールは指導を続ける。

「では次だ。今度のは少し難しいが、メイジなら大抵使える。「フライ」」

魔法を唱えると、ふわり。
今度は、カステルモール本人が宙に浮き、そのまま周囲をぐるっと一回りして、元の位置に着地。

「さて、ではやってみたま」

「なんじゃそりゃあああぁぁぁ!?浮いた!?本人が!?人が!?空飛んだ!?マジっすか!ライト兄弟真っ青の芸当を、何サラっとやってくれちゃってるのアンタ!?しかもコレ初歩って、どんだけレベル高いんですか!?」

カステルモールの言葉を遮り、一気にまくし立てる和磨。

「お、落ち着け。とにかく、やってみなさい」

「いいの?飛ぶよ!?飛んじゃいますよ!?こう、プーンじゃなくて。鳥人間コンテスト優勝間違いなしってくらい飛んじゃいますよ!?」

「落ち着けこのバカ!」

「落ち着け?落ち着けだと?俺は落ち着いてる。ただ、あまりの出来事に冷静に対処できてないだけだ!!」

「それは落ち着いてないだろっ!!」

「安心しろ。君ももうすぐ歴史が動くその時を目撃できる。そう。人類史上初めて、人が人の力のみで空を飛ぶ歴史的瞬間をなっっっ!!」

ふははははと笑いながら、もはや何を口走っているか、本人も理解していないであろう事を次々とまくし立てながらも、和磨は再び木刀を請願に構える。
すると、今までのイカレ具合が嘘のようにピタっと黙り、再び集中。

そして

「フライ!」

何も起こらなかった。

そのまま和磨は、この世に絶望したかのごとく崩れ落ちた。

「クソっ!ダメなのか!?何故だ!!ブルータス、お前もかっ!?」

「いいから、本当に少し落ち着け!」

スパコーンと。

何時の間に取り出したのか、和磨が持参した木刀。それが入っていた竹刀袋に一緒に入ってた竹刀で、蒼の姫君が、和磨の後頭部を思い切りひっぱたいた。




「ふう・・・先程も言ったが、イメージだ。いいかね?しっかりと、空を飛ぶ光景を心に思い浮かべるのだ」

「はい・・・」

イザベラに竹刀でシバキ倒され、落ち着きを取り戻した和磨は、再び構えて集中。
そこでふと、思いついた。

「なぁリザ。俺にレビテーション使ってくんね?」

「ん?いきなり何でさ?」

「いや、浮かぶ感覚ってのがどうにも、こうイメージし辛くてさ。だから実際浮いてみようかと」

「ふ~ん。ま、良いけど。ほい。レビテーション」

軽く杖を振ると、そのままふわりと。和磨が宙に浮いた。
それを「お、おぉ~」とか「ふむふむ」とかしきりに頷きながら空中で手足を動かす。

その様子を見て、カステルモールは先程と同様に驚いた。
イザベラが一緒に居る時点で、本日の講義は、和磨の為と銘打った姫の魔法の練習だと読んだのだが、本当に上達していたからだ。
聞くところによれば、姫の魔法の成功率は非常に悪く、レビテーションですら十回に一回成功すれば良い方だとか。
それは誇張なのかもしれないが、少なくとも今の一回は成功して当然と言った様子だった。初心に帰り、一から学び直した事で、何かコツでも掴んだのだろうか?

そんな事を考えていたカステルモールだが、それは間違いである。
別にコツを掴んだ訳では無く、ただ今日は感情が高ぶっていて調子が良く、成功率も五割程。それに、一度や二度失敗した所で、和磨は文句一つ言わないと判っていたので、イザベラも何の気負い無しに使って、たまたま一回目で成功しただけの事だった。

そんなこんなで、和磨は再び地に足を着け、目を閉じて構える。
イメージは十分。後は

「熱意と、思いと・・・気合っ!」

先程以上の集中。
ゴクリと、誰かが唾を飲んだ所で、和磨が言い放つ。

「I can Fly!!」

すると

ふわりと。

今度は二度目にして、和磨の体が宙に浮いた。

おぉ。と感嘆の声が二つ聞えるのを他所に、和磨は歩く程度の速さで、右へフラフラ。左へフラフラ。

「おっとと。ムズいなコレ・・・こうか?んで、こう。うん。こーやって、こうかな?」

ブツブツと呟きながら試行錯誤していると、やがて思い通りに飛べるようになってきた。

「おぉ・・・飛んでる。飛んでるよ・・・俺」

ポツリと漏らしたそんな呟きに答える様に、様子を見ていたカステルモールとイザベラが何事か言おうとした所で

「ふ、ふふふふふふふふふふはーっはっはっはっはっはっはっはははははははは!!」

今まで、地上一メイル程の位置をフワフワと漂っていた和磨は、いきなり哄笑しながら、一気に高度を上げ、地上十数メイルまで急上昇。

「ふははははははははは!飛んでる!飛んでるゾ!俺は今、空を、飛んでいるぞおおおぉぉぉぉぉぉ!!」

再び、妙なスイッチが入った。

「はははははは!我が世の春がキターーー!!インメルマンターン!!」

ついさっき初めて飛んだとは思えない程の素早さで、クルっと空中で一回転。

「急降下!そして急上昇!おおおう!ははははた~のし~いな~♪」

大喜びしながら空を飛び回る和磨を、地上から見上げていた二人は、揃って苦笑した。

「いや、ここまで来ると驚きを通り越して呆れますな」

「まったくだ。それにしても、そんなに嬉しい物なのかね?空を飛ぶってのは」

「さて・・・私も、初めてフライで飛んだ時の事は覚えていますが、私はむしろ、飛べた事よりも、魔法を使えた事の方が嬉しかったかと」

そこまで言って、しまったと思い、恐る恐る隣に居るイザベラの様子を伺うが、カステルモールが恐れた事は起こっておらず、相変わらず和磨を見上げるイザベラは「飛びたければ飛竜でもいいのにねぇ」等と呟いている。

自分の知っている王女は、普段ならここで癇癪の一つでも起こす物だが。

少し不振に思いながらも、カステルモールもとりあえず同意しておいた。

そんな二人の下に、目一杯空中飛行を満喫した和磨が、何かやり遂げた顔で降りてきた。
額の汗を拭う。

「ふ~。今、人類史に残る偉業を成し遂げて俺、着地。この一歩はメイジにとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩である。マル」

「何バカな事言ってるんだ。ま、今度はすぐ成功して良かったじゃないさ」

「は~。そりゃ、お前らみたいに魔法が当たり前の人間にとって、人一人飛んだくらいじゃ大した事無いんだろうけどな。でも、俺の世界では誰もが一度は夢見る事だぞ?」

「そーかい。おめでとさん」

「んな適当な・・・まったく」

そのまま二人、放って置くといつまでも、あーだこーだ言い合いが続くと踏んだカステルモールが、とりあえず一旦纏める事にした。

「まぁ、なにはともあれおめでとう。とりあえず、今日はここまでだな。一度にあまり多くを教えても逆に効率が悪い。また私の時間が空いた時に、他の魔法も教えてあげよう」

「うっす!ありがとうございましたっ!」

元気良く返事をし、頭を下げる和磨を見て、カステルモールも満足そうにうむと頷き、そのまま去ろうとするが

「所で、リザは飛べるのか?」

「いや、私は・・・その」

「そーかそーか。なら、練習だな」

「え?」

言った時には、もう遅かった。
ニヤリと、何やら企んでいそうな和磨が杖を一振り。

「浮かべ!」

そのままふわり。イザベラの体が宙に浮く。

「ちょ!?いきなり何を!?」

「言ったろ?練習。さっき竹刀で引っぱたいてくれたお礼を。ね」

目を丸くして驚くイザベラを無視し、今度再び杖を構え、集中。
今度は、カステルモールが驚きの余り、目を見開いた。

「We can Fly!!」

詠唱と同時に和磨が宙に。
そしてそのまま”和磨のレビテーションをかけられたまま”宙を漂っているイザベラの手を取る。

「さぁ、大空の旅に一名様ご案内~」

「んなっっっっ!!??」

「へ?え?わ、ちょ!きゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~」

カステルモールの、悲鳴に近い驚愕の声は、その後すぐに聞えてきた本物の悲鳴にかき消された。

「ふははははは直滑降~急上昇~んでもってスクリューダーイブ!」

「きゃああああああぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁイヤあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ降ろしてえええぇぇぇぇ!」

「まだまだ~!ジェットコースターがお遊戯に思える程の真の絶叫という物を教えてあげよう!」

「いいやああぁぁぁぁぁあああぁぁ!もっとゆっくり!もっとゆっくり~~~~!!ぶつかる!きゃあああぁぁ!ちょ~~~~~目が回るうううぅぅぅぅ~~~~」

片手で杖《木刀》を持ち、もう片方の手でイザベラの手を引き、縦横無尽に空を飛ぶ和磨。
そんな和磨を、思いっきり開口し、放心したように見上げるカステルモールは、ポツリと呟いた。

「バカな」

ありえない事では無い。
厳しい訓練が必要だが、魔法を二つ同時に使う事は、不可能では無いのだから。
だが、断じて素人がいきなりできる物では無い。
確かに、先程の講義でその事には振れなかった。あくまでも基礎を教えただけなのに、発展である魔法の同時使用の説明等不要だったのだから。
そしてイザベラも、その事は和磨に話していない。と言うか、イザベラ自身もそれについては知らなかった。一つですらマトモに使えないのに、二つ同時に使う方法云々。彼女には知る必要が無いのだから。
だが、知らなかったにも関わらず、和磨は意図も簡単にそれをやってのけた。
確かに、条件は揃っている。
条件。二つ同時に。というか、フライを使いながら他の魔法を使うには、ともかく集中力が必要だ。単体で使うのとは桁違いの。厳しい訓練を摘み、ようやく可能になるか、ならないかという凄まじい集中力が。
その点で言えば、和磨は基準をクリアしていたのだろう。そして、それが如何に困難かを知らなかったからこそ、簡単に試みて、それが成功してしまったのだろう。

「これは、他の者にも相談しなければなるまい」

それだけ言い残し、カステルモールは足早にプチ・トロワを後にする。




だからこそ気がつかなかった。
もしこの時、和磨が胸をはだけさせていたら。
もしこの時、和磨が上半身裸だったなら。
そんなありえない仮定だが、それなら、その胸に刻まれたルーンが、光り輝いていた事に気づけただろう。
そして気づいていたら。
あるいは、歴史が変わっていたかもしれない。
しかし、実際にカステルモールはその事に気づかず。
当然、本人も気づかず。
引っ張りまわされている姫君も、やはり気づかす。
結局。歴史は変わらないという事。


残されたのは、哄笑しながら飛び回る和磨と、ついに涙を流しながら悲鳴をあげるイザベラのみ。

そんな二人は、侍従長が騒ぎを聞きつけ、現場に到着するまでプチ・トロワの一画を飛び回り、侍従長に発見されてからは、今度は和磨が悲鳴をあげ、イザベラが哄笑しながら空を飛びまわった。

無表情が表情のメイドから放たれる、その正確無比な投槍の投擲から、必死に逃れる為に。
恐ろしいのは、どんなに投擲してもイザベラは必ず安全圏に居て、全てが和磨に対してのみ必殺であった侍従長の技だろうか。

それとも、一緒に宙にいるにも関わらず、今までのお返しとばかりに、罵倒しながら笑う姫君か。

「おわ!今の危ない!マジ危なかった!掠ったよクリさん!!」

「それが何か?」

「えぇい。こっちにはリザも居るんだぞ!?俺が墜ちたらリザも」

「貴方が墜ちる前に姫様のみお助けすれば良いだけの話です。それが何か?」

やはり恐ろしいのは・・・・・・・・・

「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ!!」

和磨の絶叫がプチ・トロワの空に木霊した。














という訳で、第六話でした。
魔法云々に関しては、うろ覚えで、間違ってるかもしれませんが、あまり気にしないで頂けると幸いです。
「フライ」とレビテーション」ですが、烈風の騎士姫で風系統の魔法みたいな表記があったとか、なかったとからしいのですが、この作品ではコモンマジックに設定しています。違いは、自分が飛ぶ=フライ。自分以外を対象に浮かべる=レビテ。という事にしています。

まぁ、とりあえずこの下、四番目についてネタバレです。
一応、ネタバレが嫌な人の為に少し間を置きますので、嫌いな人はお戻りください。














という訳で、四番目のルーン。
原作ではまだ明かされてないので、勝手にそれっぽい(と自分が思ったの)設定をしました。
今回の話で出てきましたが、ずばり「魔法を扱う」ルーンです。
何でコレで「記すことがはばかられる」のか?というのは、これも私の独断と偏見で勝手に設定した事ですが。
神官や王侯貴族にとって、魔法=神(始祖ブリミル)に与えられた神聖な力であり、貴族を貴族たらしめている物。平民と貴族を絶対的に隔絶する物。(ゲルマニアはこれに当てはまらず、確かゲルマニアは新しい国だったハズなので、当時は無かった)
で、そんな魔法を「使い魔」が使えるようにしてしまう。そして、虚無の使い魔は全て人(エルフも一括りに)なので、下手をすれば魔法を使えない平民が、ルーンを刻んだだけで(使い魔になっただけで)自分達と同じように魔法が使えるようになるという事実は、まさに「記す事すらはばかられる」のでは無いか。と。
ちょっと苦しい気もしますが、こんな所です。
そしてもう一つ、四番目には能力がありますが、コレはしばらく出てこない上、大した能力ではありません。
それでも、そっちも「記す事がはばかられる」物ですので、二つ合わせて「記されない」と。そんな設定です。
まぁどちらにせよ、その内本文に載せますので、その時までのお楽しみという事にしておいてください。

あ、それから。
四番目の名前はまだ未定です。というか、多分名前だけは最後まで「四番目」のままで通すかも?なので、もし希望とか提案とかありましたら、感想の部分に書いて頂けるとありがたいです。


PS.個人的に使い魔ではヴィンダールブが最高のチートだと思う。
偵察(小動物)暗殺(毒ヘビ等で寝てる所を)なんでもござれ。さらに、複数大量に使役できるなら、爆弾抱えさせて敵軍に神風。もしくは鳥に爆弾持たせて敵司令官に特攻。もしくは、小動物に病原菌を持たせて敵対勢力の拠点に送り込むだけであら不思議。とか。どこかのそういう団体が激怒しそうな行動させればほら、強くね?w
某ジュリ男「バレなければどうという事は無い(キリッ」



2010/07/07修正


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