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No.19454の一覧
[0] ゼロの使い魔 蒼の姫君 土の国物語 (オリ主[タマネギ](2010/07/26 18:23)
[1] 第一話 二人の出会い[タマネギ](2010/07/07 21:51)
[2] 第二話 魔法・・・それは、人類に残された最後のアルカディア。人はそれを求め、数多の時を(ry[タマネギ](2010/07/07 22:02)
[3] 第三話   ハルケギニア[タマネギ](2010/07/07 22:17)
[4] 第四話   就職?[タマネギ](2010/07/07 22:26)
[5] 第五話   姫君の苦悩[タマネギ](2010/07/07 23:19)
[6] 第六話   魔法と印[タマネギ](2010/07/07 23:52)
[7] 第七話   騎士見習い[タマネギ](2010/07/08 00:08)
[8] 第八話   決闘と報酬[タマネイ](2010/07/08 00:36)
[9] 第九話   王の命令[タマネギ](2010/07/08 01:07)
[10] 第十話   リュティスに吹く雪風[タマネギ](2010/07/08 01:18)
[11] 第十一話   姫君の意思[タマネギ](2010/07/08 01:34)
[12] 第十二話   王の裁き[タマネギ](2010/07/08 22:37)
[13] 第十三話  名も無き丘で[タマネギ](2010/07/08 23:10)
[14] 第二部 第一話   使い魔  (一部修正[タマネギ](2010/07/27 15:53)
[15] 第二部 第二話   日常   (旧タイトル 新撰組 大幅に修正しました[タマネギ](2010/07/26 18:58)
[16] 外伝  異世界の事変[タマネギ](2010/07/10 12:48)
[17] 第二部 第三話   王。再び[タマネギ](2010/07/21 21:30)
[18] 第二部 第四話   魔法学院[タマネギ](2010/07/21 20:52)
[19] 第二部 第五話   休養[タマネギ](2010/07/21 20:52)
[20] 第二部 第六話   戦場[タマネギ](2010/07/24 08:50)
[21] 第三部 第一話  光の国[タマネギ](2010/07/26 20:06)
[22] 第三部 第二話  北花壇騎士[タマネギ](2010/08/01 23:10)
[23] 第三部 第三話  吸血鬼[タマネギ](2010/08/02 01:18)
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[19454] 第二部 第四話   魔法学院
Name: タマネギ◆52fbf740 ID:60f18e82 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/21 20:52








第二部 第四話   魔法学院











ガリア王国。首都リュティス。
ここには、貴族の子供達が通う学校がいくつかある。
貴族の子女に作法を教える女学校。軍の仕官を養成するための兵学校など、様々に。
そんな中リュティス魔法学院は他の有相無相とは一線を画す。
そこは長い歴史、伝統。格式を誇る、名門中の名門と言って良い学び舎。
交差した二本の杖、上空から見れば、×の字に。十字型の広大な校舎が見えるだろう。リュティスのほぼ中央にあるこの学院は、まさに、に大国ガリア一の学び舎に相応しい。

そんな学院の入り口で、ポカンと口を開け呆ける和磨。
これは、正直予想以上であった。なんと言うか、こう、在るだけで圧倒される様な物がここに、この光景にあるのだ。格式と歴史を形にしたと、そう表現すべきだろうか?

「これが・・・」

思わず呟いた言葉は、既に中に向かっている姫君には届かず。

「ほら、何やってるんだ!置いてくよ!」

「あ、わり!」

慌てて、彼女の後に。





校長、いや、学院長。
案内の兵士に連れられてやってきたそこは、歴史を感じさせる学院長室。
大きさは元の世界の学校の校長室と同じくらいだが、内装の力の入れようが違う。プチ・トロワで多少良い品を目にするようになったとは言え、そう言った物には素人の和磨ですら、それらがガラクタで無い事を一目で判別できるほどに素晴らしい品々。細部に到るまでしっかりと作りこまれた部屋。

衛兵が退室すると、長い髭を弄りながら、学院長が席を立ち。

「ようこそ。我がリュティス魔法学院へ」

ふぉっふぉ

ニコニコと笑う。

「姫・・・いや、失礼。ミス・エリザベータ。それとミスタ・ダテ。で、良いのだね?」

イザベラの隣に控えていた和磨が

「はい。学院長。彼女はエリザベータ。ここでは”そう”言う事です」

「うむうむ。まぁ、事情により偽名を名乗る者は他にも居るのでな。”それ”で結構。しかし、君はどうするのかな?」

「近衛。ガリア花壇騎士である事を、隠すつもりはありませんが。自ら吹聴して回る事も無いかと」

老人は、何か納得した様子で、うんうんと。二・三度肯きながら

「了解した。ではカズマ・シュヴァリエ・ド・ダテと、そう名乗りたまえ。下手に隠すよりは、素直に騎士であると名乗った方が余計な詮索をする者も減るじゃろうて」

わかりましたと、返事をする二人を見て、またうなずき、今度は案内の教師を呼び、彼に連れられ退室するのを見送ってから。
老人は窓際に立ち、パイプを一息。空を見上げながら呟いた。

「さて、どうなる事やら・・・そう言えば、オスマンの所にも一人・・・やれやれ。面倒は起さないでくだされよ。姫殿下」

彼の願いは果たして・・・・・・






所変わって。
二人が連れられて来たのは教室。
教室と言っても、大学の講義室の様な部屋。黒板があり、その前に教卓。それを囲むようにグルリ、扇形に座席が並び、奥に行けば行くほど段差が高くなり、一番後ろからもしっかりと教卓が見えるようになっている。

そしてそこに座る者達こそ、選ばれた者達。そう言っても良い面々。何せここに居る貴族の子息達は皆、国内外問わず、裕福で、力の在る貴族達の長男長女。または次男次女。誰も彼も家柄、財力共に文句なしである。

そんな、言わばエリートとでも言うのか、彼ら彼女らの視線は今、教師に連れられやって来た二人の転入生に釘付けになっていた。

「カズマ。カズマ・シュヴァリエ・ド・ダテです。皆さん、よろしく」

言いながら、黒髪の剣士が頭を下げる。
いつもの剣道着では無く、普通の学生と同じようなシャツとズボン。目を引くのは珍しい黒い髪と、腰に特注の剣帯に差されている反りの在る一風変わった二本の剣。片方が木製なのは遠目にもよく判るだろう。
そして、騎士の証であるマント。

そんな和磨にももちろん視線は集まるのだが、ここに居る子供達の視線はむしろ和磨にではなく、その隣に居る

「エリザベータだ。よろしく」

こちらは頭を下げず、逆に少し胸を反らす。
蒼い髪を後ろで一括りにする少女。その蒼も、十二分に視線を引き付ける要因ではあるのだが、それよりも。彼女の服装の方が目を引いているのだと、そんな気がする。
彼女は今、所謂セーラー服。
上に水兵が着る様なデザインの服。下はスカート。
これは実は和磨の所為。
だが誤解の無い様に言うと仕業では無く、あくまでも原因である。




遡る事三日前。
王の許可を経て、和磨は一人。いよいよを持って通学の準備をしている所、部屋の扉を叩く音。
どうぞーと、適当に入室を許可すると

「どうだ、コレ?前お前が言ってた服って、こんな感じで良いんだよな?」

ドタバタと。主である姫君が部屋に突入して来たのを音だけで確認し、振り返る

「・・・・・・・・・・・・」

正直、何を言えば良いのかが分からない。これはそんな顔。

「ん?どうした?コレ、どこかおかしいか?」

いや・・・おかしいとかおかしくないとか、それはどうでも良い。何故ソレを着ているのかと。

「どうなのですか?コレは貴方の言っていた服装でしょう?しっかりと評価なさい。似合うのか、似合わないのか」

いつの間にそこに居たのか、背後から侍従長の声が

でも、何で似合う似合わないの話になってるんだ?おかしいか、おかしくないかでは・・・

「答えなさい」

・・・・・・逆らえばどうなるか・・・・・・背筋が凍る様な声で命令され、とりあえず、もう一度良く。いや、別に良く見る必要も無いか。似合う似合わないの二択なら

「あぁ、まぁ、その、何だ。似合うんじゃないかな」

答えを聞き、笑顔で「そうか!」と。一言言うと、主はとっとと部屋を出て行ってしまった。

「良い答えです」


悪い答えをしていたら・・・やめよう、考えるの

そのまま部屋を出て行く二人を見送りながら、しかし、そこで「何でその格好を?」と、問わなかったのがそもそもの失敗。

彼女、イザベラは以前。和磨の世界の話を聞いている。
そこで学校にはセーラー服なる制服がある事も。そして、彼女の頭の中には
「学校=制服=セーラー服」と、こんな方程式が成り立ち、そのままクリスティナへ。
そして彼女の匠の技により、姫君専用に設えられたセーラー服。白地に紺色の袖口と襟。赤のリボンタイ。それに合わせて紺色のスカート。
一応言っておくが勿論、和磨は止めた。
通学日になり、早朝。馬車に乗り込む際に。しかし、彼女は何故か、意地でもその服を変えようとはせず。まさか初日に遅刻する訳にも行かないと、和磨が諦めたのだ。それに良く考えれば一応制服はあるが、服装はある程度自由で良いらしい。なら別に良いかと。
投げたとも言う。




そんな事情もあり、教室内の視線を集める二人。

ざわざわ

ざわめきが聞える中、教師に言われ、二人は空いている席に。

「よろしい。コホン。では、本日の授業を始めます」

和磨にとってどこか懐かしい宣言と共に、授業が始まる。





そうしていつのまにやら午前中の授業が終わり、今は昼休み。
他は知らないが、ここリュティス魔法学院の授業は時間が決まっていない。もちろん、制限時間はあるのだが、授業の進み具合によってはまだ時間が残っているのにも関わらず、終了となる事が多々ある。
逆に時間ギリギリまでやっても終わらずに、予定通りやって来た次の教師に、早くどけと、追い出される事もある。そう言う場合、生徒達は休み時間無しでの連続授業になりやや辛いのだが、そこは次の教師も心得た物なのか。それなりに加減をしてくれたり、また最初にどうでも良い世間話をして時間を潰してくれたりと。尤も、それでも関係無しにぶっ続けで授業を行う教師も居るが。

そんなこんなで何度か休み時間を挟みながらの授業を終え、現在。
和磨とイザベラは、他の生徒達と共に食堂で昼食をとっているのだが

「・・・・・・な~んかなぁ・・・」

「ん?んぐ・・・どうした?」

「いやぁ、まぁ。納得というかね」

釈然としない和磨の態度に「?」と。首を傾げながらも昼食を食べる姫。
和磨の態度の理由。それは、ここの生徒達の反応。
和磨は今まで転校と言う物を一度もした事が無かったが、転校生を見たことなら何度もある。そしてその際は必ず、周りから質問が飛ぶか、本人が周囲に積極的に話しかけるか、もしくは教師が簡単な自己紹介をさせるか等、ともかく。何らかの接触をしていた。
が、今回。転入して来た二人に話しかけて来る者は居らず。しかし、かと言って無視する訳でも無い。和磨から近くに居た一人に話を振った時は、ややぎこちなかったが、しっかりと答えてくれたのだから。

そして、和磨は理解した。
王族が。いや、特にガリアの王族が学校に行かない理由。
コレでは意味が無いからだ。

周囲の対応はどれも無関心とは間逆。むしろ興味津々なのだが、どう接すれば良いのか。彼ら彼女等。名門の出である者達は、その蒼の意味を良く理解している。偽名であろうと蒼は蒼。そして、現在のガリアの情勢も。だから、蒼を冠するこの少女に、どう接すれば良いのかと。
それは、例えるなら天然記念物の動物を見た時の反応、とでも言うのだろうか。檻の中では無く、教室。自分達と同じ場所にソレが在るのだから興味はある。が、下手に声をかければどうなるのか判らない、と。だから誰も近づいて来ない。
そしてその原因の一端は和磨にもある。何せ、その蒼と共に騎士の称号を持つ者まで現れたのだ。だから余計、どう接すれば良いかが彼等には判らない。

溜息。

時間が経てば慣れれば変わるのだろうか?

このような空気に慣れていない和磨は、やや疲れ気味。
対して主はと言うと、そんなに気にしてない様子。彼女としては、こんなに沢山の同年代の者達と接する機会など今まで無かったので新鮮なのだろう。
それとも、こう言った稀有な物を見るような視線には慣れているのか。

そんなこんなで昼食も終わり、午後の授業。
その前に、昼休みの間。
時間が余ったので、遠目からではあるが外国からの留学生。または地方の貴族。あるいは、事情のある貴族子弟が生活する為の学生寮や、塔《ラ・トゥール》と呼ばれる巨大な魔法研究塔など、大小さまざまな建物を散歩を兼ねて見て周る。
その際目にした警備は、流石に。内外問わず有力貴族の子息達が通うとあってか、王宮並みとは行かないがかなり厳重。
もっとも、此処にちょっかいを出す愚か者も居ないだろうが。
下手に手を出せばそれこそ、多くの有力者を敵に回すのだから。

軽い散策を終えて、再び教室へ。



そこで彼等はある意味。運命の出会いをする。



生徒達がそれぞれ席に。
しかし、二人の周囲に座ろうとする者はやはり居ない。
そんな現状に、和磨が軽く嘆息していると

「まったく!すっかり遅くなってしまったでは無いかっ!」

「本当にね~。父上も人使いが荒いよ」

午前中は見なかった顔二つ。男女二人。
ドカドカと。足を踏み鳴らしながら二人が教室へ。

そして彼らがどこも席が埋まっている中、比較的空いている和磨達の一画に目を向け

「む?見ない顔だな。転入生か?」

二人組みの内一人。女の方が話しかけてきた。

「え、あ、あぁ。今日転入してきたカズマ。カズマ・シュヴァリエ・ド・ダテだ。よろしく」

「そうか。そうかっ!よし!ならば決闘だ!!」

・・・・・・・・・・・・

何故いきなり?というか何がよしなの?この国の挨拶は決闘なの?そして何で他の皆様は「なんだまたか」とかそんな当たり前の日常みたいな雰囲気してるの?

余りに突然の出来事で現状が理解できない和磨は、しかし。
その顔はポカンと口を開け、その目は女に釘付け。
身長は170近い。ウェーブのかかった長く、美しい黄金の髪。透き通る様な白い肌。学生服の上に皮の胸当て。腰にはレイピア。だが、それが何故か不自然では無い。むしろそれが当たり前であると、そんな空気すら放つ”美しい”女性を見る和磨の態度は、傍から見ればその美しさに呆けてる様に―――――――――――――


ズダン!


突如。轟音と共に教卓の下にある和磨の足が、何者かに踏み抜かれた。
踏み抜いた何者かも、何故そんな事を?と聞かれても「何となくムシャクシャしてやった。反省はしていない」と、そう答えるだろう。

「ぃっ!!っ~~~!っ~~!っぅ!っ~~~~~~~~~!!」

声が出ない。と言うか、今声を出すと間違いなくそれは悲鳴にしかならない。
転入初日、突如教室で悲鳴をあげる転入生。騎士とか蒼とか関係なく、そんな者に近づこうとする人は自然と減るだろう。
だから必死に我慢。

上体を机に寝かせ、手を伸ばして足。足の甲を撫でる様に押さえる。

「ど、どうした?いきなり倒れて」

「それよりもほら、いきなり決闘だ~何て言うからだよ。彼はきちんと名乗ったんだから、君も名乗り返すのが礼儀だよ?」

和磨の奇行に驚く少女を、何事も無かったかのように笑顔で宥める青年。

「む?そうだったな。失礼した。私の名前はジャンヌ。ジャンヌ・ダルクだ」

「んなぁ!?」

思わず、和磨は驚きのあまり痛みも忘れて顔を上げ、もう一度彼女を。
ジャンヌ・ダルクと名乗った少女をマジマジと見つめ


ドス!


今度はわき腹を肘で強打された様な音が。

「ぐっ・・・ぶ・・・おま・・・やめ・・・」

再び机に崩れ落ちる和磨を無視し、隣に座る蒼の少女がやや胸を張り、その言に表現に困る何かを込めて。

「エリザベータだっ!」

一瞬。言い知れぬ迫力に気圧された少女は、すぐにニヤリと笑い

「うむ。私はジャンヌだ。お前も中々強そうだな。そこのカズマとやらの後は、お前とも勝負だ!」

「いいだろうっ!」

おそらく、お互い会話が噛み合っていないが、まぁ良い。

それらを無視しもう一人の青年が、和磨の隣の席へ腰を下ろす。

「やぁ、ごめんね。彼女、少し荒っぽくてね。この学院の生徒全員と、必ず一度は戦っているんだよ」

ニコニコと。
温和な笑みのまま話しかけてきた青年へと、体は突っ伏し、片手でわき腹。片手で足を押さえながら顔だけを向け。

「ちょ・・・じゃ・・・てか・・・な・・・ぜ・・・」

いまだに痛みを堪えながらの問いは、はっきりとした言葉にはならない。が、青年は気にしない。

「まぁ、それは授業中に話してあげるよ。それよりも、ボクはジル。ジル・ド・レーエ。よろしく。カズマ、でいいのかな?」

上手く喋れない和磨は、コクコクとうなずく。ちょっと涙目。
そこへ教師が入って来た。

「皆さん。席に。おや?ミスタ・レーエとミス・ダルク。ご実家の用事はもう済んだのですか?」

「えぇ。先程」

「そうですか。では、ミス・ダルク。席に。授業を始めます」

ジャンヌはイザベラの隣に。
そうこうして、四人並んで午後の授業を





ジャンヌ・ダルク。
和磨のいた世界では、その名を知らない人は少ないのではないだろうか?
オルレアンの乙女。ラ・ピュセル等と呼ばれ、彼女を題材にした多くの物語が作られている。そんな彼女を一言で表すならば「英雄」
かつてあった英仏百年戦争での英雄。今日に至るまで、様々な物語の中でも語られる程の。

だが、当然ながらこの世界では違う。
彼女の名を。その意味を知るものは居ない。

もう一人。ジル・ド・レーエと名乗った青年。
やや青みのある紺色の髪。ほっそりとした体。身長は165と言った所か。
ド・レーエ伯爵家。彼はそこの三男。
ド・レーエ伯爵家は、古くから優秀な政治家、軍人などを数多く輩出し、はるか昔。王家の血も入った事もある、名門中の名門である。
どれくらい名門か?問われて答えるのは難しいが、普通。ここリュティス魔法学院に通える、通わせてもらえるのは、長男長女次男次女まで。それを三男にも関わらず彼が此処に居ると。それでどれ程か、少し想像しやすいのではなかろうか。とは言え、ド・レーエ伯爵家は長男は魔法学院に通わず、幼い頃から社交の場や、領地経営を学び、専門の英才教育を受けているのでその分、枠というか、そんな物が一個下にずれているだけとも言えるが。

そして、ジャンヌ・ダルク。
彼女もまた、本来ここに通う資格すら持たない。何せ彼女は、領地すら無い下級貴族の娘なのだから。では何故かと
それが彼の。ド・レーエ家の。そして、ジル・ド・レーエのお陰と言える。
彼女の父とジルの父。現ド・レーエ家頭首は、昔ちょっとした縁で知り合い、そのまま意気投合。シャンヌの父は、ド・レーエ伯爵の騎士としてその剣を握る。
そしてその娘であるジャンヌもまた、伯爵の息子。三男だが、彼に仕える騎士となるべく、幼い頃から共に育った。尤も、そんな親達の思惑に関係なく、彼等は二人。同い年である事もあって、仲の良い幼馴染として過ごしてきた。そんなある日。いよいよ、ジルの魔法学院の入学が近づいた日。ジルは、父に頼み込んだ。つまり、彼女。ジャンヌも共に通わせて欲しいと。幼い頃から共に遊び、共に学んで来た彼女と、一時期とは言え分かれるのが辛かったのか。
そして、その必死の態度と言葉巧みな話術に負け、伯爵が半ば強引に彼女の入学を認めさせたのである。
実際、彼女は若干16歳にして火のトライアングルと実に優秀なメイジであった為、それになにより。ド・レーエ伯爵家の頼みとあってはと、学院側は了承した。
だが、それはあくまでも学院側。
他の貴族やその子供達は当然ながら面白くない。
かと言ってそんな彼らは、面と向かってド・レーエ家に文句を言う事は無かった。
だからその矛先がジャンヌに向いた。
まぁ、所謂イジメだの、何だの。そういう類の物。
ジルも庇おうとするが、余り効果が無く。だが、彼女は仮にも英雄の名を持つ女性。その程度でどうこうなる訳も無く。彼女は周囲に実力で自分を認めさせた。
即ち、決闘でもって。一人一人。それこそ、片っ端から決闘を仕掛け、全てに勝利して。
結果、今では彼女に対して何かする者も居なくなったと。
ちなみに、ここリュティス魔法学院では決闘は禁止されていない。下手に禁止にして不満を残すよりも、いっそ決闘でもってスッキリとさせた方が良いとの事で。無論、条件として最低一人の立会人を設け、相手を殺してはならないという物がある。殺した場合、立会人にも監督責任が発生し、罰則が下される。だから片方が死にそうになれば、立会人がこれを庇わなければならないのだ。

和磨は、授業中に隣に座るジルから、そんな話を掻い摘んで聞いた。

「ふ~ん。それで新人である俺にも決闘を仕掛けてきたって事か。でもさ、何でソレを俺に話すんだ?」

「まぁ、隠してもどうせ分かる事だしね。それに、こう言えば君も手加減とかしないんじゃないかと思って」

「いや、つか、手加減って。何かそれ、俺に全力でやって欲しいって言ってるみたいなんだけど、何で?今の話を聞く限り、お前、俺に勝ってもらったら困るんじゃないか?」

困ると言うか、和磨に全力を出せと言う意味が分からない。

「それはね、君が騎士。シュヴァリエだからだよ」

「?」

首を傾げる和磨に、苦笑気味に微笑みながらジルは続ける。

「彼女はね、騎士に憧れてる。また騎士になりたいとも思ってる。今まで決闘して勝ってきたけど、相手はたかが学生さ。どんなに名門だろうがね。そして、ボクが言うのも何だけど、彼女は学生じゃ相手にならないくらい強い。そんな彼女は、強さの代名詞と言って良い騎士に憧れ、また戦って見たいと思っているのさ。自分が本物の騎士にどれくらい通用するかを知りたいんじゃないかな」

相手に飢えている所に、和磨《カモ》が都合よく《ネギ背負って》やってきたと

「だから、全力で相手してやって欲しい。と?」

「そう言う事。君の。いや、君達の事情もある程度だけど分かってるつもりだ。でも、それを承知で頼めないかな?」

言いながら、ふと。
二人して話題の少女、少女達。ジャンヌとエリザベータへと視線を

「おい、エリザ。ここ、どうなってるんだ?コレでいいのか?」

「馬鹿。それ違う、こっちだ」

「ん、んん?あれ、こっち?」

「違う。それ逆」

「ん~・・・・・・あぁ、こうか」

「そうそう、と言うかジャンヌ。文字汚い」

「う、うるさい。私はこう言う細かい事は苦手なんだ」

二人して授業のノートを取りながらあーだこーだと。
何時の間にエリザと愛称まで呼ぶ程仲良くなったのか。

男二人はそんな姿を見て、顔を見合わせて苦笑

「何か、仲良くなってんな」

「そうだね。ジャンヌには色なんてどうでも良いんだろうねぇ」

見る限り、別に悪い人間にも見えないし。

「まぁ、命賭ける決闘じゃ無い訳だろ?」

「うん。それは勿論。それに、大抵の怪我ならボクが治すよ」

「へぇ、お前、水メイジか何か?」

「そ。これでも水のトライアングルさ」

「そりゃまた。若いのに大した物だねぇ」

「君は?」

「俺?風のドットでござい」

「ドットで騎士ってのも、凄いんじゃない?」

「色々と事情がありましてねぇ」

結局。二人は授業そっちのけで、そんな感じ。
だらだらと。何だかんだで、こちらも仲良くなった様である。
和磨としても、同姓、同年代の者が周囲に居なかったので、こういった会話が久しぶりで楽しいのだろう。
イザベラも同じく。
色々面倒もありそうだがそれでも、やはり学校に来て良かったと。そう思い始めている和磨だった。





そのまま午後の授業を聞き流し、この日の授業は全て終了。
尤も、午後は一つしか授業が無いが。
そして先程決闘を挑まれた和磨はイザベラと共に、ジルとジャンヌに連れられ、広場、ムスペルの広場と呼ばれる大広場へと。

「・・・なんとまぁ、随分とギャラリーが集まってるなぁ・・・」

何時の間にやら二人の決闘の話が知れ渡っていたようで、広場を囲むようにして・・・五十人以上は確実。百を超えるのでは?それ程の観衆が集まっていた。

「まぁ、恒例行事みたいな物になってるからね」

ジルのそんな説明をふ~んと。聞いている内に、既にジャンヌが広場の中央へ。

そこで、腰のレイピアを勢い良く抜き放ち

「さぁ、カズマ!決闘だ!!」

こちらに切っ先を向け、高らかに宣言。

それを受け、和磨も。刀を鞘ごと剣帯から外し、イザベラへと手渡す。

「リザ。コレ、持っててくれ」

「ん」

そのまま受け取ろうとした所

「カズマ。どう言う事かな?」

ニコニコと。
ジルは相変わらずの笑顔なのだが、笑っていない顔で、二人の間を遮った。

「どうって?」

「ボクはさっき君に言ったよね?本気でやって欲しいと。それなのに、真剣じゃなくて、まさかその木剣でやろうって言うのかい?」

それは彼女を侮っているのか?もしそうなら許さない。そんな感情を感じさせる。
だが、ジルの問いに答えたのは和磨では無く

「大丈夫。カズマはちゃんと本気だよ。だから、その木刀でやるのさ。な?」

ジルを押しのけ、刀を受け取り両の腕でしっかりと抱きしめる。

「あぁ。勿論。本気だよ」

少しの間。お互いが目を見てジっと

「・・・ふ~ん。まぁ、言葉でなく行動で示してもらうよ」

納得してくれたのか、ジルが引き、いや。そのまま前に出て、中央へ。
そこで自身が立会人になると宣言した。
周囲も、それはもう見慣れた光景なので、それぞれ好き勝手に囃し立てている。

「じゃ、やってくるわ」

「あぁ。負けるなよ」

了解

こちらも軽く挨拶を交わし、中央へ。
カズマとジャンヌ。それぞれ広場の中央で向かい合う。
互いの距離は15メイルと言った所。
そこで、ジャンヌは再び。高らかに

「改めて。私はジャンヌ・ダルク!二つ名は烈火!烈火のジャンヌ!」

宣言し、レイピアを構える。
その姿はまさに。
違う世界とはいえ、英雄の名を冠するに相応しい。威風堂々。
激情を宿した瞳が和磨を貫く。

だからこそ。その圧倒されるような気迫が、声と共に和磨へと伝わり


あぁ・・・・・・懐かしいな。この感覚


最後にこの感覚を感じたのはいつだったか?こっちに呼ばれ、最初に先生と戦った時。いや、その後にグレゴワールと戦った時か。だけど、あの時とはまた別。今回のコレは・・・・・・そう、もう一年以上前になるか。剣道の大会に出た時だ。
殺し合いだのなんだの、そんなくだらない事を一切考えていなかったあの時。
純粋に勝負を。勝ち負けを競うこの高揚感。

最近いろいろと考えてしまう事が、今はどうでも良く感じる。
言い知れぬ感覚が身を包む。

久しぶりに、胸が高鳴る。
これだけでもう。来て良かったと。心からそう思えた。

我知らず、唇の端を吊り上げ

「俺は。俺は和磨。カズマ・シュヴァリエ・ド・ダテ。二つ名は――――――」


通常
メイジの二つ名はその系統にちなんで付けられるか、自身で名乗るかの二つ。
和磨の場合は風なので「~風」だの「風~」だの。もしくは、本人の身体的特徴等。
しかし彼の場合は、誰が最初に呼んだのか。街の住人か。プチ・トロワの者達か。はたまた別か。
本人とは全く関係の無い二つ名。
姫君はその名前に不満があるのか、しきりに訂正させようとしてくるが、和磨達主従はそれをかなり気に入っているので、もう定着していた。
何せこれ以上ないくらいに和磨と、その使い魔を表す名前なのだから。
共に任務をこなし、共に戦場を駆け、互いに信頼し合う二人。
元々相性も悪くなかったので、今ではすっかり気の置けない仲である。だからこそ、気に入っている。和磨自身には欠片当てはまらない。ただ、ガルムを連れているだけという、それだけで付いた二つ名。


「二つ名は、銀狼。銀狼のカズマだ!」

こちらも。木刀を正眼に構え、いつかの気迫。北花壇騎士の任務では決して見ることの無いそれは、いっそ見事。



和磨の気迫を受け、ジャンヌも笑った。
お互い、最早細々とした事情など眼中に無い。
ただ目の前の強敵に全力をぶつける。
もうそれだけで良い。

互い、言葉は要らず。


ジャンヌが先に咆えた。


「いざ!!」

「尋常に!」

「「勝負!!」」



宣言と同時にジャンヌは杖。レイピアに炎を纏わせ。
こちらも同時に、杖。木刀に風を纏わせ

「うおおおおおおぉぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉ!!」

「はあああぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

互いに全力での踏み込み。

一瞬で距離を詰め、二人は中央で激突。

ズズゴォォ!

炎と風が、凄まじい勢いで吹き荒れる。

一合

二合

三合目

「うおおおおおぉぉぉぉぉおおおおぉぉ!」

「っく!この!あっつ!!」

先に動いたのはジャンヌ。
ジャンヌがレイピアに纏わせる炎の出力を上たため、和磨が押される。
何せ、彼女はトライアングル。和磨はドット。純粋な力比べではどちらが勝つかなど、論ずるまでも無い。
だから和磨は一旦距離を。

「逃げるなぁ!!」

「無茶言うな!」

フライ《重量制御》とウインド《風》を併用しての疾走。流石に、ジャンヌはこれに追いつけない。が

「ならばコレだぁ!!」

宣言と共にルーンを
ジャンヌの周囲にサッカーボール程の大きさの火球が複数出現し

「食らえっ!!」

ダンダンドンドンドン!

一発一発の威力は大きくないが、その数が圧倒的。そして複数の火球を一斉に飛ばすのではなく、マシンガンとはいかないが、リボルバー拳銃の連射速度くらいはあろうか?次々に和磨に向けて発射。

「くっそ!!こんの馬鹿火力娘が!」

威力が低いとは言え、炎の塊。それが体を掠めて次々と。

悪態をつくが、和磨は逃げの一手。
ひたすらに走り続ける。
先程の打ち合いでお互い。凡その実力が判った。
剣術ではジャンヌがやや上。速さでは和磨が上。経験は和磨が圧倒的。魔法ではジャンヌが圧倒。総じてほぼ互角。
しかしそれは、正面から殴り合って互角と言う意味ではもちろん無い。
だから和磨は逃げに徹し、相手の魔力。精神力が切れるのを待つ作戦に出た。

「えぇい!ちょこまかと鬱陶しい!!」

周囲の地形を利用し、またはギャラリーを巻き込む位置に移動したり。遂に学院の壁を垂直に。壁走りまで披露しながら、ただただ回避に努める和磨に、ジャンヌが業を煮やし始めた所

パシュゥ!

彼女の足元。地面が突如光り

「なっ!?」

錬金された手形をした大地が、彼女の両足をがっちりと掴む。

「そこだぁ!」

地に刺していた刀を引き抜き、一気に距離を詰める。

これで決める!

だが


「なめるなぁ!!」

ゴォ!

背後に周り、反撃を受けない様にして突撃した和磨は、突如。
ジャンヌから噴出す炎に進路を塞がれ、慌てて飛び退いた。

「なんっ・・・この・・・」

体勢を立て直すべく一旦距離を取った和磨は、その光景に一瞬目を奪われ絶句。

先程錬金した手は既に引きちぎられ、彼女は。
烈火のジャンヌは、全身から炎を噴出し、こちらを睨みつけてきている。
烈火。その二つ名は、まさに彼女を表している。
溢れ出る魔力が炎として具現化しているのだろう。
それとも、彼女独自の魔法なのだろうか。
どちらにせよ関係なく、今の彼女は炎の化身。そう言った所か。

「まだまだ!いくぞ!カズマァ!!」

「この、またかよ!!」


再び。
和磨が逃げ、ジャンヌが追う。

広場には、炎と風が吹き荒れ




最初の三十分ほど、そんな二人に向けて野次を飛ばしていたギャラリーだが、和磨が容赦なく盾にするのと、方や逃げ、方や追うだけというワンパターンな試合展開にやがて飽きが来たのだろう。

一時間

二時間経過した時。


百は居るのでは無いかと、そう思われた観衆達の姿は既に無く。
広場に残っているのは、立会人のジルと、イザベラの二人。
いや、もう二人。

そこかしこから大地が焦げるような匂い。

「このっ!いつっ!までっ!逃げる気だぁ!!」

「お前がっ!魔力切れにっ!なるまでだよっ!!」

二時間の激闘でお互いにかなり消耗しているが、それでも。五体満足で対峙し続ける。

しかし、限界も近い。
お互いの魔法に最初の頃の様な鋭さも切れも無い。和磨も、もうフライとウインドの併用は止め、足だけで走っている。

だから、互いに最後の一撃。
それぞれの得物に、炎と風を纏わせる。
全力で

「こんのおおおおぉぉぉぉぉ!いい加減にやられろおおおおおぉぉぉぉ!!」

「はっ!冗談だろおぉ!!」

ジャンヌが全力で。
上からレイピアを叩き付ける。

対して和磨は下から。
木刀を切り上げる。

―――これは!―――

ソレを見た事のある蒼の少女は、和磨の勝ちを確信したが


ズゴォン!


双方の剣がぶつかった瞬間。

和磨がいなそうとするが

「はああああああぁぁぁぁぁぁ!!」

彼女の気合と、それに応えるかの様に燃え盛る炎。それらを纏った剣が、いなそうとする此方をその上からでも強引に叩き切らんと

「くっそ!この!」

あの時はそんなに消耗していなかったが、今は違う。それもあってか、いなし切る事は

「おらあああぁぁぁぁぁ!」

最後。和磨が咆えると同時に。
木刀に纏わせていた風を一気に開放。
ゼロ距離からウインドブレイクの魔法を。
風固めて相手を吹き飛ばすという単純な魔法だが、それを剣に集めた風使い一気に開放。
最後の一瞬。ジャンヌも勝ったと、思ったであろう一瞬に。


強風と熱波が広場を駆け抜けた。


「きゃぁ!」

思わずイザベラが悲鳴をあげ、目を閉じる。

一瞬で吹き抜けた熱い風。
おそるおそる。彼女が目を開けると



「はぁっはぁっはぁっ!」

今だ激情を瞳に宿らせ、息を切らし、激しく肩を上下させる戦乙女。ジャンヌがそこに立ち

「っふぅ・・・はぁっ・・・」

同じように。しかし、こちらはどこかホッと。安堵の様子が伺える和磨。

両者。手には何も持っていない。

――――カラン――――カン――――

金属と木が転がる音が響いて

「そこまで!両者戦闘不能と見なし、この決闘引き分け!」

ジルの宣言と共に、長かった決闘は終わりを迎えた。




「待てジル!私はまだ戦えるぞっ!」

「杖も無しに?どちらかが倒れるまで殴りあうつもり?それじゃぁもう、決闘じゃ無くて喧嘩だよ」

興奮冷めやらぬジャンヌが、凄まじい勢いで詰め寄りジルに食って掛かるが、彼はそれを平然と流す。

「ぐっ!それは・・・でも!」

「はいはい。カズマ?君は引き分けで良いよね?」

チラリと、目配せ一つ。
和磨は承知したと言わんばかりに小さく肯き

「ん。いや、俺の負けで良いよ」

「待て!それはダメだ!お前は負けていないだろう!だったら引き分けだ!!」

「そう。じゃ、引き分けね」

ニッコリ

笑顔で締めにかかる。自身で思わず口に出してしまった言葉を引っ込める訳にも行かず。ジャンヌは「うぐっ」とか何とか言いながら、やがて「う~」と唸りながらも、まさに不承不承といった風に了承。

そのまま肩を落としトボトボと。飛ばされたレイピアの下へ

「ほら、コレ」

ジャンヌがたどり着く前に、なんとがイザベラがレイピアを拾っていて、それを手渡す。

「あぁ、ありがとう。しかし、エリザ。お前の言った事は本当だったんだな」

「そうだろう?」

受け取ったレイピアを剣帯へ収め、そのまま二人。どこか誇らし気な姫君と、疲労が。しかし、晴れやかな表情の戦乙女は、何やら仲が良さそうに話し込んでいる。




「何と言うか、女の友情ってのか?こう言う場合ってのは、戦った相手の健闘を称えるとかだなぁ」

「そうだねぇ、まぁボクとしては嬉しい限りだけどね。はい、コレ」

「ん、サンキュ。嬉しいって?」

こちらも、その場に座り込んだ和磨にジルが拾ってきた木刀を手渡す。

「君が本気でやってくれた事。それと、彼女。ジャンヌに友達が出来た事。かな?」

「友達って、今まで居なかったのか?」

「それはホラ。全員と決闘して勝って、認められたってのは良いんだけど、そのせいで友達って呼べるような人は出来なかったんだよ」

受け取った木刀を剣帯に戻しながら、どこか寂しそうな笑顔のジルに疑問を

「お前は、あいつの友達じゃないのか?」

「ん~、どうなんだろう?幼馴染。家臣。家族。かなぁ、ボクの場合は。何と言うか、こう」

「距離が近すぎて良く判んないってヤツ?」

「そうそう、そんな感じ。それに、やっぱり同姓の友達の方が色々と話しやすいと思うしね」

「あぁ、それは同感。良かったよ。気が合いそうな奴に会えて」

「ははは。そうだね。改めて。ボクはジル。ジル・ド・レーエ。ジルで良いよ」

「あぁ。和磨。カズマ・シュヴァリエ・ド・ダテ。和磨で良い」

お互い笑顔で握手。
男同士。女同士。
日が傾いてきたリュティスで、新しい出会い。新しい友情が生まれた日。

彼等の友情は、新たな物語を作り出す。











あとがき
オリキャラ二人追加です。元ネタはまぁ、言うまでも無く。ジルの方は「レイ、レエ」だと語呂悪いかなと、そこで「レーエ」と。何か長男とかにすると長ったらしい名前付けなきゃいけなさそうだったんで三男にしてみたり。
ちなみに、ジルの事は主人公知らないって設定で。あの人あんま有名じゃ無いかな?と。かく言う自分は某聖杯戦争で初めてしったので

ジャンヌの炎出すのは、原作のマリコルが(ギャグ補正あったけど)バチバチと帯電してたシーンがあったんで、あんな感じに感情高ぶると出るのかな~と。

剣に纏わせたのはエア・ニードルの魔法です(杖に鋭く固めた空気を纏わせて貫く)ジャンヌの方はファイア・ニードルって感じですかねぇ。

何故かコピペみすってOrz


2010/07/21 修正


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